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技術士 二次試験対策 鳴りを潜めていた「地域公共交通」が今回注目される訳!?

コラム
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地域公共交通が熱い!

【 技術士 二次試験対策 】

早いもので、もう9月に突入してしまいましたね。技術士 受験生にとって、一年間はあっというまです。筆記試験や口頭試験の直前に焦らず試験に臨めるようにこの時期しっかり準備しておくことが大切です。何時間も費やして勉強するのではなく、ちょっとした時間に情報収集し、日常の中に技術士対策を溶け込ませていくことが有益です。こうすることにより、試験前の勉強が驚くほどスムーズに実施できるでしょう。

さて、今回のトピックは、交通関連情報です。私は、交通工学を専攻して学んでおり、個人的に大変興味のある分野です。この興味深い交通ですが、近年はいくつもの問題が顕在化しており、そのソリューションが求められています。交通サービスの変革は、都市構造にも大きな影響を与えることから、様々な都市の課題を解決へと導くものと考えられます。近年、都市構造で注目されているのは、コンパクト・プラス・ネットワークです。

コンパクトシティ(集約型の都市構造)は、かねてより注目されている都市構造です。都市機能を集約することで、インフラ投資の抑制や、職住近接により移動時間が減少し生産性の向上や温室効果ガスの減少などの効果が見込まれました。しかし、都市機能を集約することで、渋滞問題や地価の高騰などマイナス要因を引き起こす可能性が危惧されます。

そこで、大事になるのが「ネットワーク」つまり交通体系なのです。現在は、コンパクトシティといっても一か所にすべての都市機能を集めるのではなく、拠点を複数設置する多極分散型が主流となっています。このように拠点がたくさんあるわけですから、この拠点を結ぶ交通ネットワークが重要というロジックです。

この都市づくりを考える上で重要となる交通ですが、コロナウイルスの感染拡大やICTの進展により変革期をを迎えているといってよいでしょう。地方の公共交通は、人口減少やマイカーの普及などにより厳しい経営を強いられていることに加え、コロナウイルスの感染拡大によりさらに厳しい経営状況となっています。最近は、経営の回復をみせる事業者もあるようですが、人口減少といった根本的な社会背景が変わらないことや、テレワークの普及といった新たな要因により公共交通の厳しい環境は依然として変わらないと考えます。一方で、ICTの進展により、自動運転、EV車の普及、ドローン配送、MaaSといった新しい技術による変革がもたらされています。

このように社会や技術が変化する中、国は地域公共交通を「リ・デザイン」(再構築)する必要があると考えています。この考えの下、地域の関係者の連携・協働(共創)を通じ、利便性・持続可能性・生産性の高い地域公共交通への「リ・デザイン」(再構築)を進めるために「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律」を令和5年4月に公布されたところです。

さらに、今般、同法の施行に向けて、地域公共交通の活性化及び再生の意義・目標や、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(平成19年法律第59号)に関する基本的な事項等を定める「地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針」について変更を行っています(公布:令和5年 8月31日、施行:令和5年10月 1日)。

主な変更点は以下のとおりです。
・「連携と協働」の促進のため必要な事項の追加、まちづくりとの連携に関する記載の充実
・地域公共交通利便増進事業の留意事項の追加
・鉄道事業再構築事業の定義変更及び留意事項の追加
・再構築方針の作成に関する基本的な事項の追加
※詳細は国土交通省の資料をご参照ください。

建設部門 特に都市及び地方計画においては、「この交通関連問題は出題されやすいはずなのになぁ」と常々考えていました。また、添削LIVEにおいても交通関連を題材とした論文は多く寄せられており、その注目度が高いことも伺えます。しかし、実際の出題には至ってません。おそらく、この基本方針が定まっていなかったことが要因ではないかと推測されます。今回、「地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針」で再構築方針の作成に関する基本的な事項が新たに加えられており、出題環境が整ったのではないでしょうか。

直接の出題がなかった場合でも、近年必要とされる都市構造を説明する上で、これらの考えは非常に役立つと考えられます。よって、必須科目等の解答に生かせる万能トピックと言えるのではないでしょうか。この機会に交通を深堀してみてはいかがでしょうか。みなさんの強力な武器になると思いますよ。

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