PR

技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度 選択科目Ⅲ 予想問題 「地球温暖化」

論文添削
PR
PR

添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

PR

国土交通省の組織が変わりましたね

6月は、国の人事異動の時期ですよね。これに伴い、令和6年6月25日に「国土交通省組織令の一部を改正する政令」が閣議決定されました。簡単にいうと組織改編されています。「だから何」との声が聞こえてきそうですが、意外や意外ここにも出題のヒントがあります。

報道発表では、~分散型国づくりや持続的な経済成長の実現に向けた体制強化~といった副題がついています(報道発表はコチラ)。つまり、この副題にある「分散型国づくりや持続的な経済成長の実現」に今後力を入れていきますよという宣言みたいなものです。

具体的な改編の内容は、以下のとおりです。
(1)二地域居住をはじめとする地域政策の強化に向けた局内事務の再編
・国土政策局「広域地方政策課」の課名を「地方政策課」に、「地方振興課」の課名を「地域振興課」に改める。
(2 )まちづくりGXの推進に向けた体制の強化
・都市における環境の保全・創出に関する総合的な政策の企画立案等に関する事務及び近郊緑地に関する事務を所掌する「都市環境課」を新設する。
(3 )建設業における担い手確保・資材調達に係る体制の強化
・人材・資材の確保を担当する大臣官房参事官を1人増員する(23人→24人)。
・不動産・建設経済局「建設市場整備課」の課名を「建設振興課」に改める。
(4 )地理空間情報の充実・利活用推進に係る体制の強化
・不動産・建設経済局「情報活用推進課」の課名を「地理空間情報課」に改める。

はい、これが注目すべきキーワード(時事)ということになります。特に、組織が新設されることに注目です。「都市環境課」という新たな組織が設置され、この背景にあるのがまちづくりGXの推進です。そうですよね、分かります。やっぱりGXか!!!裏付けされましたね。

論文

問題文

(1)各過程における地球温暖化対策を実施するにあたり、鋼構造及びコンクリートの技術者の立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえでその内容をしめせ。

(2)抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。

(3)(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

課題

(1) 地球温暖化対策における多面的な課題
1)いかに一連のプロセスで温暖化対策を行うか
 インフラ構造物の整備において、建設時の材料調達・製作・施工から、完成後の維持管理、そして寿命を迎えた際の廃棄に至る一連のプロセスにおいて、多くのエネルギーを消費し、CO2を排出している省エネルギー化や脱炭素化といった地球温暖化対策を1つのプロセスのみに実施しても効果は限定的である。よって、技術の観点から、いかに一連のプロセスで地球温暖化対策を行うかが課題である。


① 「・・・おいて、・・・おいて・・・」と連続しています。冒頭の「インフラ構造物の整備において」は、一連のプロセスの一部に過ぎません。不要。

② さすがに地球温暖化を説明はいらないと思います。
「1つのプロセスのみに実施」→「1つのプロセスのみで実施」
全プロセスで取り組んだ方が、多く削減できるのは当たり前ではありませんか。例えば、ライフサイクル全体でCO2削減を評価すべき(ライフサイクルアセスメント)であるとか、全プロセスでやった方が効果的・シナジーが生まれる といった必要性を導くべきだと考えます。

③ なぜ観点が技術なのか良く分かりません。この場合は、仕組み面の観点ですかね。

④ ここは悩みどころです。問題では「各過程における地球温暖化対策を実施するにあたり」とあります。つまり、各過程における共通した課題を書けということと理解します。そうなるとプロセス全体で取り組むといった課題は、題意から外れているように見えます。さらに、解決策を見ると個々のプロセスの脱炭素化手法を述べており、全体の話に触れられていません(長寿命化除く)。現在の解決策を多く生かすのであれば、例えば「各プロセスの効率化(合理化)が課題」といった内容が考えられます。


2)いかに低コストで温暖化対策を行うか
 少子化に伴う生産年齢人口の減少による税収の減少と、高齢化に伴う社会保障費の増大により、わが国の財政は厳しい状況にある。一方で、地球温暖化対策は切迫した課題であり、限られた予算で実施する必要がある。よって、経済性の観点から、いかに低コストで地球温暖化対策を行うかが課題である。


⑤ 消費税の影響もあり税収は増加傾向にあります。


3)いかに温暖化対策を推進する人材を育成するか
 日本の建設産業の就業者数はピークから約3割減少している。一方、建設分野における地球温暖化対策の推進には、建設技術の専門知識に加え、脱炭素化技術や、環境保護の知見など、幅広い環境分野の知識を持つ人材が必要である。よって、人材面の観点から、建設分野における地球温暖化対策を推進する人材をいかに確保し、育成するかが課題である。


⑥ →「他方」

⑦ 環境保護が地球温暖化にどのように関係するのか少し分かりづらいですね。CO2吸収源を言っているのであれば「自然環境の保全に関する知見」といった表現になります。

⑧ 育成して人材を確保するのではありませんか。目的と手段が逆になっています。

解決策

2.最も重要な課題と解決策
 上述の課題の中で、「一連のプロセスで温暖化対策を行う」が地球温暖化対策に最も寄与すると考えられるため、これを最も重要な課題として解決策を述べる。


⑨ 「最も寄与する」との表現は、「最も重要な」の言い換えに見えます。最も寄与すると考えた要因を考え、もう少し掘り下げて言い換えに見えにくい表現が望まれます。例えば、「迅速に効果を発揮する」、「直接削減に結び付く」、「他の課題に比べ削減効果が高い」などが考えられます


(1)設計・製作段階での脱炭素化・省エネルギー化・部材数の少ない合理的な構造の採用
 例えば鋼橋において桁数や部材数が多い場合、一連の作業が増加するため、エネルギー消費量やCO2の排出量増加する。従って、少数主桁の採用や、閉断面化による塗装面積の削減、その他耐候性鋼材の適用による無塗装化等、構造合理化により脱炭素化・省エネルギー化を図る
 さらに、SBHS鋼など新たな高張力鋼材を用いることで、部材・継手数の削減や、予熱作業の削減などの作業効率化を図り、エネルギー消費量を削減する。
 また、部材数削減により構造物の重量を削減すると、部材搬入に必要となる車両数を減らすことができ、輸送により生じるCO2の排出量の削減もできる。


⑩ 見出しが長すぎます。長くても1行以内には収めましょう。→「合理的な構造の採用」

⑪ いきなり例示されても何の例だか分かりません。解決策は、目的→やること→具体例→特筆すべき効果(なくても可)の構成で書くと分かりやすく書けると思います。よって、見出しを再構築して記述すればOKだと思います。

⑫ 具体例なので、作業内容も具体的に書きましょう。

⑬ →「も」

⑭ 「閉断面化による塗装面積の削減、その他耐候性鋼材の適用による無塗装化」が構造の合理化に当たるのか疑義があります。

⑮ これは共通の目的なので後述・他の課題含めて不要と考えます。この場合は、「・・・合理化を図る」で終わらせてしまいます。これをやるとかなりスッキリして読みやすくなると思います。空いたスペースで、解決策を充実させましょう。


(2)施工段階の脱炭素化・省エネルギー化
BIMCIMを活用した施工の効率化
 施工に係る材料搬入から組立、施工に至る一連のプロセスをBIMCIMにより3次元データ化し、合理的な工法の検討や施工手順の見直しを行う。これにより、一連の作業期間を短縮化し、エネルギー消費量の削減を図る。


⑯ →「BIM/CIM」

⑰ プロセスを3次元データ化するとの表現は違和感があります。プロセスは3次元データ化できないと思います。おそらく、「一連のプロセスにおいてBIM/CIMの3次元データを活用し」ではありませんか。

⑱ 具体例が欲しいです。

⑱ →「短縮」


・環境負荷の小さい重機の使用
 現場で使用する機材において、EV重機や、低炭素性能が向上した建機を積極的に用いることで、現場で生じるエネルギー消費量の削減を図る。


⑲ 機材ではないと思います。単純に「建設機械において」で良いのではないでしょうか。

⑳ 一般論を脱していないように見えます。トップランナー値を定めた「燃費基準達成建設機械認定制度」や、令和5年度に創設された「GX建設機械認定制度」など技術力をアピールする記述を意識しましょう。


(3)維持管理・廃棄の脱炭素化・省エネルギー化
・構造物の長寿命化
 構造物の更新や、廃棄には多大な環境負荷を与えるため、更新や廃棄に至らないよう構造物の長寿命化を図る。具体的には事後保全型の維持管理から、構造物の不具合を未然に防ぐ予防保全型への転換を図る


㉑ 具体的とありますが、具体性に欠けます。また、予防保全だけではこれまた技術力アピールが足りません。統廃合、維持修繕情報の収集、ICT技術活用、優先順位などなど


・構造物のリサイクル
 深刻な老朽化により更新・廃棄が決まった場合において、構成部材のリサイクルを実施する。例えば鋼部材であれば、スクラップして電炉材料に再利用することで、資源リサイクルによる環境負荷低減を実現する。


㉒ これもただリサイクルするだけでは、十分ではありません。どうやってリサイクルするのかまで述べましょう。建設発生土のマッチング、混廃のリサイクル、トレーサビリティ強化などなど

リスク

3.新たに生じるリスクと対策
リスク:これらの地球温暖化対策は、新技術や新材料の導入など新しい試みを積極的に採用している。この場合、導入時の実務者への理解浸透や、不具合への対応、また関係者との合意形成に要する時間が増大し、初期工程の遅延リスクがある。
対策:脱炭素化や省エネルギー化に係る新技術導入マニュアルや実施事例集を整備し、技術導入を円滑化する。また、温暖化対策に関する講習会や研修の開催など教育訓練の提供を行う。         以上


㉓ 合理的な構造採用や、BIM/CIMの採用によって、作業の効率性は向上し逆に工期は短縮されるのではありませんか。リスク設定に疑義があります。

タイトルとURLをコピーしました