添削LIVE
【 技術士 二次試験対策 】
必須科目の選択問題とは
必須科目の選択問題は、とてつもなく範囲が広いです。特異なものだけ知識を備えても、なかなか対応できるものではありません。じゃあ、どうすりゃいいんだよということになりますが、ここら辺を考えてみましょう。
まずは、対策を講じるためには傾向を知ることです。つまり、過去問を分析することです。過去問は、日本技術士会のホームページに大量に掲載されています(掲載ページはコチラ)。これから、たっぷり分析をしていきたいと思いますが、まずは大まかな捉え方をご紹介します。
基本的な傾向は、論文形式の時と同じです。ズバリ時事問題を中心に勉強することに尽きます。トレンドを抑えるのは、どんな問題形式でも必須と言えます。情報収集は、審議会や委員会でどのうような議論がされているのか日々チェックしましょう。
また、トレンドをアウトラインで把握するのに役立つのは、鉄板資料の国土交通白書です(国土交通白書はコチラ)。国の動きがどのようになっているのか把握するのに最適です。ただし、量が多いので一気に読むというよりも、ちょこちょこ読み進めていくのがお勧めです。
まずは、各施策は連動しているので、体系的な理解が不可欠です。過去問は、適切・不適切なものを選択する形式になっていますので、体系的な仕組みを理解するとある程度絞り込みができるようになるので、正解の可能性を高めることにもつながります。
まあ、まだ変更することが確定しているわけでもないので、気負わずゆるり国の動向を把握するといった感覚で取り組むと良いと思います。
論文
選択科目Ⅱー1祭り第2弾も、大量投稿していきますよ。今は、知識を蓄える時期なので、選択科目Ⅱー1は最適ですよね。みんなで多くの論文を投稿してレベルアップしましょう。それでは早速論文を見ていきましょう。
敷地整序型土地区画整理事業(完成)
問題:敷地整序型土地区画整理事業が必要な背景及び概要、特徴とメリットを述べよ。
1 敷地整序型土地区画整理事業が必要な背景
人口減少社会における多くの既成市街地では、空き地などの低未利用土地が、小さな敷地単位で時間的・空間的にランダムに発生する都市のスポンジ化が進行している。それぞれの空き地は、「面積が小さい」、「バラバラに存在している」、「土地の形状が不整形」など使い勝手が悪いことが多く、単独で利用することが難しい状況となっている。この対応として、散在する空き地の集約再編が可能な市街地整備手法が求められていた。
2 敷地整序型土地区画整理事業の概要
一定の基盤整備がなされている既成市街地内の地域で、早急に土地の有効活用を図ることが必要な地区において、相互に入り込んだ少数の敷地を対象とし、換地手法によりこれら敷地の整序を図る敷地レベルの土地区画整理事業のことをいう。
3 敷地整序土地区画整理事業の特徴・メリット
敷地整序型土地区画整理事業は、敷地レベルの小規模事業が特徴であるため、迅速な事業展開といったメリットがある。また当事業は、小規模な公共施設整備が特徴であるため、一般的な土地区整理事業より減歩率が低くなるといったメリットがある。さらに、柔軟な区域設定が可能であるため、早期に事業着手が可能であるといったメリットもある。
以上
防災街区整備事業
問題:防災街区整備事業の概要と市街地再開発事業、土地区画整理事業との関係を述べよ。
1 防災街区整備事業の概要
防災街区整備事業は、老朽化した建築物を除却し防災性を備えた建築物及び公共施設の整備を行う事業である①。事業手法は、土地・建物から建築物への権利変換による共同化を基本としつつ、例外的に個別の土地への権利変換も可能である。
① 「事業は、・・・事業である」とねじれています。→「事業は・・・行うものである」
2 市街地再開発事業との関係
市街地再開発事業は、保留床による財源確保のため、高度利用が前提だが、防災街区整備事業は、必ずしも高度利用を必要としていないため、採算性の低い区域でも事業が可能である②。
② 主語が変わるので、一回文を切ると良いでしょう。→「・・・前提となる。一方、防災街区整備事業は、・・・」
3 土地区画整理事業著の関係
土地区画整理事業は、避難所や避難路となる公園や道路を整備し、地区の防災性を高めることができる。さらに地権者の共同申出による共同住宅区を設定し、地区の不燃化を進める事ができる。
しかし、これらは、土地区画整理法に基づく法定街区ではないため、街区内の底地の地権者や借地権者の合意が必要である③。そのため権利調整に時間を要し、事業成立まで見通しが立たない可能性がある。
防災街区整備事業は、権利者全員の合意を必要としないで事業実施が可能であり④、更に個別利用が可能となる街区設定もできるため、合意形成が円滑に進み、確実な事業実施が期待できる。
以上
③ これらが、前述の整備・不燃化を示しているのであれば、なぜ街区の話になるのか、法定外区とは何か良く分かりません。公共施設は公共減歩で生み出されますし、街区は換地により整理されるのではないでしょうか。また、区画整理事業は、合意がなくても直接施工(強制執行)が可能ではないでしょうか。
④ 防災街区整備事業こそ法律に基づくものではないため、地区内の土地所有者や借地権者などの関係権利者の合意が不可欠ではありませんか。後述にあるように建物床だけでなく、土地変換も可能といった柔軟性がある事業なので、合意形成がしやすい程度の話ではありませんか。
エリアマネジメント
問題:エリアマネジメントの分類と効果について述べよ
1 エリアマネジメントの活動分類
エリアマネジメントは、下記の4つに分類される。
(1)地域の将来像の策定や街並みに関するルール策定等のエリア全体の環境に関する活動①
(2)広場等の共有地の維持管理や公園、道路の植栽等の管理等の共有物・公物等の管理に関する活動②
(3)地域内の巡回パトロールや地域に関するシンポジウム等のイベントの開催などの居住環境や地域の活性化に関する活動
(4)コミュニティバスの運営やサークル活動などサービス提供、コミュニティ形成等のソフトの活動
① 因数分解をきちんとすると良いでしょう。→「地域の将来像や街並みに関するルールを策定するなど、エリア全体の環境に関する活動」
② ①と同様。→「広場や道路の植栽等の共有物・公物等の管理に関する活動」
2 エリアマネジメントの効果
効果1 快適な地域環境の形成と持続性の確保
公園等の整備と併せ、その場所における活動が可能となり③、快適な地域環境や継続的な活動④ができる。
③ なぜ活動が可能になるのか分かりません。
④ ③が抽象的であるため、この部分もなぜ快適になるのか、なぜ持続的な活動ができるのか理解できません。
効果2 地域活力の回復・増進
中心市街地では来街者が増え、活気を取り戻す。また、市民活動も活発化し犯罪率の低下等の効果もある④。
④ 効果を発現する活動も併記すると良いでしょう。→「イベント等の開催により、・・・取り戻す。また、パトロール活動により、・・・効果もある。」
効果3 資産価値の維持・増大
美しく快適な環境が形成され、土地等の不動産価値が下落しにくくなり、または⑤上昇といった効果もある。
⑤ 「または」は、どっちかという意味合いが出てしまうので、上昇は発展的な結果なので「さらには」がふさわしいと思います。
効果4 住民・事業主・地権者等の地域への愛着や満足度の高まり⑥
エリアマネジメントの活動を通じ、住民・事業主等の地域への愛着や満足度が高まる効果がある。
以上
⑥ 見出しは、短く端的に表しましょう。→「地域への愛着や満足度の高まり」
都市再生整備計画事業
問題:都市再生整備計画事業の事業評価する上での注意点について述べよ
1 事業評価する上での注意点
(1)PDCAサイクルの視点
まちづくりの成果を高めるために、事業と評価を連動させたPDCAサイクルの導入に留意する①。
まちづくりの目標を達成するために必要な事業と客観的評価基準に基づく事前評価を行い(PLAN)し、事業を実施(DO)する。事業終了時に成果達成度を評価(CHECK)して、今後のまちづくりに必要な改善点を把握のうえ、可能なものは速やかに改善(ACT)を行う一連のマネジメントサイクルである②。
① 問われていることに的確に答えましょう。聞かれているのは、注意点です。よって、文末は留意ではなく「注意する」になります。一見して同じですが、的確に答えるという意味では、問いと同じにしましょう。このことは、すべての事柄にあてはまりますので、徹底的に意識し改善することが大事です。
② 主語がないので判然としませんが、おそらくPDCAの説明をしているのでしょう。PDCAの説明より、注意点を聞かれているのですからどのような行動になるのか、どんな効果があるのかと言ったことを説明しつつ、注意する必要性を述べた方がよいと思います。
(2)わかりやすさと透明性の視点
住民がわかりやすい定量化した目標を設定することにより、住民の効用増大や満足度など事業を実施したことによる影響度が評価でき、目標の達成状況が検証できる③。また、まちづくりの実効性を高めるため、計画内容や数値目標など積極的に情報公開して事業評価の透明性を高める④。
③ これも同じです。できることを説明するのではなく、問われていること(注意点を説明せよ)に的確に解答する表現が望まれます。
④ 前段に比べ、このパートは分かりやすく書けていますが、文末を「注意する」といった表現にすること、または、「注意点は、・・・である」といった表現が望まれます。
(3)民間のまちづくり活動と連携した市町村の主体的な取組の有無の視点
都市再生整備計画事業は、市町村や民間などの多様な主体による創意工夫を活かしたまちづくりを国が支援する制度である。そのため、多様な主体によるまちづくり活動との連携・協働を積極的に図ることが重要である⑤。
以上
⑤ 前述と同様、的確な表現が望まれます。
※内容は、良いので的確な表現を意識しましょう。