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技術士 二次試験対策 【 添削LIVE 】 建設部門 令和5年度必須科目Ⅰ 「インフラメンテナンス」

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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リニューアル施策は違いをチェック

久々の添削LIVEです。令和5年度建設部門必須科目、第2フェーズのインフラメンテナンスの投稿をいただきました。

インフラメンテナンスで注意しなければいけないのは、やはり第2フェーズなので第1フェーズとの違いを前面に記述する必要があります。

これは、令和6年度試験で注目される流域治水プロジェクト2.0(過去記事はコチラ)、グリーンインフラ推進戦略2023(過去記事はコチラ)、地域公共交通のリデザイン(過去記事はコチラ)などリニューアルしている施策も違いに注意です。

これらのテーマが直接問題になっていない場合でも、解決策として用いることもあると思います。この場合も、違いを前面に出して技術力をアピールしましょう。

今回の留意点

技術力があるのに文章になるとどうにもうまく伝えられないという人は多いと思います。自分のスタイルで表現したいと考える高貴な人も、いったんその気持ちを抑えて、お決まりのスタイルに当てはめてみましょう。

お決まりのスタイルって何?と思いますよね。本サイトのコンテンツにあるメソッドに記載のとおり、ロールモデルを見つけて、マネしちゃうのが一番手っ取り早いです。私の書いた論文は、論文データに格納してあるので気に入ったものがあれば使ってみてください。

ロールモデルをテーマに沿って書き直すということなんです。それでも書けない人は、もう近日中にテンプレート作って解説投稿しますので、少々お待ちください。

論文

課題

1.多面的な観点からの課題の抽出とその内容
(1) 労働作業の効率化
 国内の社会資本メンテナンスに携わる建設業就業者は減少しており、1999年の最大685万人から2021年には485万人となっている。一方で、供用後50年超の施設の割合は増大傾向である。特に、道路橋は2020年の30%から2040年には、75%に増大する見込である。1巡目定期点検で要措置判定の橋でも、2021年度迄の地方自治体の補修済の割合は、労働力不足が影響し、46%と低い。このように、不十分な労働力が問題とされる。
 よって、1つ目の抽出課題は労働作業の効率化である。労働力の観点での課題の内容は、労働作業の機械化及びデータ活用である


① 細かい話ですが、「メンテナンスに携わる」の部分は不要です。用いている数値は、全体の建設業就業者数であり、メンテナンスに携わっていると限定してしまうと不正確になってしまいます。

② この表現は分かりづらいです。「の」が多いからですかね。さらに、割合といっていますが分母が良くわかりません。分子は補修済み橋梁だと思いますので、補修すべき橋梁が分母ですかね。これを前提とするならば、「2021年までに補修すべき橋梁に対して、補修済みの橋梁は46%と半数に満たない。」とかですかね。高い低いといった数値の評価は、主観なので事実のみにとどめるとより良いと思います。さらに、建設業の労働力不足のみが影響しているのでしょうか。自治体職員の体制や行政の財政事情なども影響しているのではありませんか。例文のとおり、事実のみにとどめる方が得策です。

③ 数値を用いて説明するのは、とても良いと思います。しかし、紙面を割いている割には、内容が薄いように感じます。もっと端的に説明した方が良いと思います。言いたいことは、「労働力が不足している」、「メンテナンス対象物は増加している」の2点です。例えば、「1999年の685万人をピークに建設業就業者数は年々減少している。一方で、メンテナンスを必要とするインフラは増加する一方である。特に、道路橋は、50年を超える構造物の割合が20年後には75%にも上る。(または、2021年までに補修すべき橋梁に対して、補修済みの橋梁は46%と半数に満たない。※どちらか一方の例示のみで良いでしょう)」といった具合にシンプルにすると良いでしょう。紙面は、解決策に力を入れた方が、技術力を示せます。

④ 一つ目であることは、小見出しに附番していますし誰が見ても明らかなので不要。

⑤ 前段の課題は、「労働作業の効率化(労働作業も重複気味なのでメンテナンス作業がより良いです)」としていますが、後述では「労働作業の機械化及びデータ活用(機械化もデータ活用も説明がないので、どのような行動なのか不明であり唐突感があります)」となっています。読み手は、「どっちが課題なの?」と考えてしまいます。後述は、効率化の手段であり、やや解決策に近いですね。よって、課題は前述の記述のみで良いと思います。また、観点も違和感があります。労働力の観点とは、どのような立場なのでしょうか。この場合、人材面、省力化、生産性とかが観点ですかね。課題の文章は、もう型にあてはめちゃいましょう。3行くらいで課題の背景を書きます。次に、観点と課題を書くのですが、表現ももう決めちゃいましょう。「よって、○○の観点から、■■が課題である」これを2行くらいで書きます。そうすると5~6行になります。大見出しと小見出し含めて課題と選定課題までを1枚に収めるイメージです。
※繰り返しになりますが、解決策に紙面を割きましょう


(2)新技術の利用促進
 国内の膨大な社会資本施設のメンテナンスに対応するため、近年、国交省各分野で定期点検要領が改定され、新技術の活用について明記された。一方で、2021年度のインフラ施設点検診断の新技術活用率は、国全体で46%、地方自治体で38%と低調な状況である。このように、不十分な新技術の利用状況が問題とされる。
 よって、2つ目の抽出課題は、新技術の利用促進である新技術の観点での課題の内容は、新技術の利用機会拡大及び利用環境の向上である


⑥ メンテナンスの修飾語が多すぎです。修飾語は、一つを目安に書くと分かりやすくなります。「国内の」は、問題文に「我が国の」とあるので不要。また、問題文の用語をそのまま使えばよいと思います。よって、「膨大な社会資本メンテナンス」でどうでしょうか。

⑦ 要領に新技術が記載されたことよりも、なぜ記載する必要が生じたのかを書くべきです。新技術の促進が必要なのは、要領に記載されたからとしてしまっては解答者としての主体性がありません。

⑧ 「点検診断の」とありますが、限定する必要があるのでしょうか。老朽化対策や修繕に新技術を導入しても良いと思います。客観性(データ提示)を重視するあまり、主張すべきことが歪曲してしまっては本末転倒です。

⑨ 新技術があまり使われていないから問題との主張ですが、なぜ使われないのかが問題の本質だと思います。

⑩ ④、⑤参照。

⑪ この観点も疑義があります。なぜ、新技術の導入が必要と考えたのか、背景からでは読み取れませんので(記述には「メンテナンスの対応のため」としていますが、これは新技術の導入に限ったものではなく題意そのものであることから不明)、例示ができません。新技術の導入目的は、一般的に品質の向上、工期・コスト縮減、生産性の向上などが考えられます。また、⑤同様に、課題が2つあるように見えます。後述は、解決策に近いので不要。これは、すべての課題に当てはまりますね。


(3)コストの低減
 国内全分野の社会資本施設の2018~2048年の維持管理・更新費は、予防保全を実施しても約176~195兆円と推算される。特に2044年が最大で、約7兆円を要すとされる。一方で、日本の公共土木事業費の予算は、2022年度で補正予算を含めても約8兆円であり、費用面で対応が厳しい状況である。
 よって、3つ目の抽出課題は、コストの低減であるコストの観点での課題の内容は、管理施設の規模縮小及び委託手法の合理化である


⑫ これも、修飾語が多いです。「2018~2048年における社会資本メンテナンスに要する費用は、」としてはいかがでしょうか。

⑬ 論旨は「いっぱいお金かかるよ」なので、30年間の総額か最大値のどちらかで良いと思います(一方、以降の文章からするに最大値ですかね)。紙面がもったいないのと、ちょっと冗長的な印象を受けます。

⑭ 文脈から分からないでもないですが、何の対応なのか不明です。「対応」→「社会資本メンテナンスの対応」ですかね。

⑮ ④、⑤参照。

⑯ コストの観点でコスト低減が課題である場合、観点と解決策が類似しています。コストを観点にするのであれば、課題は公的負担の軽減など表現を工夫すると良いでしょう。その他、⑤、⑪と同様。特に、この場合は解決策に書いてありますよね。


2.最重要課題とその複数の対応策
 最重要課題は、コストの低減である。その理由は、少子高齢化傾向の我が国では、社会福祉分野への財政支出優先され、今後の公共土木事業費への増額は困難とされるからである。


⑰ 傾向ではなく、すでに顕在化していると思います。

⑱ 端的に「社会保障費」としてはどうでしょうか。

⑲ 優先されるかは、政治次第ではありませんか。よって、「膨大であり」ですかね。

⑳ これは、コストを低減させる理由です(背景に書く内容です)。ここで書くべき理由は、最重要と考えた根拠です。最も重要なのですから、他の二つの課題に比べて「効果が高い」とか「すぐにできる」といった相対評価を理由と良いでしょう。

解決策

(1)管理施設の集約・再編
 コスト低減の1つ目の解決策は、管理施設の集約・再編である。その理由は、地域社会の重要度の低い施設のメンテナンス費用を、重要度の高い施設に充てることで、地域インフラの機能体系を維持しながらコスト低減できるからである具体的には、複数種の施設を群で捉えて、3機能に分類する。3機能は、追加・維持・終焉すべき機能とする。その上で、終焉すべき機能とされた施設は、撤去や規模縮減をはかる。


㉑ 1つ目は説明不要。集約再編は小見出しにあるので不要。

㉒ コスト低減を図る対応策を示しているのですから、理由は必ずコスト低減になります。よって、対応策で理由を書くのはナンセンスです。ここは、やることを書くので、「地域インフラ群再生戦略マネジメントを実施する。」で良いと思います。国の施策に沿った内容をダイレクトに書くと評価対象になりやすいと考えます。

㉓ 「具体的には」とありますが、これ以降の記述は前段の内容と大差なく、具体性に欠きます。

㉔ 追加、維持機能の説明も必要です。例えば、「機能ごとに再整理し、個別インフラ施設の維持、補修・修繕、更新、集約・再編、新設等を適切に実施する」とかどうでしょうか。また、対象エリア(群)の設定方法、検討主体の工夫(国・都道府県・市区町村が一同に会し、検討を進める会議・組織を設置するなど)も記述すると良いと思います。


(2) 多様な委託契約
 コストの低減2つ目の解決策は、多様な委託契約である。その理由は、民間ノウハウ導入やロッド拡大による施設管理業務の契約をすることで、経費を抑制できるからである具体的には、包括的民間委託により、性能規定や複数年制を契約条件として、事務的経費を節減する。また、地域維持型契約により、地域一体で複数種の施設管理を行うことで現場管理費を節減する。さらに、CM方式により、CMRが管理者の立場で、診断結果に基づく施工方法や維持管理手法を中立的に提案することで、施工・維持管理費を節減する。


㉕ ㉑と同様。

㉖ 「ロッド」→「ロット(lot)」

㉗ ㉒と同様。

㉘ 前段で多様な委託契約の手法として、民間ノウハウ導入とロット拡大の2つを述べています。具体例を挙げる際、どちらの例なのか区分して、書いた方が良いと思います。

㉙ 事務的経費削減は副次的効果であり、民間の創意工夫によって管理コストの削減が期待できることが本質的な効果ではありませんか。

㉚ 「地域一体で」の意味が判然としません。エリア(ロット拡大?)のことを指しているのか、受注者(地元業者の協業?)のことを指しているのか分かりません。また、「地域一体で・・・行うことで」の表現は違和感があります。「行う」で一回文を切った方が良いでしょう。

㉛ 現場管理費に限った話なのでしょうか(一般管理費、共通仮設費の削減効果はないのですか)。

㉜ CM方式は、発注者に変わってマネジメントをすることなので、広義では管理業務と言えなくもないですが、直接的な管理業務(点検したり、修繕したり)ではありません。前段の直接的な管理業務の説明に続いて、「さらに」とあるので同様の視点で読んでしまいます。ただし、解答として間違っているわけではないので、接続詞を変えるとともにCM方式をもう少し説明した方が良いと思います。もしくは、項目を分けてもいいですね。

㉝ 診断結果に基づく施工(方法は削除)は、CMRに限ったことではないと思います。

㉞ 中立的な提案とは何なのか分かりません。もう少し説明(中立性とは、なぜコスト削減につながるのかなど)が必要だと思います。

  •  問題文には複数の解決策を示せとあるので、解決策は3つ以上ほしいです。そのためには、解決策のスペースをもっととるべきです(1.5枚ほど)。課題&選定で1枚、解決策で1.5枚、リスク&留意点で0.5枚を目安にすると良いでしょう。

新たに生じうるリスク

3.新たに生じうるリスクとその対応策
 新たに生じうるリスクは、管理者の費用便益の不理解である。その理由は、管理者が施設集約化に伴う便益の金額換算や、民間委託に伴う費用減少額を把握できない懸念があるからである。対応策として、先進的取組をしている他自治体の費用便益分析結果の事例公開を挙げる。


㉟ 費用便益の不理解は、リスク要因です。不理解によってどんな問題が発生するのかを書くべきです。

㊱ 費用便益を理解しないまま、施設の統廃合や委託方式の選択はできないと思います。費用便益の把握は、提案されている解決策を実行するための前提条件だと考えます。よって、新たに生じる課題にならないと思います。

㊲ ㊱の理由と同様、違和感があります。さらに、違和感を置いておいても、他自治体の事例公開することで、なぜ費用便益が把握できるようになるのか理解できません。

要点・留意点

4.業務遂行にあたり必要な要点・留意点
 技術者倫理の観点からの要点は、公益の確保である。再編対象施設を利用する住民に対し、その経緯や代替機能を説明する。留意点は、平易表現での説明である。
 社会持続性の観点からの要点は、環境の保全である。施設の維持管理・更新で地域の生息動植物に危害を加えないよう配慮する。留意点は、施設更新時に絶滅危惧動植物の生息環を復活させられないか試みることである。


㊳ 公益確保と説明責任を果たすことがダイレクトにつながりません。

㊴ 環境の保全の視点が、生息環境の保全のみだと少し視野が狭い印象を受けます。

㊵ 危害を加えないことに関する留意点であるべきです。生息環境の復活は、危害を加えないこととは別問題です。

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