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技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ 予想問題 「コンパクト・プラス・ネットワーク」完成

論文添削
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【 技術士 二次試験対策 】

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立地適正化計画は制度ができて10年目

コンパクト・プラス・ネットワークを実現するために必要な取り組みとして、まず最初に思いつくのは立地適正化計画ではないでしょうか。同制度は、令和6年で10年目を迎え、節目の年となっています。昨年度の巨大地震は、関東大震災から100年という節目に出題されているので、何かしらの形で出題されそうです。

立地適正化計画制度は「規制から誘導」「機動性」を理念にスタートし、現行のKPIでは、立地適正化計画の作成市町村数を600とすることが目標となっています。R5.3時点では500以上の自治体が計画策定済みであり、策定中の自治体は170を超えています。よって、目標達成は確実視されています。

その一方で、集約の実効性や公共施設の管理費への影響など、実際効果を上げているのか、外部からも含め、問われているところです。そこで、立地適正化計画の第2フェーズの在り方をしっかりと追求すべく「立地適正化計画の実効性の向上に向けたあり方検討会」が設置され、すでに3回の会議が開催され議論が進められています。

立地適正化計画制度に求められる必要な取組

本検討会では、コンパクト・プラス・ネットワークというものを、より実効的なものにしていくための議論を行っています(関連資料はコチラ)。具体的には、次の2つの視点で議論が進められています。さらに、これらの視点に基づき6つの論点にしぼり、進められています。

視点① 取組のさらなる裾野の拡大、より多くの都市でこの取組を展開していくための方法
視点② 計画を作成された自治体で、これをより実効的なものにしていくための方法

論点1は、立地適正化計画の作成の訴求対象となる都市はどのような都市か。
論点2は、計画作成が困難な都市に対する支援のあり方。
論点3は、評価の指標として何を見るべきか。
論点4は、評価指標として出てきたものについて、それをどう判断すべきか。
論点5は、どのようなデータを整備すべきか、どのような形で効率的にデータ更新を行うか。
論点6は、評価に基づく改善方策。

結論はまだ出ていませんが、コンパクト・プラス・ネットワークもいよいよ「2.0」が付きそうですね。

論文

今回の論文は、「コンパクト・プラス・ネットワーク」のチェックバックになります。適切に修正されており、今回で完成を迎えます。さあ、いかなる形で完成しているのか、是非チェックしてみてください。

課題

1 . 多面的な観点から課題を3つ
(1)いかにデジタル化を進めるか:技術面の観点
 近年、デジタル化が発展しており、様々な分野で活用されている。コンパクトなまちづくりにおいても、デジタル技術を活用して、都市機能の向上を図ることが重要である。よって、技術面の観点から、いかにデジタル化を進めるかが課題である。


① 課題が「いかにデジタル化を進めるか」であるのに対し、冒頭ではデジタル化が進展しているでは矛盾しています。冒頭は、「デジタル技術が進展しており」としてはいかがでしょうか。


(2)いかに人材育成をするか:人材面の観点
 日本の建設産業の就業者数は1 9 9 7 年の6 8 5 万人に対して現在は4 8 0 万人程度であり、ピークから約3 割減少している。また、技能労働者のうち約3 割が6 0歳以上であり、1 0 年以内に大半が引退を迎える。このため、今までまちづくりに従事してきた熟練技術者の知識やノウハウを若手技術者に継承していくことが重要である。よって、人材面の観点から、いかにまちづくりを行う人材を育成するかが課題である。

(3)いかに官民連携を進めるか コストの観点
 日本の建設投資額は1 9 9 2 年の8 4 兆円に対して現在は6 0 兆円程度であり、ピークから約3 割減少している。地方自治体の多くは財政状況が逼迫しており、社会資本への投資が難しくなっている。コンパクトなまちづくりを進めるに当たっては、都市基盤整備は不可欠であり、限られた予算の中で最大限の効果を得ることが重要である。この費用対効果を向上させるには、民間企業のノウハウやアイディアの活用が有効である。

解決策

2 . 最も重要な課題と複数の解決策
 デジタル化はまちづくりだけでなく様々な分野にも応用できるため、「いかにデジタル化を進めるか」を最も重要な課題に選定し、以下に解決策を示す。

(1)M a a S の導入
 複数の公共交通や移動サービスを最適に組み合わせて、検索・予約・決済等を一括で行うことができるM a a Sを導入する。また、観光や医療等の目的地における交通以外のサービスとの連携により、移動の利便性向上を図る。例えば、目的地が病院であった場合、診療予約とそれに伴う移動の検索・決済をスマートフォンアプリ等により一括で行えるサービスを提供する。

(2)都市計画情報のオープンデータ化
 都市計画の分析および検証に用いる基礎データをオープンデータ化する。具体的には、G I S のデータが挙げられる。下記のように活用する。
①人口分布や重要施設の立地状況とハザード情報データを重ね合わせることにより、集約するエリアを特定する。
②人口分布と公共交通徒歩圏のデータを重ね合わせることにより、公共交通を中心とした都市のコンパクト化の状況把握および将来の公共交通再編の基礎資料とする。


② 公共交通を中心とした都市のコンパクト化が分かりづらいです。端的に「交通ネットワークの検証」で良いと思います。


(3)スマートプランニングの活用
 個人単位の行動データをもとに、人の動きをシミュレーションし、施策実施の効果を予測した上で、施設配置や空間形成、交通施策を検討するスマートプランニングを導入する。下記のように活用する。
①最適な立地の検討:仮想で福祉施設を移転して、商業施設や公園へのアクセシビリティをシミュレーションする。シミュレーション結果から福祉施設を最適に配置し、歩きやすいまちづくりとする


③ アクセシビリティのシミュレーションとは、何を目的としているのか分かりづらいです。手引きの事例をそのままパクってしまいましょう。→「高齢者が健康のためにも歩いて暮らせるように、一度に歩ける距離を考慮して福祉施設の最適配置を検討する」


都市構造の検討個人の行動、移動データおよび施設の位置情報データを用いて、回遊行動のシミュレーションを行う。その市街地における新たな交通ネットワークの導入を検討する


④ 内容からするに、小見出しは「回遊性の検討」ですね。

⑤ 前述で説明しているので不要です。

⑥ 前段で回遊行動と言っているのに、交通ネットワークの導入検討するでは、手法と求める成果がちぐはぐです。これも、手引きの事例をそのままパクってしまいましょう。→「便利でにぎわいがあり活力あふれる地区づくりを促進するため、回遊行動のシミュレーションを行う。例えば、新しくできたショッピングモールと老舗の百貨店、2つの拠点を結ぶ大通りの魅力を高め、回遊性を向上させるための施策検討に用いる。

  スペースが1行余っているのと、文章をダイエットしてしまったので、もう一つ事例を追加しても良いですね。これも、手引きから引用して、以下の内容を例示しておきます。
③駐輪・駐車対策:違法駐輪や街中での自動車の錯綜を減らせるように、駐車場や駐輪場の最適配置を検討する。

新たなリスク

3 . 懸念事項と対応策: 以下へ示す。
 懸念事項は、施設の集約、再編によって、空き家が発生することである。対応策は、地方公共団体と民間団体が連携して下記を進めることである。
① 改修を行い、セカンドハウスとして再利用。
② 管理不全空き家は、法制度の範囲で除去。


⑦ 解決策を講じて発生するリスクを書くのですよ。解決策は、集約再編ではなくデジタル化です。デジタル化を推進しても空き家は発生しません。デジタル化によって生じるリスクを書きましょう。


4 . 業務遂行にあたり必要となる要件と留意点
 業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で常にこれらを意識するように留意する。 以上。

完成論文

1 . 多面的な観点から課題を3つ
(1)いかにデジタル化を進めるか:技術面の観点
 近年、デジタル技術が進展しており、様々な分野で活用されている。コンパクトなまちづくりにおいても、デジタル技術を活用して、都市機能の向上を図ることが重要である。よって、技術面の観点から、いかにデジタル化を進めるかが課題である。

(2 いかに人材育成をするか: 人材面の観点
 日本の建設産業の就業者数は1 9 9 7 年の6 8 5 万人に対して現在は4 8 0 万人程度であり、ピークから約3 割減少している。また、技能労働者のうち約3 割が6 0歳以上であり、1 0 年以内に大半が引退を迎える。このため、今までまちづくりに従事してきた熟練技術者の知識やノウハウを若手技術者に継承していくことが重要である。よって、人材面の観点から、いかにまちづくりを行う人材を育成するかが課題である。

(3)いかに官民連携を進めるか:コストの観点
 日本の建設投資額は1 9 9 2 年の8 4 兆円に対して現在は6 0 兆円程度であり、ピークから約3 割減少している。地方自治体の多くは財政状況が逼迫しており、社会資本への投資が難しくなっている。コンパクトなまちづくりを進めるに当たっては、都市基盤整備は不可欠であり、限られた予算の中で最大限の効果を得ることが重要である。この費用対効果を向上させるには、民間企業のノウハウやアイディアの活用が有効である。よって、コストの観点から、いかに官民連携を促進するかが課題である。

2 . 最も重要な課題と複数の解決策
 デジタル化はまちづくりだけでなく様々な分野にも応用できるため、「いかにデジタル化を進めるか」を最も重要な課題に選定し、以下に解決策を示す。

(1)M a a Sの導入
 複数の公共交通や移動サービスを最適に組み合わせて、検索・予約・決済等を一括で行うことができるMaaSを導入する。また、観光や医療等の目的地における交通以外のサービスとの連携により、移動の利便性向上を図る。例えば、目的地が病院であった場合、診療予約とそれに伴う移動の検索・決済をスマートフォンアプリ等により一括で行えるサービスを提供する。

(2)都市計画情報のオープンデータ化
 都市計画の分析および検証に用いる基礎データをオープンデータ化する。具体的には、G I S のデータが挙げられる。下記のように活用する。
①人口分布や重要施設の立地状況とハザード情報データを重ね合わせることにより、集約するエリアを特定する。
②人口分布と公共交通徒歩圏のデータを重ね合わせることにより、交通ネットワークの検証および将来の公共交通再編の基礎資料とする。

(3)スマートプランニングの活用
 個人単位の行動データをもとに、人の動きをシミュレーションし、施策実施の効果を予測した上で、施設配置や空間形成、交通施策を検討するスマートプランニングを導入する。下記のように活用する。

①最適な立地の検討:高齢者が健康のためにも歩いて暮らせるように、一度に歩ける距離を考慮して福祉施設の最適配置を検討する。
② 回遊性の検討:便利で賑わいがある活力あふれる地区づくりを促進するため、回遊行動のシミュレーションを行う。例えば、新しくできたショッピングモールと老舗の百貨店、2つの拠点を結ぶ大通の魅力を高め、回遊性を向上させるための施策検討に用いる。
③ 駐車・駐輪対策:違法駐車や街中での自動車の錯綜を減らせるように、駐車場や駐輪場の最適配置を検討する。

3 . 懸念事項と対応策: 以下へ示す。
 懸念事項は、デジタル化の急速な進展によるデジタルケイパビリティの欠如である。対応策は、3D都市モデル等を活用するための人材育成プログラムの開発やDX化を促進するピッチイベント等を開催する。

4 . 業務遂行にあたり必要となる要件と留意点
 業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で常にこれらを意識するように留意する。 以上。

※赤字部分は、修正箇所。

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