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技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ   予想問題 「まちづくりGX」 出来がいいので完成まで一気にいきます

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【 技術士 二次試験対策 】

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出来がいいぞ 「まちづくりGX」

今回の投稿は、またまた予想問題の「まちづくりGX」です(前回の予想問題の投稿はコチラ)。もう試験を見据えた実践練習として、予想問題を作成し解答を用意するフェーズに入りましょう。さらに、今回も骨子も送っていただいたので、論文と一緒にみていきましょう。

技術士 二次試験対策 まちづくりGX骨子

この骨子も、良く考えられていますね。観点と課題の関係が適切で、グリーンインフラ等の資料をしっかり読み込んでいおり、解決策もホットな情報が組み込まれています。資料から情報収集するとき、どうしても断片的になってしまい主張がまとまらないといった経験はありませんか。骨子は論文の全体構成が見えやすくなるので、バラバラな情報を一貫性のある主張に束ねやすいのです。

また、一旦設定した提案でも、もっと良い提案がないかなといった目的意識を持って、資料を見れば良い情報を見つけやすくなります。骨子は端的にまとめられているので、修正も容易です。推敲が面白いように進みます。

論文

今回は、出来が良かったので、完成まで一気に見ていきましょう。みなさんの参考になる論文に仕上がっています。テーマも「まちづくりGX」なので、注目度も高いです。では、早速、論文を見てみましょう。

問題

Ⅰ-1 人々の暮らしは豊かで便利になる一方で、地球環境は限界を迎えつつある。このような状況の中、世界的に自然再興(ネイチャーポジティブ)やカーボンニュートラルの実現に向けた動きが、世界的に活発化している。2022年12月には、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において、新たな生物多様性枠組である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、我が国においても、「自然と共生する社会」を目指すこととしている。また、2050年カーボンニュートラルの実現を宣言し、この宣言と整合的で野心的な目標として、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指すこと、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けていくことを示している。
 世界規模でグリーントランスフォーメーション(GX)実現に向けた動きが活発化している中、GXと産業競争力強化・経済成長を同時に実現するため、以下の問いに答えよ。

(1)ネイチャーポジティブとカーボンニュートラルの実現に向けてまちづくりGXを推進するに当たり、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点を述べよ。

課題

1.多面的な課題とその観点
(1)いかに持続可能な都市を構築するか
 気候変動により、将来的な健康被害や経済的損失等、人々の生活に重大な影響を及ぼすことが危惧されている。温室効果ガスの多くは都市から排出されており、都市が率先して脱炭素社会を目指して対策を講じることが重要である。よって、技術面の観点から、持続可能な都市の構築が課題である。


① 「近年の地球温暖化に伴う」を加えると後述の温室効果ガスにつながり、前後の文の関連性が出てより良くなると思います。

② 「悪影響」とした方がより分かりやすくなると思います。

③ 都市だと無機質なので、「都市活動」とした方がより良いでしょう。

④ 都市は人ではないので「率先して」との表現に違和感があります。都市活動という表現に変えたこと、持続可能な都市の構築という課題を踏まえ、「都市活動を低下させることなく、脱炭素社会を目指すことが重要である。」としてはいかがでしょうか。


(2)いかに省人化を図るか
 まちづくりGXを推進する上で、建設分野やデジタル分野等の様々な側面からGX技術を活用していくことが有効である。しかし、少子高齢化や人口減少等を背景に技術者不足が深刻化しており、限られた人材の中で講じることが求められている。よって、人材面の観点から省人化するかが課題である。


⑤ 建設分野、デジタル分野の側面をGX技術の活用すべき理由としていますが、抽象的でなぜなのか理解できません。また、GX技術も何を表しているか分かりません。前後の文脈を考慮すると「GXを推進するためには、建設分野やデジタル分野の技術を複合的に活用することが有効であり、多様で多くの人材が必要である。」が言いたいことですかね?

⑥ 何を講じるのか分かりません。冒頭に「GXを推進する上で」とあるので、「限られた人材で推進すること」とすると省略しても何を指しているのか分かるようになると思います。


(3)いかに、官民連携を促進するか
 脱炭素社会やカーボンニュートラルの実現には長期的な取り組みが求められる。そのため、地方自治体においては、市民や企業が実施する取り組みと連携した施策が重要である。よって、仕組み面の観点から、官民連携促進が課題である。


⑦ 読点不要。

⑧ 若干の違いはあるものの、同じことを言っていませんか。どちらか一方でOK。

⑨ 「長期的な取り組みが求められる」とありますが、求められているわけではなく、設備投資等が伴うので必然的に長期化するのではありませんか。さらに、長期的に取り組むことを理由として、官民連携することが重要というロジックも理解できません。おそらく、時間も金もかかるので、行政主導では限界がだからといったことが、理由なのではないでしょうか。まとめると、「脱炭素社会の実現には、多大なコストと時間を要する。そのため、行政のみが取り組むのではなく、市民や企業といった多様な主体と連携して進めていくことが重要である。」としてはいかがでしょうか。

⑩ →「の」

解決策

2.最も重要な課題と解決策
 上記の内、他の課題解決と比べ効果が高いことから、「いかに持続可能な都市を構築するか」を最も重要な課題に選定する。解決策を以下に述べる。

解決策


⑪ 端的に表現することと効果を特定するために「まちづくりGX実現への効果が相対的に高い」

⑫ 「解決策を以下に述べる」とあるので、小見出しの「解決策」は不要(スペースがもったいない)。


(1)グリーンインフラのビルトイン
①建築物へのビルトイン
 屋上・壁面の緑化を整備することで、冷暖房効率の改善を図る。また、屋内外を連続的な緑で形成したバイオフィリックデザインを導入することで、温室効果ガスの吸収とウェルビーイング向上の相乗効果を図る


⑬ 解決策は、行政目線で書きましょう。整備するのは事業者なので、ここは「促進」となります。

⑭ 技術的な表現として「遮熱効果による空調の省エネ化」としてはいかがでしょうか。

⑮ →「屋内外の空間において連続的に緑を配置するバイオフィリックデザイン」

⑯ →「生み出す」


②道路空間へのビルトイン
 植樹によるバイオスウェル機能を具備した歩道を整備する。礫や砂利等の植栽基盤に表流水を浸透・貯留させることで、地下水涵養や水質浄化、生態系機能に寄与する空間を創出する。


⑰ バイオウェルは施設であり、機能は雨水浸透ではありませんか。→「雨水浸透貯留機能を持つ植栽地としてバイオウェルを具備した」


③低未利用地へのビルトイン
 空き家や開発で発生した空閑地をクラインガルテンとして活用する。さらに、グリーンインフラの機能を説明する看板や地表面温度の測定器を設置し効果を見える化することで住民の環境意識の醸成を図る。


⑱ 「クラインガルテン」勉強になります。個人的には、すばらしい表現だと思いますが、技術士試験の点数を稼ぎに行くには、国の制度にある「市民農園」や「市民緑地」の方が良いかもです。


(2)コンパクトシティ+ネットワーク
 立地適正化計画と地域公共交通計画の連動により集約型都市構造を構築する。居住誘導区域を設定することで、居住や都市機能の集積を図る。加えて、生活拠点を結ぶように公共交通を再構築することで、多極ネットワーク型の効率的な移動を行う。交通モードには、LRTやグリーンスローモビリティ等、EVモビリティを導入し、環境負荷の小さい移動を行う


⑲ 居住誘導区域は、居住の集積です。都市機能の集積は、都市機能誘導区域です。この部分は、前段で集約型都市構造と言っているので、重複ぎみですね。よって、集約型都市構造の効果を書いてはどうでしょうか。例えば、「・・・構築する。これにより、歩いて暮らせるまちが形成され、移動に伴うCO2が削減できる。」などが考えられます。

⑳ 移動をするのは市民なので、行政がやることは「促す」になります。

㉑ ⑳同様、移動するのは市民なので、「環境負荷の低減を図る」になります。


(3)エネルギー利用の最適化
 再エネを最大限活用した、ゼロエネルギー街区を形成する。発電には、従来の太陽光発電に加えて、余剰電気で製造した水素を用いた燃料電池による発電や、バイオガス発電等の再エネ電源を導入する。蓄電池には、VSGインバータ―を活用し再エネ電力100%の地域マイクログリッドを構築する。また、マイクロコージェネレーションシステムを設置することで発生する熱を有効活用することにより多様な電力供給とエネルギーロスの軽減を実現する


㉒ 内容からするに、「電力供給の多様化・効率化」または「分散型電源の導入」といった感じではないでしょうか。

㉓ 「発電には、・・・による発電」になっています。また、水素エネルギー蓄電設備の仕組みが少し分かりづらいですね。また、水素発電とのバランスを踏まえ、バイオガス発電も少し説明を加えた方が良いですね。→「再エネ電源には、従来の太陽光発電に加えて、再エネの余剰電力により製造貯蔵した水素を活用した水素蓄電システムや、下水道の汚泥等を活用したバイオガス発電等を導入する。

㉔ システムの内容を先に説明した方が良いですね。→「排熱を有効活用するマイクロコージェネレーションシステムを設置し、」

㉕ 多様な電力供給は、この項目全体を通しての結論です。コージェネとの因果関係は、エネルギーロスの軽減だけですね。多様な電源を言うのであれば、最後に全体のまとめとして結論を述べた方が良いです。→「・・・により、エネルギーロスの軽減を実現する。このように、電力供給の多様化とエネルギーの効率的な利用を推進する。」

新たなリスク

3.新たなリスク
 解決策の実行による温室効果ガスの削減効果を実感するには、長期的な取り組みが必要となる。しかし、イニシャルコストやランニングコストは多額となるため、事業者が長期来な事業を実施する上では取り組み意欲が低下する恐れがある。
 対応策として、ESG投資の普及促進があげられる。長期的な資産運用が期待できることから、企業側でも安定的な資金調達が行える。また地方自治体においては、事業実施に伴いESG債を積極的に活用する。


㉖ 時間の経過とコスト高は逆接の関係にはないと思います。

㉗ →長期的

㉘ 解決策を講じた結果生じるリスクを書くのですよ。単純にお金がなくなるということで良いのではないでしょうか。→「上記対策には多大な設備投資が必要となるため、設備投資過多となりキャッシュフローが悪化するリスクが生じる」

㉙ これは投資家目線ではありませんか。→「ESG投資は環境という社会的インパクトが投資家に評価されるため、環境に寄与する設備投資に対して資金調達が容易となる。」

要件・留意点

4.必要な要件と留意点
 業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で常にこれらを意識するよう留意する。


㉚ 「以上」を書きましょう。

完成論文

1.多面的な課題とその観点
(1)いかに持続可能な都市を構築するか
 近年の地球温暖化に伴う気候変動により、将来的な健康被害や経済的損失等、人々の生活に重大な悪影響を及ぼすことが危惧されている。温室効果ガスの多くは都市活動から排出されるが、この活動を維持したまま脱炭素社会を構築する必要がある。よって、技術面の観点から、持続可能な都市の構築が課題である。

(2)いかに省人化を図るか
 まちづくりGXを推進するには、建設分野やデジタル分野等、技術の複合的な活用が有効である。このため、GX技術の活用には多くの人材が必要となるが、少子高齢化等を背景に技術者不足が深刻化している。そのため、限られた人材で推進することが求められている。よって、人材面の観点から省人化が課題である。

(3)いかに官民連携を促進するか
 脱炭素社会の実現には長期的な取り組みが必要とされ、実現には多大なコストと時間を要する。そのため、行政だけでなく市民や企業といった多様な主体が連携して取り組んでいくことが重要である。よって、仕組み面の観点から、官民連携の促進が課題である。

2.最も重要な課題と解決策
 まちづくりGX実現への効果が高いことから、「いかに持続可能な都市を構築するか」を最も重要な課題に選定する。解決策を以下に述べる。

(1)グリーンインフラのビルトイン
①建築物へのビルトイン
 屋上・壁面の緑化を促進することで、遮熱効果による空調の省エネ化を図る。また、屋内外の空間において連続的に緑を配置するバイオフィリックデザインを導入することで、温室効果ガスの吸収とウェルビーイング向上の相乗効果を生み出す。

②道路空間へのビルトイン
 雨水浸透貯留機能を持つ植栽地として、バイオスウェルを具備した歩道を整備する。礫や砂利等の植栽基盤に表流水を浸透・貯留させることで、地下水涵養や水質浄化、生態系機能に寄与する空間を創出する。

③低未利用地へのビルトイン
 空き家や開発で発生した空閑地をクラインガルテンとして活用する。さらに、グリーンインフラの機能を説明する看板や地表面温度の測定器を設置し効果を見える化することで住民の環境意識の醸成を図る。

(2)コンパクトシティ+ネットワーク
 立地適正化計画と地域公共交通計画の連動により集約型都市構造を構築する。歩いて暮らせるまちの形成により、移動に伴う温室効果ガスを削減する。加えて、生活拠点を結ぶように公共交通を再構築することで、多極ネットワーク型の効率的な移動を促す。交通モードには、LRTやグリーンスローモビリティ等、EVモビリティを導入し、環境負荷の低減を図る。

(3)分散型電源の導入
 再エネを最大限活用した、ゼロエネルギー街区を形成する。再エネ発電には、従来の太陽光発電に加え再エネの余剰電気で製造・貯蔵した水素を活用した水素蓄電システムや、下水道汚泥等を活用したバイオガス発電等を導入する。蓄電池には、VSGインバータ―を活用し再エネ電力100%の地域マイクログリッドを構築する。また、排熱を有効活用するマイクロコージェネレーションシステムを設置し、エネルギーロスの軽減を実現する。このように、電力供給の多様化とエネルギーの効率的な利用を推進する。

3.新たなリスク
 上記の対策には多大な設備投資が必要となるため、投資過多となりキャッシュフローが悪化するリスクが生じる。
 対応策として、ESG投資の普及促進があげられる。ESG投資は環境という社会的インパクトが投資家に評価されるため、環境に寄与する設備投資に対して資金調達が容易となる。また地方自治体においては、事業実施に伴いESG債を積極的に活用する。

4.必要な要件と留意点
業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で常にこれらを意識するよう留意する。   以上

※ 赤字部分は修正箇所

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