改訂版コンピテンシー対応のための試験対策
【 技術士 二次試験対策 】
改訂版コンピテンシーとは?背景と変更点を押さえる
2025年1月、文部科学省の技術士分科会試験部会にて「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」の改訂が正式に決定されました。これにより、令和8年度(2026年度)からの技術士第二次試験は、改訂版コンピテンシーに基づいて実施されることになります(資料はコチラ)。
この記事では、改訂の背景と内容、試験への影響、そして今からできる対策について、詳しく解説します。技術士制度は、社会の変化や技術の進展に対応するため、定期的に見直しが行われています。今回の改訂は、以下の目的で実施されました。
なぜ改訂されたのか?
- APECエンジニア制度との整合性確保
- 情報技術の進展への対応
- 多様性・包摂性・持続可能性の重視
適用時期と周知方法
- 令和8年度試験から改訂版コンピテンシーを適用
- 令和7年度までは従来版で実施
- 日本技術士会ホームページや受験案内で周知済み
主な改訂ポイント
- 問題解決:データ・情報技術の活用、ステークホルダーの意見反映
- コミュニケーション:情報技術の活用、包摂的な意思疎通、協働の重視
- 技術者倫理:社会・経済・環境への影響を予見し、持続可能な成果の達成を目指す
- 継続研さん:CPD活動の明示、新技術への適応力の強化
これらの改訂は、単なる知識だけでなく、実務における応用力や社会的責任、協働力など、より広範な能力が求められることを意味します。
令和8年度試験対策で注意すべきポイント
① 筆記試験:出題形式は維持、回答内容の質が問われる
試験問題の形式自体は変更されませんが、回答に求められる視点が変化します。
対策ポイント①
- 問題解決では、データ活用やステークホルダーの視点を踏まえた提案を意識
- コミュニケーションでは、情報技術の活用や多様性への配慮を盛り込む
- 技術者倫理では、持続可能性や文化的価値の尊重を加える
② 口頭試験:改訂項目に基づいた実務経験の整理が鍵
口頭試験では、改訂されたコンピテンシーに沿った実務経験の説明が求められます。
対策ポイント②
- 自身の業務経験を改訂項目に照らして整理
- 情報技術の活用事例や協働経験を具体的に語れるよう準備
- 倫理的判断や持続可能性への配慮を含む意思決定の事例を用意
③ 継続研さん(CPD):活動の質と成果が問われる
改訂版では「CPD活動を通じてコンピテンシーを維持・向上させる」ことが明記されました。
対策ポイント③
- 過去のCPD活動を棚卸しし、資質向上への貢献を整理
- 今後のCPD計画を立て、継続的な学びの姿勢を示す準備
今からできる準備と学習の進め方
① 改訂版コンピテンシーの読み込みと理解
まずは、改訂版コンピテンシーの全文を丁寧に読み込み、各項目の意味と背景を理解しましょう。
<おすすめ学習法>
- 改訂前後の比較表を活用し、変更点を明確に把握
- 各項目について、自分の業務経験と照らし合わせてメモを作成
② 過去問・模擬問題の活用
出題形式は変わらないため、過去問や模擬問題を活用した演習は有効です。
<ポイント>
- 過去問の回答を見直し、改訂版の視点で再構成
- 模擬口頭試験では、改訂項目に関する質問を想定して準備
③ 情報収集と仲間との共有
令和8年度からの変更は多くの受験者にとって初めての経験です。情報を積極的に収集し、勉強会やSNSなどで仲間と共有することで、理解を深めることができます。
<おすすめアクション>
- 日本技術士会の公式サイトや受験案内を定期的にチェック
- 勉強会やオンラインコミュニティで改訂版コンピテンシーに関する情報交換を行う
④変化をチャンスに変える準備を
令和8年度からの改訂版コンピテンシー導入は、技術士制度の進化を象徴する重要な転換点です。受験者にとっては新たな視点や能力が求められる一方で、自身の成長を示す絶好の機会でもあります。
今から準備を始めることで、試験本番では自信を持って臨むことができます。ぜひ本記事を参考に、令和8年度試験に向けた対策を着実に進めていきましょう。

