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技術士 二次試験対策 お悩みコーナー & 建設部門 電力土木 選択科目Ⅱー1×3

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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お悩みコーナー

今回の添削にあたり、とても良い質問をお寄せいただきました。以前も良い質問は、どんどん共有させていただきましたが、質問コーナーという形でシリーズ化決定です。質問は、投稿いただいた方はもちろん、読者であっても全然OKです(もちろん無料)。

悩みは、一人で抱えてても解決しないことが多いです(論文の悩みに限らずですよ)。よって、分からなければ聞けば良いんです。昔の職人気質みたいに、「俺の背中をみて仕事を覚えろ」なんていうのは非合理の権化みたいなものです。

ただし、職人気質の本質を侮ってもいけません。この真意は、親方は意地悪をしたいわけではなく、自分で考え行動することを促すための行動と言えます。つまり、答えだけをもらいたい人にだけはならないようにしましょう。

回答をもらったら、自分なりに考え実践することが大切です。考えるというプロセスを省略したら、言われたことしかできなくなってしまいます。私もそれを望んでいませんし、技術士になっても苦労するばかりです。

話を戻しますが、質問は私にとっても、とても貴重な情報源です。みなさんがどんなことに悩んで、躓くのかを知ることは、新たなメソッドを生み出すきっかけになります。また、みなさんも他社の悩みに触れることで、私だけじゃないという安心感や注意する視点を多く与えてれます。

さて、今回お寄せいただいた質問は、以下の二つです。

質問1:技術的特徴を問われた際に、どのように回答すればよいのでしょうか。

【回答1】
技術的特徴は、メリット(デメリット)と変換して理解すると良いと思います。

質問2:1文を短くしようと試みているのですが、なかなかうまくいきません。どのようにして、文を短くすればよいのでしょうか。

【回答2】
主語が変わったら、文を切ることを意識すると良いと思います。
ただし、これだとよく分からないと思います。
そこで、「接続詞」を積極的に使うということを意識してみてはどうでしょうか。

例えば、
「・・・であるが、・・・である」→「・・・である。しかし、・・・である」
「・・・であり、・・・である」→「・・・である。また、・・・である」

さらに、順接の接続詞は、連続する場合があるので、レパートリーを増やしておきましょう。
私は、「また」、「さらに」、「加えて」の順で順接を使っています。

論文

今回の添削LIVEは、建設部門 電力土木 選択科目Ⅱー1を3本立てでお届けします。選択科目Ⅱー1は知識を問う問題なので、みなさんにおかれましては、早めに過去問をチェックして出題傾向を分析しておきましょう。Ⅱー1は、知らないと全く書けませんので、論文は1枚と少ないくせに勉強には時間がかかります。よって、早めに取り組みむと良いですよ。それでは、論文を見ていきましょう。

保守点検新技術(H25)

技術士 二次試験対策 保守点検新技術(H25)問題

(1)開発・実用化が図られつつある技術:デジタル画像解析を応用した、浮体式洋上風車の係留チェーン摩耗量計測技術

(2)技術的特徴
 この技術は、水中ドローン(ROV)で撮影した係留チェーンの動画データを画像解析し、チェーンの摩耗量を計測する技術である
 技術的特徴を、従来のダイバーによるノギスでの計測と比較する形で述べる。①ノギスで正確な計測が不可能な、チェーン同士が重なりあう部分の摩耗量が画像解析により計測できること、②画像データからチェーンの形状を取得し、FEM解析やBIM/CIMと連携できること、③ROVを使用して調査を行うため、ダイバーの潜水限界水深以深での調査が可能であること


① 体言止めでなく、この技術が何か意思表示すべきです。→「デジタル画像解析を応用した、浮体式洋上風車の係留チェーン摩耗量計測技術を挙げ、以下に特徴と課題を述べる。」
② これは、特徴というより技術の説明です。
③ 一文が長すぎます。一つ一つの特徴で文を区切りましょう。また、箇条書きではないので、体言止めは避けましょう。例えば、最初の文で3つあることを述べ、「1つ目の特徴は、・・・」といった文脈を作ることが考えられます。→「従来のダイバーによるノギスでの計測と比較すると、次の3つの特徴がある。一つ目の特徴は、・・・である。二つ目の特徴は、・・・」


(3)克服すべき課題
1)撮影した映像の鮮明化:海中での撮影は、海底の砂の巻き上げによる海水の濁りや、水深によって明暗が変化する等により、映像が不鮮明になりやすい。画像解析の精度は対象物の鮮明化に依存するため、撮影した映像をいかに鮮明化するかが課題である。


④ →「鮮明さ」
⑤ 「鮮明化が大事だから鮮明化する」では、少し提案力に欠けていると感じます。濁りや明暗は、水中の環境なのでいかんともしがたいので、「適切な補正の設定」といった具合に蓋然性のある一歩踏み込んだ課題が望まれます。


2)小型ROVの操作性向上:現在は、コストの高い大型船と大型ROVを組み合わせた調査が主流である。これは、海流の早い沖合でROVの操作性を確保するためである。コストを低減するために、低コストの小型船で運用できる⑥小型ROVの操作性向上⑦が課題である。


⑥ →「輸送できるよう」
⑦ 小型ROVがあって操作性を向上させるというより、操作性の向上が先にないと小型できないと思います。→「操作性能を向上させROVを小型化すること」

検査技術新技術(H26)

技術士 二次試験対策 検査技術新技術(H26)問題

(1)開発・実用化が図られつつある検査技術
 空中ドローンと水中ドローンを併用した浮体式洋上風車の水中部検査技術


① 体言止めでなく、この技術が何か意思表示すべきです。→「空中ドローンと水中ドローンを併用した浮体式洋上風車の水中部検査技術を挙げ、以下に目的、特徴、及び課題を述べる。」


(2)開発目的
 現状の浮体式洋上風車の水中部点検は、船で浮体に近づき、潜水士が潜って実施することが多い。この方法は、潜水事故による人命喪失のリスクを伴う。このため、潜水調査を無人化することが、技術開発の目的である。


② 問われているのは、点検ではなく「検査」です。検査は一定の品質が保たれているか判断することであり、点検は異常がないか確認することです。
③ 空中ドローンは?併用は?この2つの目的はどこへ行ってしまったのでしょうか。


(3)技術的特徴
 技術的特徴は、ドローンの遠隔操作により水中部点検を行うことである。まず、船の代わりに空中ドローンで水中ドローンを陸から浮体式風車まで輸送する。次に、空中ドローンは水中ドローンを切り離し、GPSと音響測位装置(USBL)により、水中ドローンの位置を把握する測位装置となる。そして、水中ドローンは、浮体や係留を撮影し、画像解析により損傷の有無を検査する。


④ これらは、特徴というより点検(これも検査である必要があります)の手順ではないでしょうか。特徴は、検査官が直接部位を確認できるとか、遠隔臨場が可能となるとか、リアルタイムでチェックできるとかが特徴ではありませんか。
⑤ これは、特徴といえますが、画像解析による特徴(メリット)を書いた方が良いですね。例えば、「目視で判断できない損傷を精緻に確認することができる」といったものが考えられます。


(4)克服すべき課題
空中ドローンの課題は、長距離輸送の実現である。具体的には、バッテリーの大容量化や、GPSやUSBLの軽量化である。水中ドローンの課題は、海中での作業性の向上である。具体的には、電源・通信ケーブルの細線化による潮流の影響軽減、ケーブルの絡まり対策である。               以上


⑥ 具体的でよいのですが、克服すべきと考えた背景・理由があるともっと良くなると思います。

リモートセンシング(H27)

技術士 二次試験対策 リモートセンシング(H27)問題

(1)スキャニングライダーによる風況観測技術
 スキャニングライダー(SL)は、レーザを利用して風速を観測する技術である。観測原理は、装置から大気中のエアロゾル(微小粒子)にレーザを照射し、その反射光と入射光の周波数の違いから照射方向の風速を求める。
 着床式洋上風車の風況観測では、デュアルスキャニングライダー(DSL)が用いられる。DSLは、2台のSLを陸上に設置し、レーザ光が交差する点の風を観測する技術である。この技術により、高コストかつ許認可や地元調整に時間がかかる、洋上風況観測マストによる風況計測を代用することができる


① 後述で略称が用いられていないので、不要ではありませんか。書くなら見出しで用いて、ここはSL表記で良いでしょう。
② ここまでの内容はSLの概要・メカニズムであり、特徴と言えるか疑義があります。概要は最小限にして、求められている特徴をしっかりと述べましょう。例えば、特徴は「スキャナを3次元的に動かすことができ最適なスキャン設定が可能」、「カバーの中に収納されるため半永久的な設置が可能」、「直上だけでなく水平に離れた場所の上空の風況も測定可能」などではありませんか。
③ SLとDSLの2つが紹介されています。類似性のある技術かもしれませんが、2つ書けという条件を無視して、3つ書いてしまっているように見えます。類似しているとはいえ、どちらかに絞るべきでしょう。
④ これは先に比べると特徴的説明になっているものの、「代用することができる」とまとめてしまうと特徴の説明としてふさわしくありません。→「この技術は、従来の洋上風況観測マストによる風況計測と比べ、許認可手続きや地元調整が容易であること、低コストであることが特徴である。」


(2)SAR画像による洋上風速観測技術
 この技術は、衛星に搭載されている合成開口レーダ(SAR)を用いて、洋上の風速を数十~数百mの空間分解能で観測する技術である。観測原理は、高風速時に海面粗度が大きくなることを利用し、衛星から照射するマイクロ波の海面反射時の散乱の程度を観測して、風速を推定する。
 SARによる風況観測の利点は、安価で広範囲のデータを取得できることである。沖合の風速を観測するためには、1台数千万円のフローティングライダーを広範囲に複数設置する必要があるが、衛星を利用したSAR画像であれば数十万程度で購入できる。また、計測範囲はウィンドファーム全域をカバーする。⑧ 以上


⑤ 最初は略称でない表現がいいですね。略称は、文中で用いると良いでしょう。
⑥ 「この技術は、・・・技術である」とねじれちゃってますね。→「・・・観測することができる」
⑦ 途中で主語が変わっているので、文を一回切ると良いでしょう。→「沖合の風速を観測するためには、・・・必要がある。一方、衛星を利用したSAR画像であれば・・・できる」
⑧ SARの説明は、概要→特徴という構成になっており適切に感じました。SLも同様の構成にすると良いと思います。

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