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技術士 二次試験対策 お悩みコーナー & 河川、砂防及び海岸・海洋 予想問題Ⅱー2

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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お悩みコーナー

早いものでもう3月です。年度末なので、業務が忙しくなっている方が多くいると思います。無理のない範囲で勉強を続け、習慣化することが大切です。ちょっとした隙間時間などを活用して、取り組んでみてはいかがでしょうか。

さて、このような忙しい時期ですが、論文はバンバン投稿されています。みなさんの取り組み姿勢には頭が下がります。本日は、そんな投稿者から、質問をいただきましたので、ご紹介したいと思います。多くの人が困っていると思われる内容となっていますので、参考になる良い質問だと感じています。

質問は、選択科目Ⅱー2の記述方法に関することです。Ⅱー2は、普段やっている業務に近い内容なので、比較的解答しやすいと思います。しかし、内容は知っていていても、どのように書いたら良いのかといったことが悩みの種です。

質問1:選択科目Ⅱー2に記載する手順は、手順の内容だけを書き、原因や考察は書かないという考えで良いでしょうか。また、検討業務においては検討結果まで書く必要がないとの理解でよろしいでしょうか。

【回答1】
ご理解の通り、問われていることのみに解答すべきと考えます。問われていることとは、手順なのでその内容にとどめるべきでしょう。

質問2:選択科目Ⅱー2の記述内容は、コンサルが作成する業務計画書のイメージでしょうか。

【回答2】
内容は、ご理解のとおり業務計画書に似ています。異なる点は、ものすごく端的に書くこと、ポイントを漏れなく書くことです。

質問3:手順に書くべき事項、留意点・工夫点に書くべき事項がごっちゃになってしまいます。何か良い方法はないでしょうか。

【回答3】
ごっちゃになってしまうのは、留意点と工夫点の違いを正しく理解していないことが要因の一つです。
使い慣れた言葉なので、理解したつもりになりがちです。練習時点で、しっかりと辞書を引いて確認することが肝要です。これは、留意点と工夫点に限りません。自信がない時は、すぐに調べる癖をつけましょう。

質問4:留意点・工夫点を記述するときは、「~に留意し、~するよう工夫する。」という文章表現が基本でしょうか。

【回答4】
記載の表現でも良いですし、「・・・留意する」、「・・・工夫する」といった具合に一文ずつでも良いです(←こっちがお勧め)。このように、聞かれていることを明確に表現することは、他の科目においても重要です。

質問5:手順の内容と留意点・工夫点を文章で書く場合、手順4つが限界と考えていますがいかがでしょうか。

【回答5】
手順の数は、あらかじめ決められるものではありません。手順が多いものは、調査・検討事項などをスリム化する、留意点・工夫点は特に重要なものだけにするなどを駆使し、必要な手順は漏れなく押し込みましょう。

質問6:マニュアルを知らない場合もあるので、Ⅱ-2は暗記ではなく、その場で考えたほうが上手く書けそうと考えますが、いかがでしょうか。

【回答6】
試験には、必ず採点者がいます。この採点者の主観で得点が左右されることがあっては、公平性に欠けてしまいます。このことから、手順は一定の手本となるべきものが存在します。よって、思うがままに書くことはお勧めしません。専門科目に関連するマニュアル、指針等の資料を見つけ、その手順を理解することが求められます。

論文

本日の添削LIVEは、投稿者の予想問題を解答いただいております。テーマは「デジタル技術を活用した維持官営計画の策定」となっています。維持管理に関する問題は、八潮の陥没事故という時事的背景がありますので要注意です。このように注目されるテーマは、クロス科目戦略(必須科目、選択科目双方のテーマとして取り扱う勉強方法)を実践しましょう。そうれでは、早速論文を見ていきましょう。

問題

【問題文】
我が国のインフラは、その多くが高度成長期以降に整備されており、今後、建設から5 0 年以上経過する施設の割合は加速度的に増加する見込みである。近年は、施設老朽化と人手不足を背景に様々な問題が生じており、維持管理の生産性向上は大きな課題である。あなたが、デジタル技術を活用した維持管理の高度化・効率化検討に関する計画策定の業務を担当することとなった場合、河川、砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を対象として、以下の問いに答えよ。
( 1 ) 業務着手に当たって、収集・整理すべき資料や情報について述べよ。併せて、それらの目的や内容について説明せよ。
( 2 ) 業務を進める手順について述べよ。併せて、それらに関し、留意すべき点、工夫を要する点について述べよ。
( 3 ) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

「デジタル技術を活用した維持管理計画の策定」

流域内自治体の河川管理施設を対象に検討する。
1.収集・整理すべき資料と情報
1.1.維持管理記録の収集・整理
(目的)流域全体の点検・診断・修繕状況の把握
(内容)堤防、河道、樋門・樋管、堰・床止め、排水機場などの維持管理記録を収集する。また、収集した資料・情報と記録媒体の種類を一覧表で整理する。


① (1)の設問は、❶収集整理すべき情報はなんですか、❷収集整理する目的はなんですか、❸収集整理はどうやってやりますか、といった3つの事柄を聞かれています。これでは、見出しにある維持管理記録の言い換えにすぎず、前述の❶になっています。例えば、デジタル技術を活用できる作業項目とその実施時期を洗い出すためといった事柄が目的になるのではないでしょうか。
② 河川管理施設を列記してはダメというわけではありませんが、肝心の維持管理記録が抽象的でどのような情報なのか分かりません。施設の内容より、管理記録の内容を書くべきでしょう。また、どうやって収集するのか(手段)も書いた方が良いと思います。
③ なぜ記録媒体の種類のみを整理するのか分かりません。これは、①のとおり目的が書いていないからです。想像するに、紙媒体を電子化するからだと思いますが、もしこれだけなら、調査事項としてお粗末です。類似業務の整理、修繕、点検、診断の時期、調査結果の過不足などデジタル技術活用に向け把握すべき事項は、媒体だけでなくもっとあるのではないですか。


1.2.デジタル技術資料の収集・整理
(目的)適用可能なデジタル技術の把握
(内容)インフラ分野のD X アクションプランや河川点検技術カタログ、N E T I S などデジタル技術資料を収集する。また、河川管理施設の維持管理に適用可能な技術を抽出し、維持管理プロセス別に整理する。


④ 内容は、良くなっています!あとは、①と同様に把握する目的を書いた方が良いでしょう。「デジタル技術を比較検討し採用技術を選定するため」といった表現が考えられます。
⑤ 整理については、プロセスごとの分類だけでなく、各技術のコスト、工期、簡便さなど技術の特徴も整理した方が良いでしょう。


2.業務を進める手順と留意点・工夫点
手順①:検討対象の施設・業務範囲と問題点の明確化
 1.で整理した情報を分析し、維持管理の各段階で多くの人員・予算・時間を要しており、検討が必要な施設や業務の範囲と問題点を明確化する。その際は、河川管理施設には土木施設と機械・電気設備があることに留意し、専門職員によるW G を設けて検討する。


⑥ このセンテンスは「分析し、・・・要しており、・・・明確化する」という構文になっています(手段→原因→やること)。整理整頓し順序だてた説明が必要です。また、「分析とはどのような行動なのか」、「検討が必要な施設とはどのような施設なのか」、「業務とは本業務のことなのか、それとも維持管理業務のことなのか」どれもよく分かりません。ここは、手順を書くところなので、「維持管理の各段階で多くの人員・予算・時間を要しており」といった原因は書く必要はありません。このスペースを使って、手順をしっかり説明しましょう。
⑦ 設備があることに留意とは、どのようなことなのでしょうか。設備があるから、この作業においては何に注意するのかを留意点として書くべきでしょう。
⑧ なぜWGを設けるのか、WGでは何をやるのかが分からず、記述の意図が不明です。これは工夫点として書いているのですかね?そうであるなら、文末は「工夫する」としましょう。


手順②:導入するデジタル技術の検討
 2.で整理した情報を用いて、手順①で特定した問題点を解決できるデジタル技術を検討する。その際は、自治体単独で導入し難いことにも留意し、複数自治体や多分野インフラで連携して導入することも検討する


⑨ 前項もそうですが、これは、1.2のことですかね。正確に書きましょう。
⑩ どうやって検討するのかを書きましょう。一般的に工法選定においては、星取表を作成して比較検討ですよね。新技術の採用検討も同様で良いのではないでしょうか。この星取表を作成するためのパラメータを前項で設定するといったステップですかね。
⑪ 特に重要なのは生産性の向上ですから、コストと省力化といったパラメータだと思います。採用技術を検討する際には、これが留意点になると考えます。広域連携は、この留意点を踏まえた工夫点と言えます。


手順③:点検・診断におけるデジタル技術導入
 点検・診断業務において、近接目視・巡回点検となっている業務を対象にUAVやAIや活用した画像認識・診断技術の導入を検討する。その際は、A I の点検・診断精度が100%でないことに留意し、熟練者が保有する知見やデータ活用してAIに継続学習させる


⑫ 導入ではなく、導入の検討ですね。さらに、検討は手順②で検討しているのではありませんか。同じ手順を繰り返し説明しているように見えます。
⑬ なぜ手段を限定するのですか。これらの技術を適切に選定し、円滑に導入することが業務です。
⑭ 検討フェーズであるにもかかわらず、AI導入が前提になっていることに違和感があります。


手順④:記録・保管におけるデジタル技術導入
 維持管理記録の検索性・利用性向上のため、共有プラットフォーム構築を検討する。その際は、修繕・補修段階における3D設計やデジタルツインへの活用にも留意し、施設整備段階から測量・設計データのファイル形式を統一し、3Dデータとして蓄積していく


⑮ ⑫と同じで検討ですね。さらに、導入検討は、前項を含めると点検・診断・記録・保管のプロセスしかありません。肝心の修繕がありません・・・
⑯ これも、記録・保管方法をなぜ共有プラットフォームに限定するのですか。もちろん、検討の結果として共有プラットフォームを導入する可能性は否定しませんが、検討の段階で手段が限定されていることに違和感があります。タスクとしては、デジタル技術を活用した記録保管方法の検討ではありませんか。検索性、利用性(←ユーザビリティですかね)は留意点ではありませんか。また、共有という観点については、災害対応や管理者以外の修繕も視野に入れるためにオープンデータ化といった措置を工夫点として述べれば良いと思います。主張に問題はないので、問われている形で表現することが欠けています(全体的にこの傾向がみられます)。
⑰ プラットフォームの検討に必要な留意点ではなく、何のデータを保存するかといった検討をする際の留意点はないでしょうか。⑯の指摘のとおり、タスクがおかしいので、留意点もおかしくなってしまったのでしょう。
⑱ 「・・・していく」としてしまっては、行動を示していることになります。問われていることは行動ではなく、手順とその留意点・工夫点です。工夫点ならば、文末は「工夫する」です。例えば、以下のような表現になると思います。→「・・・留意する。また、維持管理だけでなく、新設時の測量・設計データにおいてもBIM/CIMを視野に入れたファイル形式とするなど、相互で活用できるよう工夫する。」


3.関係者との調整方策
3.1.自治体内部の各セクションとの調整
 土木・機械・電気で管理部署が異なり、それぞれ熟練技術者がいるためデジタル技術導入に対する意見の相違が生じる。このため、プロジェクトチームを設置し、現場のニーズや意見を尊重しながら、デジタル技術の導入効果を定量的に説明し相互理解を図る


⑲ 土木・機械・電気で管理部署が異なるとしていますが、それは自治体によるのではないですか。また、熟練技術者がいるかどうかも同様です。これらを理由にすることに違和感があります。
⑳ 熟練技術者がいるとなぜ意見の相違が生じるのですか。どのようなことをイメージしているのか理解できません。
㉑ ⑳のとおり意見の相違がなぜ生じるのか、意見とは何かが分からないので、この方法が問題の解決策になるのか判断できません。


3.2.流域内の公的機関の連絡体制構築
 各管理者が縦割りで連携不足のため、広域・多分野連携業務の運営主体の調整が難航する可能性がある。このため、流域治水協議会の場を活用し、デジタルマップで問題点や効果を見える化して、国・都道府県・市町村の役割分担などの調整を円滑化する。―以上


㉒ なぜ広域・他分野連携を心配しているのですか。問われていることは、広域・他分野連携ではなくデジタル技術の導入です。
㉓ 国・県・市町村の管理施設は明確なのではありませんか(河川で言えば、1級、2級、普通で役割分担しているのでは?)。何の役割分担ですか。これが分からないので、なぜデジタルマップなのか、なぜ見える化なのかも分かりません。

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