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技術士 二次試験対策【添削LIVE】必須科目Ⅰ

論文添削
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-観光立国の実現チェックバック-

【 技術士 二次試験対】

本日は、予想ランキング 堂々の第1位「観光立国」のチェックバックになります。投稿いただいた論文も、段々と考えが整理されてきましたので、私も嬉しく感じています。

観光というトピックではあるものの、一般論に終始することのないよう注意が必要です。観光をはじめGXや働き方改革など一見、建設分野と関係ない事柄を書きたくなるような問題はどうやって建設的技術論に落とし込むか、まずは書き始める前に戦略を練ることが重要です。

骨子の作り方は、こちらに投稿してありますので要チェックです。まだ、焦る必要はありませんが、時間がないという人は骨子だけでも多く準備しておけば、対応力が上がると思います(でも、今は論文の練習をする時期ですよ)。

それでは、論文を見てみましょう。


【観光立国の実現】

(1)観光立国実現の課題
1)いかにグリーンな観光を促進するか
 グリーンな観光は自然環境の保護だけでなく、新たな観光需要の喚起につながり今後成長する分野として環境整備が必要である。しかし、我が国では認知度が低く、メリットなど十分に理解されていない。持続可能な観光の観点から、いかにグリーン観光の理解を深めて促進するかが課題である。

① グリーンな観光がなぜ観光需要の喚起につながるのか分かりません。
② 今後成長することが前提となっていますが、前提が一般論として共有されていないと思います。①を含めこれらの背景が必要です。
③ 理解を深めるという手段を課題にしていますが、建設技術をアピールする観点でみるとアプローチがずれているように感じます。

2)いかに観光DXを推進するか
 国内外の交流を生み出す観光は、地方創生の切り札である。人口減少が進む中で地域の活性化・持続可能な経済社会を実現するには、デジタル技術でビジネスモデルを変革し、観光関連産業を活性化する必要がある。生産性の観点から、いかに観光DXを推進して生産性を向上するかが課題である。

④ 観光の重要性を説明するより、観光DXが重要である旨を説明すべきです。観光の重要性は、すべての課題に言えることですし、地方創生が論点のようにも見えてしまします。
⑤ 観点と課題が同じになっていますよ。

3)いかに観光インフラを整備するか
 ポストコロナを迎え国内の旅行者やインバウンドの増加が予想される中で、オーバーツーリズムの発生が懸念される。旅行者の受け入れの観点から、いかに観光インフラを整備するかが課題である。

⑥ 少し説明が足りないように感じます。「観光需要に対応したインフラ」としてはどうでしょうか。

(2)最も重要な課題と解決策
 3つの課題のうち、3)いかに観光インフラを整備するかを最も重要な課題として以下に解決策を述べる。

1)円滑な移動を確保するインフラ整備
 旅行者の移動をスムーズにするには、交通インフラの整備が重要である。具体的には、パークアンドライドの整備や、駐車場配置適正化区域を定め駐車場整備を誘導するなど、観光地への自動車流入を抑制する。高速道路から観光地のアクセスを容易にするには、スマートICの整備が有効であるETC2.0の活用で高速道路の一時退出を容易にするとともに、道の駅など休憩施設へのアクセシビリティを高め、ドライバーの適切な休憩を促す。これにより、休憩施設での特産物販売等を通じて地域の活性化を図る。一方、公共交通機関は、鉄道とバスターミナルを直結して交通結節点のシームレス化を図り、観光各地との連結を強化する。

⑦ 後述の自動車流入の抑制につなげるために、「観光エリア外に駐車場整備を誘導」としてはどうでしょうか。
⑧ 話題が変わるので、「また、」を追記しましょう。
⑨ ここは、解決策なのでやることを書きましょう。よって、「・・・アクセスを容易にするため、スマートICの整備を進める。」としてはどうでしょうか。
⑩ 前述とのつながりを明確にするため、「スマートICの配置にあたっては、ドライバーの適切な休憩を促すため、ETC2.0が有する高速道路の一時退出機能を踏まえ、道の駅などの休憩施設へ誘導することを検討する。」としてはいかがでしょうか。
⑪ 交通結節点のシームレス化=観光地への連結強化は飛躍しています。なぜ、交通結節点の機能強化を行うのかを説明した方が良いと思います。例えば、「公共交通機関においては、観光各地へ向かうフィーダー交通と主要交通をシームレスに繋ぐため、駅前広場やバスターミナル等の交通結節点を整備する。」とかどうでしょうか。

2)適切な情報を提供するインフラ整備
 旅行者増加の対応には観光情報の提供が有効であり、高速通信網の整備が必要となる。通信網整備にあたっては、観光地の景観に配慮するため、電線共同溝や軒下配線による無電柱化を導入し、ハード整備のみにとらわれずに環境との調和を図る。無電柱化に伴う路上変圧機を情報提供施設として活用するとともに、交通情報や危険箇所、注意喚起などを多言語表記し、Iot技術の導入でサイン整備を進める。さらに、観光地でのモバイル通信を可能にするため、FREE-WIFIの整備を進めてユビキタスを確保する。

⑫ 「対応」の意味するところが、よく分かりません。情報提供が大切である理由を書く必要があります。よって、「旅行者増加による自然・生活への悪影響を防止するため、高速通信網の整備を進め、マナーや混雑状況等の観光関連情報を速やかに提供する。」でいかがでしょうか。
⑬ 無電柱化はハード整備ではありませんか。また、環境の意味が都市環境であるならば、前述の景観に配慮するためという理由とやや重複しませんか。よって、ここはシンプルに後述はすべて削除し、「・・・無電柱化を推進する。」で良いと思います。
⑭ 軒下配線に路上変圧器はありませんので、「無電柱化」→「電線共同溝」。
⑮ 変圧器の一体化は工夫点であり、ここでのメインは多言語化と考えます。よって、「加えて、インバウンド需要に対応するため、多言語表記化されたサイン整備を進める。整備においては、電線共同溝の路上変圧器とサインを一体化するなど歩行空間の快適性を損なわないよう工夫する。」でどうでしょうか。
⑯ 観光地でのモバイル通信を可能にするとユビキタスの確保は、意味するところは同じだと思います。よって、「・・・進める。」で一回切っちゃいましょう。その上で、最後にまとめの一文を添えましょう。「このように様々なデバイスにより、観光情報の取得手段を多様化する。」などいかがでしょうか。

3)新たな空間を創出するインフラ整備
 地域の賑わいを創出するため、都市空間の魅力を向上させる。具体的には、街路整備では駅前をトランジットモール化して歩行者や自転車に優しい空間を創出する。ウォーカブルなまちづくりを進めることで回遊性を高めて魅力を向上する。また、観光地で仕事をしながら休暇を過ごす働き方を提供し、ピークシーズン以外の観光を可能にすることで旅行者の分散化を図る。テレワーク拠点施設を導入するなど滞在コンテンツを充実して、ワーケーションが可能な観光地を整備する。

⑰ 新たな空間としてしまうと埋め立てでも行って、国土を広げるような印象を受けます。よって、少し限定的な表現とするため、「観光地の新たな魅力を創出する」としてはどうでしょうか。
⑱ 前後の関係性を示すため、「この」を追記しましょう。
⑲ 魅力より賑わいの方が、回遊性との因果関係が強いと思います。
⑳ 「ピークシーズン以外」→「オフシーズン」。働き方は、会社等が提供するものと考えます。ここで提供すべきは、観光地で働きやすい環境を提供することではないでしょうか。
㉑ ワーケーションを実現するためのインフラ整備が肝です。これが抽象的ですと、あまり評価されません。テレワーク拠点整備とは何か具体的に書くべきです。例えば、遊休施設を活用したコワーキングスペースの整備、観光地の高速通信網整備に合わせて宿泊施設の通信設備の充実などがありますが、一度どんな施策があるか調べてみてはどうでしょうか。

(3)解決策で生じる波及効果と懸念事項への対策
1)波及効果
 波及効果は、景観向上の無電柱化で観光地の防災力が向上するとともにウォーカブルなまちづくりで脱炭素社会を構築できる。

㉒ もう少し因果関係を明確にするための記述をしましょう。例えば、「無電柱化により、地震時の電柱倒壊や風水害の停電などを防ぐことができため、地域の防災力が向上する。」などの補記で分かりやすくなるともいます。
㉓ ㉒と同様です。「ウォーカブルなまちづくりにより、車での移動が減少し交通分野における脱炭素化が促進される。」などが考えられます。

2)懸念事項と対策
 観光インフラの整備には、事業コストの増加と人材不足の懸念がある。交通や情報通信、観光地域など複数のインフラ整備を進める過程で、資金と人材のリソースが必要になる。対策として、DMOの取り組みが有効である。また、地域経営の視点で必要なインフラの優先順位を定め、限られた財源と人員で整備を進める

㉔ 前段と後段は、言い方こそ違えど同じ内容を説明していませんか。どちらかを削除。
㉕ 抽象的過ぎます。どんな取り組みなのか分かりません。よって、有効なのか判断ができません。
㉖ 当たり前すぎるというか一般論を脱し切れていません。技術力を示す必要がありますので、PPP/PFIスキームの検討、既存ストックの活用、集約型都市構造の構築による集中投資など、技術的解決策としましょう。

(4)業務遂行で必要となる要件と留意点
 業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会ストックを構築して維持管理し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で常にこれらを意識するように留意する。以上

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