この時期は技術士倫理を学ぼう
【 技術士 二次試験対策 】
お久しぶりの休暇
筆記試験後の喧騒から抜け出し、先日の3連休は久しぶりにゆっくりと過ごすことができました。溜まっていた本を読み漁り、新しい自分を手に入れた気分です。やはり、読書は最高のエンターテイメントです。もはや活字ジャンキーです…
本には、ミステリー、ホラー、SFと様々なジャンルがありますが、どれを読んも感じるのは人の心のありように心奪われるものだということです。もちろん、小説ですと物語ですから、心揺さぶることを意識して書かれているから当然なのですが、現実世界でも多寡はあれども似ていることは起こります。
技術者のケースで言えば、仕事といえどモノづくりや仕組み作りを考えるその先には、使ってもらう人々がいますから、ユーザーの気持ちを慮らなければ良いものはできません。では、人の心を考えるに当たっての規範とはどのようなものなのでしょうか。
人生を費やして答えを得るような崇高な問題であるように感じますが、技術者の人たちに限っては、すでにこの規範は示されています。特に、技術士を目指すすべての人にとって、この規範は大変重要であり、かつ技術士取得には必須と言える知識なのです。
技術士倫理綱領
この規範とは、「技術士倫理綱領」にほかなりません。現在の倫理綱領は、2023年に改定されており、改定時にその手引き(第1版)が定められております。改定時には、私も手引きを引用しながら解説をしています(過去記事はコチラ)。
倫理綱領の内容については、同解説をご覧いただければと思います。今日言いたいことは、この時期にこの倫理綱領の手引きをしっかりと理解しておくことの大切さです。筆記試験を終わったこの時期だからこそ読べき資料と言えます。
令和7年度の試験は、相対的に簡単だったので多くの人が口頭試験の切符を手にすることができると思います。この口頭試験において、倫理綱領を知らないということは、竿を持たずに釣りに行くようなものです。これを知らずして、合格を吊り上げるのは至難の技です。
口頭試験では、ほかに技術士法の理解も必要になりますが、3義務2責務はたったの5つにすぎません。一方、倫理綱領には、10個もの項目があります。ボリューム的には、綱領の方に軍配があがります。
ただ、覚えるだけなら試験前にちょこっとやれば覚えることはできると思います。しかし、この倫理綱領は技術士の規範ですから、これを正しく理解し自身の血肉とすることが重要なのです。試験を終えたら忘れてしまってよいものではありません。
筆記試験に自信がない人や、新たに技術士を目指す人にとっても、この倫理綱領をこの時期にしっかりと読み込むことは、大変重要なタスクと言えます。筆記試験を受験したことがある人は、もうわかると思いますが、必須科目Ⅰにはこの規範(倫理)を問う問題が出題されます。
余裕のある今だからこそ、心を落ち着かせてじっくりと読み込み、理解することができると思います。筆記試験前で読み込んでも良いのですが、勉強に追われている最中で倫理綱領を読み込むというのは、いささか無理があると思います。
この倫理綱領を正しく理解しないと、倫理に反する解答をしかねません。筆記・口頭試験共に倫理を欠く行動を解答しては、大幅な減点となってしまいます。また、技術士資格取得後も、判断に迷うことがあれば、この規範を思い出すと良いでしょう。きっと、迷いの中でも一筋の光明となることでしょう。
成果を得るには計画
今、やるべきタスクとして倫理綱領の理解をお勧めしましたが、これは一つの例にすぎません。何の例示かというと、いつ何をすべきかということです。技術士の勉強は、論文を書くことをイメージしがちですが、負荷の差こそあれ合格には多くのタスクがあることを知っておきましょう。
これらのタスクは、一朝一夕では身に付かないものも多くあります。論文は書けているはずなのに、なぜか合格できないという人は、不足しているもの(タスク)が何なのかを理解することから始めると良いと思います。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」です。
必要なタスクは、その時々に今後ご紹介していきますが、今日はそのことだけでも知っておくと良いでしょう。技術士を受験する人は、例外なく仕事をしながらの受験だと思います。必要なタスクと時間をきっちりマネジメントしないと合格は難しいものとなります。
大海原を海図や羅針盤もなく、やみくもに航海しても新大陸にはたどり着けませんよ。口頭試験への準備はもちろんのこと、令和8年度の筆記試験ももう始まっているとも言えます。コツコツできる人の方が、天才より最終的には成果を得やすいものです。
試験に限らずですが、計画を立案しこれに沿って着実に進めていくことが重要です。