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技術士 二次試験対策 予算から予想問題 第2弾 選択科目編

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予算から見る令和6年度出題傾向 選択科目編

【 技術士 二次試験対策 】

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組織別予算概要

必須科目は最も重要な論文なのですが、選択科目に比べると予想は立てやすいです。他方、選択科目は予想が非常に難しいです。しかも、知らないと正解が全く書けない、または書けても書くべきことが記述できず合格点に達しないといった状況に陥ります。

つまり、選択科目は予想が難しいものの、予想が合否を分けるといっても過言ではありません。少しでも、合格の可能性を高めるためには多くの知識を身に付ければ良いということになります。しかし、この多くの知識を身に付けるためには、多くの時間が必要です。そこで、効率的に要点を抑えて勉強することが重要です。

先日は、必須科目を予想する際に役立つ国の予算を解説しました(前回の記事はコチラ)。予算は、国が力を入れている取組みを把握するのに便利です。この国が力を入れている取り組みこそが、出題の可能性を秘めているわけです。では、選択科目の予想は、どのように検討すれば良いのでしょうか。

当然、自分の専門分野の予算を掘り下げてみていけばいいのですが、分析や読み込みに時間がかかります。そこで、今回おススメする傾向把握方法は、組織別予算概要を活用することです。令和6年度予算決定概には、国交省の組織ごとに予算を説明した資料が用意されています。

ご自身の専門科目を所管している組織の予算概要は、選択科目の傾向を把握するのに最適です。自分で整理する必要がないので、効率的に予想を立てることができます。特に、選択科目Ⅲの予想に役立ちそうです。

都市局を参考に見てみましょう

基本方針

具体的に都市局の予算概要を確認していきましょう。都市局の取組みは、5つの基幹的取り組みを踏まえつつ、3つの重点課題に取り組むこととしています

技術士 二次試験対策 令和6年度 都市局関係予算の基本方針
令和6年度 都市局関係予算の基本方針

1.まちづくり GX
2.地方都市等の再生、都市の国際競争力の強化·
3.こども・子育てにやさしいまちづくり
4.コンパクト・プラス・ネットワークの深化
5.まちづくり DX
6.防災・減災まちづくりの更なる推進
7.都市開発の海外展開の推進
8.2027 年国際園芸博覧会や首里城復元に向けた取組

上記のように基幹と重点に関する取り組みは、全部8つに区分されます。印象としては、海外展開、博覧会・首里城といったトピックは、都市政策という観点からみる劣後しているように感じます。

それでは、それぞれの項目を具体的に見ていきましょう。

まちづくりGX

出ました「まちづくりGX」、やはり都市局では大注目の取組みとして取り扱われています。①気候変動への対応、②生物多様性の確保、③Well-beingの向上といった3つの視点が示されています。

。まちづくりGXって漠然としていて良く分からないと感じる人は多くいると思います。予算書の説明では、これを端的に説明しています。3つの視点にしめされている社会的要請に対応するため、これらに対し大きな役割を有している都市緑地の多様な機能の発揮及び都市におけるエネルギーの面的利用の推進を図る取組等を進めるとしています。

つまり、まちづくりGXとは、都市緑地政策とエネルギーの面的利用と捉えて良さそうです。どちらが欠けても不足となりますので、説明の際には両輪として述べると良いでしょう。具体的な取り組みテーマは、4つ掲げられています。

1.緑地に関する官民の共通認識の形成
2.都市の緑地に対する民間投資の促進
3.地方公共団体等による緑地の保全・整備の推進等
4.都市のエネルギー利用の再エネ化・効率化

このように、3つの緑地政策と1つのエネルギー面的利用に区分されています。都市局ですから、都市施設となりうる緑地政策に偏重が見られますね。エネルギーは、再エネとエネマネなどを説明すれば良いでしょう。

地方都市等の再生、都市の国際競争力の強化

この重点課題では、3つの取組みテーマが示されています。

1.地方都市等の再生
2.都市の国際競争力の強化
3.移住・二地域居住の推進

地方都市では、ヒト・モノ・カネの域外への流出が続いており、再生への取組みは待ったなしです。この再生を図るために、民間の消費、投資を喚起するようなまちづくりを進めていくことが重要です。具体的な取り組み内容は、産業の地方立地と域内消費の促進による地域経済の活性化を図ることとしています。

国際競争力の強化としては、①我が国経済を牽引する優良な民間都市開発プロジェクトの推進、②国際ビジネス拠点を支える都市基盤の整備の推進、③イノベーションの推進を図ることが示されています。

私がおススメする「移住・二地域居住の推進」も、このカテゴリーに属しています。コロナ禍において普及したテレワーク等を活用すれば、場所に縛られない多様な働き方が可能になりました。そこで、二地域居住を推進し、交流促進と新たなビジネス創出をしつつ、地方活性化を図ることができる期待の取組みであることが伺えます。

こども・子育てにやさしいまちづくり

まちづくりにおける異次元の少子化対策ですね。こどものための近隣地域の生活空間を形成する「こ
どもまんなかまちづくり」を加速させることが示されています。具体的な内容は、こどもの遊び場や親同士の交流の場を整備するなど、こども・子育て支援環境の充実です。

主な取り組みは、こども・子育て支援環境の充実化として、地域交流センター、子育て世代活動支援センターなどの整備支援、歩きやすい歩行空間の整備などがあります。もう一つの取組みは、こどもや子育て当事者の目線に立った公園づくりです。

コンパクト・プラス・ネットワークの深化

 コンパクト・プラス・ネットワークは、まちづくりの定番施策であり、この都市構造を推進するための「立地適正化計画」は選択科目で多く出題されています。今後の深化として、①立地適正化計画の更なる作成、②立地適正化計画の充実、③地域公共交通と連携したまちづくりといった3つの方針が示されています。

①と②は、立地適正化計画の作成を広げていこう、見直しを促進しようと言ったものです。私が注目したいのは、3つ目の地域公共交通と連携したまちづくりです。具体的な取り組みは、多様なライフスタイルを支える人間中心のまちづくりの実現に向けて、地域公共交通と連携しつつ、近隣の生活圏内における移動サービスの質の向上を図るための拠点(モビリティハブ)の整備を推進するとしています。

立地適正化計画は、区域設定の仕方や防災指針の策定手順などが問われてきましたが、次はネットワークの部分ではないかと予想しています。近年、公共交通のリデザインやシェアサイクルやグリーンスローモビリティといったラストワンマイルモビリティと交通政策は活況ですしね。

まちづくりDX

次は、2023の国土交通白書でも、重点的に記載されているDXです。都市局ですから、まちづくりにDXをどのように活用していくかがキーになります。まちづくりDXでは、インターネットやIoT、AI、デジタルツイン技術等を活用することで、人口減少・少子高齢化の中で、豊かで多様な暮らし方を支える「人間中心のまちづくり」の実現を目指すとされています。具体的な取り組みとしては、次の4つが掲げられています。

1.都市空間DX
2.エリマネDX
3.オープンデータ化
4.Project PLATEAU

近未来的なテーマであり、興味深いものがたくさんありますが、共通しているのはデータ活用といった視点です。具体的には、立地適正化計画の作成・評価等のまちづくりのプロセスにおけるデータ活用や都市計画・まちづくり全般のデジタル化・オープン化、自動運転に対応した都市空間等の検討やデジタル技術の活用によるエリア価値の向上、民間サービス・ビジネスの創出などが示されています。

防災・減災まちづくりの更なる推進

防災・減災は、建設部門では避けて通れない重要なテーマです。都市局では、防災・減災を主流化したコンパクトシティ、災害リスクの高いエリアからの移転促進などの事前防災まちづくりを推進するとともに、盛土の安全確保対策を着実に推進することが示されています。

最後の盛土は、令和5年度選択科目で出題されているので、連続で出題されますかね…といった感想です。また、令和5年度の必須科目で地震が出題されているので、防災減災が選択科目に回る可能性は高まりますよね。では、残された防災・減災対策である移転促進は、どのような取り組みなのでしょうか。

1.災害リスクの高いエリアにおける立地抑制
2.安全な地域への移転促進
3.居住エリアの安全確保
4.安全・安心な都市公園の確保
5.復興事前準備の推進

これらの取組みの予算は、補助メニューとして計上されている場合がほとんどです。補助メニューを出題されたことはないので、補助という支援によって誘導したい取り組み内容が重要ということになります。

立地抑制は、レッドゾーンを居住誘導区域から除外、ハザードエリアの土地利用規制などがあります。安全な地域への移転促進では、津波被害が想定される地域において事前移転の促進を図ります。居住エリアの安全確保では、防災拠点の形成、高台まちづくりの推進、安全・安心な避難経路の確保など多様な取り組みが示されています。

このように多様なメニューを活用して、災害が起きてからではなく、起きる前の「事前防災」のまちづくりに力を入れています。


都市局の予算は、都市及び地方計画の選択科目予想と相関があります。もう、どのような出題がなされるかなんとなく把握できたのではないでしょうか。今後は、この予算の傾向に加え、過去問の流れを見ながら、さらに出題傾向を絞り込んでいきたいと思います。

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