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技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ 予想問題 「まちづくりGX」

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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グリーンインフラ創出促進事業

グリーンインフラ創出促進事業は、グリーンインフラに関する新技術・サービスの開発促進をするため、民間企業等による自然環境の多様な機能を利用する技術で実用段階に達していないものの開発を支援するものです。今般、4件の開発支援成果について、国交省のホームページで公表されました(発表はコチラ)。

まちづくりGXを語るうえで、グリーンインフラの取組みは外せません。これまで、何度も申し上げてきましたが、技術力=具体例と考えます。そうなると、どれだけ具体的なものが語れるかということが重要になります。

そこで、押さえておきたいの先進事例です。この先行する取り組みを述べることができれば、『「おっ」この受験生は知っているな』となります。よって、最新事例を確認できる絶好の情報というのが、今回の成果発表という訳です。

今回の事例は、以下の4件が紹介されていました。

技術士 二次試験対策 グリーンインフラ創出促進事業の成果
※1共同体を組成の上、事業を実施しております。

アーバングリーンダム、仮設レインガーデン、雨庭、バイオスウェル、水のアクティブ制御など事業名称だけでも、技術力アピールできそうです。しっかり内容を把握し、解決策の具体例で記述してみてはいかがでしょうか。

論文

さて、今回の添削LIVEは、建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ 予想問題 「まちづくりGX」です。まあ、GXは必須科目としても有力ですが、選択科目においても関連問題が出てもおかしくない、最も熱いテーマの一つです。もう、みなさんは、バッチリ論文を用意できていますよね。それでは、早速論文を見てみましょう。

課題

1. まちづくりGXの推進に向けた課題
(1)グリーンインフラ整備の促進
 近年の地球温暖化に伴う気候変動による環境の悪化や激甚化する災害は、人々の経済活動や将来的な健康に悪影響を与えている。
 都市施設の整備の観点から、脱炭素社会の実現とWell-beingの実現、更には生物多様性の確保や災害にも強い強靭なまちづくりにも資するグリーンインフラの量と質の向上が課題である。


① 主語が長く読みづらいです。地球温暖化はなくても意味が分かるので削除しましょう。

② 前段の背景は現況の説明しかなく、なぜこのような観点に立つのか理解できません。課題の文章構成は、現状→問題点→必要性→結論の順で書くと筋道が通りやすくなります。また、都市施設の整備というと観点ではなく課題や解決策のように見えます。

③ 緑が持つ多機能性は、結論ではなく必要性として書いた方が良いでしょう。また、脱炭素は前文とのつながりがありますが、Well-beingの実現、更には生物多様性の確保は唐突でなぜこれを効果として説明しているのか読み手は理解できません。以降の課題も同様ですが、課題はもっと端的に書きましょう。

④ 見出しはグリーンインフラ整備の促進となっており、内容と不一致になっています。


(2)エネルギーの効率的な利用の推進
 温室効果ガスの吸収源の増やすと共に、発生自体を抑制するためには、より効率的にエネルギー供給が可能な都市構造への転換が必要である
 都市構造の観点から、現在の多種多様な都市施設が散在する構造から、個々の建築のZEB化や同種同類の施設を街区に集中配置する等、エネルギーの面的利用の推進など効率化が課題である。


⑤ 「吸収源の増やす」→「吸収源を増やす」
エネルギー供給が可能な都市構造への転換が、なぜ吸収源を増やすのか、発生自体を抑制するのか因果関係が分かりません。吸収源を増やすは緑地を増やすことを言っているのですかね。また、発生抑制は移動を減らす・公共交通を利用するといったことですかね。いずれの場合であっても、エネルギー供給や都市構造との関係性は不明です。因果関係を説明しておらず、飛躍した主張になっています。

⑥ 個々の建築物のZEB化がなぜ都市構造なのでしょうか(個々と言ってしまっています)。また、同じ種類の施設を街区に集めることがなぜエネルギーの面的利用や効率化につながるのか理解できません。都市構造とは何を意味するのか、面的利用とはどのような状態をいうのかといったことをきちんと理解しないまま、ただ知っている言葉を並べているだけに見えます。考えをもう一度整理する必要があります。


(3)都市整備を推進する担い手の確保と育成
 少子高齢化に加え、現状において入職者の少ない建設業界においては都市整備やGXを支える緑地保全等を進める上で人材の不足が問題である
 担い手の確保の観点から、処遇や労働環境の改善が必要であり、少人数でも効率良く業務を行える様にITやAI技術の導入や、その技術者の育成制度の整備が課題である。


⑦ 少子高齢化は人口構成の問題点です。ここで言わんとしていることは、人手不足の話であり、性質の異なる問題点を例示しているように見えます。ここは、人口減少とした方が良いでしょう。

⑧ 「・・・おいて、・・・おいては」となっており、構文がおかしいです。一回文を切り、現状と問題点を分けると読みやすくなると思います。→「社会全体の人口減少に加え、建設業界においては新規入職者が少ない状況である」

⑨ GXを支えるのは、都市整備と緑地保全の両方に掛けた方が良いでしょう。→「このような建設業の人材不足は、GXを支える都市整備や緑地保全等を進める上で問題となっている」

⑩ これも課題や解決策に見えます。観点はもっと大きい視点で書きましょう。イメージとしては、課題のジャンルといった感じです。例えば、この場合は「人材面の観点」といった具合になります。

⑪ 処遇改善、デジタル技術の導入、育成制度の整備と課題がたくさんありすぎて、何がいいたいことなのか分かりません。そのうえ、見出しにある担い手の確保については記述がありません。何が言いたいのかといった論点を整理しましょう。

解決策

2.最も重要と考える課題と解決策
 もっとも重要な課題として「グリーンインフラ整備の促進」をあげる。
 環境問題に直接的な効果が高く、景観向上や防災効果など都市の価値を高め、経済成長への効果も高いと考えるからである


⑫ →「最も」

⑬ 波及効果として記述すると良いでしょう。→「・・・といった波及効果も期待できるからである」

⑭ 「以下に解決策を述べる。」を追記した方が良いでしょう。


(1)ウォーカブルな空間の整備
 景観の向上や水や緑、広場空間などの整備により、居心地が良く歩きたくなる、ウォーカブルな空間の整備を推進していく。
 既存の都市公園や歩道は、利用しやすいようまちづくりと連携したリノべ-ションや再配置を行う。 都市に散在する空閑地や低未利用土地等を市民緑地や憩いの場として積極的に活用することにより都市空間の質を高め活気を与える


⑮ 課題は、グリーンインフラ整備の促進ではないのですか。

⑯ ウォーカブルな空間整備になぜ公園のリノベーションが出てくるのですか。そもそもは、グリーンインフラ整備ですし支離滅裂です。

⑰ 大きな目的はGXです。また、課題はグリーンインフラ整備の促進です。都市空間の質を高め活気を与えるとしては、論点がズレているように見えます。何を書くべきか、整理したうえで的確な解答になるように意識して記述する必要があります。


(2)気候変動の改善に資する施設整備
 気温上昇の抑制やCO2吸収量の増加、空調等の効率を高めることを目的に、緑陰となる植栽地の確保、建築の屋上や壁面も含めた緑化を推進する
 中低層のビルを中心に耐久性、耐火性を優先したRC構造から、CO2固定と森林の育成に資するよう新技術により木質化、木構造化を推進する。
 道路や広場空間においては、浸透性舗装や保水性舗装の使用や雨水貯留槽の整備など、河川や水路への負担を減じる施設の整備を行う。


⑱ 気温上昇の抑制というより、ヒートアイランド現象の抑制の方が的確になると思います。

⑲ ちょっと分かりづらい表現ですね。→「緑陰を形成する植栽の配置」

⑳ このような表現の場合、耐久性、耐火性を犠牲にして木造化を進めるように見えます。

㉑ ここが技術力の見せどころです。混構造、BIMの活用など具体的な新技術を書きましょう。

㉒ 課題は、グリーンインフラ整備の促進ではないのですか。


(3)安心安全なまちづくりに資する施設整備
 大地震等による災害に備え、延焼防止効果の高い樹種による街路樹の計画的な配置や、避難や復旧時に利用可能な防災公園の整備の推進を図る。


㉓ これも、論点ずれですね。この内容は、グリーンインフラを導入する結果得られる効果であり、書くべきはどうやってグリーンインフラを整備促進するかではありませんか。この場合は、防災・減災の取組みにおいて、緑が持つ延焼防止効果や水の涵養効果を活用するといった論調で、グリーンインフラ整備を促進することが考えられます。

リスク

3.解決策を実行しても生じうるリスクと対策
(1)生じうるリスク
 前記の解決策を実行した場合、整備費用やその後の維持管理費用が整備主体である自治体等の財源を圧迫し不健全な状態にしてしまうリスクがある。


㉔ 何が不健全になるのですか。施設ですか、自治体の財政状況ですか。明確にしましょう。


(2)対策
 対策として、財源の少ない地方都市においては国が支援を行う他、PARK-PFIやエリアマネジメントなど整備や管理運営に積極的に民間の資金や人材、技術力を投入できる体制を構築していく。


㉕ 具体性に欠けますし、お金がないから国に支援をという論調は好ましくありません(一般論に見えます)。

㉖ →「Park-PFI」

㉗ 「に」が連続しています。「積極的に」は削除ですかね。

㉘ 人材は資金に含まれているように感じます。また、技術力に限定する必要はなく、幅広に「ノウハウ」としてはいかがでしょうか。

㉙ これも幅広く捉えるために、「仕組み」の方がより良いのではないでしょうか。

要点・留意点

4.技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点
(1)技術者としての倫理
 解決策を実行していくにあたっては、工期や施工性、資金面など検討項目が多く存在するが、公益の確保、安全や安心を最優先に取組む

(2) 社会の持続性の観点から必要な要点・留意点
 優れた都市環境を創出し、次世代に保全継承していくことが要点である。
 整備の過程において、生物多様性や自然資源の保全等、環境への配慮に留意する。   以上


㉚ 要点なのか、留意点なのか明確にしましょう。

㉛ 間違いではないのですが、ここは倫理綱領を引用すると良いでしょう。例えば、「業務の履行が環境・経済・社会に与える負の影響を可能な限り低減する」といった記載があるので参考にしてみてはどうでしょうか。

㉜ 「も」の使い方ですが、何に対する追加なのか分かりません。

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