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技術士 二次試験対策 令和6年度 建設部門 選択科目Ⅲ 「鋼構造物及びコンクリート構造物のCO2削減」

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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五虎大将軍を攻略

私、一押しのGXですが、まさかの鋼構造及びコンクリートの選択科目にカーボンニュートラルをテーマの出題されていました。災害が大きな関心ごととして取り扱われていますが、風水害などの発生要因となっている気候変動は、CO2をはじめとした温室効果ガスのせいなんですけどね。

この多くの課題の根源であるカーボンニュートラルは、今後も注目されるテーマといって間違いないでしょう。また、設問が複雑化する中においては、デジタル関連、環境関連、維持管理関連、災害関連、産業関連、この5つのジャンルはすべて押さえておく必要がありますね。蜀の五虎大将軍のようなものです。

もう、過去問のトレンドで予想するのは、意味がなくなってきましたね。五大テーマを隙間なく勉強するしか手はなさそうです。また、この勉強(練習論文の作成)によって、培われた文章構成要素(課題や解決策)をいかに題意に合わせて記述できるかといった能力も問われます。

練習論文を書きながら知識を強化するとともに、題意をしっかり捉える理解力、用意した要素を再構築できる筆力を向上させる特訓が必要ですね。文書構成はひな型(紹介ページはこちら)がありますので、題意を捉えるためには骨子を作成(紹介ページはこちら)や、筆力を上げるには短く書くなどの文章テクニック(紹介ページはこちら)を身に付ける必要があります。

論文

本日お届けする添削LIVEは、令和6年度 建設部門 鋼構造及びコンクリート 選択科目Ⅲ 「鋼構造物及びコンクリート構造物のCO2削減」 になります。はじめての選択科目のご紹介になります。問題は、鋼構造物及びコンクリート構造物の設計、製作・製造、施工維持管理、改修、解体とあらゆるジャンルにおけるCO2削減です。必須科目は、様々な条件が付きましたが、この問題は受け皿が広いですね。もはや何でもアリ感があります。それでは、早速論文を見ていきましょう。

問題

技術士 二次試験対策 鋼構造及びコンクリート 選択科目Ⅲ

課題

1.多面的な課題とその観点
(1)まちづくりGXの推進
 近年、自然の減少やCO2の増加が原因と考えられる異常気象が頻発している。この異常気象は、水害の頻発化、生態系の破壊、熱中症等の健康被害など都市環境に様々な悪影響を及ぼしている。この対策としては、CO2総排出量の約5割を占める都市活動によるCO2の削減が重要である。よって、環境面の観点から、まちづくりGXの推進が課題である。


① 題意は、CO2削減を推進するための課題です。CO2の削減が必要である背景を改めて説明する必要はないと思います。

② CO2削減なのですから、すべて環境問題です。よって、環境面はすべての課題に当てはまるものであり適切ではないと考えます。

③ 問題には、「コンクリート構造物の設計、製作・製造、施工、維持管理、改修、解体において」とあります。まちづくりは対象になっていませんので、題意に沿った解答と言えません。


(2)官民学連携の促進
 我が国は2050年のカーボンニュートラル(以下、CN)の実現を宣言している。また、温室効果ガスの発生要因は、エネルギー、産業、運輸、家庭、建設分野と様々であり、相互に関連し問題を複雑化させている。CNの実現には、コンクリート構造物のCO2排出量の削減やデジタル技術等の新技術の活用など分野横断的な取り組みが必要である。よって、体制面の観点から、官民学連携の促進が課題である。


④ 問題文に書いてある内容と同じです。

⑤ 後述に分野横断的な取り組みとあるので、構文上前段はその例示であるべきです。コンクリート構造物のCO2排出量の削減やデジタル技術等の新技術の活用は、分野横断的な取り組みの例示になっていません。

⑥ 分野横断の必要性は述べられていますが、その結果として官民学の連携となっていますが、分野横断と官民学の連携は直接つながりがなく、このつながりを説明する必要があります。説明不足です。


(3)担い手確保(人材面)
 少子高齢化や生産年齢の減少等建設業において担い手確保は深刻な問題である。また、森林はCO2の吸収や土砂災害の防止機能を有しており、国土管理上重要な役割を果たしている。またGXの推進には建設以外に緑や環境に対する知識をもつ人材の確保が急務である。よって、人材面の観点から担い手確保が課題である。


⑦ →「生産年齢人口の減少」

⑧ なぜ防災の話をするのでしょうか。論点ではありません。

⑨ 「また」が連続して使用されています。

⑨ なぜGXの推進なのでしょうか。題意は、カーボンニュートラルですよ。また、鋼構造物、コンクリート構造物に関することに限定されているので、緑との知識が必要と言われても題意に沿っているのか疑義があります。

⑩ 課題パートに共通して言えることは、選択科目Ⅲは鋼構造・コンクリート技術者としての立場、視点に欠けています。必須科目なら良いのですが、これは選択科目です。専門性に欠けては、評価されにくいと思います。

解決策

2.最も重要な課題と解決策
 まちづくりGXはCO2削減のみならず、防災など様々な波及効果が期待できるため、「まちづくりGXの推進」を最も重要な課題に選定し、解決策を示す。


④ ③で述べた通り、問題は「コンクリート構造物の設計、製作・製造、施工、維持管理、改修、解体において」です。まちづくりは対象になっていませんので、題意に沿っていないです。この課題の選択では、題意に沿っていないだけでなく専門性に欠けており、残念ながら高評価は難しいでしょう。


(1)グリーンインフラのビルトイン

a)建設物へのビルトイン
 建設物の屋上や壁面等の緑化を推進し、遮熱効果による省エネ化を図る。また、緑のCO2吸収・固定効果による温室効果ガス低減や憩いや安らぎ効果によるWell-being向上が期待できる。

b)道路空間へのビルトイン
 道路や駐車場の周辺に雨水浸透貯留機能を持つバイオスウェルを用いた歩道を整備する。礫や砂利等の植栽基盤に表流水を浸透・貯留させることで、地下水涵養や水質浄化、生態系機能に寄与する空間を創出する。
 また、舗装にも侵透型の材料を採用する。


⑤ 繰り返しになりますが、グリーンインフラでは専門的な記述に欠けます。鋼構造・コンクリートの専門技術用語もありません。CO2吸収源を緑に求めるのではなく、コンクリートの技術者としては、カーボンネガティブコンクリートやCO2を吸収・固定させるコンクリートなどもっとふさわしい話題があると思います(まちづくりではないですが・・・課題設定はやはりNG)。


(2)プレキャストコンクリートの普及・促進
 現場打コンクリートは多くの工程が必要であり、現場の機械によるCO2排出量が多い。また、天候に左右されるため、工程が長くなる。プレキャストコンクリート(以下、PCa)は工場で製作するため、現場での工程も短く、CO2排出量が抑えられる。また、建設副産物である高炉スラグを使用することで低炭素コンクリートとして温室効果ガスの削減となる。一般的な普通ポルトランドセメントに比べ、CO2排出量が60%以上削減できる。コンクリート構造物にPCaを普及促進することで全体的なCO2削減効果を推進できる。


⑥ 建設機械、資機材輸送など具体にCO2排出源の説明があると説得力が増します。

⑦ CO2排出と工程の長さとの因果関係がよく分かりません。作業量・工数は、変わらないので工程が伸びてもCO2排出量に影響がないように感じます。

⑧ ⑦と同様。

⑨ 高炉スラグとは、鉄鉱石を溶融して銑鉄を製造する過程で生成される副産物です。建設副産物ではないと思います。

⑩ 見出しは、プレキャストコンクリートです。現場打でも高炉セメントを使用すれば良いのであり、プレキャストコンクリとは異なる話題ではありませんか。見出しと内容が不整合です。

⑪ ようやくコンクリート分野の話になっていて良かったのですが、設定した課題に対する課題にはなっていないです。やはり、課題設定に問題があります。


(3)ハイブリッドダムの活用
 平時は水力発電として活用し、持続的なエネルギーとしてCO2排出が低減でき、災害時は貯水の調整により水害を低減するハイブリッドダムを活用する。また、壁面には森林を配置することで、CO2吸収・固定化によるCO2削減効果があり、土砂災害防止効果も備え持つ。 


⑫ これも課題設定が論点ズレを起こしているので、解決策もズレるのは必然なのですが、コンクリート構造物の設計、製作・製造、施工、維持管理、改修、解体においてという条件を満たしていないですね。さらに、鋼構造・コンクリートの専門家なので、森林を解決策に持ってくるのは違和感があります。さらに、これも結局のところ、鋼構造・コンクリートの専門技術用語がありません。

リスク

3.新たに浮かび上がる将来的な懸念事項と対応策
(1)新たに浮かび上がる懸念事項
 上記の解決策には多大な設備投資が必要となるため、資金調達ができずGX化が遅延・停滞する懸念事項が生じる。また、森林は成長するため、管理を定期的に行わないと、上記のことが機能しないリスクがある。


⑬ 上記の対策における設備投資とは一体何を指しているのでしょうか。また、解決策は、ほとんど公共事業であり、資金調達は税金ろなります。

⑭ 題意は、カーボンニュートラルです。


(2)対策
 対策として、ESG投資の普及促進があげられる。ESG投資は「環境」という国民の理解が得やすい事項であるため、投資家に評価されやすく、環境に寄与する設備投資に対して資金調達が容易となる。また、森林は国土管理上重要な役割を果たしているため、専門の管理者を配置する組織としてはナレッジマネジメントにより個々のスキルアップを行い、管理を行う。 -以上-


⑮ 専門の管理者とは、行政執行上の話をしているのでしょうか。森林は、民有林が多く管理者を置くというのも何を言っているのか良く分かりません。

⑯ これも誰を対象としたスキルアップなのか、何のスキルなのか、なぜナレッジマネジメントなのか全く分かりません。

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