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技術士 二次試験対策 最後の週末はコレ & 「地域資源を活用した消費拡大」

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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予行練習

やると決めたなら、全力を注いで「必ず成果を得る」という強い意志を持ち続けましょう。現状、自信満々な人、不安で仕方がない人、様々だと思いますが、前者は気を緩めることなく、後者はあきらめることなく、最後の最後まで自分のやるべきことに取り組みましょう。

この週末は、まとまった時間がとれる最後の機会です。この時間を使って、予行練習をしましょう。実際の試験時間(必須科目を2時間、選択科目たちを3時間30分)を設定して、時間内で書いてみましょう。ぶっ通しで書くことが、一番のお勧めです(めちゃくちゃ疲れることを経験、認識する)。

都合で、時間が確保できない人は、必須科目と選択科目を分けることもOKです。この練習を行うことのメリットは、現状のウイークポイントを発見することにあります。この分析が本当に重要であり、改善点や試験当日に意識することを把握します。

時間内に書ききれなかった人は、「書くスピードが問題なのか?」、「最初の骨子に時間をかけすぎたのか?」、はたまた、書き間違や、途中で筆が止まったなどなど…原因を徹底究明しましょう。そのうえで、何をすべきなのか具体的に考えます。

時間内できっちり書けた人は、「字が汚くないか?」、「論点を外していないか?」、「確認(推敲)する時間が確保できていたか?」などなど…さらに論文の内容を高める方法がないかを考えます。書ききれたことに安心してはいけません。さらなる高得点を目指すための工夫点を見つけます。

どちらのケースでも行っていただきたいのは、気が付いた点を書き出して記録してください。ただ考えるだけですと、すぐに忘れてしまいます。手を動かして、目でも見て、しっかりと記憶に定着させます。また、写経や読み返しの際に、この注意点を思い返しながら作業すると良いでしょう。

さあ、今すぐ予行練習に取り掛かりましょう!

「地域資源を活用した消費拡大」

本日の添削LIVEは、建設部門 都市及び地方計画 選択科目Ⅲ 予想問題「地域資源を活用した消費拡大」をお送りします。地方創生は、注目されるテーマの一つです。まちづくりの色合いは強いものの、必須科目で出題されてもおかしくはありません。定番の論文は全部用意しておきましょう。多くの問題に自信をもって対応できれば、120%の力が引き出されるでしょう。それでは、早速論文を見ていきましょう。


【問題文】
9 建設部門【選択科目Ⅲ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び回答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚を用いてまとめよ。)
 Ⅲ-1 コロナ課でしたインバウンド需要は急速な勢いで回復し、今やインバウンドによる観光消費額は約8.1兆円と過去最高を更新している。地方部を中心に人口減少が進み、一般生活者による消費が時々刻々と失われていく中でインバウンドを含む交流人口の拡大によって消費を取り戻していく必要性は年々高まっている。地方を活性化させるためにも、地域資源を活用してインバウンドや国民の消費を促していくことは重要となってきている。
 このような状況を踏まえ、都市及び地方計画分野の技術者として以下の問に答えよ。

(1)地域資源を活用した消費拡大を推進していくに当たり、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。


1.多面的な課題
(1)  いかに観光造成を行うか
 我が国の観光消費額は増加傾向にあるが、政府目標の2030年15兆円には更なる向上が求められるこうした中、近年、観光ニーズはモノ消費からコト消費に傾倒が深まっている。我が国らしい体験など知的好奇心を満たすものが期待され、固有の自然や地域で息づいてきたくらしなど、観光の商材とされてこなかった地域資源の活用が重要となる。よって、地方創生の観点から、観光の造成が課題である


① 何を向上させるのか分かりません。
② 現状と必要性のみが記載されており、何を問題視しているのかよく分かりません。さらに、都市計画の視点が不足しています。選択科目Ⅲは、課題から選択科目の技術的視点がないと評価されませんよ。課題のパラグラフは、現状→問題点→必要性→結論の順で、専門科目の視点をふんだんに取り入れましょう。①を踏まえ、都市計画的な視点を補記すると、次のような記述が考えられます。→「近年、観光ニーズはモノ消費からコト消費へと移行し、地域固有の自然や暮らしに根ざした体験への関心が高まっている。しかし、面的な観光空間の形成や回遊性の確保は依然として不十分であるため、こうした資源が観光に十分生かされていない。地域の魅力を活かした経済循環の創出や関係人口の拡大を図るうえでも、観光を軸とした地域活性化の推進が求められる。よって、地方創生の視点から、地域資源を活かした観光の造成が課題である。」


(2)いかに観光と環境を共存するか
 従来のマスツールリズムでは、自然環境への負荷や地域文化の退廃などを招いてきた。しかし、気候変動や生物多様性といった地球規模の環境問題を背景に、世界的に環境保全への関心が高まっている。そのため、エコツーリズムを通じた健全な観光活動の推進が重要である。よって、持続可能性の観点から、観光と環境の共存が課題である


③ これも②と同様、都市計画の視点が不足しています。また、構成についても同様です。さらに、「退廃などを招いてきた」といった断定表現が気になります。加えて、エコツーリズムは「観光のあり方」や「運営の理念・手法」に関する概念です。そうなると、都市をデザイン・コントロールする視点から離れてしまいます。もっと、都市計画的な「空間的仕組みづくり」といった結論が望まれます。都市計画的な視点を補記すると、以下のような記述が考えられます。
→「気候変動や生物多様性の喪失を背景に、環境保全への意識が世界的に高まっている。他方、従来のマスツーリズムは自然環境への負荷や地域文化の形骸化を招き、持続性への配慮が不十分であった。今後は自然との共生を図るエコツーリズムの促進が重要であり、その実現には環境と調和した空間構造の再編や土地利用の最適化が必要である。よって、持続可能性の観点から、観光と環境の共存を支える空間的仕組みづくりが課題である。」


(3)いかに観光体験の質向上を図るか
 我が国らしい文化や自然に観光客の関心が高まる一方で、地域の文化財や史跡への集客に繋がっていないケースがある。そのため、XR技術などを通じて当時の時代を再現した没入体験を行うなど、来訪の動機付けを創出することが重要である。よって、DX化の観点から、観光体験の質向上が課題である


④ これも②と同様、都市計画の視点が不足しています。また、構成についても同様です。構成はともかく、課題から全力で専門的知見を組み込むことを徹底してください。→「近年、我が国の文化や自然に対する観光客の関心は高まっている。しかし、地域に点在する文化財や史跡は都市空間に埋もれ、観光動線に組み込まれておらず、十分な集客に結びついていない。このような状況の中、XR等のデジタル技術を活用し、歴史的価値を伝える空間演出や景観形成を通じて、都市全体で文化的価値の発信が求められる。よって、DXの観点から、文化的観光体験を提供する都市空間の再編が課題である。」


2.最も重要な課題と解決策
 交流人口の増加によって、地域経済が活発化されるため「いかに機能と美観を調和するか」を最も重要な課題に選定し、以下に解決策を述べる。


⑤ 地域資源を活用した消費拡大を推進していくに当たっての課題なのですから、すべての課題が当てはまるのではありませんか。また、記載の課題は、3つの課題のどれでもないですよ。


(1)インフラツーリズム
 自治体や民間企業と協力し、普段訪れることのできないダムや橋などのインフラを観光資源として活用するツーリズムの推進にあたり、自治体予算の範囲内に収め、無料もしくは自治体の実費のみに留める 非収益型とするか、事業収益をもって運営を行う収益型とするかなど、持続可能できる収益構造を検討する。またツアー設計にあたり、教育や知的好奇心を満たすコンテンツとするなど、テーマや参加による成果を明確にすることに留意する。施設周辺の民間施設と連携し観光客の周遊を促すことで、地域内の消費量が増加し、地域経済への好影響を及ぼすことが期待できる。


⑥ なぜインフラを観光資源として活用するのか、行動の目的や理由を書くべきです。
⑦ 非収益を持続可能な収益構造なのですか。何がいいたいのか、なぜ収益構造の説明をしているのかよく分かりません。
⑧ これもなぜこれらに留意するのか。また、解決策なのに、留意点を示すことの意図もよく分かりません。また、⑥や⑦のどこに都市計画の視点があるのでしょうか。解決策は、課題以上に専門的記述が必要です。観光振興と空間整備を一体的に推進するための都市再生整備計画や、インフラを拠点とした地区計画や景観計画との連動、公共施設等総合管理計画に基づいた施設の利活用方針を明確化など都市計画関連制度とセットで説明しないとただのインフラツーリズムの説明になってしまいます。
⑨ 地域資源を活用した消費拡大を推進していくに当たっての課題に対する解決策なのですから、当然の帰結です。


(3)グリーンツーリズム
 農山漁村に滞在しながら農漁業体験を楽しめるグリーンツーリズムを推進する。例えば、空き地等をクラインガルテンとして活用し、滞在しながら菜園活動などの自然体験を可能にする。また、自治体や地元企業らによる地域協議会と連携した農泊推進体制を構築する。Wi-Fi整備やトイレの様式化などの農泊地域高度化促進事業を通じて、集客力の向上やツーリズム経営の安定化を図る。


⑩ ⑥と同様。
⑪ これも空き地を活用するといった視点程度しかなく、専門的知見が不足しています。どうやって遊休地を活用して、クラインガルテンとして活用するのかが都市計画の専門家として必要な記述なのではありませんか。例えば、地区計画、用途変更、立地誘導促進施設協定など、制度活用などを例示してはどうでしょうか。
⑫ 農業を活用する視点においても同様に、都市計画制度を絡めた取り組みを提案しないと得点をゲットできません。例えば、新たな用途地域である田園住居地域の活用など面白いのではないでしょうか。


(3)サイクルツーリズム
 自転車を活用して地域を巡る観光を推進する推進にあたり、海や川を跨ぐ橋など特有の道路環境や地域独自の資源や魅力が楽しめるルート設計とする。併せて、サイクリング環境の整備を推進する。具体的には、自治体により自転車活用推進計画を策定し、走行空間の整備を施策として位置付ける。そのうえで、自転車ネットワークを策定し、歩行者・自動車との道路内の空間分離を図り、自転車走行環境を向上させる。また、自転車駐車場整備計画により、自転車ネットワークと利用方向の動線に配慮しつつ、自転車駐輪場の再配置を行う。民間敷地や公共空地を活用することで、地域の細部まで訪れられるようにする


⑬ ⑥と同様。
⑭ これは、これまでと異なり、いくつかの制度活用を図る記述があり内容的には、一定程度の専門性が示されています。しかし、手段とその目的がよく分からず、ぶつ切りにみえてしまいます。サイクルツーリズムを推進するため自転車活用推進計画、安全・快適な走行空間を創出するため自転車ネットワーク計画、自転車利用者の快適な移動をサポートするため自転車駐車場整備計画といった具合に関係性を明確にしましょう。そのうえで、論理的に各要素をつなげましょう。→「サイクルツーリズムを総合的に推進するため、各種計画を相互に連携させ戦略的に自転車走行環境を整備する。具体的には、自転車活用推進法に基づき策定される自転車活用推進計画において、地域の観光資源や景観特性を踏まえた自転車利用の基本方針を明確化する。その上で、安全かつ快適な走行空間を創出するため、自転車ネットワーク計画により、幹線ルートや観光回遊ルートの空間整備を位置づける。さらに、自転車駐車場整備計画と連動し、観光拠点や公共施設周辺における駐輪場の適正配置を図ることで、移動と滞在の両面から自転車利用環境の質的向上を実現する。」


3.新たなリスクと対応策
 地方部への旅行需要が拡大することによって、宿泊施設や観光案内所が不足するなど、受入体制が整わないリスクが生じる
 対応策として、スモールコンセッションを導入する地域に存する空き屋や空き施設などの小規模な遊休施設を宿泊施設として活用する事業規模は原則10億円未満程度であるため、財政規模の小さい自治体においても、小規模な施設から容易に取り組むことができる放置されていた地域資源を再生することによって、施設管理費の削減や治安の向上、防犯効果といった副次的メリットも期待できる。  以上


⑮ 「整わないリスク」という表現委違和感があります。→「観光客の受入れに支障を来すリスクが生じる」
⑯ なぜスモールコンセッションなのか理由も書く必要があります。→「財政負担を抑えつつ地域資源を活用できるスモールコンセッションを導入する」
⑰ もう少し具体性があった方が良いです。さらに制度の紹介もあると、技術力アピールになると思います。→「地域に点在する空き家や旧公民館、廃校舎などを宿泊施設や観光拠点として再生する。また、空き家再生等推進事業を活用し、自治体や民間事業者によるリノベーションの初期負担を軽減することで、地域資源の再生と観光受入体制の強化を両立する」
⑱ 副次効果の説明の方が多くのスペースを費やしていることに違和感があり、バランスに欠いた構成に見えます。

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