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技術士 二次試験対策 選択科目Ⅱの注意点④ & 建設部門 電力土木 選択科目Ⅱー2

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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選択科目Ⅱにおける作文上の注意点④

選択科目Ⅱは、知識を問う問題だということを強く意識していますか。この知識とは、言うまでもなく選択した専門科目に関するものでなければなりません。一般論は言うに及ばす、建設部門一般の知識でも足りません。専門科目に特化した論述が求められます。

例えば、計画策定手順の場合、現況を把握して、課題を整理して、目標を立てて施策立案という流れを書くだけでは、合格水準には届きません。この手順の中に、専門科目の用語、制度、最新情報などを織り交ぜ、こんなことやあんなことも私は知っていますよといった技術力アピールを心掛けましょう。

必須科目Ⅰや選択科目Ⅲにおいて、技術力を示す場面は解決策です。他方、選択科目Ⅱー2においては、手順の中で示す留意点・工夫点がアピールポイントになります。特に工夫点で、最新技術なんかを書ければ最高にカッコいいです。

このため、専門技術に関する情報をしっかり収集することが大切になります。選択科目Ⅱー1は、知識を問う問題なので、キーワード学習が有効ということは以前からお伝えしているところです。このキーワード学習は、Ⅱー1対策として行うだけでなく、Ⅱー2、Ⅲで使えそうな情報(用語)もまとめると相乗効果を発揮します。

生活や仕事の最中であっても、試験の情報収集を意識すると良いでしょう。上司がいった言葉、調査資料の内容、風呂に入っているときの閃きなど良いと思ったものは、すぐにメモしておきましょう。メモは、手帳などでも良いですが、私は即スマホに入力していました。

情報は、用語だけでなく国が良く使う表現や、独特の言い回しなども参考にすると採点者が望む表現に近づくと思います。筆記試験までの間、参考になる情報を収集し続けましょう。意識することや考えることは、いつでもどこでも可能です。技術士試験を常に頭の片隅に置いておきましょう。

論文

本日の添削LIVEは、建設部門 電力土木 選択科目Ⅱー2「電力土木施設における漏水等対策」をお届けします。さらに、完成まで一気に駆け抜けていきましょう。選択科目Ⅱー2に限らずですが、問題をよく読んで条件を満たすことが大切です。このよく読み正しく理解することは、合否を分ける能力といっても少しもオーバーではありません。初動で最高の集中力を発揮することが肝要です。それでは、論文を見ていきましょう。

電力土木施設における漏水等対策(初稿)

(1)漏水対策実施に向けた調査・検討事項
1)施設名称:建設から数十年経過した重力式コンクリートダム


① 単なる土木施設ではありませんか。電力土木施設である必要があり、以下の内容も電力施設に関する記述が欠如しています。これでは、専門科目が鋼構造及びコンクリートのように見えます。


2)漏水による影響:ダム下流面からの漏水を想定する。漏水は水平打継目から発生している。
漏水による影響は、第一に、水平打継目に作用する揚圧力の増加に伴うダムの安定性の低下である。第二に、冬季における漏水の凍結融解作用によるコンクリートの劣化である。第三に、景観の悪化である。
3)漏水対策:漏水対策は、ダム上流側から、水平打継目の止水を行う。
4)対策実施に向けた調査、検討すべき事項と内容:
①対策箇所を特定する調査:上流側から色水を投入し、色水の動きから漏水する打継目を特定する。
②対策時期の検討:ダムの安定計算を行い、対策の緊急性を検討する。
③対策工法の検討:対策の緊急性と水平打継目の開口幅・開口範囲を踏まえ、適用する対策工を検討する。
(2)対策を進める業務手順
1)漏水箇所の特定:上流側に投入した色水の動きから、漏水箇所を特定する。留意点は、ダムは外気温に応じて変形するため、打継目の開口範囲が調査時期によって変わることである。工夫点は、色水の動きがある箇所の流速を、電磁流速計で測ることである。流速の大小から、上下流方向の開口の程度を推定できる。
2)ダムの安定計算:水平打継目の開口部に揚圧力を作用させて、転倒と滑動に対する安定性の照査を行う。留意点は、滑動の照査に用いる摩擦係数が、開口部のかみ合わせの状態で変わることである。工夫点は、摩擦係数の取り得る範囲を複数設定して安定計算を行うことである。最も安全側の摩擦係数の設定でも安定性に問題がなければ、漏水対策の緊急性は低いと評価でき、予算と工期に余裕をもった対策が実施できる


② 安定計算の目的は、対策時期(緊急性)を検討するためです。前述にもあるように、見出しは対策時期の検討ではありませんか。
③ 時期を検討することが目的である場合、この事項は工夫というより、必須事項だと思います。
④ 緊急性がないので当然の帰結であり、記述の必要性に疑義があります。緊急性が低い場合は、余裕があるではなく、例えば貯水位が低下した際に施工するなど安価な施工時期を選定するといった具合に工夫点として記述してはいかがでしょうか(見出しを時期に変えていること、③で工夫点がなくなっていることからも有効だと思います)。


3)対策工の選定:漏水の対策工を選定する。留意点は、緊急対応性、効果の持続性、コストを踏まえて工法を選定することである。例えば、「土砂投入」は緊急対応やコスト面で優れているが、目詰まり解消により再び漏水が増える可能性がある。「シート止水」は止水性に優れているが、外気温によるダムの変形でシートが破れる場合がある。工夫点は、対策工の選定と同時に、経過観察のための調査計画を立案することである。これにより、ダム管理者は、対策の効果を把握するための予算を前もって計上できる。


⑤ 具体的な工法を説明することに違和感があります。各工法の比較方法を説明すべきではないでしょうか。例えば、星取表の作成や、各評価のパラメータをについて、丁寧に説明すべきではないでしょうか。
⑥ 対策校の選定における工夫点なのか疑義があります。手順の一つのように感じます。


(3)関係者との調整方策
 漏水は、建設直後の初期湛水で発生しやすいため、漏水対策の経験がある現役技術者は少ない。そこで、漏水対策の経験がある有識者を加えた合同現地調査や検討会を行う。これにより、手戻りの可能性を軽減し、業務を効率的に進めることができる。  以上


⑦ 調整の対象者となる関係者が誰だか分かりません。効果的な調整方策というより、効果的な調査・検討方法に見えます。

電力土木施設における漏水等対策(完成)

(1)漏水対策実施に向けた調査・検討事項
1)施設名称:建設から数十年経過した発電用重力式コンクリートダム
2)漏水による影響:
ダム下流面からの漏水を想定する。漏水は水平打継目から発生している。
漏水による影響は、第一に水平打継目に作用する揚圧力の増加に伴うダムの安定性の低下である。安定性が低下する場合、安全面の観点から貯水位を低下させる必要があり、その間は発電が停止する。第二に、冬季における漏水の凍結融解作用によるコンクリートの劣化である。第三に、景観の悪化である。
3)漏水対策:漏水対策は、ダム上流側から、水平打継目の止水を行う。
4)対策実施に向けた調査、検討すべき事項と内容:
①対策箇所の調査:対策を要する打継目を特定するため、上流側から色水を投入し漏水調査を行う。
②対策時期の検討:水平打継目の開口部に揚圧力を作用させて、転倒と滑動に対するダムの安定計算を行い、対策の時期(緊急性)を検討する。
③対策工法の検討:候補となる対策工法の比較表と概略図を作成し、漏水の対策工法を検討する。
(2)対策を進める業務手順
1)対策箇所を特定する調査:前述の4)①に示す調査を実施する。留意点は、ダムは外気温に応じて変形するため、打継目の開口範囲が調査時期によって変わることである。工夫点は、色水の動きがある箇所の流速を、電磁流速計で測ることである。流速の大小から上下流方向の開口の程度を推定することである。
2)対策時期の検討:前述の4)②に示す緊急性を検討する。留意点は、滑動の照査に用いる摩擦係数が、開口部のかみ合わせの状態で変わることである。工夫点は、緊急性が低い場合において、対策時期を他の工事に併せることで、施工費を削減することである。
3)対策工法の検討:前述の4)③に示す工法を検討する。検討に使用する比較表には、各工法の概要、長所、短所、適用範囲、必要期間、施工方法、施工費用等を記載する。留意点は、実施時の予算に過不足が生じないように、施工費用の算出条件を明記することである。工夫点は、対策の多角的な検討を可能とするために、概略図を3次元CADで作成することである。
(3)関係者との調整方策
ダム管理者との調整:業務の初期段階において、ダム管理者と調査可能時期について協議を行う。この時期を踏まえ、調査の工程表を作成し手戻りを防ぐ。また、ダムの補修履歴など管理状況を確認する。これにより、当時の知見を漏水の原因特定や対策工選定に活用することで、効率的業務を遂行する。
発注者との調整:業務の説明に際しては、客観的データを用い、3次元イメージ図を用い理解を促す。以上

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