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技術士 二次試験対策【添削LIVE】建設部門(都市及び地方計画)選択科目Ⅲ 

ウォーキング 論文添削
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ー居心地がよく歩きたくなるまちづくりー 

【 技術士 二次試験対策】

連投していきましょう。今回のご紹介は、建設部門(都市及び地方計画)選択科目Ⅲ「居心地がよく歩きたくなるまちづくり」です。集約型都市構造の理解は必須ですが、本トピックは双璧をなす取り組みです。都市及び地方計画を受験するみなさんは、しかっりと幅広い知識を備えることをお勧めします。今回の「居心地が良く歩きたくなるまちなか」には、“W,E,D,O”の4つの共通する特徴があります(よく目する例のヤツです)。

Walkable(ウォーカブル)|歩きたくなる
 居心地が良い、人中心の空間を創ると、まちに出かけたくなる、歩きたくなる。
Eye level (アイレベル)|まちに開かれた1階
 歩行者目線の1階部分等に店舗やラボがあり、ガラス張りで中が見えると、人は歩いて楽しくなる。
Diversity(ダイバーシティ)|多様な人の多様な用途、使い方
 多様な人々の多様な交流は、空間の多様な用途、使い方の共存から生まれる。
Open(オープン)|開かれた空間が心地良い
 歩道や公園に、芝生やカフェ、椅子があると、そこに居たくなる、留まりたくなる

また、「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律(令和2年法律第43号)」による新制度が令和2年9月7日に開始しています。この改正に併せ、様々な支援制度(下図参照)が設けられています。この中でも、特に重要なのが、歩行者利便増進道路※(道路法改正案)滞在快適性等向上区域(都市再生特別措置法改正案)です。この制度を効果的に併用・連携することで、「居心地が良く歩きたくなる」空間の創出を促進することとしています。
※通称「ほこみち」と言われています。

技術士 居心地がよく歩きたくなるまちづくり

※国土交通省HPより抜粋(「賑わいのある道路空間」のさらなる普及に向けて~歩行者利便増進道路制度の創設~)

このように、居心地が良く歩きたくなるまちなかづくりには、歩きやすい空間づくりのみならず、まちの1階部分において人々の興味を引く、楽しい環境とすること、人々が思い思いの多様な活動ができる空間の形成、誰もに開かれ、滞在したくなるような空間づくりが必要とのことです。

それでは、論文をみてみましょう。


1.多面的な課題とその観点
(1)いかに、歩きたくなる街路空間を整備するか
 今まで道路や街路の設計は、交通量を基準に車中心の空間として整備されてきた。しかし、健康・環境問題等への関心が高まり、人中心の空間へ転換が求められてきている。また、我が国ではソーシャルキャピタル低下が懸念されている。歩きたくなる街路整備空間の整備により、人々の出会いや交流を促進させるイノベーション創出の場としての役割も求められ始めている。
 よって、都市構造の観点から歩きたくなる街路空間を整備するかが課題である。

① 「設計は・・・整備されてきた」になっており、主語述語がおかしいです。
② 「求められてきている」→「求められている」
③ なぜ、歩きたくなる街路空間を整備すると出会いや交流が促進されるのかが良く分かりません。もう少し説明が必要だと思います。
④ 何を伝えたいのか理解できません。
⑤ 都市構造の話が全く出てきていないのに、都市構造の観点と言われても釈然としません。「薄く広がった市街地」、「拡散した都市」など都市構造を語ったうえで、街路空間の再構築が重要である旨を説明すべきではないでしょうか。

(2)いかに、脱炭素化を図るか
 都市部では、地表面が蓄熱体に覆われ、ヒートアイランド現象が深刻化している。居心地の良い歩行環境の形成には、熱環境の改善を図ることが重要である。
 よって、ヒートアイランド対策の観点から脱炭素化を図ることが課題である。

⑥ 脱炭素化とヒートアイランドは別問題です。

(3)いかに、都市機能を維持するか
 我が国では、少子高齢化に伴い生産年齢人口が減少し、将来的に多くの自治体で人口減少によるリスクが顕在化する。人口密度の低下によって、都市施設が拡散された市街地では、公共交通等の生活に必要な都市機能が失われウォーカビリティの低下が懸念される
 よって、人口減少の観点から都市機能の維持が課題である。

⑦ 「人口が減少し、・・・人口減少によるリスク」ねじれています。また、人口減少によるリスクが何か分かりません。
⑧ 文が長いです。「・・・によって、・・・では、」となっており、文が繋がっていません。また、都市機能は医療・福祉・子育て支援・教育文化・商業といったものがイメージされますので、公共交通が該当するか疑義があります。さらに、都市機能の喪失がウォーカビリティの低下にどうして繋がるのか説明する必要があります。
⑨ 人口減少の観点とはどのような立場なのか分かりません。
⑩ 維持と言われてしまうと現状と変わらないので、課題(やるべきこと)といえるのでしょうか。

2.最も重要な課題とその解決策
 上記の内「いかに、歩きたくなる街路空間を整備するか」を最重要課題に選定し、以下に解決策を示す。
(1)滞在・交流拠点の整備
 歩きたくなる空間創出のため、官民連携により都市空間にオープンスペースを形成する。具体的には、行政では観光地やメインストリートとなる街路空間で広場を整備する。加えて、通路に芝生や緑化施設の整備により滞在したくなる場を提供する。民間事業者では沿道施設の低層部を公共空間としての解放やガラス張りに改変し、視覚的に歩いて楽しい空間を創出する。また、道路専用特例を活用しストリートファニチャーやオープンカフェを設置することで、人の滞在やまちあるきをサポートする。

⑪ なぜ官民連携なのか説明する必要があります。都市空間にオープンスペースを形成することで、なぜ歩きたくなる空間が創出されるのですか。都市空間ではなく、沿道にオープンスペースですかね。
⑫ 官民連携だといっているのに、具体例になると行政のやるべきことを説明していますよ。
⑬ 道路内に広場を整備するのですか?
⑭ 緑地で滞在は少し違和感があります。緑化の効果は景観形成ですかね。
⑮ 手段が欲しいですね。例えば、地区計画を定めるとか、総合設計制度を活用するとかを例示すべきです。
⑯ 「視覚的に歩いて楽しい」→「視覚的に楽しい」
⑰ ここをしっかり書くべきです。ほこみち等の制度を説明して、官民連携や滞在空間の創出につなげていった方が、技術力の示唆になると思います。

(2)コンパクト+ネットワークの構築
 集約型の都市構造を構築し、目的地までの移動時間を縮減させ歩行者の回遊性を向上させる。具体的には、立地適正化計画の策定により医療や商業施設等の誘導を行う。加えて、地域公共交通計画を連携させ公共交通の再構築を図る。さらに、MaaSを導入し検索・購入・決済までの異業種間のシームレス化を図り公共交通の利用を促す。これにより、歩行者をサポートする公共交通利便性を向上させ地域内の回遊性も高める。また、過度なマイカー利用を減らし交通量をの縮減を図ることで、安心して歩ける街路空間を創出する

⑱ 街路空間の整備ですか?
⑲ 移動時間が縮減するかは、目的地次第ではありませんか。
⑳ 目的地に早く着くことが、なぜ回遊性の向上につながるのですか。
㉑ 歩行者をサポートする公共交通とは何がいいたいのか分かりません。
㉒ 「利便性を向上させ」→「利便性が向上し」
㉓ 公共交通が具体的ではないので分かりませんが、バス、鉄道であれば中長距離輸送機関なので、地域内の回遊性が高まるとの表現は違和感があります。
㉔ 整備してないですね。

(3)駅まち空間の整備
 交通結節点となる駅やその周辺にある広場を一体的に整備し、居心地が良く歩きたくなる空間を形成する。具体的には、ラチ内外の高低差がある駅では昇降施設を整備して段差を解消し、ラチ外コンコースを自由通路にする。加えて、駅前広場から周辺施設までの導線をバリアフリー化することで、ウォーカビリティを向上させる。さらに、サイン標識やユニバーサルデザインを整備し、誰もが安心して移動できる空間を形成する。また、駅前広場においてはシェア型マルチモビリティを設置することで、歩く行為を促進する健康的なライフスタイルの増進を図る

㉕ どんな整備をイメージしているのか伝わってきません。周辺にある広場とは、既存の公園等を想定しているのでしょうか。市街地の再編をいっているのですかね?
㉖ 居心地が良く歩きたくなるまちづくりを実現するための方法を書くべきです。結果と手段が同じになっています。
㉗ 「周辺にある広場と一体的な整備」の具体例なんですよね。広場が一切出てきてないですよ。
㉘ バリアフリーやユニバーサルデザインの話になっていますが、ここは広場と一体的な整備とは別の話になっているのですかね。話題を変えるのであれば、加えてという接続詞ではなく、一方で、他方で等を用いましょう。
㉙ デザインは整備するものではありません。
㉚ 移動手段が徒歩でないのに、なぜ歩行が促進されるのか理解できません。飛躍しており、説明不足ですね。
㉛ ライフスタイルの増進は違和感があります。

3.期待される波及効果及び新たな懸念事項と対応策
波及効果:地域内での滞在性・回遊性が向上されることで、消費の拡大による経済的効果が期待できる。また、統一的なデザインによる公共空間の創出により、良好な景観が形成される等といった効果がある。

㉜ 統一的なデザインの記述がありません。

懸念事項方向性を十分に検証せず事業の推進を行った場合設置物等の管理者負担や受益者負担及び費用対効果が曖昧になることが懸念される。
対応策グリーンインフラの活用やまちづくりDXを織り込んだ総合的な施策と位置づけ、整備率や滞留数等の数値目標を設定する。また、関係者の共通認識として定量的な成果目標を設定する。また、関係者の共通認識としての定量的な成果目標を定めて方向性の可視化を図りPDCAサイクルにより事業の最適化を行う。   以上

㉝ やるべきことをやらなかった結果としての懸念事項が、問われている解答なのか疑義があります。
㉞ 設置物が何か分からないことから、後述される費用等の効果が曖昧になることがどうして懸念事項として取り扱われているのか分かりません。
㉟ 前述の懸念事項が判然としないので何とも言えませんが、効果のうち費用に関するものを取り扱っているにも関わらず、グリーンインフラやDXといった取り組みがなぜ対応策になるのか分かりません。
㊱ PDCAサイクルは業務改善のマネジメント手法であり、最適化を行う手法ではないと思います。

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