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技術士 二次試験対策 建設部門 制度改正対策 選択科目Ⅱー1祭り開催⑦ 旧制度特集

論文添削
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【 技術士 二次試験対策 】

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旧制度の問題形式

これまで何度か言及してきましたが、令和7年度は制度改正の周期になります。令和7年度以降、どのような形式になるか明らかになっていませんが、受験を予定している人は早めに勉強したいですよね。これまでの周期は、必須科目が択一形式と論文形式とが繰り返されています。

令和7年度は、これまでのルールですと択一式にことが想定されます。そこで重要なのは、幅広い地域を身に着けることです。このため、どんな問題が来ても対応できるように知識を積み上げる勉強方法が有効です。

そのため、知識の積み上げに有効な選択科目Ⅱー1を大量に投稿しています。今回の投稿は、さらに制度変更を意識して、旧制度の選択科目Ⅱー1論文を集めてみました。旧制度の特徴は、用語説明が多く見られます。

用語説明自体は、知ってさえいれば論文を書くことは容易です。しかし、この”知ってさえいれば”は、正確にいうと「正しく知っていれば」ということになります。付け焼刃の知識ですと、「少し理解が違くない?」といった解答になることが危惧されます。

やはり制度そのものに加え、背景や制度の効果を理解したうえで、各制度の関連や分類が頭の中で整理されていることが望まれます。枝葉のみに捉われず、幹や森を見る視野の広さが大切です。これらは、一朝一夕では身に付きませんので、日ごろからの少しづつ積み上げていくと良いでしょう。

それでは、旧制度の問題達をとくと見ていきましょう。

論文

景観制度(H25)

問題:良好な景観の形成に資する制度のうち、①法律に基づく「計画」、②法律に基づく「規制・誘導措置」、③事業・活動に対する⽀援措置に該当するものを1つずつ(計3つ)挙げ、それぞれの特徴を説明せよ。


1 法律に基づく計画
・景観法に基づく景観計画
 景観計画は、景観法に基づき主に市町村が景観行政団体となり策定するもので、良好な景観を形成するための目的、方針及び行為の制限の基準を定める
 同計画の対象地域となる景観計画区域内で景観形成基準を定める。
 景観形成基準には、建築物又は工作物の形態又は色彩その他の意匠の制限がある。罰則規定はなく、届け出・勧告による緩やかな規制である。


① 「景観計画は・・・定める」になっています。計画は人ではないので、定めることはできません。→「・・・定めるものである」

② 記述がすべて計画の概要になっています。問題は「特徴」を書けと言っています。何が特徴なのか分かりません。※以下すべて同じ。


2 法律に基づく規制誘導
・都市計画法に基づく地区計画
 地区計画は、地区の住民が主体となり将来のまちのあり方を定め、市町村によって都市計画決定される。 
 地区計画に記述される項目の一つである地区整備計画で、建築物の高さの最高限度や壁面の位置、敷面積の最低限などを定め、条例により建築確認対象として実行性を担保する


③ 問題は、法律に基づく規制・誘導です。条例により実効性が担保されるものが解答としてふさわしいか疑義があります。


3 事業・活動に伴う支援措置
・景観改善推進事業
 景観計画を策定する市町村に対する総合的な支援を行うとともに景観規制上、既存不適合となる建築物への是正措置に対する支援を実施する。

以上


④ 抽象的です。総合的な支援とはどのような支援なのか書きましょう。

⑤ 既存不適格ではありませんか。

⑥ これも抽象的です。スペースも余っていますし、もっとどのような措置なのか具体的に書きましょう。

密集市街地・公的住宅(H25)

問題:密集市街地の整備改善に当たり、市街地特性からみた課題について、主なものを2つ挙げ、それぞれの課題を解決するための取組みを述べよ。
 また、密集市街地の居住者特性を踏まえ、地区内における生活再建に関し公的賃貸住宅が果たす役割を述べよ。


1 市街地特性からみた密集市街地の課題
(1)木造住宅が多く、狭い道路が存在するなどの防災面の脆弱性がある
(2)小さく不整形な低未利用地の散在し、土地の集約化が困難である


① 問いは課題を書けなので、文末は「・・・が課題である」と問いに対して明確に答えましょう。また、課題とは、問題を解決するために取り組むべきことです。これは、課題ではなく、問題点になっています。

② ①と同様。


2 課題を解決するための取組
(1)の課題に対する取組
 市街地再開発による狭隘道路の解消、不燃化、耐震化を行う。
 大街区化による敷地の一体利用化して延焼遮断帯や避難地となる道路、公園等の整備と個々の建築物の耐震化、不燃化を図る


③ 表現がおかしいです。目的と手段を整理しましょう。例えば「敷地の一体利用を図るために大街区化を進め」としてはいかがでしょうか。

④ 手段は大街区化です。その効果として、道路や公園の整備、建築物の耐震化・不燃化としていることに疑義があります。これらの効果を発現するための手段は、再開発ではないのですか。


(2)の課題に対する取組
 土地区画整理事業による未利用地の集約換地を行う。市街地再開発事業による共同建物建築による高度利用化を図り、公共空間を生み出す。


⑤ ただの区画整理では、照応の原則があるので集約されないのではないでしょうか。

⑥ 集約化が課題ではありませんか。高度利用や公共空間を生み出すこととの関係性が理解できません。


3 公的賃貸住宅が果たす役割
 借家人や小規模宅地の居住者を公的賃貸住宅に継続居住してもらうことで、従前のコミュニティの維持可能となる。
 密集市街地では、高齢者をはじめとする低所得層の居住が多く、市街地整備改善に伴う建替えや一時移転による資金調達が困難であるから生活再建による公的賃貸住宅の導入は、居住者の経済的(家賃等)負担の軽減につながる。            以上


⑦ まず、住民の特性を述べないと必要な行動なのか分かりません。
参考(国交省HPより):密集市街地の住民は、小規模・高齢者世帯が比較的多く、自宅やその周辺の災害に対する安全性、住環境は劣っていると感じているものの、利便性に 優れ、その地域に住み続けたいという意向が強い。
また、継続居住とありますが、住んでいた場所は違うところなのではありませんか。同一地域の公的賃貸住宅に転居するということですかね。説明不足です。

⑧ →「維持が可能」

⑨ →「あることから」

⑩ 何が言いたいのか良く分かりません。建て替え時の仮住まいのことを言っているのか、建て替えできない人々が公的賃貸住宅に転居することを言っているのか判然としません。

エリアマネジメント(H26)

問題:様々なエリアマネジメントの活動が⾏われているが、多くの活動に共通する効果を3つ述べよ。


効果1 快適な地域環境の形成とその持続性の確保
 住民・事業主・地権者のみならず、就業者・来街者にとっても快適で質の高い環境の形成が図られ、快適な地域環境が形成できる。
 公園等の公共施設の整備とあわせて、その場所にふさわしい活動がなされるよう継続的な仕組みを整えることで、快適で持続性な環境が確保される。


① 効果を3つ書けと条件設定されているにもかかわらず、4つ書いているのは不適切です。

② 手段と結果がともに「快適な環境」になっています。

③ また、快適な環境が記述されています。持続性の確保に特化して書くべきでしょう。また、継続的な仕組みを整え、持続性な環境(←これも日本語としておかしいです)では①と同様、同じことを繰り返し述べています。継続的な仕組みを具体的に書くべきです。


成果2 地域活力の回復・増進
 イベント等の開催により、中心市街地では、来街者が増え、活気を取り戻す。
 空き家・空き地の減少や、オフィス等の空き室率の改善、犯罪発生率の低下、NPOやボランティア等の市民活動の活発化等の効果もある。


④ 限定する必要がありますか。

⑤ どのような活動の結果により、これらの効果がもたらされるのかも記述されているとより良いと思います。


効果3 資産価値の維持・増大
 エリアマネジメントにより、美しい街並みや安全で快適な環境が形成されることで、土地・建物の不動産価格が下落しにくくなり、さらには不動産の価格の維持や上昇といった効果もある。


⑥ 共通した条件なので、書く必要性が感じられません。書くのであれば、具体的な活動内容を書きましょう。

⑦ 重複。

⑧ これもこれまでと同様、前段と後段は同じことを述べています。


効果4 地域への愛着や満足度の高まり
 エリアマネジメントの活動を通じ、住民・事業主・地権者等の地域への愛着や満足度が高まること効果がある。 以上


⑨ ⑥と同様。

⑩ 不要。

景観制度(H27)

問題:良好な景観の形成に資する制度のうち、法律に基づき建築物の規制・誘導を行うものを3つ挙げ、それぞれの特徴を説明せよ。


1.景観を整備するための制度
(1)景観地区(都市計画法)
 都市計画区域内又は準都市計画区域内の市街地の良好な景観の形成を図るために、都市計画において、建築物の形態意匠に関する制限を定めるとともに、必要に応じて建築物の高さ、壁面の位置、敷地面積の最低限度を定めることができる
 景観地区内において建築物の建築等をしようとする者は、あらかじめその計画について市町村長の認定を受ける必要がある。


① 景観地区内における制限であることを明記しましょう。また、景観地区の説明もした方が良いと思います。


(2)地区計画等(都市計画法)
 地域の実情に応じた詳細なまちづくりのルールを都市計画に定める制度である。具体的には地区整備計画等において建築物等の高さや形態意匠の制限のほか、用途、容積率、建ぺい率、敷地面積、壁面の位置の制限などが定められる


② 制限の内容はどれも似たり寄ったりなので、制限の内容だけでなく地区計画の特徴(計画主体や効力の範囲)を書きましょう。


(3)建築協定(建築基準法)
 住宅地の環境や、商店街の利便を高度に維持増進する等の建築物の利便を増進し土地の環境を改善することを目的に、土地の所有者等の全員の合意により、建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠等に関する基準について、協定を締結する制度である。
 特定行政庁の認可の公告のあった協定は、その後、区域内の土地の所有者等になった者にもその効力が及ぶ。                  以上


③ 土地の環境を改善するとはどのようなことを言いたいのでしょうか。

住民参加(H29)

問題:都市計画に住⺠参加が求められる背景と、住⺠参加による都市計画決定権者のメリットを述べよ。また、住⺠参加に関して都市計画法に規定されている制度を一つ挙げ、その概要を述べよ。


1 都市計画に住⺠参加が求められる背景
 行政だけでのまちづくりは限界であり、民間の活用が求められている。また個性ある街なみを形成しようとする住民意識の高まりをうけ,都市計画においても住民の参加が求められている。


① 民間活力の導入ではなく、住民参加が求められる背景を書きましょう。

② 何に追加しているのでしょうか。不要。


2 住⺠参加による都市計画決定権者のメリット
 合意形成の円滑化や財政面や人材不足の問題への対応,住民の意見を取り入れた計画とすることで実行性が確実となる。住民意見を反映することで計画策定のプロセスが共有でき、住民の協働や理解が得られる


③ 何がメリットで何が手段なのか良く分かりません。きちんと整理整頓しましょう。

④ 何に対する協働や理解なのですか。対象を明確にしましょう。


3 都市計画法に規定されている制度
・都市計画の提案制度
 地域のまちづくりに対する取り組みを都市計画行政に取りくむため、地域住民の都市計画に対する能動的な参加を促進することを目的とする


⑤ 取組みを取り組むとはいったいどのような行動なのでしょうか。

⑥ 主語がなく何の目的なのか分かりません。


(1)提案できる者
 土地所有者などの他,まちづくりNPO,まちづくり協議会や地域の実情に応じて条例で定める団体(町内会)が提案できる。


⑦ 問題は、制度を挙げ概要を説明せよです。この小見出しを記載した意図が分かりません。


(2)提案できる要件
以下の3つの要件が必要である
①0.5ha以上の一体的な区域であること
②都市計画に関する法令の基準に適合していること
③土地所有者の2/3以上の同意が得られていること

以上


⑧ 都市計画運用指針には、「都市計画決定権者は、特に必要があると認められるときは、条例で、区域又は提案に 係る都市計画の種類を限り、0.1ヘクタール以上0.5ヘクタール未満の範囲内で、 提案に係る規模を別に定めることができることとされている」とあります。

⑨ 都市計画運用指針には、「都市計画の素案の内容は、法第13条その他の法令の規定に基づく都市計画に関する基準に適合するものであることとされている」とあります。

区域区分(H30)

問題:都市計画法に規定されている市街化区域、市街化調整区域をそれぞれ説明し、都市計画に区域区分を定める⽬的を述べよ。
また、都市計画に区域区分を定めた場合に⽣ずる法律上の効果を2つ挙げ、それぞれ概要を述べよ。


1 市街化区域
 市街化区域は、既成市街地及びこれに接続して現に市街がしつつある区域と、概ね今後10年以内に優先的かつ市街化を図るべき区域である。

2 市街化調整区域
 市街化を抑制すべき区域である


① 主語を書きましょう。


3 区域区分を定める目的
 スプロール現象を防止し、都市の秩序ある発展を図るため、一定期間内に積極的に市街化を促進すべき区域と市街化を抑制すべき区域とに分け、段階的な市街地形成を図るためである


② 目的を聞かれているので、文末を「目的である」するか、主語を書きましょう。


4 区域区分を定めた場合の法律上の効果
(1)市街化区域
用途地域の指定が伴い、建築基準法による建築物の建築の規制誘導可能である
農地における開発行為が、農業委員会での届出行為であり、事務手続きが簡易である
(2)市街化調整区域
①都市計画法で開発行為が制限され、立地基準に基づく開発以外は許可されない
②農地における開発行為には、農業委員会の農地転用許可が必要であり、農振農用地区域の見直しなど、その行為について厳しく制限される

以上


③ 問題は、効果を2つ挙げよとあります。4つ書いてあります。問題の条件をよく読みましょう。

④ 何に伴うのですか。

⑤ 重複表現。

⑥ 何が効果で何が概要なのか判然しません。※以下同様。

⑦ 「開発行為が・・・事務手続きが」分かりづらいです。また事務手続きが抽象的であり、何が同のように変化するのかも分かりません。また、関連法令の記述があると良いと思います。

⑧ 前段と後段で同じようなことを述べていませんか。

⑨ 農振農用地区域の見直しと行為の制限がどのような関係にあるのか良く分かりません。また、関連法令の記述があると良いと思います。

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