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技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度 予想問題 地域公共交通関連一挙添削!

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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「地域公共交通計画」の実質化に向けたアップデート

国土交通省では、「地域公共交通計画」(令和6年3月現在、全国1021件)について、令和5年12月より「地域公共交通計画の実質化に向けた検討会」にて、同計画に係る課題整理や官民関係者が取り組むべき事項の検討をしています。

令和6年4月26日に「中間とりまとめ」が公表されました。これまで、交通関連は専門分野として道路に偏りすぎているので、あまり取り扱ってこなかったのですが、ここに来て注目度が高まってきましたね。新しい交通モードの普及や地域交通の経営の悪化など、出題の可能性を高める社会背景が整ってきています。

地域交通は、長期的な需要の減少や運転者等の人手不足により、多くの地域で深刻な状況にあり、「地域公共交通計画」には、司令塔機能やデータ活用の強化・拡張など、実質化に向けたアップデートが必要との背景により、中間とりまとめが行われました。

本検討会においては、モビリティデータを活用した、無理なく、難しくなく、実のある計画の実現に向け、その方向性や官民に期待される取組がまとめられています。

無理なく、難しくなく、実のある計画

市町村、都道府県、国の役割分担のもと推進すべき施策が示されています。やはり、ここでも共通してデジタル化(データ活用)が示されています。データ活用無くして新たな施策無しといったところでしょうか。

○ 地域公共交通計画のアップデートに向け、市町村による以下の取組を推奨。
[1] モデルアーキテクチャ(標準構造)に基づく計画
「公共交通軸の充実・保証」、「移動制約者(高齢者・こども等)の足の確保」の2大目標の設定等の『シンプルで一貫性ある構成への見直し』や『適材適所の施策・事業の集中展開』、『具体的なPDCAスケジュールの設定』
[2] 機動的・横断的な実行体制
自治体・交通事業者等による信頼とデータに基づく『モニタリングチームの組成』、『多様な関係者の実質的参画』、『専門人材の確保・育成』
[3] モビリティ・データの利活用
自治体、交通事業者等の間で共有の目的・範囲・条件等を明確化した『データ共有体制の確立』、『他分野データの活用』、『データも活用した計画策定・実行』
 
○ 都道府県においては、以下の観点から、市町村の牽引・伴走を期待。
 ・ヒト&プレイス(人材育成、ネットワーキングの場)
 ・データ(データ共有枠組みの構築)
 ・リ・デザイン(実証運行、新技術等を先導)
 
○ においては、「アップデート・ガイダンスの提供」、「ポータルサイトの整備」、「対話型支援」、「官民デジタル化」、「専門人材の確保・養成」の5つの施策により、各地における地域公共交通計画のアップデートを推進。

論文

今回お届けする論文は、地域公共交通関連を一挙にお届けします。テーマは、選択科目Ⅱー2「地域公共交通計画の策定」のチェックバックと、選択科目Ⅲ「地域公共交通のリ・デザイン」になります。今回示された検討会の資料と一緒に読めば、交通関連知識が一気に高まることでしょう。それでは、早速論文を見てみましょう。

地域公共交通計画の策定

問題:人口減少と高齢化の進む地方都市Aにおいて、コンパクトなまちづくりを進めるため、既に立地適正化計画を策定している。一方、当該都市では鉄道・バス等の公共交通は整備されているものの、車への依存度が高く、公共交通の利用者は減少している。そのため、公共交通ネットワークの改善を目的に、地域公共交通のマスタープランとしての地域公共交通計画を策定することとなった。

そこで、当該地域公共交通計画案を作成する業務を担当責任者として進めるにあたり、下記の内容について記述せよ。

(1)地域公共交通計画を作成する際に、あらかじめ調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)上記の調査・検討に基づき、地域公共交通計画を作成する業務手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3)効率的、効果的な業務遂行のために調査が必要となる関係者を列挙し、それぞれの関係者との連携・調整について述べよ。


1.調査、検討すべき事項とその内容
(1)既存の公共交通ネットワークの調査
 立地適正化計画によって設定された、居住誘導区域や都市機能誘導区域に接続されている公共交通ネットワークを調査する。調査にあたっては、実際に公共交通に乗車し乗車環境や停留所アクセスの負担、利用状況及び利用者属性を把握する。

(2)関連計画及び上位計画の把握
 上位計画となる自治体の総合計画及び都市マスタープランから、対象区域の将来都市像を把握する。また、関連計画となる立地適正化計画や高齢者福祉計画等の施策をとりまとめる。

(3)既存の網形成計画・連携計画等の評価
 地域公共交通計画の前進となる計画がある場合、実施された施策については、事業費や事業効果を把握する。実施されなかった施策については、その要因を抽出しとりまとめる。

2.業務を進める手順と留意点、工夫点
(1)課題の整理
 鉄道駅やバス停の勢力圏と人口密度メッシュデータをラップし、沿線の人口集積状況を踏まえ課題を整理する。この時、関係者間で議論がしやすいようネットワーク図を作成する等見える化の工夫を行う


① 私の指摘ではありますが改めて見ると、「見える化」は手段の一つであり、工夫点は議論をしやすくすることだと思います。→「ネットワーク図を用い課題を可視化するなど、関係者が議論しやすくなるよう工夫する。」


(2)目指すべき将来ネットワークの設定
 立地適正化計画が示す将来的な都市構造や公共交通軸を踏まえ、目指すべき公共交通ネットワークを設定する。関係者間の意識を共有するため、交通モードや運行本数等のサービスレベルを具体的に記載する工夫を行う。計画区域の設定は、都市機能の誘導や増進に関する施策との連携に配慮することを留意する


② 手順なので、業務内容を書いたうえで留意点を書きましょう。よって、前段の業務内容部分に計画区域の設定も加えましょう。→「・・・ネットワーク及び計画の区域を設定する」
また、追記によりスペースがなくなるので、後述部分を端的に表現すると良いでしょう。→「区域設定においては、都市機能の誘導や増進に関する施策との連携に留意する」


(3)施策の設定と目標値の設定
 交通不便地域やラストワンマイルを補完するモビリティ対策等の施策実施に係る事業実施主体を設定する。さらに、施策毎に利用客数や運行回数等の目標値を設定する。この時、移動手段を単に確保するだけでなく観光振興や福祉的観点を取り入れる等、地域の実情に即した施策とすることに留意する。


③ 目標と施策は、項目を分けた方が良いと思います。また、施策は目標設定後にすべきです(目標を達せさせるための施策であるべきだからです)。

④ ここでは施策の例示はなくても良いと考えます。これは、目標設定によって、とるべき対策(施策)は異なるからです。

⑤ これも、施策の項目の中で記述すべきです(施策の内容によって主体は変化するためです)。

  •  例えば、次のような構成になります。
    (3)目標の設定
     計画の目標を設定する。目標は、アウトプット指標に加え、関係者に分かりやすいアウトカム指標も設定する。
    (4)施策の立案と実施主体の決定
     目標を達成するための施策を立案するとともに、施策の実施主体も明確化する。この時、移動手段の確保だけでなく観光振興や福祉的観点などの地域特性に留意する。

(1)効率的・効果的な業務遂行のための関係者
 地域住民、国、都道府県、庁内関係機関、警察、地元企業、交通事業者、観光協会、社会福祉協議会等。

(2)関係者との連携・調整について
 法定団体に対しては、法定協議会において利用状況等の情報に基づく協議を行う。住民に対しては情報提供だけでなく、協議会への参画やワークショップ、パブコメを通じて意見交換を行い調整する。  以上 


⑪ 情報の性質を補記すると良いでしょう。→「客観的なデータに基づき」

⑫ スペースがない場合、例示を一つ削ると良いでしょう。

地域公共交通のリ・デザイン

問題:地域公共交通は、国民生活や社会経済活動を支える社会基盤である。一方で、人口減少や少子化、マイカー利用の普及やライフスタイルの変化等による地方部を中心とした長期的な需要減に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、多くの事業者が深刻な経営状況に陥ったこともあり、その持続可能性と利便性の回復が課題となっている。 これらの背景をもとに、以下の問に答えよ。

(1)地域公共交通の「リ・デザイン」を推進するにあたり,技術者としての立場で多面的な観点から取り組むべき課題を3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を、専門用語を交えて示せ。

(3)前門(2)で示した解決策に関連して新たに浮かびあがってくる将来的な懸念事項とそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ

課題

1.多面的な課題
(1)  いかに連携・協働を促進するか
 人口減少が著しい自治体では、公共交通の需要が減少し、減便や廃線による交通空白地域が増加しつつある。採算性の低いエリアでの日常生活の移動を確保するためには、交通事業者のみでの移動サービスの提供が困難となってきている。よって、仕組み面の観点から連携・協働した移動サービスの提供が課題である。

(2)いかにドライバーを確保するか
 長時間労働を是正し、安全な運行を行うため2024年度から改善基準告示の改正が適用された。ドライバーの拘束時間が短縮された一方、バス事業では人員不足のため、従来のダイヤ通りによる運行維持が困難化し、減便等の危機にある路線もある。よって、人材面の観点から、ドライバーの確保が課題である。


① 表現が冗長的です。→「従来のダイヤ通りに運行ができず」

② 減便を危機と表現するのは、若干違和感があります。→「路線の減便、廃止が危惧される。」


(3)いかにデジタル化を活用するか
 公共交通の利用者を増やすためには、単なる移動だけでなく、付加価値の創出が重要となってくる。そのため、アプリやウェブを通じて複数の交通手段や目的地との連携が求められている。よって、技術面の観点から、デジタル化の活用が課題である。


③ 昨今の動向からするに、「IoT技術等を活用した」

解決策

2.最も重要な課題と解決策
 投資が少なく、すぐに取り組むことができるため、「いかに連携・協働を促進するか」を最も重要な課題に選定し、以下に解決策を述べる。

(1)ライドシェアの推進
①都市部での活用
 都市部では、タクシー特措法により供給量が制限されている一方で、需要の高まる時間帯や地域では供給量が不足する場合がある。そのため、自家用車活用事業としてライドシェアを導入する。具体的には、配車アプリ等で不足する地域や時間帯を特定する。その上で、タクシー会社は不足分を地域の自家用車を活用してタクシー事業の一環として輸送する。これにより、特措法に触れることなく、安定した供給を実現する


④ 目的が合規性の確保のように見えます。法令遵守は当然の帰結なので、解決策の特記事項として記述する必要性は低いと思います。具体例のあとには、特筆すべき効果や波及効果を書くとよいでしょう。増加する観光需要にともなう移動サービスの充実などが考えられます。


②地方部での活用
 人口減少が進む地方部では、需要の減少によりバスやタクシーが十分に供給されない地域がある。そのような交通手段を確保するのが難しい過疎地において、自家用有償旅客運送事業としてのライドシェアを導入する。コミュニティバスやNPO法人等がカバーできないエリアを、一般ドライバーによる送迎を可能とすることで、免許を返納した高齢者等の交通弱者の通院や買い者を支援していく


⑤ 性質が異なるので、合わせた方が良いでしょう。→「コミュニティバスやNPO法人による送迎バス」⑥ →「移動制約者」⑦ 解決策なので、「していく」は未来の行動としての意味合いが強いので「する」がいいですね。


(2)輸送資源及び業務の一元化
①既存の輸送資源の活用
 需要の減少等により、路線バス等の維持が困難な状況にある地域において、既存の輸送ストックを活用する。具体的には、スクールバスや自動車教習所等の送迎バスの遊休状態となる空き時間等を活用して、乗合バスとして住民の移動を支援する。地域に存在する輸送資源の総動員を図ることで、移動手段を確保する。

②バス路線の共同運営
 同一エリア内に複数のバス事業者が平行して運行している場合、案内が煩雑となり利便性が低下する恐れがある。このため、独禁法特例法に基づき共同経営計画を策定する。事業者間で路線やダイヤ、運賃の設定を行うことで、収支格差を縮小させ、効率的かつ利便性の高い輸送を実現させる。


⑧ ちょっと分かりづらいですかね。→「重複して」

⑨ 誰が計画を策定するのですか。


(3)モビリティハブの形成
 生活圏における移動サービスの充実を図るため、多様な交通モードと連携した拠点を形成する。具体的には、モビリティハブを整備しシェアサイクル等多様なモビリティとのリンク機能を強化する。併せて、MaaSを導入し、予約から決裁までの一連の手続きをシームレスにする。リンク機能の強化と連動させることにより、質の高い公共交通サービスを提供する。


⑩ 「と」は2つの事柄を結ぶのに用います。この場合、交通モードしかありません。→「多様な交通モードが相互に連携できる拠点」

⑪ これも⑩と同じです。何とシェアサイクルとのリンク機能を強化するのですか。また、具体的と言っているので、もう少し想定されるケースを例示すると良いでしょう。例えば、「旅行者が鉄道で観光地を訪れた場合、目的地へのラストワンマイルモビリティ―としてシェサイクルが利用できるようにする。」などが考えられます。

⑫ →「決済」

新たなリスク

3.新たなリスクと対応策
 新たな仕組みの定着により、多様な交通モードの過度な供給が発生するリスクや、従来の公共交通の経営が悪化するリスクがある。解決策として、法定協議会のアップデートを図る。自治体や交通事業者に加え、分野横断的な体制を整備するとともにデジタルの活用による運営の効率化を図ることで、地域公共交通の司令塔機能を強化する。 以上


⑬ 多様な交通モードの過度な供給が少し分かりづらいですね。「新たな交通モードを導入することにより、過剰供給や既存交通との競合が発生するリスクがある」としてはいかがでしょうか。

⑭ 「自治体や交通事業者に加え」とあるので、誰を加えるのか記述したうえで横断的な体制になることを説明しましょう。

⑮ →「デジタル技術」

⑯ リスクとの関連性が良く分かりません。データ管理による需要コンロロールということですかね。もう少し説明が必要です。

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