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技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度 選択科目Ⅲ 予想問題 「こどもまんなかまちづくり」

論文添削
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【 技術士 二次試験対策 】

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各種白書が閣議決定

令和6年6月18日の閣議で、令和6年版の「水循環白書」、「首都圏白書」、「土地白書」、「観光白書」、「交通政策白書」の5つの白書が閣議決定されました(白書のページはコチラ)。この中で面白うそうな白書は、ないかと斜め読みしていると、やっぱりありました。独断と偏見で「首都圏白書」に注目です。

「首都圏白書」は、首都圏整備計画の策定及び実施に関する状況を報告するものです。なぜ注目すべきかについては、必須科目や選択科目Ⅲで使えそうな取り組み施策が端的にまとめられているからです。さらに、具体的な事例もあるので、スイスイ理解することができます。

例えば、第5節 環境との共生では、次のようなトピックが示されており、GX施策としてそのまま使えるものばかりです。
1.自然環境の保全・再生
(1)自然環境の保全・再生
(2)緑地の保全・創出
(3)水環境・水循環の保全・回復
2.環境負荷の低減
(1)温室効果ガスの削減
(2)エネルギーの消費動向と対策
(3)グリーン社会の実現に向けた取組

その他にも、確固たる安全、安心の実現に向けた基礎的防災力の強化、面的な対流を創出する社会システムの質の向上など参考になりそうな話題がふんだんに盛り込まれています。勉強の合間に一読したり、キーワード学習に活用したりと有用な資料になりそうです。

論文

今回お届けする論文は、建設部門 令和6年度 都市及び地方計画 選択科目Ⅲ 予想問題 「こどもまんなかまちづくり」です。異次元の少子化対策の一環として、こども基本法(R5.4施行)、こども未来戦略方針(R5.6閣議決定)、経済財政運営と改革の基本方針(R5.6閣議決定)などこどもまんなかまちづくりに関する政府の方針が示されています。このように注目される取組みをどのように説明しているのか、早速論文を見ていきたいと思います。

問題文

未曾有の人口減少社会に突入する中、急速な少子化・人口減少に歯止めをかけなければ、我が国の経済・社会システムを維持することは難しく、世界第3位の経済大国という、我が国の立ち位置にも大きな影響を及ぼす。こどもの成育や子育てにやさしい社会づくりが急務とされる中、令和5年にこども家庭庁が新設され、同年にはこども基本法に基づく「こども大綱」が閣議決定された。こどもまんなか社会の実現に向けて、こどもや子育て世帯が安心・快適に日常を暮らせるよう、身近な遊び場や交流の場など子育てしやすくこどもがうれしい周辺環境を整備することが重要である。

このような状況を考慮して、以下の問に答えよ。

(1)人口減少傾向にあり、こどもまんなか社会の構築を目指す地方都市において、「こどもまんなかまちづくり」を推進していくにあたり、技術者としての立場で多面的な観点から取り組むべき課題を3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を複数あげ、その課題に対する複数の解決策を、専門用語を交えて示せ。

(3)前問(2)で示した解決策に関連して、新たに浮かび上がってくる将来的な懸念事項とそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

課題

1.多面的な課題
(1)  いかに子育てしやすい都市環境を整備するか
 少子化が続く要因の一つとして、こどもの遊び場の減少やベビーカー利用時に混雑している場だと肩身が狭いといった、子育て時に困難さを感じる都市環境にある快適に子育てを送ることができるようにするためには、こどもや子育て世帯の目線に立った都市空間の形成が重要である。よって、都市づくりの観点から子育てしやすい都市環境の整備が課題である。


① 共感できる例示で個人的には、とても好きなのですが、いかんせん長いです。また、「・・・一つとして・・・にある」と文のつながりがおかしいですね。文章の構成としては、現状もあると良いですね。→「近年、遊ぶこどもの声に苦情が寄せられ、ベビーカーの移動では肩身の狭い思いをするなど子育てしづらい状況にある。このような状況は、こどもの遊び場の減少や、安心して子育てができる生活空間の欠如が要因と考えられる」

② 冗長的です。→「快適な子育てには」

③ ②を修正した場合、「必要」の方がよいでしょう。


(2)いかに地域社会との協働を図るか
 女性の活躍が推進され、共働き世帯は年々増加している。一方で昼間に地域にいないことによる住民関係の希薄化や地縁的関係を築く機会の減少により、子育て世帯同士が分断され子育ての孤立化が生じている。そのため、地域コミュニティを再構築し地域全体で子育てを支えていくことが求められる。よって、体制面の観点から地域社会との協働が課題である。


④ 一方では、2つあるうちのもう一つという場合に使います。この場合は、「他方で」の方が適切ですかね。

⑤ 「昼間地域にいない」と「機会の減少」は同じに見えます。また、親同士の交流機会減少なのか、地域住民との交流機会減少なのかが良く分かりません。→「共働き世帯の増加により、親同士・地域住民との交流機会が減少し、子育て世代が地域から孤立することが懸念される」

⑥ 文脈としては問題ないのですが、問われているのは“まちづくり”の課題です。よって、「地域交流機会を生み出す空間の創出」といった具合にまちづくりに紐づける解決策にしましょう。


(3)いかに仕事と両立できる市街地の形成を図るか
 新しい生活様式が定着しつつあり、多様な働き方が実現している。こうした中、子育てと仕事を両立するには、職住に加えて子育て環境が近接した居住環境が重要である。そのため、テレワーク拠点や保育所等の子育て支援施設が一体的となった都市機能の整備が求められる。よって、ダイバーシティの観点から子育てと仕事が両立できる市街地の形成が課題である。


⑦ 職住と言っているのに、子育て環境が近接した居住環境との表現は違和感があります。また、子育て環境も何を指しているのか良く分かりません。さらに、文章構成を考えた場合、ここは問題点を提起した方が良いともいます。例えば、「しかし、育児は多くの時間を要することから、フルタイムでの就労や満足なキャリアを築くことは未だ困難な状況にある」などが考えられます。

⑧ 「集約」の方が、文脈はきれいだと思います。

解決策

2.最も重要な課題と解決策
 ソーシャルキャピタルの醸成も期待できることから「いかに子育てしやすい都市環境を整備するか」を最も重要な課題に選定し、以下に解決策を示す。


⑨ ソーシャルキャピタルは2つ目の課題で触れているので、波及効果は異なる方向でアプローチした方がよいでしょう。例えば、「都市環境の改善は社会意識の変化も促すことが期待できる」などいかがでしょうか。


(1)都市構造

こどもをベビーカー等に乗せて移動する際、目的地同士が離れていると身体的・心理的な負担がかかる。そのため、コンパクト+ネットワークを形成し快適な子育てを実現する。具体的には、立地適正化計画を策定し、都市機能誘導区域を設定することで、子育て支援施設等を誘導する。併せて、地域公共交通計画を策定し、拠点間を結ぶように公共交通網を再構築する。また、MaaSを導入し、目的地までの移動に伴う手続きをシームレスにする。移動にはLRTを導入し、停留場と車両の段差解消によりベビーカーでもスムーズな乗降を可能にする。移動や目的地までに伴うバリアを解消することで、快適な子育てを実現する


⑩ ここらへんから、都市構造の話ではなくなっています。もっと、集約型都市構造の利点、例えば歩いて暮らせる、教育施設や医療施設等の子育てに必要な施設が居住地周辺地に充実しているといった点を説明しましょう。


(2)公園づくり
①こどもの遊び場の確保
 画一的な利用ルールの見直しを図り、都市公園の柔軟な管理運営を行うことで、こどもの遊び場を確保する。例えば、公園協議会を設立し、公園管理者と地域住民によるパークマネジメントを推進する。ボール遊びに関するルールの策定等、公園毎の実情に応じたルールの弾力化により、こどもの遊び場を確保する。


⑪ いきなりルールと言われても何のルール?と感じてしまい、その先を読むとそういうことねとなります。説明の順番がおかしいです。→「公園内にこどもの遊び場を確保するため、画一的な利用ルールを見直し、都市公園の柔軟な管理運営を行う」


②P-PFI
 都市公園の子育て環境を向上させるため、P-PFIを導入し、公園内に保育所等の子育て支援施設設置する。併せて、授乳スペースやトイレの機能を具備しカフェ等の収益施設を併設させることで、こどもを連れて訪れやすい公園とする。収益の一部を公園整備に還元させることで、公的負担の軽減と多世代交流による地域活性化といった効果も得られる


⑫ →「を設置する」

⑬ ただのトイレ?→「おむつ交換可能なトイレ」

⑭ 機能ではないので、「・・・等を具備し」

⑮ カフェの設置は少し毛色が違うので、分けた方が良いでしょう。→「併せて、授乳スペースやおむつ交換可能なトイレ等を具備し、こどもを連れて訪れやすい公園とする。加えて、カフェ等の収益施設を併設させることで、公園サービスの質を向上させるとともに、収益の一部を公園整備に還元させ、公的負担の軽減も図る。これらにより、公園の魅力向上と子育て機能の充実といった相乗効果を生み出す。」


(3)道づくり
 こどもを連れて安全に歩行できる歩道を整備するため、歩行者利便増進道路として指定しバリアフリー化を図る。具体的には、歩行者と自転車を分離させた上で、幅員3mの歩道を整備する。賑わいを目的とした空間には、ベンチや上屋等の休憩機能を具備する。併せて、滞在快適性等向上区域を設定する。駐車場の出入り口の設置を制限させることで、歩行者と自動車の輻輳を防ぐ。これらにより、快適にこどもやこども連れが歩きやすい道を実現させる。


⑯ ほこみちは、バリアフリー化が目的ではなく、歩行者の滞留・賑わい空間を創出することが目的ではありませんか(バリアフリーはほこみちの配慮事項)。

⑰ 3m以上ですかね。

⑱ どこの空間を指しているのか分かりません(滞在快適性等向上区域との違いを明確にすべきです)。

⑲ ⑱の指摘にも通じますが、駐車場の入り口も取り組みの一つですが、民間によるオープンスペースの提供を説明し、ほこみちと連動させると効果抜群といった論調で整理してはいかがでしょうか。

リスク

3.新たなリスクと対応策
 コンパクトシティ化により、都市の利便性が向上することで地価が向上する。その結果、郊外地への人口のにじみ出しやスプロール化誘発のリスクがある。対応策として、居住調整区域の設定により市街地の拡散を防止し、人口のにじみ出しを抑制する。これにより、自然生態系への保全といった効果もある。以上


⑳ 「向上することで・・・向上する」が気になります。→「・・・高まることで・・・向上する」

㉑ →「自然生態系の保全」

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