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技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ   予想問題 「持続可能な建設業」

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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今年の必須科目はチャンス

本日の投稿は、予想問題「持続可能な建設業」になります。テーマの表現は異なりますが、働き方改革や担い手確保といったものと類似しています。必須科目Ⅰは、建設部門の共通科目なので専門分野に限定されない幅広いテーマが設定されます。

そういった意味で今回の「持続可能な建設業」という予想は、的を射ていると言えます。もう、これらが出題されなかったら、出題者のセンスが疑われるレベルです。予想とは言え、このテーマの練習論文を完璧に仕上げていくことは、相当重要と言えます。だからといって、山を張るのはリスクなので数種類の論文は用意しましょうね。

このテーマは、誰もが賞賛する最高の論文に仕上げましょう。最高の論文にするためには、言うまでもなく添削が重要です(投稿お待ちしております)。しかし、添削してもらって、指摘事項を修正して終わりでは、練習スキームとして適切ではありません。

実は、論文作成→添削→修正→完成という流れだけでは、プロセスが欠けてしまっています。本来は、論文作成→推敲→添削→修正→完成という流れになります。この推敲ステップが、大変重要な勉強なのです。自分でチェックすれば、添削の指摘はそのまま自分が見落とした部分になります。この推敲→添削の流れを繰り返すことにより、自分自身で間違いを予防できる能力が身に付きます。私は、この推敲に相当の時間を費やしました。

このセルフチェック能力が身につけば、問題が少々変化したところで十分対応できます。この対応力を備えれば、合格の可能性を高めることができます。そして何より、この能力は、みなさんの業務にも役立つので、将来にわたっての資産になります。穴があくまで、自分の書いた論文をチェックしましょう。

積算基準が改定

国土交通省が、令和6年度の積算基準を見直しました(報道発表はコチラ)。この見直しの背景は、「働き方改革のための取組の加速」です。今回の投稿論文のテーマが、重要であることがまた裏付けされました。

働き方改革に関連する見直し内容は、以下のとおりです。

  • 週休2日の「質の向上」の拡大 ~他産業と遜色のない休日の確保~
  • 工事及び業務における現場環境改善~ウィークリースタンスの取組~
  • 受注業者の書類作成業務のさらなる負担軽減
  • 時間外労働規制適用に対応するための現場管理費の見直し
  • 移動時間を踏まえた積算の適正化

「施工計画、施工設備及び積算」で受験を検討している人は、要チェックです。そうでなくても、必須科目の課題や解決策として十分使えそうなので、みんなも要チェックです。

国は、「2024 (R6)年4月からの労働基準法時間外労働規制の適用が開始されることを踏まえ、国土交通省の直轄工事において、受注業者の対応を支援するために、週休2日の「質の向上」の拡大などの働き方改革を強力に推進」と言っています。

やはり、2024年問題を見据えての動きです。もう、一か月しかないですから、具体的な動きが活発化しています。物価高騰に加え、必然的に人件費も上がるでしょうから、建設事業費も今後うなぎ上りになるんでしょうね。投資控えがおきないといいですけどねぇ…

論文

今回の論文は、 建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ の予想問題「持続可能な建設業」になります。テーマについては色々述べたので、早速、論文をみてみましょう。

問題

Ⅰ-1 2024年4月から建設業でも、他の産業と同様に時間外労働の上限規制の適用が始まる。長期間労働の是正が求められるなか、中小規模の建設会社を中心に、法令の上限を上回る時間外労働が常態化しているケースは珍しくない。
  このような状況において、「持続可能な建設業」を実現するための方策について、以下の問いに答えよ。

(1)持続可能な建設業の実現を進めるに当たり、技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点を述べよ。

課題

(1) 課題の抽出
①建設技能者の処遇改善
 建設技能者は、異なる事業者の様々な現場で働くため、個人の能力の客観的な評価が困難である。よって本人のスキルアップが処遇の向上に繋がりにくい。 故に他産業に比べて高技能の技能者であっても賃金水準が低い。そのため建設キャリアアップシステムの適切な活用等による担い手の処遇改善が課題である


① 若干主語述語の関係に違和感があります。評価が困難だとする人は、建設技能者ではないからです。→「建設技能者は・・・その能力を客観的に評価されない(傾向がある)。」

② →「建設技能者」

③ 主語を明確にしましょう。また、表現が重複気味ですね。→「建設業は、他産業に比べて高いスキルを持つ者」

④ 観点がありません。この場合は、「仕組み面の観点」などが考えられます。


②適正な工期の設定
公共工事では、単年度の予算成立後の契約手続きが一般的なため、年度初めと年度末の出来高に大きな差がある。民間工事では事業採算性が厳しく問われるため、余裕のない工期設定となることが多い。それらが繁忙期の技術者の長時間労働に繋がっている。故に建築工事における適正な工期の設定が課題である


⑤ この部分の意図するところは、発注時期に偏りがあり繁忙期を発生させているということですかね。そうであるならば、問題点を明確に示す必要があると思います。→「年度初めに比べ、年度末に工事が集中する。」

⑥ 背景の要因に対する問題点を順序だてて明確にしましょう。要因:発注時期の偏り&余裕のない工期→繁忙期が発生→長時間労働というロジックですよね。よって、「繁忙期の」ではなく「繁忙期を発生させ」としてはいかがでしょうか。

⑦ これも、観点がありません。この場合は、「制度面の観点」などが考えられます。


③さらなる生産性向上
 建設現場は一品生産、現地屋外生産、労働集約型生産の特長をもつ。故に製造業のようなライン生産方式、ロボット化等の自動化が困難である。しかし、建設業でも時間外労働の上限規制が適用となる中、生産性向上による魅力向上は産業維持に不可欠である。故に全面的なICTの活用、書類の簡素化、中小企業への支援等による生産性向上が課題である。


⑧ 建設現場という主語に対しては、「がある」とした方が良いと思います。

⑨ 「も」とありますが、何に対する追加ですか。おそらく、物流業界に加えといった意図だと推察しますが、この説明がないので違和感があります。→「では」

⑩ 担い手確保と労働力不足の問題がごっちゃになっていますね。建設業の魅力確保は、担い手を確保するための手段だと考えます。一方、前段で説明されている時間外労働の上限規制は、残業ができなくなるので労働力が低下することに対し、生産性を向上させ労働力不足を補う手段と考えます。つまり、生産性の向上は魅力を上げるための手段と直接的に結びつかないと思います。もちろん。生産性の向上→労働環境の改善→魅力向上という関係性にはありますので、全く無関係という訳ではありませんが、この主張をしたいのであれば労働環境の改善というプロセスを説明すべきです。

⑪ これも、観点がありません。この場合は、「人材面の観点」などが考えられます。

解決策

(2) 複数の解決策の提示
 比較的新たな投資が少なく、費用対効果が高いため、「適正な工期の設定」を最も重要な課題とし、解決策を次に示す。


⑫ 選定理由が端的かつ的確でとても良いと思います。


①余裕期間制度の活用
 工事契約にあたり余裕期間を設定し、工事開始日や完了期限日を柔軟に設定する。受注者のノウハウを活かす観点から、受注者が工事の始期と終期を全体工期内で選択できるフレックス方式をできるだけ選択する
 柔軟な工期設定を通じ、受注者が建設資材や建設技能者を確保でき受注者の視点から工期を平準化できる効果がある。


⑬ 「・・・設定し、・・・設定する。」という構文上の違和感に加え、余裕工期を設定するのは発注者、着工や完了日を設定するのは受注者ではありませんか。主語が異なるものが、一文に混在していると読み手は混乱してしまいます。また、解決策は行政目線で書くと良いでしょう。→「工事契約にあたり、受注者が工事開始日や完了期限日を柔軟に設定できるよう、発注者に対し余裕期間の設定を促す。」

⑭ 受注者がフレックス方式を選択できる環境にあるのであれば、問題は解決できていますよね。これは発注者がフレックス方式を導入するのではありませんか。→「発注者に対し、・・・方式の導入も促す。」

⑮ 現状、厳しいながらも確保はできているので、「受注者は・・・の確保が容易となり、・・・」とすべきではないでしょうか。

⑯ 受注者ができる工期の平準化とはいったいどのようなことなのでしょうか。「円滑な工程管理が可能」ということですかね。


②工期設定支援システムの活用
 標準作業日数の算出、工種間の接続支援機能を有する電子的な工期設定支援システムを活用する。算出した工期は過去の同種工事の統計的分析に基づく標準工期と照らし合わせ、妥当性の検証を自動的に行う。標準工期と比べて大幅な工期圧縮がみられた場合は注意喚起メッセージを出し、無理な発注を防止する。受発注者双方の業務負担を軽減する効果がある


⑰ 「算出した工期は、・・・検証を自動的に行う」になっています。工期は人ではないので、受け身ですね。→「・・・自動的に妥当性が検証されたものとなる。」あるいは主語を変えて「工期は、・・・妥当性の検証が自動的に行われ算出される。」といった表現にすべきと考えます。

⑱ 解決策のパートは、やることを書きます。よって、文末は「軽減する」が望まれます。また、手段が分かりにくいので追記しましょう。→「工期設定支援システムの活用により、・・・軽減する」


③施工時期の平準化
 公共工事では、債務負担行為の積極的な活用により、年度に囚われない工期を設定する。民間工事でも補助金の交付を受ける業務は繰越制度を適切に活用する。さらに大規模な工事の見通しの公表を通じ、工事時期の集中を回避する。施工時期を平準化し、長時間労働を抑制する効果がある


⑲ ⑱と同様に、「抑制する」としましょう。

新たなリスク

(3) 新たなリスクとそれへの対策
①工事費上昇リスク
 適正な工期設定により、これまでよりも全体工期が延び、全体工事費上昇により発注者予算と乖離するリスクがある。
対応策:発注前の受発注者間の日程調整を丁寧に実施するICT活用による生産性向上により工期短縮に努める


⑳ 不要。

㉑ 何の日程ですか。この調整により、なぜ工事費の上昇を防げる(工期短縮される)のですか。説明不足ですね。

㉒ 「・・・により、・・・による」との表現が気になります。→「ICT活用により生産性を向上させることで」

㉓ 対応策なので、努力と言った姿勢ではなくやることを明確に書きましょう。→「を図る」


②契約事務の煩雑化リスク
 下請け構造の建設業界において契約前の関係者間の調整が増加し、労力が増加するリスクがある。
対応策:書式の統一、電子化、提出書類の簡素化により作業を効率化する。


㉔ 解決策の実施によってなぜ関係者間の調整が増加するのかその仕組みが分かりません。

㉕ 調整の増加を解決する手段として、なぜ書類事務の過疎化なのか理解できません。一見して関係のない事柄であるように感じます。

要点・留意点

(4) 技術者倫理、社会持続性の観点
①技術者としての倫理の観点
 気候、社会情勢等のリスク要因により労働環境確保と日程、品質確保の両立が困難な場合がある。そのような場合も客観的な情報に基づき公正に判断し、公衆の安全、福利を最優先に行動するとともに、丁寧な説明により関係者の理解を得る


㉖ 要点と留意点を書けとありますので、これを明確に記述しましょう。例えば、「行動することが要点であり、・・・・関係者の理解促進に留意する。」といった表現が望まれます。


②社会の持続性の観点
 建設業として気候変動緩和、GXに資するため、バイオ燃料による建設機械の導入、工事監理の高度化(ダンプ待ち時間短縮、戻りコンの縮減等)等により工事中のCO2削減に留意する。 以上


㉗ ㉖と同様。例えば、「要点は、建設業として・・・に寄与することである。」といった具合に明確化しましょう。

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