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技術士 二次試験対策 建設部門 令和元年度 必須科目Ⅰ「国土強靭化」 合格基準も確認

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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受験申込受付開始

令和6年度 技術士 第二次試験受験申込受付が本日より開始されました。受付期間は、令和6年4月1日(月)~4月15日(月)と2週間程度しかありません。みなさんは、もう実務経験証明書は準備できていますよね!?この書類は、書けば良いというものではありません。

まだ準備していないという人は、早速取り掛かりましょう。書き方や注意点は、過去記事で紹介しているので、まずはコチラを読んでいただければスムーズに書くことができます。また、書き上げた実務経験証明書の出来が気になる方は、添削サービスをご検討いただければと思います。

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実務経験証明書を完璧に仕上げておけば、安心して筆記試験対策に取り組むことができます。「あれでよかったのかなぁ」と気にしていては、勉強の集中力を欠くというものです。

合格基準を再チェック

練習論文を書く時、ただ漫然と書いていませんか?どんなことに注意すればいいのかを理解すれば、攻略も見えるというものです。この注意点は、合格基準に明確に示されています。合格基準をみると、つい目が行ってしまうのは合否決定基準です。「60%以上の得点」というところです。

大事なのは、合否決定基準ではありません。問題の種類等に示されている内容が、メチャクチャ重要なのです。例えば、必須科目では『「技術部門」全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの』といった感じで示されています。

抽象的で良く分からないですよね。しかし、「令和6年度技術士第二次試験受験申込み案内」には、明確にその内容が説明されています(掲載ページP7~8)。さらに評価項目もバッチリ書いてあります。繰り返しになりますが、必須科目Ⅰの評価項目を見てみましょう。

技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち、専門的学識、問題解決、評価、技術者倫理、コミュニケーションの各項目

「出ました! コンピテンシー」
合否の尺度は、まさにこのコンピテンシーにかかっています。しかも、限定されています。

  • 専門的学識
  • 問題解決
  • 評価
  • 技術者倫理
  • コミュニケーション

この5つの能力を示せば合格ということになります。さらに、親切なことに同案内に該当するコンピテンシーの解説もあります(掲載ページP10)。この5つのコンピテンシーの解説を見てみましょう。

専門的学識
・技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な,技術部門全般にわたる専門知識
及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。
・技術士の業務に必要な,我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識
を理解し応用すること。

問題解決
・業務遂行上直面する複合的な問題に対して,これらの内容を明確にし,調査し,これらの背
景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。
・複合的な問題に関して,相反する要求事項(必要性,機能性,技術的実現性,安全性,経済
性等),それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮したうえで,複数の選択肢を提起し,
これらを踏まえた解決策を合理的に提案し,又は改善すること。

評価
・業務遂行上の各段階における結果,最終的に得られる成果やその波及効果を評価し,次段階
や別の業務の改善に資すること。

技術者倫理
・業務遂行にあたり,公衆の安全,健康及び福利を最優先に考慮したうえで,社会,文化及び
環境に対する影響を予見し,地球環境の保全等,次世代にわたる社会の持続性の確保に努め,
技術士としての使命,社会的地位及び職責を自覚し,倫理的に行動すること。
・業務履行上,関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。
・業務履行上行う決定に際して,自らの業務及び責任の範囲を明確にし,これらの責任を負う
こと。

コミュニケーション
・業務履行上,口頭や文書等の方法を通じて,雇用者,上司や同僚,クライアントやユーザー
等多様な関係者との間で,明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
・海外における業務に携わる際は,一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え,現地の
社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。

この内容を見れば、何を書けば評価されるのかイメージが湧きます。論文を書く前に骨子を作ることをオススメしているのですが、この作成時点でこのコンピテンシーを意識すると高得点を狙えます。

論文

さて、本日お届けする論文は、「国土強靭化」です。防災・減災は、令和5年度に巨大地震が出題されているので「ないかなぁ」と思っていましたが、能登半島地震や千葉県沖のスロースリップなどが発生したことで、急激に注目度が高まっています。苦しんでいる人たちを目の前にすると、技術者として何かしたくなるのは出題者も同じですよね。やっぱり、防災・減災に関する練習も用意したいところです。それでは、早速論文を見てみましょう。

問題

 我が国は、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象に起因する自然災害に繰り返しさいなまれてきた。自然災害への対策については、南海トラフ巨大地震、首都直下地震等が遠くない将来に発生する可能性が高まっていることや、気候変動の影響等により水災害、土砂災害が頻発していることから、その重要性がますます高まっている。こうした状況下で、「強さ」と「しなやかさ」を持った安全・安心な国土・地域・経済社会の構築に向けた「国土強靭化」(ナショナル・レジリエンス)を推進していく必要があることを踏まえて、以下の問いに答えよ。

(1)ハード整備の想定を越える大規模な自然災害に対して安全・安心な国土・地域・経済社会の構築するために、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、分析せよ。

(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)(2)で提示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

(4)(1)~(3)を業務として遂行するに当たり必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。

課題

1 多面的な課題と課題
(1)いかにハード対策とソフト対策を併用するか
 災害対策は、ハード対策が主である。しかし、想定外の外力を施設が受けると施設は倒壊し、被害を防ぐことができずハード対策だけでは災害対応ができない
 よって、技術面の観点からいかにハード対策とソフト対策を併用するかが課題である。


①被害を防ぐことができないことと災害対応ができないことは同じことをいっています。一回文をきるのと、災害対応ができないとの表現を変えましょう。→「・・・防ぐことができない。このことから、激甚化する災害への対応は、ハード対策だけでは限界がある。」

② 対策の組み合わせを課題としているので、技術というより仕組みではありませんか。


(2)いかに住民の防災意識を高めるか
 東日本台風では、住民の防災意識が低かったことから、浸水等の防災情報が届いていた一方で逃げ遅れなどの被害が発生した。
 よって災害リスク面の観点からいかに住民の防災意識を高めるかが課題である


③ 避難が遅れたことは、事実として扱っても良いと思いますが、防災意識が低かったということを断定して大丈夫でしょうか。意識が低いというより、災害リスクの認識不足、避難行動の準備不足といった理解や準備が不足していたからではないでしょうか。

④ 逃げ遅れは、被害ではなく被害をもたらした要因ではありませんか。

⑤ どのような見方なのか良く分かりません。また、逃げ遅れの要因も④のとおりです。よって、観点を防災意識、課題を迅速で適切な避難行動の促進としてはいかがでしょうか。
「よって」(接続詞)のうしろに要読点。以下同様。


(3)いかに災害に関する技術者を確保・育成するか
 建設業では、現場の高齢化が進み、今後大量離職が見込まれる。同時に就労環境が悪く、若年入職者が少ない。また、現在のOJT中心の技術継承では、現場の技術が適切に継承されない。結果、適切な防災・減災の対策が行われないことを懸念する
 よっていかに災害に関する技術者を確保・育成するか課題である。


⑥ →「防災に携わる技術者」

⑦ 主語がないので、「・・・行われないことが懸念される」としてはいかがでしょうか。

⑧ 観点がありません。人材面ですかね。


2 最も重要な課題と解決策
 上記のうち最も効果が期待できるのは「いかにハード対策とソフト対策を併用するか」であるので、同課題を最も重要な課題に選出し以下に解決策を述べる。


⑨ どうやって併用するかが課題なのに、併用に関する解決策が一切書かれていません。課題に対する解決策になっていません。課題を変える、または解決策を変える必要があります。

⑩ なぜ最も効果があると考えたのかを書くべきであり、理由になっていません。


(1)粘り強い構造の防災施設
 住民が避難する時間を確保するため、施設機能を上回った外力の場合でも、施設が全壊に至るまでの時間が延長できる粘り強い構造とする。
 例えば堤防天端の保護(舗装)、堤防うら法尻の補強(ブロック設置)を行い、越水等が発生した場合、決壊までの時間を引き延ばす堤防構造を工夫する


⑪ 工夫点ではありません。→「堤防構造とする」


(2)新技術による防災・減災の高度化・迅速化
 災害時の機動的な対応や迅速な避難行動を確保するため、予報・予測、災害情報の把握、災害復旧等の災害に関するあらゆるプロセスにAI、ドローン、5GなどのICT技術を導入する。
 例えば雨水量予測の精度向上で、被害軽減を図る。また、無人化施工で迅速・安全な復旧を行う


⑫ 予測精度の向上で、なぜ被害軽減が図られるのか不明です。

⑬ タイトルは、防災、減災です。例示は、防災・減災につながる施策にしましょう。また、例示なので、列挙するのではなく、詳細に説明した方が良いと思います。


(3)わかりやすい災害情報の提供
 住民に被災時の迅速な避難行動を促すため、避難場所、避難経路等の住民のとるべき行動をわかりやすく 示したハザードマップを作成する。
 また、住民と災害リスクを共有するため、防災ワークショップなどを通じ、ハザード災害情報、避難情報の3D表示等の様々な情報を住民に提供する。


⑮ 一文が長いです。端的にやること(解決策)を示し、後段ではより具体的な方法を示す構成とすると良いでしょう。→「迅速な避難行動を促すため、災害情報、避難情報をプッシュ型でリアルタイムに提供する。例えば、高精度レーダー雨量情報であるXRAIN等を活用し、住民のスマートフォン等へこれらの情報を提供することで避難行動を促す。」


(5)タイムラインの作成
 災害時の避難行動を促すため、災害発生時の時間軸に沿って、住民や行政のとるべき行動を想定したタイムライン(防災行動計画)を事前に策定する。


⑯ 「避難行動を促すため」とありますが、住民のタイムラインが避難行動につながるのは理解できますが、行政のタイムラインは目的が異なるのではないでしょういか。同じように説明されていることに違和感があります。


3 新たに発生するリスクと対応策
(1)新たに発生するリスク
 災害に対するハード整備が進んでくると、新たに脆弱な箇所が発生し、今までの避難場所や避難経路がハザードにさらされるリスクが発生する。
 この対応策としては、ハード整備の進捗状況を考慮したハザードマップの見直しを行う。またその見直しに応じ、共助による避難行動を住民に促すため、地域による避難訓練を実施する


⑰ 共助による避難行動の必要性や内容が説明されておらず、唐突感があります。また、新たなハザードへの対応策として、なぜ共助なのかといった関係性も分かりません。


4 必要となる要件
(1)技術者としての倫理
 防災・減災対策にはコストや時間を要するが、公衆の安全の最優先が要件となる。特に自力避難が困難な高齢者や幼児等の安全確保に留意すべきである。


⑱ 安全を最優先にすべきというのは、その通りなのですが、無尽蔵にコストを投じることはできないですし、時間も短くすることはできないのではないでしょうか。「コストや時間を要する」と記述した意図がわかりません。


(2)社会の持続可能性
 持続可能な社会を実現していくためには、災害リスクが高い地域への人口集中の是正が要件となる。災害ハザードエリアからの住宅等を移転する際には既存の生態系や景観などの維持・保全に留意すべきである。 以上


⑲ ここで述べるのは、これまで述べてきたことを業務にした場合の要点を書くのですよ。この内容では、これまでに述べていない居住移転という新たな取り組みに対する留意点になっています。問題に対して的確に解答することを意識しましょう。

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