令和7年度 建設部門 必須科目Ⅰ 予想問題①
【 技術士 二次試験対策 】
いよいよ登場 令和7年度予想問題
国土交通白書、令和7年度予算が出そろい、予想問題を検討できる環境が整ってきましたので、満を持して令和7年度建設部門必須科目Ⅰのリアル予想問題を公開します。令和6年後の筆記試験は、難易度が向上し多くの人が辛酸をなめたことと思います。
このような高難度化する問題に対応するためには、国の施策・制度への理解を深め、応用力を高めるほかありません。応用力の向上は、資料の読み込み等によるキーワード収集、情報整理といったタスクをこなさなければならず、多くの時間を必要とします。
筆記試験は6か月以上先の話であり現実味がなく、これらのタスクへ取り組むモチベーションはなかなか上がらないと思います。目標がないまま、資料を読み込むのは苦行であり知識も頭に入りません。そこで、合格レベルにある論文を自分の手で完成させることを、当面の目標としてはどうでしょうか。
もちろん、この論文のテーマは過去問でもOKなのですが、過去問は決して出題されませんので、少しでも出題の可能性がある論文を作成すれば、合格への小さな一歩になることは間違いありません。この小さな前進を積み重ねることにより、合格を手にすることができると思います。
これを行動のモチベーションとすれば、資料の読み込みにも身が入るというものです。漫然と資料を読み込むのではなく、真に実力をつける勉強方法を採用し、効率良く合格を手にしましょう。そのためにも、ぜひ今回の予想問題を活用してみてはいかがでしょうか。解答を作成したら、添削をご依頼いただけるとうれしいです。
まずは、自分の実力をウイークポイントを把握しましょう。
令和7年度予想問題のポイント
令和7年度の予想ポイントは、前回の投稿でもご紹介したとおり複合的テーマがトレンドと考えます(前回の投稿はコチラ)。令和6年度の例でみると「DX × 災害復興」といった具合に2つのテーマが一つの問題になっており、これが複合的テーマです。
災害関連は、令和元年、令和3年、令和5年、令和6年と頻出しています。近年は、連続して出題されているので3年連続はという気持ちはあるものの、複合的テーマであれば十分出題の可能性はあるのではないでしょうか。
複合化するためには、ベースとなるテーマとの強固な関係性が不可欠です。災害をベースに出題を考えた場合、災害に親和性があるテーマをみつけることから始めます。そこで、災害に深い関係性があり、かつ最近注目された話題を考えてみます。
私が注目したのは、都市緑地法等の一部を改正する法律(令和6年法律第40号)を踏まえ、国において「都市における緑地の保全及び緑化の推進に関する基本的な方針」(緑の基本方針)が策定されたことです。余談ですが、2024年は都市公園制度制定150周年であり、時事的背景は申し分ありません。
この緑の基本方針には、気候変動対策、生物多様性の確保、Well-beingの向上に向け、グリーンインフラとしての多様な機能を一層発揮することが記載されています。このことから、災害に対となる親和性のあるテーマはグリーンインフラと予想し、リアル予想問題を作成してみました。
さらに、災害についても深堀してみます。令和元年「国土強靭化」、令和3年「風水害」、令和5年「巨大地震」、令和6年「災害復興」と出尽くした感が否めません。もちろん、複合化する前提であれば、重複して出題される可能性もあります。
しかし、出尽くしたと思考停止しないで、災害についてもう少し考えています。注目すべきは、やはり時事です。近年の災害で印象深いのは、能登半島地震です。発生から1年が経過しましたが、その間に豪雨災害にも見舞われています。心を痛める出来事ですが、これは我々技術者に複合災害の対応を迫るものであったと考えています。
よって、災害に関する次なる視点は、時事を背景としたこの複合災害ではないかと予想しました。このことから、令和7年度リアル予想問題第1弾は、「複合災害 × グリーンインフラ」に決定しました!ぜひ、トライしてみてください。
令和7年度予想問題 「複合災害×グリーンインフラ」
令和7年度技術士第二次試験問題 [建設部門]
9 建設部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び回答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚を用いてまとめよ。)
Ⅰ-1 2024年1月に発生した能登半島沖地震、さらに同年6月には豪雨災害に見舞われ多大な被害が発生した。このような複合災害は、被害の激化のみならず、広域化、長期化が懸念されるが、巨大地震の切迫や風水害の頻発化を踏まえると、今後も発生する可能性が高い。このような状況の中、自然や生態系が有する機能を活用して、災害への対応を図る取り組みは、ネイチャーポジティブの推進と相まって注目されている。
このようなグリーンインフラを活用した災害対策は、様々な災害に幅広く対応できるポテンシャルを持っていることから、地域特性と複合災害の発生を踏まえ効果的に実施する必要がある。
このような状況下において、グリーンインフラの多面的機能を活用した複合災害対策を加速化させるための方策について、以下の問いに答えよ。
(1)グリーンインフラを活用した複合災害対策を推進するに当たり、投入できる人員や予算に限りがあることを前提に、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。(※)
(※)解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。
選択科目Ⅲでも解いてみよう
選択科目の解き方は、以前の投稿でご紹介したとおり(書き方①、書き方②)、必須科目と同じような出題形式になりますが、その解答方法は全く異なります。この違いを意識する上でも、この問題を必須科目Ⅰとして解答するだけでなく、選択科目Ⅲとしても活用してはどうでしょうか。
もちろん、科目によっては選択科目Ⅲとして取り扱うことができないものもあると思いますが、都市及び地方計画、河川、砂防及び海岸・海洋、道路などは活用できると思います。名付けて「クロス科目戦略」です。
令和6年度の予想では国土形成計画が重要であることは認識していたのですが、必須科目ででてもおかしくないと言いながらも、計画であるがゆえに都市及び地方計画の選択科目ででるのではとの結論としてしまいました(この予想をした記事はコチラ)。本当にくやしい…
そこで、今年は少しでも合格率を高めるために、「クロス科目戦略」を提案することにしました。これは、取り扱われる可能性の高いテーマを必須科目と選択科目の双方で用意する意義に加え、必須科目と選択科目の違いが体験を通じて理解できることもメリットになります。
必須科目Ⅰでは「A評価」をとれるのに、選択科目Ⅲでは「B評価」になっている人、さらにはその逆の結果になる人は、この戦略に取り組むことを強くお勧めします。B評価の原因を理解できると思います。同じような論文になってしまう人は、今すぐ添削をご依頼ください。
我ながら良い戦略だと思いますが、時間がいくらあっても足りないですね…いつも言っていることですが、隙間時間を使って毎日取り組み、勉強することを習慣化しましょう。さあ、ドンドン論文を量産しましょう!