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技術士 二次試験対策 いよいよ試験1か月前 \体験記まとめ/本番のイメトレ!

コラム
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疑似体験で緊張緩和

【 技術士 二次試験対策 】

令和3年7月11日(日)

場所は東京会場を選択。私は青山学院大学青山キャンパスが受験会場でした。最寄り駅の表参道駅を出るとすでに多くの人の流れがあり、いかにも受験生オーラをみなさん発しているので、この流れに乗れば会場にたどり着くとの確信を得ることができます。人の塊は、真夏の246号線を南に向かって流れています。赤いレンガ積みの囲障を横目に、人ごみに身を任せていると会場入り口が眼前に飛び込んできました。

青山キャンパス内には、試験会場を示す置き型式の看板が設置されており、その横には案内人が数人佇んでいます。看板を確認すると部門の名称が記されていたので、私は建設部門の看板を探しながら奥へと進んでいきました。少し歩くと、すぐに建設部門の看板が目に入りました。看板と同時に、すごい人だかりと、長い列が眼下に広がっています。そうです。まだ会場が開いていなかったのでした。すぐに列に加わると、10分ほどで入場が始まりました。

建物内に入り指定の教室へ向かうと、100人は優に入れる広大な教室が私の試験会場でした。4人掛けの机に2名の受験生が配置され、比較的に余裕を感じるスペースが確保されています。試験開始までの数十分の時間は、トイレを済ませ、これまでに練習してきた論文たちに目を通していました。

試験官が入室すると緊張は一気に高まり、他の受験生の注目も試験官に注がれています。静寂に包まれる中、試験官が注意事項を読み上げると手に汗が滲んできました。この説明の中で、特に重要なのが時計に関する説明です。受験時に持っていく時計は、多機能な腕時計は厳禁です(安全を期すためにクロノグラフも避けましょう)。ここで、腕時計を鞄にしまう事態になれば、時間配分が分からなくなるとともに、心も相当乱れることでしょう。私は、事前に確認していったので事なきを得ましたが、みなさんもぜひ注意してください。

さあ、いよいよ試験開始の時間です。問題用紙が、前から順々に配布されていきます。配られた問題用紙の表紙と裏面には、注意事項が記載されています。ここで、驚愕の注意事項は、途中退室が認められていないことです。もちろん、トイレには行けますが、無断で退室すると失格になるので勝手な行動はNGです。参考に実際の試験問題を載せておきますね。

技術士二次試験問題1
技術士二次試験問題2

さあ、開始のゴングがなりました。周りから、問題をめくる音が一斉に響くとと、時間にして一分も経たないうちに鉛筆のカリカリ音が教室中に響き渡ります。この音を聞いても決して焦ってはダメだと自分に言い聞かせ、まずは問題にゆっくりと目を通します。出題は2問のうちから、一問を選択します。目に飛び込んだのは、練習をしまくった災害関連の出題があるではないですか。この時の高揚感は今でも思い出すことができます。心の中では、「やったーーーー」で充ち溢れましたが、ここでも一呼吸、しっかりと題意をつかむため、聞かれていることで重要なものにアンダーラインを引きます。その後、余白に観点と課題3つ箇条書き、その課題の一つに3つの対応策(キーワード)をぶら下げるツリー状の簡易版骨子を作成しました。

ここまでを3分ほどで行い、あとは骨子作成で膨らんだイメージを文章にして書き進めます。この後は、もう体が覚えていますので、すらすら書くことができるはずです。

しかし、ここで異変を感じ始めます。私に訪れた最大の試練が顔をのぞかせたのです。真夏に予想もできなかった事態、空調機効き過ぎ問題が突如発生するのです。「なんか肌寒いなぁ」ではありません。激寒です!!!もう、頭の中は、「どう構成しようかな」、「こっちの用語の方が技術的かな」といった論理的思考は一切なく、寒い、寒いといった感情思考で支配されていました。

ふと前の席の女性をみると、椅子に掛けたカーディガンを羽織り机に向かっています。私は、当然のように羽織るものなど持ってきていません。ただ、寒さに耐えるだけです。次第に、トイレにも行きたくなり、全く集中できません。コロナ禍での受験でしたので、時折窓から入る生暖かい風だけが、一縷の望みでした。今日一番言いたいのはこれです。みんさん、羽織るものを必ず持っていきましょう!

完全に思考が止まった私は、散々やった災害に関する論文なのに遅々として進みません。時間を確認するとあと30分ほど、論文は対応策中盤・・・さすがに焦りました。この焦りが体温を上昇させ、なんとか集中力が復活し、10分ほどを残し書き終えることができました。

ただし、まだ戦いは終わっていません。しっかり見直すのです。誤字はないか、文章がねじれていないか、重複表現はないかなど、目を皿のようにして確認し、超高速で校正を進めました。時間ギリギリまで、繰り返し読み返します。
はい、ここで時間終了の合図です。合図後は、悪あがきをせず試験官の指示を待ちましょう。

午前中の試験が終わると昼休憩に入ります。午前中の試験は10:00~12:00で、午後の試験は13:00~16:30となりますので、昼休憩は1時間ありますが、午前中の試験問題の注意事項には、「12時45分までに着席してください」とあります。そうなんです、昼休憩は短いのです。外に食事にでかけるなど論外です。お昼は、お弁当を持参するか、コンビニでパンやおにぎりをあらかじめ買っていくことをお勧めします。

私は、買ってきたパンを片手に、作成した練習論文を読み直しました。1分1秒も無駄にできません。特に、選択科目Ⅱ-1は知識を問われるのでキーワードを中心に確認していきます。Ⅱ-1問題は、枚数は1枚と少ないにも関わらず、事業や制度が分からないと全く書けません。まさに鬼門!要注意です。幅広い問題に対応できるよう、事前にキーワード集などを用意するのも効果的です。

教室内は、依然として激寒なので、トイレに行っておくとともに、水分も必要以上に摂取しないよう注意しました。そうこうしている間に、試験官が登場です。午前中の緊張とは打って変わって、「やってやるぜ」との意気込みの方が、緊張を上回っていました。しかし、周囲は一瞬にして静寂に包まれ、隣のおじさんの息遣いが聞こえてきました・・・

試験官が、午前中と同様の説明をひとしきり終えると、開始の合図が響き渡ります。
※念のため、午後の試験問題もアップしておきますね。

技術士 二次試験 PM問題1
技術士 二次試験 PM問題1

午前と同様、一斉に問題用紙をめくる音が教室を包みます。

さあ、鬼門の選択科目Ⅱ-1からチェックします。「ん、スポンジ化対策がある!!!!!」心の声が漏れていないか不安になるほど、心の中で叫びました。予想ドンピシャ!必須科目に続き、的中です。必須科目同様、すばやく論点や注意点などにアンダーラインを引き、何を書くのかキーワードを余白にメモします。

他の問題も確認しないことには、解答作成に集中できません。よって、続いて選択科目Ⅱ-2もチェックしちゃいます。「民間事業者の資金とノウハウを取り入れた構想作成ですって!」また、心の中で叫びます。この時、私はPPP事業を業務として行っており、これ以上ないサービス問題です。技術士になれという天啓なのか、自身とワクワク感に満たされていくのを感じます。

最後の選択科目Ⅲをチェックします。「最後頼むよ!」という祈るような気持ちで確認すると、ありました例の奴が・・・当時感染拡大真っ只中、もう出ることが約束された問題「新型コロナウイルス」。合格への道筋が見え、心の中では声が枯れ果てるほど歓喜の雄たけびを上げています。

さあ、喜ぶのはここまで、冷静さを取り戻し、Ⅱ-2は目を瞑ってもかける問題なので、Ⅲの骨子を素早くまとめ、Ⅱ-1から順番に書き上げていきます。筆をすすめるとすぐに、隣から椅子を引く音が聞こえます。すぐさま隣に目を向けると、さっき息をしていたおじさんではないですか(息はみんなするね)!?
おじさんは、筆箱を流れるように鞄に収めると、颯爽と教室を跡にします。

「おじさん的を外しちゃったんだね」と心で声をかけ終えると、問題に集中します。予想的中に慢心した私に罰が与えられました。散々やった「立地誘導促進施設協定」の名前が出てこない・・・なんだっけと焦れば焦るほど出てきません。やむを得ません。通称のコモンズ協定で手を打ちます。この心の乱れによって、協定の内容に関する記憶も曖昧になってしまいました。先ほどの歓喜から、幾分も経過していないのに、圧倒的な不安が押し寄せます。落ちたら、このⅡ-1だなと思うほどできません。やはり鬼門!おそろしい。

この鬼門の恐ろしさに身を震わせていたのですが、震えの原因は別にありました。食事をして少し体温が上がったせいか、尋常でない寒さを忘れていました。身を縮めながら、必死に問題に食らいついていると、一人の女性が試験官を呼んでいます。何かあったのかなぁと眺めていると、静かな教室内ではそのやり取りが聞こえてきます。女性は、なんと試験官に空調が寒すぎる旨を伝えています。

「ナイス女性!」。君は、もう合格で良し!技術士として、社会貢献する前に、もうすでに教室内の受験生の役に立っています(まさに天使)。彼女の行動力に賛辞を送っていると、試験官から要請に対する冷徹な回答が聞こえてきました。

「空調は集中管理だから調整できません。」

なんだよ!!!彼女の勇気を、ぼくたちのささやかな希望が打ち砕かれた瞬間でした。しかし、試験官は代替策として、窓を大きく開けることで対応したのです。湿気たっぷりの生暖かい風は、私たちにとって元寇以来の神風となったのでした。

激寒問題が解決した私は、記憶が曖昧な状態のままⅡ-1を書き上げると、すぐさま得意のⅡ-2の民活論文に着手します。ここは、もうノリノリです。筆は止まることを忘れたかのように、進んでいきます。勢いそのままに、Ⅲのコロナウイルス論文を書き始めます。これも、約束された問題なので、スムーズに書くことができます。

しかし、寒さ以外の試練がこの時すでに私の身に襲い掛かってきたのです。

「う、腕が痛い。指に力が入らん・・・」

もちろん、手書き論文は練習の時に散々書きましたよ。でも、思っている以上に筆に力が入っていたのでしょう。肩から手首までは、パンパン。握力は小学生。
でも、ここで諦めるわけにはいきません。
根性で一通り書き終え、時計に目を移します。残り時間、あと15分です。時間なーーーい!

目を皿のようにして、書き上げた論文をチェックします。当然、「ここもう少し、こうしたいなぁ」、「この表現くどいなぁ」など修正したい箇所がいくつも発見されます。全部直す時間はありません。一番やばい間違いはどれだと逡巡し、論点ズレが懸念される部分を急いで修正します。修正が間に合わなければ、大幅な減点になります。リスクはあるものの、看過できない間違いをそのままにしておくわけにはいきません。少ない語彙をフル活用し、問題用紙に収まるよう文字数を調整します。

残り2分を切ります。

時間ギリギリまで、読み返します。

終了・・・

合図とともに押し寄せるのは、安堵と疲労です。思考は急停止、何も考えることができません。
かなり消耗している自分に驚きます。
試験は、私が想像していた以上に過酷でした。

どうでしたか?私の体験記は、みんさんのお役に立ちましたかね!
みなさんが、試験当日、練習の成果を発揮できることを願い、私の体験記を終わりにします。

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