致命的ミスを見抜くことが合格への最短距離
【 技術士 二次試験対策 】
説明不足を見抜く方法
(1)「小学生でもわかるか?」チェック
技術士試験は高度な専門試験ですが、文章の“わかりやすさ”は小学生レベルで判断できます。
例えば、
「老朽化が進んでいるため、維持管理の効率化が必要である。」
と書いたとします。
あなたの心の中の小学生がこう言います。
「なんで老朽化すると効率化が必要なの?」
この質問に答えられない場合、説明不足です。
小学生は容赦ありません。
彼らは「なんで?」「どうして?」を無限に繰り返す生き物です。
その“無限質問攻撃”に耐えられる文章は、説明不足とは無縁です。
(2)「接続詞を消して読んでみる」
「したがって」「よって」「そのため」などの接続詞は、論理をつないでいるように見せる“煙幕”です。
接続詞を全部消して読んでみてください。
意味がつながらない部分があれば、そこは説明不足です。接続詞は便利ですが、使いすぎると“論理の瞬間接着剤”になってしまい、文章の骨格が弱くなります。
(3)「名詞の後ろに“つまり何?”をつける」
文章中の名詞に対して「つまり何?」と問いかけると、説明不足が露呈します。
例:
「維持管理の効率化が必要である。」
→「つまり何を効率化するの?」
→「点検作業?補修計画?予算執行?」
名詞は“説明不足の温床”です。
名詞を疑うと、文章は一気にクリアになります。
論理の飛躍を見抜く方法
(1)「因果の矢印」を書いてみる
文章を「A → B → C」のように因果の矢印でつないでみます。
例:
「老朽化が進んでいる → DX化が必要」
矢印がつながっていません。
本来は、
「老朽化 → 点検頻度増加 → 人手不足顕在化 → DX化で省力化」
と“因果の連鎖”が必要です。
矢印が途中で途切れる場所が、論理の飛躍ポイントです。
(2)「主語が変わっていないか?」チェック
論理の飛躍は、“話の主人公がいつの間にか別人になっている”ときに発生します。
文章の中で、
- 主語
- 対象
- 論じている主体
が、気づかないうちに入れ替わると、読み手は「え、急に誰の話?」となり、論理が飛んだように感じるのです。
●悪い例(主語がすり替わっている)
「自治体は人手不足である。そのため、AIを導入すべきである。」
読み手の心の声:
「え、人手不足の話をしていたのに、急にAIの話に飛んだぞ…?」
「AIを導入すべきなのは“誰”なんだ?」
ここで起きているのは、“人手不足という状況” → “AI導入という解決策”に、主語の橋渡しがないことです。
●良い例(主語が一貫している)
「自治体の点検業務では人手不足が深刻化している。そのため、点検作業の効率化が必要である。
効率化の手段として、AIによる自動判定が有効である。」
読み手の心の声:
「なるほど、点検業務の人手不足 → 効率化 → AI導入という流れね。」
ここでは、“自治体の点検業務”という主語が一貫しており、話の主人公が変わっていません。
(3)「読み手のツッコミ」を想定する
審査官は、あなたの文章を読みながら心の中でこうツッコミます。
- なんでそう言えるの?
- その対策で本当に解決するの?
- 他の選択肢は?
- リスクは?
このツッコミに答えられない部分が、論理の飛躍です。
審査官は“冷静なツッコミ職人”だと思ってください。
彼らのツッコミを先回りできれば、論理の飛躍は消えます。
論点ズレを見抜く方法
(1)「設問の動詞」を赤丸で囲む
論点ズレの8割は、設問の読み違いです。
設問の動詞(例:説明せよ、提案せよ、課題を述べよ)を赤丸で囲みます。
動詞が変われば、求められる答えはまったく変わります。
- 「説明せよ」→背景・理由
- 「課題を述べよ」→問題点
- 「提案せよ」→対策
- 「評価せよ」→効果・妥当性
動詞を間違えると、論点は一瞬でズレます。
(2)「段落の役割」を固定する
技術士答案は段落ごとに役割が決まっています。
課題であれば、①現状→②問題点→③必要性→④結論(観点・課題)
解決策であれば、①目的→②やること→③具体例
この役割が混ざると、論点がズレます。特に多いのは、
- 背景段落に“課題”が混ざる
- 対策段落に“効果”が混ざる
というパターン。
段落の役割を固定すると、論点ズレは劇的に減ります。
(3)「設問の言葉をそのまま使う」
論点ズレを防ぐ最も簡単な方法は、
設問の言葉をそのまま答案に書くことです。
例:
設問「課題を述べよ」
→答案「本業務は〇〇が課題である。」
設問「対策を提案せよ」
→答案「上記課題に対する対策として、〇〇を提案する。」
これだけで論点ズレの半分は防げます。
3大ミスを“まとめて”防ぐ最強の方法
ここまで個別の方法を紹介してきましたが、3つを同時に防ぐ“最強の方法”があります。
(1)「1文1メッセージ」ルール
1文に複数の主張を入れると、必ずどれかがズレます。
悪い例:
「老朽化が進み、災害リスクが高まっているため、ICT化が必要である。」
3つの主張が混ざっています。
良い例:
- 老朽化が進んでいる。
- その結果、災害リスクが高まっている。
- このリスクに対応するため、ICT化が必要である。
1文1メッセージにすると、説明不足・飛躍・論点ズレが一気に消えます。
(2)「因果の木構造」を書く
課題×3
解決策×3
新たなリスク+対応
これをツリー状に書き出すと、論理の穴が一目でわかります。
枝が途中で途切れていたり、聞かれていることに答えていなかったりしたら、そこが問題個所です。俯瞰的に眺め、整理することが大切です。
(3)「審査官の反論」を先回りする
審査官は必ずこう考えます。
- その対策は最適か?
- コストは?
- リスクは?
- 他の手段との比較は?
これらに答えられない部分が、論理の穴です。

