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技術士 二次試験対策 筆記・口頭試験どちらにもお役立ち!「応用力を高める言語化手法」

メソッド
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分かりやすさを追求した表現・構成

【 技術士 二次試験対策 】

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技術者の説明

私たちは技術者です。そして、技術者最高の資格である技術士を目指しています。私たちは、心情の機微を巧みに表現することや、余韻を持たせる含みある表現は求められていません。最高たる技術者の説明は、情報を的確に相手に伝えることのみが求められます。

あくまで、相手が理解できるか否かが最も重要な点であり、自分が書きたいことを優先に書くといった姿勢は厳に慎まなければなりません。これは、技術士試験に限ったことではありません。論文、プレゼンテーション、上司への報告といった仕事の面においても同様です。

このことから、私たちは、日ごろから相手のことを慮る姿勢を堅持することが大切です(日常の一つ一つが試験対策!)。ただし、相手に対して分かりやすく伝えたいという気持ちがどんなに強くても、分かりやすく伝える方法を知らなければ実践できません。

先にも述べたように、技術者の説明が小説や手紙と違うの点は、心情的な要素がなく事実と意見のみを記すといったこと、つまりは情報を正確に伝えることにほかなりません。このことは、文末表現によく出てくるのですが、「・・・思う」、「・・・だと考えられる」、「・・・だろう」といったあいまいな表現(心情)はふさわしくありません。

技術士論文は、事実と意見のみが記述として許されるわけですから、「・・・と考える」、「・・・である」と言い切ることが大切です。断定表現は、あいまいさを許さなないので、記述者の責任が問われます。よって、記述内容に自信がないと躊躇してしまうのです。

私は、結構欧米的な合理主義が強めなので、断定にさほど抵抗は感じないのですが、相手の意見を尊重する日本人的美徳意識が働くみなさんは、奥ゆかしいあいまい表現を好む傾向が強いと思います。試験や仕事では、美徳を封じ「言い切る」ことを意識しましょう。

文の構成

分かりやすい表現手法として、これまでテクニックなどで再三述べてきました。主語述語、短い文、重複やねじれの防止など比較的実践しやすい事柄を中心に説明してきました。しかし、問題が複雑化する昨今、これらのテクニックやひな型(Part1Part2)だけでは対応できない場面も出てくると考えます。

これまでの添削の振り返ると、上記のテクニックをしっかり取り入れ投稿してきてくれる方々は多いです。しかし、私の指摘であふれかえってしまうことも少なくありません。私の示した注意点を加味しているにもかかわらず、なぜこのようなことになるのかを考察してみました。

その要因は、構成の仕方にあります。構成というと文章構成が真っ先に思い浮かびます。しかし、技術士試験の論文においては、文章全体の構成は問題によって必然的に決定しています。つまり、設問に対し順に答えていけば、勝手に文章は構成されます。

必須科目で言えば、課題→解決策→新たなリスク→留意点といった構成です。文章全体で気にすべき構成は、それぞれの配分(セクションごとの文量)のみといえます。ただし、これらの配分は、すでにひな型等で紹介していますので、これを目安に記述すればさほど困ることはありません。

技術士論文で問題となるのは、項目ごとの構成と言えます。項目というのは、課題や解決策といった個々の説明になります。これの構成は、小学校で習った起承転結が王道中の王道となります。ただし、文字数の制限がある技術士論文においては、序論、本論、結論(転を除いたもの)といった3段階の構成でもOKです。

報告書などにおいては、結論を先に書く(述べる)ことが求められます。口頭試験においても同様に、結論から述べることが有効です。しかし、技術士論文においては、起承転結の構成で良いと考えます。各項目は、それぞれ文字数が少なくすぐに結論に達すること、小見出しがすでに結論となっていることが理由です。

この特徴が、そのまま注意点になります。小見出しが結論であるべきことは読んだ通りです。最も注意すべきは、短い文で結論まで一気に駆け抜ける必要があるということです。これは、余計なことや関係があまりないことは、書いてはいけません。流れるように結論に達するということが必要不可欠です。

様々な情報を伝えたい気持ちを抑え、読み手、聞き手に最も刺さる情報を厳選して記述する必要があります。この情報の整理・取捨選択が重要なのです。思いつくままに述べては、言いたいことが浮き彫りにならないことを肝に銘じましょう。

必要な情報と整理

それでは、最も刺さる情報とは何なのでしょか。これは、取りも直さず「聞かれていること」にほかなりません。これは試験に限ったことではありませんが、相手が何を自分に望んでいるのかを察し、その点についてのみ情報を提供することが必要なのです。

通常の報告やプレゼンテーションなどにおいては、何を求められているのかを検討すること(察すること)がとても重要になりす。しかし、技術士試験においては、問題に書いてあるのですから、そのハードルは低いはずです。

前回の投稿でも書きましたが、確証バイアスに注意し真に相手の望む答えとは何かを問題からすばやく読み取る力が必要になります。これが、問題を書く際の前提条件であり、スタートラインに立つ行為と言えます。すなわち、この行為を正しく行わないと、あらぬ方向へ走り出すという取り返しのつかない行動に陥ります(スタートラインの立ち方は、前回の投稿を参照ください)。

何を書くべきかを掴んだら、次は自分に蓄積された情報の引き出しから、最も当てはまるものを引っ張り出してきてください。これを起承転結という箱に収めるように整理整頓します。手順は簡単なのですが、最大の難所はこの情報の整理整頓と言えます。

説明を行う上での情報整理で、最初に考えるべきは情報提供の順番です。見出しで結論を書いているわけですから、ゴールが先にありこのゴールに向かう手順を逆算して考えていくというプロセスになります。文の構成とは逆に、結→(転)→承→起という順番で何を書いていくか考えます。

この時に注意すべき点は、前後の文のつながりです。流れるよに結論へ導くためには、文と文を連結させシームレス化することが重要になります。いくら、起承転結といってもそれぞれにつながりがないと支離滅裂な文章となり、結論を書いても読み手の賛同を得ることができません。

これらはよく「飛躍していますね」という指摘を受ける論文に多く見られる現象です。文と文につながりがないため、唐突感を与えてしまうのです。構成はA→B→C→Dといった配列を検討するだけでなく、AB→BC→CD→Dといったイメージで前後の文に必ず関係性を持たせることを常に意識しましょう。

こうすることによって、流れるように一気に結論に導くことができるとともに、一貫性があるので結論(言いたいこと)が浮き彫りなります。また、それぞれに関連性が生まれるということは、論点ズレを防止するという副次的な効果も期待できます。

この意識を持つと論文の質は一気に高まります。しかし、一朝一夕にできるものではありません。これらの視点を持って、推敲するプロセスを自らに課す必要があります。当然、私も添削でこれらの事柄を注意深く見つけるようにしていますが、人から教わったことはすぐに忘れてしまいます。自分で気づくということが、成長のカンフル剤です。

さあ、作成した論文を新たな目をもって見なおしてみましょう!

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