技術士 2次試験 を突破するための取り組み方法( メソッド )を解説!
STEP1 ロールモデル
勉強を始めたいけど、実際何から手を付ければ良いのかと途方に暮れてしまします。ズバリ、最初に取り組むことは、ロールモデルつまり「お手本」を見つけることです。技術士の論文を作成する時に意識することは、論文を評価する採点者がいるということです。試験の論文が、採点者の主観で評価されては公平性が確保されません。よって、得点を取るための客観的な判断材料が必ずあるはずです。
しかし、自分で考えて、これが評価されるだろうなんてできるわけありません。そこで大事なのは、「人に頼っちゃえ」です。本サイトの論文データには、私が勉強した際に作成した論文をアップしていきますので、ロールモデルにしていただけると嬉しいです。また、私の場合は、「技術士第二次試験建設部門 合格指南」日経コンストラクション編に記載されている論文例をロールモデルにしています。このような参考書籍を購入してしまうのも、良いと思います。
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STEP 2 書き写し
書き方は何となく理解したけど何を書けばいいの?と思う人は多いと思います。紹介した書籍にも論文例はありますが、各分野で1つの例しかありません。これを丸暗記しても全く意味がありません。ロールモデルは、内容を記憶するのではなく書き方を記憶するために使います。では、試験に出る問題をどう予測すればいいのでしょか。学校のテストで山を張るよりも、技術士の問題を予想するのは遥かに簡単です。建設部門の場合、国土交通白書から出題されると見て、まず間違いがないでしょう。よって、最近話題のキーワードを白書から見つけて、過去問の質問形式に当てはめれば想定問題は簡単にできます(過去問には問題の背景が序論で示されていますが、想定問題の作成時にはカットしてOKです)。また、国土交通省で開催されている各種委員会の検討内容なども押さえておくと、より多彩な想定問題を作成することができます。
白書は結構なボリュームなので、読破するのはかなり時間がかかります。通読するというよりも、キーワード探しをしながら目を通すといった感じで読むと良いでしょう。それでも、時間がないという人は、先ほど紹介した「技術士第二次試験建設部門 合格指南」に重要キーワードも載っているので、これらを用いて問題作成すれば時間短縮になります。しかし、白書からキーワードを探すというプロセスも、試験対策になりますので、白書に目を通すことを強くお勧めします(白書の用語を用いると評価されやすいと考えられます)。
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当たり前ですが、想定問題をたくさん作れば、それだけ合格の可能性は上がります。私の場合、各設問に8パターンの問題を作成しました。試験は全部で4問ありますので、合計で32問を用意したことになります。この結果、試験当日の問題をすべて的中することができました。用意する想定問題のボリューム感を参考にしていただければと思います(問題作成と論文作成に4か月程度かかりました・・・)。
ロールモデルを見つけたら、次にやることはお手本を書き写しましょう。まずは、パソコンのWordなどでタイピングします(後で行う論文作成に使用します)。タイピングしたら次は、必ず紙に書くという作業を行ってください。2度手間のように感じますが、紙に書く理由は、試験当日は答案用紙に鉛筆で論文を書くからです。当たり前ですが、実際書いてみると結構大変なんです。これを認識するためにも書くことをお勧めします。この書き写し作業を行う際に、①各項目に割く紙面の量、②書く順番(流れ)、②書くのにかかる時間などを確認しながら行うと良いです。
STEP3 想定問題の作成
STEP4 論文作成①(骨子の作成)
論文をいきなり書いてしまうと大抵の場合、支離滅裂になったり、論点がずれたりといった具合に上手くいきません。特に技術士の問題は、設問の中に複数の事柄を問うものが散見されます。このことから、一つ一つを漏れなく的確に回答していく必要があります。また、的確な回答に加え、技術力の高さを示唆する表現が不可欠です。ここで言う技術力の高さとは、白書に用いられている用語を適切に使用できているか、国の政策と方向性が合致しているか等の視点になります。
このように、的確な回答と技術力を示す内容を定められた文字数で分かりやすく示していく必要があります。これを実践するためには、いきなり論文を書き始めるのではなく、骨子をまとめることから始めましょう。試験当日も同様です。いきなり論文を書き始めると失敗のリスクが高まるので、問題の論点を素早く整理し、論点に対するキーワードを問題用紙に記載します。後は、体に染みついているであろう文書構成に従い記述していきます。
骨子は、以下の例を参考に作って見てください。やり方は、①問題で問われているところにアンダーラインを引く、②各論点に対するキーワードや回答方針を記載、③キーワードや方針が決まらない場合、白書から見当をつける の手順で進めると良いです。最初は時間がかかりますが、慣れてくるとスムーズにできるようになりますので、最初の不安は無視してください。
例)新技術の導入
(1)新技術を活用し維持管理・更新の高度化・効率化を図るため、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を一つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)全ての解決策を実行したうえで生じる波及効果と、新たな懸念事項への対応策を示せ。
(4)上記事項を業務として遂行する当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。
<骨子>
1.多面的な課題とその観点
①制度面の観点・・・いかに実際の工事に導入するか
②品質面の観点・・・いかに導入効果を検証するか
③コストの観点・・・いかに民間の技術開発を支援するか
2.最も重要な課題
いかに実際の工事に導入するか
3.解決策
①工事での利用
②入札制度の改善
③基準類の整備
4.波及効果
工事や業務の省力化
5.新たな懸念事項
若手技術者の技術力低下
6.懸念事項への対応策
教育システムや資格制度の導入
7.必要な要件と留意点
安全安心・社会ストックの構築・維持
STEP5 論文作成②(ロールモデルの編集)
骨子がまとまったら、いよいよ論文を書いてみましょう。初期段階での論文は、見つけたロールモデルの内容を質問に合った用語に置き換えるような形で書き進めましょう。つまり、ロールモデルの文章構成をそのままに再編集するイメージです。例えば、問題は、「・・・多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点から示せ。」といった具合に問われます。防災・減災がテーマとなっているロールのモデルの回答例は、「・・・技術面の観点から、いかに想定を上回る自然災害への対応が課題である。」といった表現です。新技術の導入がテーマとなっている問題に回答する場合、「・・・品質面の観点から、いかに導入効果を検証するかが課題である。」となるわけです。どんな問題が出題されようとも、採点者に分かりやすい文章構成というものは、そうそう変わるものではありません。
STEP2で書き写したWordファイルの編集、校正を自分で納得できるまで、繰り返し行ってみましょう。この作業は、いくらでも時間かけても大丈夫です。この編集を自分自身で行うことによって、留意点や自分の抱えている課題が見えてきます。納得のいく回答ができたら、ロールモデルの時と同じように紙に書き写す作業を行いましょう。
「編集→校正→書き写し」この3つの行程により、深い理解へとつながり応用力・対応力が格段に上がります。このような力が身に付くと、想定問題が試験に出題された場合はもちろん、ちょっとした変化なら動揺することなく、スムーズに筆を進めることができます。
STEP6 論文作成③(型の習得)
技術的な論文を書く時には、一つの型を持っておくと対応力が高まります。イメージは、必殺技のようなものです。例えば、問題のテーマが、防災であろうと、地方都市の活性化であろうと問題の解決は「集約型の都市構造を目指す」にもっていってしまう型を身に付けると書き進めるのが楽になります。もちろん、すべてが型に収まるわけではありませんが、国はある方向性を持って施策を進めています(ロジックモデル)ので、だいたい2つ3つの型に当てはめることは可能と考えます。出題者も結局は、この大きな流れの中で問題を作成しているのです。私の場合は、「集約型の都市構造」と「DX」この2つにほぼ収斂されていきました。
STEP7 添削
STEP3からSTEP5を繰り返し行えば、論文作成にきっと慣れていくでしょう。しかし、自分では、正しいと思っていても、本当に合っているのか分かりませんよね。間違った方向で繰り返し論文を書き続ければ、悪癖となって合格を遠ざけてしまいます。つまり、客観性を持った第三者に文章を見てもらうことが極めて重要です。近くに技術士の方がいれば、積極的に添削をお願いしましょう(専門外の技術士さんでもOKです。分かりやすい文章作成能力は専門問わず高いはずです)。つまり、このSTEPがコソコソ勉強の最大の障壁になります。恥ずかしがり屋さんは、多くの論文を見て自分なりに客観性を備えることも不可能ではありませんが、やはり誰かに見てもらうのが効果的です。
よって、少しでもお手伝いできればと思いますので、問い合わせからダイレクトメッセージをもらえれば、時間の許す限り添削したいと思っています。また、添削の結果は、アップさせていただけるととてもうれしいです。きっと、誰かの役に立つと思います。みんなで合格しましょう。
本番前
質の高い論文(想定問答)をどれだけ作成できたかが、合否を分ける要因だと思います。ここまでには、すでに多くの論文がお手元にそろっているはずです。本番直前は、自分自身が書いた論文を読み込み、疑問点や理解が十分でない所等がないか最終チェックをしてください。心配な部分は、国土交通省等国のHPを閲覧し補強してください。試験当日は、とんでもない量の文章を書くことになりますので、体調管理に気を付けてください。