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技術士 二次試験対策 お久しぶりの添削LIVE「GI×複合災害」

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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令和8年度の添削はこれを重点的に見ます

最近の記事は、今試験真っただ中の口頭試験や、令和8年度の試験に関する情報を中心に行ってきましたので、添削LIVEはお久しぶりということになります。今回の内容は、たまりにたまった令和7年度受験生の投稿になりますので、令和8年度の変更は踏まえていないのでご留意ください。

では、令和8年度の留意点とはなんぞやということになりますが、これは以前にお伝えしたコンピテンシーの変更にほかなりません(改訂コンピテンシーはコチラ)。コンピテンシーの改訂で配慮すべきは、必須科目Ⅰと選択科目Ⅲになります。

よって、今後の添削は、従来の指摘に加え改訂コンピテンシーの内容を踏まえバシバシ指摘したいと思います。具体的には、データ・情報技術(ICT技術)の活用、ステークホルダーの意見反映が解答に盛り込まれているかを見ていきます。

ステークホルダーの意見反映は、状況により盛り込みにくい部分があります。よって、必須科目や選択科目では無理しなくてもいいのかなと思っています。ここは、選択科目Ⅱー2の記述(小問3の調整方策)に任せればOKかなと思います。

ということで、データ・情報技術(ICT技術)の活用を回答の中に盛り込むよう意識しましょう。どんな課題設定でも、データ・情報技術(ICT技術)の活用を一つ記述することを心掛けましょう。最近の施策は、ICT抜きでは語れませんので、そんなに苦労することはないでしょう。

また、ICT技術を活用できる課題を重要課題に設定することも必要になるでしょう。まあ、ICTが入ってないと減点とはならないまでも、記述できれば評価されることは疑いようがないと思います。みなさんもぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

「GI×複合災害」

さあ、お久しぶりの添削LIVEに行ってみましょう。最近は、青森や北海道で大きな地震が発生しました。どこでも、いつ地震などの自然災害が起きても不思議ではありません。これらの自然災害への備え、さらには複合化する災害への対応は待ったなしです。よって、令和8年度の災害対策関連の出題は濃厚と言えます。投稿された論文を一緒に見て、参考にしましょう。


1.観点と課題
1.1 複合災害リスクおよびGI導入効果の評価
洪水など単一災害への対策は個別に進められているが、同時または連続的に発生する複合災害を想定した対策は十分でない。この要因として複合災害リスクの想定が複雑なことが挙げられる。また、グリーンインフラ(以下、GI)は多面的な機能を併せ持つため、複合災害への有効な対策となり得る。しかし、導入効果は防災性の一面だけでは適切に評価できず、総合的に評価する必要がある。よって、技術の観点から複合災害リスクおよびGI導入効果の評価が課題である。


① 全くその通りなのですが、今回は災害とGIの関係性なので様々な災害に対する防災機能を適切に評価といった視点で良いと思います。スペースがないので、問題点の指摘にとどめても良いでしょう。→「GIの防災機能に係る効果を定量的に把握できていない。」
② 評価手法の話なので、技術というより「仕組み面の観点」ですかね。


1.2 グレーインフラとGIのベストミックス
 GIによる災害対策は一定効果があるが、短時間強雨では土壌への浸透が見込めないなど、グリーンインフラへの過度な期待は返って人命を危険にさらす。地域特性に応じグレーインフラとGIの双方の利点が発揮される計画が必要となる資源配分の観点より、グレーインフラとGIのベストミックスが課題である。


③ 地域特性について、前述されていないですね。前述にあるのは、災害の種類(特性)です。
④ GIの不完全さを説明していますが、グレーインフラのネガティブ要素も指摘しておくべきでしょう。→「GIによる災害対策は一定効果があるが、短時間強雨では土壌への浸透が見込めない。一方で、グレーインフラですべての防災対策を行った場合、多額の費用が必要となる。このため、双方の特徴を生かし、効果的かつ合理的に複合防災へ備える必要がある。」
⑤ 資源といより機能配分(役割分担)ですかね。


1.3. 多主体によるリスクマネジメント体制の構築
 複合災害は発災時の影響範囲が広範に及び、多くの主体が迅速に連携する必要がある。しかし、現状では各主体が想定しているリスクの前提が異なったり、情報共有の仕組みが無かったりと、統合的な対応が困難な状況にある。発災時に迅速な対応を行うため、平時より複合災害に備えた体制構築を行う必要がある。よって、連携の観点より、多主体によるリスクマネジメント体制の構築が課題である


⑥ 後述にも体制構築の必要性を述べており、重複しています。最初は、現況にとどめておくと良いでしょう。→「複合災害は被害が広範に及ぶため、多くの自治体や住民に影響を及ぼす。」
⑦ 想定しているリスクの前提が少々分かりづらいです。また、現況のような表現になっていますが、ここでは問題点を明確化した方が良いと思います。→「現状では各主体の対応が異なったり、情報共有の仕組みが無かったりと、広域にわたる統合的な取り組みができていない」
⑧ ここは、「体制面の観点」一択ではないでしょうか。そうした場合、必要性と課題の表現が重複しますので、これらを修正した方が良いと思います。→「連携強化が求められる。よって、体制面の観点より、多様な主体によるリスクマネジメントが課題である」


2.最も重要な課題と解決策
 資源配分、マネジメント体制の議論を行うためにも、正確に災害リスクを把握する必要があるため「複合災害リスクおよびGI導入効果の評価」が最も重要な課題である。以下に解決策を示す。


⑨ 端的な表現が望まれます。→「災害リスクは、すべての課題解決に共通して求められる情報であるため」


2.1 複合災害シナリオの作成
 重ねるハザードマップより把握できる地理的リスクに加え、地震や台風など突発的なリスクを複合した災害シナリオを作成する。各シナリオにおける災害発生情報などの条件をGISにより可視化し、多主体で共有する。これにより、シナリオの妥当性を担保する


⑩ 重ねるハザードマップとは何ですか。何を重ねるのでしょか。
⑪ 災害とは、もともと突発的なものではありませんか。
⑫ 何を可視化するのか判然としません。描いたシナリオによって生じる被害状況のことですか。条件を可視化という部分が特に分かりません。
⑬ 情報共有しただけで、なぜシナリオの妥当性が担保されるのですか。妥当かどうかは、共有することと全く関係がないように感じます。


2.2 シミュレーションによる被害・影響の想定
 シミュレーションにより、各シナリオの被害や影響を想定する。この際、グレーインフラのみで対応した場合、GIを併用した場合のリスク低減効果を把握することで、GI導入の有効性を把握する


⑭ 何のシミュレーションですか。また、どのような方法でシミュレーションを行うのですか。ここを具体的に書かないと、一般論に見えます。
⑮ どんなシミュレーションなのか不明ですが、そもそもGIの効果がわからないまま、シミュレーションできるのですか。シミュレーションができなければ、この主張は成り立ちません。また、前半と後半は表現は違いますが同じようなことを述べているように見えます。


2.3 経済効果指標の作成
 GIは防災・減災だけでなく、地域振興や環境など多様な効果を果たす。地域が求めるニーズから定量的・定性的な指標を設定し、GI導入による経済効果を量る。これにより、防災一側面だけ見た時のグレーインフラとの比較ではなく、GI導入効果を適正に把握することができ、データに基づく意思決定が可能となる。


⑯ 複合災害対策の視点がないと、論点がずれているように見えます。聞かれているのは、グリーンインフラの普及ではなく、グリーンインフラを活用した複合災害対策です。見直しましょう。


3.新たに生じうるリスクとそれへの対策
 自然環境は地域住民を含む関係者の不断の努力により維持・継承されてきた。人口減少等により維持管理されず植生が減衰することで、防災機能が発現しないだけでなく、土砂災害発生リスクも向上する
 この対策として、デジタル技術の活用を推進する。
対策①:社会資本同様、自然資本のデジタル基盤地図情報を整備する。これにより、樹木の点検・診断結果を蓄積し効率的な維持管理が可能となる。
対策②:点検、診断時にレーザーによる樹木調査を行う。伐木せず樹木内部の空洞を把握することで、倒木リスクのある樹木を早期発見し、健全な森林環境を維持することが可能となる。


⑰ 解決策を講じても新たに発生するリスクを書くべきです。もともと存在しているリスクであり、解決策との関係もなければ、新たなという条件も満たしていません。見直しましょう。


4. 業務遂行にあたっての要件・留意点
4.1 技術者倫理の観点:GIに関わる技術者には「環境保全と安全性」、「コストと効果」など相反する要素を両立させるバランス感覚が求められる。幅広い知識や教養を身に着ける継続研鑽をすることが要件である。GIの活用は複合災害対策の一手段であり、公益確保が最優先であることに留意する
4.2 社会の持続性の観点:GIを次世代に継承するために、地域への教育・啓発活動の実施が要件である。GIの経済効果指標作成にあたり、生物多様性へ配慮することに留意が必要である。       以上


⑱ 問題視してるのは、バランス感覚なのですよね。なぜ、そのバランス感覚が、知識や教養を身につけることで養われるのですか。手段と結果の関係が分かりません。
⑲ 災害対策は、公益確保そのものではありませんか。何に留意しろと言っていているのかよく分かりません。
⑳ 業務遂行上の要件なのか疑義があります。
※このパラグラフで書くべきは、技術士のコンピテンシー、技術士倫理綱領に基づいた記述です。この2つの視点に沿って、本業務に該当する要件・留意点を書くようにしましょう。

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