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技術士 二次試験対策 もう一度言います & 「地域資源を活用した消費拡大」完成

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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理解する

みなさんは、これまでの積み上げで合格するための知識は十分身に付いていると思います。この実力をいかんなく発揮するためには、この知識を必要な場面で適切に使用することが大切です。ただ、知っているというだけでは、どうしても得点できません。

この適切に使用するとは、一体どのような行動なのでしょうか。これは、非常に明快です。聞かれていることに的確に答えるということに他なりません。技術士論文においては、聞かれていることには漏れなく答える、逆に聞かれていないことは1文字も書かないが原則です。

これらを実践するためには、聞かれていることを正しく理解することが非常に重要です。いいですか、何を聞かれているのか分からなければ答えようはありません。また、「分かったつもり」という状態に陥ることは最も危険ということを認識しましょう。

どんなに優れた構成で書いても、技術士にふさわしい技術力を示しても、「リンゴの色は何色ですか」と聞かれているのに「リンゴは丸いです」と回答しては得点できるはずもありません。シンプルに書くと「そんなことしないよ」となりますが、実はこれは最も多いミスなのです。

例えば、「グリーンインフラを活用した複合災害対策の課題を述べよ」とあるのに、単なる単発災害に関する事項であったり、グリーンインフラを活用していなかったり、と条件を満たしていないケースや、そもそも災害に必要な労働が確保できないことを切り口に労働力確保にズレていくといった現象が散見されます。

さらに、上記の例で言うと課題設定が「グリーンインフラの活用が課題」と答える人も少なくありません。これでは、「おいしい料理の作り方は?」と聞かれているのに「おいしく作ることです」と答えているようなものです。問題の条件が多いと結構陥ってしまうミスです。

このように、題意に即した解答になっていないと、知識がどうのこうの以前の問題です。この題意を外してしまうと、回復のしようのない致命的なミスとなってしまいます。改めて、お願します。問題をよく読む、何度も問題を確認する、これを必ず実践してください!

「地域資源を活用した消費拡大」完成

本日の添削LIVEは、建設部門 都市及び地方計画 選択科目Ⅲ 予想問題「地域資源を活用した消費拡大」をお送りします。今回は、前回の注意点を見事に修正した完成版です(前回の投稿はコチラ)。みなさんも修正力はすでに備わっていると思いますので、どうぞ自分自身でチェックして修正できるように練習してみてください。読みなおしや写経を行う際に、必ずどこか間違えていると思いながら実施すると良いでしょう。それでは、早速論文を見ていきましょう。


1.多面的な課題とその観点
(1)  いかに観光造成を行うか
 近年、観光ニーズはモノからコトの消費へと移行し、地域固有の魅力を通じた体験への関心が高まっている。しかし、面的な観光空間の形成は依然不十分であり、地域の資源が観光に生かしきれていない。関係人口の拡大や経済循環を創出するうえでも、観光を軸とした地域の活性化が求められる。よって、地方創生の視点から、地域資源を活かした観光の造成が課題である。

(2)いかに観光と環境の共存を支えるか
 気候変動などを背景に、環境保全への意識が高まっている。他方、従来のマスツーリズムは自然環境の負荷を招き、持続性への配慮が不十分にある。自然と共生するうえではエコツーリズムの促進が重要であり、環境と調和した空間構造の再編や土地利用の最適化が必要である。よって、持続可能性の観点から、観光と環境の共存を支える空間的仕組みづくりが課題である。

(3)いかに文化的観光体験を提供するか
 近年、我が国の文化や自然への観光客の関心は高まっている。しかし、地域に点在する史跡などは都市空間に埋もれ、十分な集客に結びついていない。そのため、XR等のDX技術を活用した歴史的価値の空間演出を通じ、都市全体で文化資源を戦略的に発信する取組が求められる。よって、DXの観点から、文化的観光体験を提供する都市空間の再編が課題である。

2.最も重要な課題と解決策
 地域資源の活用は雇用創出と地域経済循環に直結することから、「いかに観光造成を行うか」を最も重要な課題に選定し、以下に解決策を述べる。

(1)インフラツーリズム
 地域活性化を図るため、インフラを観光資源として活用したまちづくりを推進する。例えば、洪水防止機能を有する堤防や護岸と一体となった親水空間を整備するため、都市再生整備計画を策定する。その上で、一体型滞在快適性等向上事業により、堤防などと隣接する広場をオープンスペースとして整備する。この親水空間を活用し、洪水の歴史や治水対策、水辺の生物多様性に関する講座を通じて、学習型ツーリズムを展開することで、地域の魅力を効果的に発信する。

(2)グリーンツーリズム
 荒廃地や減少する農地を保全しつつ、農泊環境を整備する。例えば、市街化区域内の農地では、田園住居地域を設定し建築物の用途規制を行う。低層住居専用地域と同様の形態規制によって、営農活動に支障を来さない環境の確保を図る。他方、市街化調整区域では、居住と営農環境が両立可能な優良田園住宅の整備を促進する。また、空き屋や空き地については、地域福利増進事業を活用し、クラインガルテンとして整備する。農泊環境の整備により、都市と農村の交流を促進するとともに、農地の流動化防止、及び環境保全を図る。

(3)サイクルツーリズム
 サイクルツーリズムを総合的に推進するため、各種計画を相互に連携させ戦略的に自転車走行環境を整備する。具体的には、自転車活用推進法に基づき策定される自転車活用推進計画において、観光資源や景観特性を踏まえた自転車利用の基本方針を明確化する。その上で、安全かつ快適な走行空間を創出するため、自転車ネットワーク計画により、幹線ルートや観光回遊ルートの空間整備を位置づける。さらに、自転車駐車場整備計画と連動し、観光拠点や公共施設周辺における駐輪場の適正配置を図ることで、移動と滞在の両面から自転車利用環境の質的向上を実現する。

3.新たなリスクと対応策
 地方部への旅行需要が拡大することによって、宿泊施設や観光案内所が不足するなど、観光客の受入れに支障を来すリスクが生じる。
 対応策として、財政負担を抑えつつ地域資源を活用できるスモールコンセッションを導入する。地域に点在する空き家や廃校舎などを、宿泊施設や観光拠点として再生する。これらの事業は、大規模インフラ事業とは異なり10億円未満で実施可能であるため、財政規模の小さい自治体でも容易に取り組める。さらに、空き家再生等推進事業を活用し、自治体や民間事業者によるリノベーションの初期負担を軽減させ、地域資源の再生と観光受入体制の強化を両立する。  以上

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