技術士受験生へ この2つの計画は読んでおいて損はなし!!!
【 技術士 二次試験対策】
国土交通省のホームページトップ画面には、大臣会見というコンテンツがあります。この大臣会見では、話題のビッグモーター関連の発言が多く見られます。そのような記事に埋もれるようにあったのが、「新たな国土形成計画及び国土利用計画が閣議決定されました。」という大臣発言です。この計画は、その名の通り国土を形成するための重要な計画であり、全総→新全総→三全総→四全総→五全総→国土形成計画(六全総)と脈々と変遷してきた由緒正しい計画です。私も学生の頃、この全国総合開発計画を学んだ記憶があります。
建設部門においては、この計画そのものが問題となる可能性も十分ありますね(都市及び地方計画は特に重要)。しかし、この計画が重要である所以は、国土構造の基本構想だということです。つまり、技術士受験の視点で言えば、キーワードの宝庫なのです。前回のコラムでは、白書からキーワードを抽出しよう!ということを力説したわけですが、舌の根が乾かぬうちに「国土形成計画及び国土利用計画」が重要ですといってしまうと、どっちだよと言いたくなるのは分かります。
そのお怒りは一旦おいておいて、まずは概要版だけでもいいのでご覧いただきたい。パワーポイント1枚にまとまっているので、国の考えを一挙に理解するのに非常に役立ちます。この概要版に目を通したうえで白書を読むとメチャクチャ吸収力が向上すると思います。
ちなみに、「国土形成計画と国土利用計画って何が違うの?」ということなんですが、国土の利用に関して、国の他の計画の基本となる計画が「国土利用計画」、一方、総合的な国土の形成に関する施策の指針となるべきものが「国土形成計画」と定義されており、一体のものとして定めることとなっています。端的に言うと、国土利用計画→基本方針、国土形成計画→施策の方向性といった感じですね。
※画像をクリックすると国土交通省のPDFデータに飛びます。
※画像をクリックすると国土交通省のPDFデータに飛びます。
国が考えている課題が明確に整理されていますね。加えて、その課題を解決するための方法論がカテゴリーごとに示されています。つまり、これらの解決手段を二次試験の出題に合わせて解答すれば良いということです。また、国土形成計画には、具体的な施策まで書いてあるので、解答に具体例を添えることもできます。まさに万能ツールな計画です。迷ったらコレ!!!と言えます。
さらに、国土利用計画に示されている課題+基本方針は、そのまま必須科目Ⅰとして出題されてもおかしくありません。例えば、「自然環境や景観の悪化を防ぐため、健全な生態系を確保するための課題と解決策を述べよ」といった具合です。しかも、この資料にはこの問題の解答まで付いているので最高です。基本方針に「生態系ネットワークの形成」、「自然環境が有する多様な機能を活用」、「再生可能エネルギー関連施設の立地誘導」とあります。これを課題設定し、グリーンインフラ、Eco-DRRなどのキーワードが比較的たくさんある「自然環境が有する多様な機能を活用」と取り上げ解決策を述べていけば良いと思います。
解決策のキーワードに不足を感じる人は、国土形成計画に目を移しましょう。「30by30の実現」、「国土資源及び海域の利用と保全(農地、森林、健全な水循環、海洋・海域等)」、「景観形成」など多くの関連キーワードを見つけることができます。あとは、これらを掘り下げ、自分なりにまとめると良いでしょう。
それでも不安な人は、このような問題意識を持ちながら、各計画の本文や国土交通白書を見ると良いでしょう。もちろん、読みながらでも良いですし、キーワードを検索しても良いですよ(CTRL+F)。なんかもっと良いキーワードないの?という目的意識をもった瞬間、本文や白書を面白く読むことができます。この際の理解力は抜群です。これが、冒頭申し上げた「メチャクチャ吸収力が向上」という状況なのです。
令和6年度の筆記試験対策は、これらの計画が非常に重要なツールになることは間違いなさそうです。さあ、読んでみましょう。そして、何度も見直しましょう。試験に必要となる技術力が、一気に身に付くと思います。
最強資料降臨!