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技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ 予想問題 大人気「まちづくりGX」

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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グリーン社会実現推進本部

本日お届けする添削LIVEは、大人気「まちづくりGX」です。まちづくりGXは、さまざまな要素が組み合わさっています。これが、実態を分かりづらくさせています。あらためて、グリーン・トランスフォーメーションとは何なのだということを見ていきたいと思います。

GXを理解するのに最適なのが、「国土交通省グリーン社会実現推進本部」での議論です(掲載ページはコチラ)。この組織は、2050年カーボンニュートラルの実現、気候危機への対応など、グリーン社会の実現に向け、「脱炭素社会」、「気候変動適応社会」、「自然共生社会」、「循環型社会」の実現に取り組んでいます。

この組織の取組みこそが、GXの構成要素と捉えて良いでしょう。グリーン社会実現推進本部は、令和6年5月27日に開催予定ですので、会議資料を追って確認すると最新情報が入手でき、技術力UPが可能となります。今回は、前回会議での情報を確認してみます。

この資料の中には、最近のGXに関する国の動向が簡潔にまとめられています。少し紹介しますと次のような項目になります。直近の活動が活発であることが伺えます。

  • 官邸における「GX実行会議」 創設 (令和4年7~12月にかけて5回開催)
  • 内閣総理大臣施政方針演説(令和5年1月23日)
  • 「GX実現に向けた基本方針」 閣議決定(令和5年2月10日)
  • 「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)」(令和6年2月16日施行)

特に、重要なのが基本方針GX推進法です。基本方針では、エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXの取組、成長志向型カーボンプライシング(CP)構想等の実現・実行など、今後10年を見据えたGXの取組の方向性等をとりまとめられています。

技術士 二次試験対策 GX実現に向けた基本方針の概要

一方、GX推進法は、基本方針に基づき、(1)GX推進戦略の策定・実行、(2)GX経済移行債の発行、(3)成長志向型カーボンプライシングの導入、(4)GX推進機構の設立、(5)進捗評価と必要な見直しを定めています。

このように、基本方針や法においては、軸足をエネルギー確保と原資を調達する手段に置かれています。では、建設部門では、何を語ればいいのかということも、同資料において明確にされています。次の分野において、GXに向けた研究開発・設備投資・需要創出等の取組みを推進することとされています。ご自身の専門科目を中心に関連知識を広げていくと良いでしょう。

  • 運輸(次世代自動車、次世代航空機、ゼロエミッション船舶、鉄道、物流・人流)
  • 住宅・建築物
  • インフラ(道路、ダム・下水道、まちづくり、カーボンニュートラルポート)
  • CO2削減コンクリート等

※第5回会議(令和5年5月10日 開催)において示された、資料1 GXの実現に向けた政府全体の動向と国土交通省の取組についてには各分野のタスクとロードマップが示されていますので、とても参考になります。ぜひ、確認いただき論文の参考資料やキーワード学習にお役立てください。

論文

課題

1.多面的な課題とその観点
(1)低炭素まちづくりの推進(環境面)
 近年の頻発する異常気象(猛暑、台風、豪雨等)はCO2排出による地球温暖化が原因といわれている。このまま地球温暖化が進行すると、更なる気候変動による甚大な被害の増大が懸念される。よって、環境面の観点から、低炭素まちづくりの推進が課題である。


① GXの推進が題意なのですが、この背景は防災の必要性を述べているように見えます。課題の低炭素まちづくりは、GXと関係性があるので良いと思いますので、背景のアプローチを変えましょう。低炭素化を進める必要性や、それをまちづくり単位で行うことの合理性等を背景として説明すべきと考えます。


(2)インフラ施設の老朽化対策(防災面)
 日本のインフラは高度経済成長期以降に整備され、建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に増加する。インフラ施設は、平時の社会的機能に加え、災害時には防災的機能を有する役割がある。しかし、老朽化した施設は本来の防災機能が働かず、被害拡大の要因となる。よって、防災面の観点から、インフラ施設の老朽化対策が課題である。


② GXを推進するための課題を書くのですよ。なぜ老朽化対策がGXの推進につながるのか理解できません。また、それを説明する背景もありません。題意に即した課題設定になっていません。


(3)担い手不足への対応(人材面)
 人口減少・少子高齢化の進展に伴い、森林間伐や土砂崩壊の防止など国土管理上重要な機能を果たしてきた森林や農地等を管理する担い手不足が深刻化している。十分な管理ができないため、管理放棄地や低未利用地が増加している。よって、人材面の観点から土地利用変化への対応が課題である。


③ 森林間伐は構文上「重要な機能」にかかっていると思いますが、森林間伐は機能を保全するための手段であり、機能そのものではありません。

④ 機能の例示は、森林間伐と土砂崩壊の防止となっていますが、農地はこれらの機能を有しているのでしょうか。

⑤ 一文が長く読みづらいですね。重要な機能を有することと、担い手が不足していることは分けて書くと良いでしょう。

⑥ 前段で管理されていないとあるので、管理放棄地であることは明らかです。この場合は、耕作放棄地ですかね。また、低未利用土地は、空き地や空き家、空き店舗など使われていない土地や周辺に比べて劣っている土地の使われ方をしている土地を指しますので、管理されない森林や農地が該当するか疑義があります。

⑦ 担い手不足なので人材面という観点は分かりますが、土地利用変化への対応という課題はどのような行動なのか分かりません。また、観点との関連性も不明です。文脈から読み取ると、単純に緑の管理や担い手確保だと思います。

解決策

2.最も重要な課題と解決策
 最も重要な課題は「低炭素まちづくりの推進」である。我が国のCO2総排出量のうち約5割が都市活動に由来している。都市での緑地の確保や森林の整備によるCO2削減活動は気候変動の適応策となり、今後の安全・安心な生活を守るために重要と考える。解決策を以下に示す。


⑧ 解決策の記述スペースを確保するため、理由はもっと短く書きましょう。また、この理由は課題の背景であり、こっちを課題の中で説明すべきではないでしょうか。そのうえで、課題に書いてある災害云々を波及効果があるといった理由にしてはいかがでしょうか。


(1)グリーンインフラのビルトイン
①運輸分野のビルトイン
 CO2排出量の約2割を占める運輸分野の脱炭素化が急務である。具体的には商用車の電動化(BEV、PHEV、FCV)は必要不可欠であり、EV充電施設等の投資の促進による普及を行う。


⑨ グリーンインフラのビルトインですよ。グリーンインフラとは、自然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に活用しようとする考え方です。


②河川分野のビルトイン
 気候変動による大規模な風水害対策として、流域全体の流域治水を推進する。また、湿原の洪水対策等の自然環境が有する防災機能を活かし、災害リスクを低減する。


⑩ 流域治水とは、流域に関わるあらゆる関係者が協働して水災害対策を行う考え方です。よって、風水害としていること、流域全体の流域治水と表現していることに違和感があります。⑪ 湿原の洪水対策とは何ですか。⑫ 小見出しは河川分野となっていますが、河川分野の説明がありません。


③建設施工分野のビルトイン
 CO2排出量の約1.3割を占める建設施工部門の脱炭素化を推進する。具体的には、製造時のCO2排出量を抑えた低炭素型コンクリートの開発や電動等のGX建設機械を使用し、建設現場でのCO2排出量を削減する。


⑬ ⑨と同様。


(2)コンパクト・プラス・ネットワーク
 脱炭素に資する都市・地域づくりを推進していくため、都市のコンパクト・プラス・ネットワークを推進する。都市機能を集約し、エネルギーの面的利用や公共交通の利用促進を行い、CO2排出量の削減を行う


⑭ 具体性に欠けています。どうやって集約するのか、エネルギーの面的利用とは何か、公共交通の利用促進をするために何を行うのか、このようなものを記述して技術力が示せるのであって、このままでは一般論に過ぎません。


(3)再生エネルギーの活用
 持続可能なエネルギー供給を実現する手段として、住宅等の屋根を利用した太陽光発電や風力、水力等の再生可能エネルギーを活用する。自然エネルギーを利用するため、化石燃料使用によるCO2排出量を削減でき、地域の生活に必要なエネルギーを確保する。


⑮ これも一般論ですね。再生可能エネルギーの有用性を説明しているにすぎず、まちづくりにどのように再生可能エネルギーを導入させるのかといった具体性が求められます。特に、まちづくりGXでは、都市におけるエネルギーの面的利用の推進を図る取組を推進するとされています。このような取り組みを具体的な説明をもって記述しましょう。

リスク

3.新たに生じうるリスクと対策
(1)新たに生じうるリスク
 まちづくりGXは新たな取り組みであり、地域により周辺環境や必要となる取り組みは様々である。また、GXによるCO2削減効果が確認されるまでには、長期的、計画的な取り組みが必要であり、財源の確保が重要である。特に、地方公共団体等では、財政や体制上の制約があり、必要な土地の購入が進まない可能性や予算不足による計画倒れのリスクがある。


⑯ 新たな取り組みであることが、後述の内容と関連していないように見えます。文脈がとおりように、前後の文のつながりを常に意識しましょう。

⑰ これも⑯と同じですね。取り組みが様々であることによって、後述のリスクにどのような影響を与えているのか分かりません。読み手は、記述している意図が読み取れません。

⑱ これも長期的・計画的な取り組みは、なぜ財源確保が重要なのですか。短期的であっても、財源を必要とする事業はあります。時間の長短や計画性の有無は、財源確保の必要性と因果関係があるのでしょうか。

⑲ なぜいきなり土地購入の話になるのですか。脈絡がなく唐突です。

⑳ 解決策を実行しても生じるリスクですかね。財政リスクは、そもそも内在しているリスクであり、記載の対策を講じても生じるリスクという問いに適切に解答しているのか疑義があります。

要点・留意点

4.業務遂行上必要となる要件
 業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で常にこれらを意識するよう留意する。 -以上-

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