-観光-チェックバック④ 完成
【 技術士 二次試験対策】
試験が近いこともあり、論文修正のピッチが上がってきていますね。私のレスポンスが追い付いていかず、ご依頼者に申し訳ないと思います。そうはいっても、添削の質を下げるのは、本意ではありませんし一日48時間くらいほしいです。
そんな中、投稿いただきましたのは、注目度満点の「観光」になります。今回はチェックバックとなりますが、投稿者の推敲により良い仕上がりになっています。たくさんの受験生の参考になる内容です。ぜひ、ご一読を!
観光と言えば、一昔前は工場の夜景を見学するツアーが流行りましたが、最近のコンテンツとしてはインフラ施設の見学が注目されています。国交省でも、ポータルサイトを立ち上げるなど、結構な熱の入れようです。かくゆう私も、学生の頃、わざわざスペインまで行きサンティアゴ・カラトラバの橋を見に行ったものです。最近では、八ッ場ダムへ行き、その雄大さに興奮してきたところです。インフラ施設を見て喜ぶのは、土木屋さんだけかと思っていましたが、最近は万人受けするんですね。
SANTIAGO CALATRAVA:BRIDGES(H) [ SANTIAGO CALATRAVA ]
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それでは、論文をみてみましょう。
※赤字は、修正した箇所になります。
(1)観光立国実現の課題
1)いかにグリーンな観光を促進するか
観光需要の増加は、豊かな自然環境や貴重な文化財の破壊を招く恐れがある。山村地域の自然環境や歴史文化と観光が共生するためには、エコツーリズムなど環境に配慮した魅力ある観光コンテンツの造成が求められる。よって、持続可能性の観点から、いかにグリーンな観光を促進するかが課題である。
2)いかに観光DXを推進するか
これまでの観光関連企業は労働集約型の生産体制であり、生産年齢人口の減少、観光需要の拡大で担い手が不足し、労働力の確保に限界が生じている。IT・デジタル技術を活用したビジネスモデルに変革し、省力化して業務を進める必要がある。よって、体制面の観点から、いかに観光DXを推進するかが課題である。
3)いかに観光インフラを整備するか
ポストコロナを迎え国内の旅行者やインバウンドの増加が予想される中で、オーバーツーリズムの発生が懸念される。よって、旅行者の受け入れの観点から、観光需要に対応したインフラの整備が課題である。
(2)最も重要な課題と解決策
3つの課題のうち、「いかに観光インフラを整備するか」を最重要課題として、以下に解決策を示す。
1)快適な移動を確保するインフラ整備
①駐車場整備
パークアンドライドの整備や、駐車場配置適正化区域を定め観光エリア外に駐車場整備を誘導すること等により、観光地への自動車流入を抑制する。
②スマートIC整備
高速道路から観光地へのアクセスを容易にするため、スマートICの整備を進める。ドライバーの休憩を促すため、ETC2.0が有する高速道路の一時退出機能を活用し、道の駅などの休憩施設へ誘導する。
③交通結節点整備
観光各地へ向かうフィーダー交通と主要交通をシームレスに繋ぐため、駅前広場やバスターミナルなどの整備により、交通結節点の機能を強化する。
2)情報を提供するインフラ整備
①高速通信網整備
観光情報の入手・発信を容易にするため、高速通信網を整備する。通信網整備にあたっては、観光地の景観に配慮するため、電線共同溝や軒下配線により無電柱化する。
②サイン整備
インバウンド需要に対応するため、多言語表記されたサイン整備を進める。電線共同溝の路上変圧器とサインを一体化し歩行空間の快適性を確保する。
3)観光地の新たな魅力を創出するインフラ整備
①街路整備
駅周辺をトランジットモール化することで歩行者や自転車に優しい空間を創出する。この空間整備により、ウォーカブルなまちづくりを進め回遊性を高めて賑わいを創出する。
②コワーキングスペースの整備
観光地で働きやすい環境を提供してワーケーションが可能な施設を整備する。具体的には、インターネットの高速通信を可能にして、会議やセミナーなどの開催を可能にする。また、多様な働き方を可能にするコワーキングスペースを整備する。
(3)解決策で生じる波及効果と懸念事項への対策
1)波及効果
無電柱化で地震時の電柱倒壊や風水害を防止できるため、観光地の防災力が向上する。また、ウォーカブルなまちづくりで脱炭素社会が促進される。
2)懸念事項と対策
観光インフラの整備には、事業コストの増加が懸念される。対策として、地域公共交通や通信環境、観光地の整備において、既存インフラを有効に活用し、ストック効果の最大化を図る。ストック活用にあたっては、社会資本整備のマネジメントサイクルを確立する。
(4)業務遂行で必要となる要件と留意点
業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会ストックを構築して維持管理し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で常にこれらを意識するように留意する。以上