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技術士 二次試験対策 建設部門 令和元年度 選択科目Ⅲ「スポンジ化対策」

論文添削
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【 添削LIVE 】

【 技術士 二次試験対策 】

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技術士 の 認知度

先日お伝えした通り、「能力を最大化するたった3つの技術 ~技術士思考~」を出版したところです。本書の冒頭は、技術士 を理解してもらうため、「 すごさ 」、「 メリット 」、「 難易度 」などを説明しています。技術士取得を目指している人たちは、理解している事柄ですが、世間一般の人々は、このような技術士の特徴云々の以前に技術士を知らないという人がほとんどです。

これは、やはり 業務独占資格 でないことが原因なのでしょうか。しかし、技術士と同じ五大国家資格である「弁理士」も、業務独占資格であるにもかかわらず、技術士とどっこいどっこいの知名度です。この状況を踏まえると、名称独占資格であることのみが技術士の知名度に影響しているとは思えません。

私は、技術士の露出が少ないことが原因の一つと予想しています。専門家と言えば、大学の教授などの学識経験者がメディア等に露出しますし、組織に所属している技術士は組織の名称が肩書となり世間に露出します。世間からの注目を集めるためには、社会に役立つ行動を行い、活躍を示すことが必要になります。この活躍は前提ではあるものの、これを達成した時こそ「名称独占資格」を活用すべきです。

もう、技術士は「名乗ることができる」ではなく、「名乗らなければならない」としても良いのではないでしょうか。技術士の認知度が上がれば、それだけ技術士を目指す人も増えますし、これは技術者全体のボトムアップにもつながります。よって、本書を紹介する欄には、私もプロフィールを掲載し、技術士をアピールしています!

能力を最大化するたった3つの技術: ~技術士思考~

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技術士 の 難易度

本書では、技術士の難易度についても解説しています。受験を目指す人にとっては、とても参考になる内容になっています。技術士の” すごさ ”を理解いただくために、「論調はすごく難しいですよ」となっています。しかし、誰にとっても難しい試験なのでしょうか。

難易度は、人によって大きく変化するのが実態です。試験は、社会問題を的確に把握し、国の施策を正しく説明できることが求められています。よって、国の施策に精通している人にとっては、難易度は低いと言えます。例えば、国家公務員やその業務をお手伝いするコンサルタントの職員は、相対的に有利です。逆に、日常業務がこれらの知識をあまり必要としていない人は、難しい試験となり不利になります。

では、不利な状況に置かれている人は、合格が難しいかというとそんなことはありません。後者の人が能力的に劣後するわけではありませんので、有利な人と不利な人にあるギャップを埋める勉強を行えば良いだけです。もちろん、その分時間がかかってしまうことは間違いありません。自分が不利な状況を嘆くよりも、素早くギャップを埋める行動をとった方が良いと思います。

論文

今回、投稿いただいた論文は、令和元年度の「スポンジ化対策」です。都市のスポンジ化は、年々深刻さを増しています。どのような対策が有効なのでしょうか。早速論文を見ていきましょう。

課題

1 多面的な観点とその課題
(1)いかに低未利用土地を活用するか
 低未利用土地は、生活利便性の低下、治安や景観の悪化、地域の価値・魅力の低下を招く。
 これらはコンパクトなまちづくりの推進するうえで重大な支障となる。よってまちの賑わいの観点から、低未利用土地の活用が課題である。


① 読点で列挙するときは、最後に「及び」をつけましょう。A、B、C→A、B、及びC

② なぜ支障になるのか因果関係を書きましょう。また、コンパクトなまちづくりの推進が当然のように必要である論調ですが、これも背景との因果関係が説明されておらず唐突感があります。

③ 「、」


(2)いかに低未利用地を管理するか
 低未利用土地の発生は、地権者の利用動機が乏しいことに起因する。また、低未利用土地は市場での価値が低下し、流通が期待できないため、土地利用者がなかなか発生せず、無管理の状態となりやすい
 よって、土地管理面の観点から、利用ニーズを有する民間まちづくり団体や住民団体と連携を図ることが課題である。


④ 低未利用土地だとなぜ価値が低下するのですか。価値が低下するのは、低未利用地であるといった土地利用が原因ではなく、(1)の課題にあるようにまちの魅力が低下するからではありませんか。また、「価値低下→流通しない」これ分かります、「価値低下→利用者いない」これも分かります、「価値低下→無管理」これは?です。

⑤ タイトルと課題が異なります。また、背景でニーズがないと言っているのに、当該団体だとなぜニーズを有しているのか分かりません。さらに、連携とはどのような行動なのか判然としません。例えば、ニーズは公共・公益サービスで、このサービス提供を行っている団体に管理を委ねると言った説明が必要です。少々、説明が足りないですね。


(3)いかに低未利用土地の発生を抑制するか
 低未利用地は、相続等を契機に取得したものや、具体的な利用目的がなく、そのままにしておいても特に困らないといった消極的な理由で保有される。そのため、問題発生は、低未利用土地が発生してからとなり、土地利用されるまで時間を要する。
 よって都市機能の集約の観点から低未利用土地の発生を事前に把握し、その情報を活用者に迅速に提供を行う事が課題である。


⑥ 主語は低未利用地なので、受け身になります。→「取得されたもの」。

⑦ 消極的な理由で保有されるのではなく、消極的な資産活用であるため放置されるのではありませんか。また、「~ものや」と記述があるので、後段の部分は並列的な表現が好ましいと考えます。したがって、「・・・取得したものや、具体的な利用目的がなく、そのままにしておいても特に困らないものが多い。」といった表現になるのではないでしょうか。

⑧ 何を言いたいのか分かりづらいです。まず、問題発生とありますが問題が何か不明です。また、「問題発生は、低未利用土地が発生してから」との表現も、「発生は、・・・発生してから」となっており、ねじれているように見えます。

⑨ 「、」。句読点の抜けが多いので注意しましょう。

⑩ 都市機能の集約まで書いてしまうと、観点というより解決策になってしまっています。また、後述の課題がなぜ都市機能の集約なのか関連性が分かりません。この場合は、仕組み面とかですかね。

解決策

2.最も重要な課題
 居住や都市機能の誘導に取り組み、コンパクトシティを推進するうえで低未利用土地の活用を図ることが重要であることから、上記の内「いかに低未利用土地を活用するか」を最も重要な課題として選定し、以下に解決策を述べる


⑬ この理由は重要な要素の一側面でしかなく、最もの理由になっていません。ここでの理由は、3つの相対評価になります。例えば、3つの中で最も迅速に取り組める、最も効果が高い、最も投資が小さいなどの理由がふさわしいと考えます。また、コンパクトシティ云々はすでに、課題で説明していますので、理由として違和感があります。しかも、課題の記述も同様ですが、手段と目的が逆に見えます。低未利用土地の活用を進めてコンパクトシティを進めるのではなく、低未利用土地の発生を防ぐためにコンパクトシティを推進(集約型の都市構造を構築)するのではありませんか。


3. 解決策
( 1 )低未利用土地権利設定等促進計画の作成
 空き家や空き地等の低未利用地は、小さく散在するため使い勝手が悪い。そのため「低未利用土地権利設定等促進計画制度」 により、地方公共団体が一括して低未利用地の利用権を設定する。複数の低未利用地を集約することで、交流空間等に活用する。


⑭ 制度活用には、条件があります。立地適正化計画の誘導区域であること、地権者と利用希望者のコーディネートをしたうえで計画を策定することこれらを説明する必要があると思います。

⑮ →「権利設定等」

⑯ 権利設定を一括で行うことでなぜ集約されるのか分かりません。コーディネート部分の説明が必要です。この後に、具体例などを添えると良いでしょう。


( 2 )立地誘導促進施設協定
 空き家や空き地等の低未利用地の発生は、地権者の利用動機の乏しさに起因する。そのため「立地誘導促進施設協定制度」 を結び、地域コミュニティ等が空き地等を身の回りの公共空間として自ら整備・管理する。地方自治体から公認を受けることで、安定的に管理が可能となる。


⑰ すでに例示しているので不要です。

⑱ これも課題の部分で説明しているので、重複気味ですね。さらに気になるのが、利用動機の乏しさ(発生要因)とコミュニティに管理させることの関連性はないのではありませんか。

⑲ 制度は結ぶものではありません。→「制度」削除。これも立地適正化計画が必要ですね。

⑳ 公認を受けるとなぜ安定的な管理が可能になるのですか。安定的な管理は同制度に税制特例や継承効の付与が可能だからではありませんか。公認は、地域活動の促進やまちづくり機運の向上といった効果ではないでしょうか。


( 3 )空間再編賑わい創出事業の実施
 立地適正化計画に定める都市機能誘導区域内に、「誘導施設整備区」を定め、同区域に低未利用土地を集約し、医療・福祉施設等の誘導施設の整備を図る土地区画整理事業を実施する


㉑ タイトルにある空間再編賑わい創出事業が何なのか説明していないですね。

㉒ この整備区は、どのような効果や特徴があるのか書く必要があります。そうでないと、なぜ集約されるのか、施設誘導が可能なのか分かりません。


( 4 )関連する支援施策との連携
 低未利用土地は、 市場での価値が低下し流通が期待できないものも多い。そのため、関連する施設整備等に係る財政・金融上の支援制度や税制上の特例措置等を活用して低未利用土地の流通化を図る。


㉓ 何に関連する施設のですか。

㉔ 活用するのは、地権者で自治体は周知等を図り流通を促すのではありませんか。主語が明確でなく、行動の主体が誰なのか分かりません。

新たに生じるリスク

4. 新たに生じるリスクとその対応
リスク①
長期間にわたり活用が進まないおそれ
リスク①に対する対応
 低未利用土地は、土地としての市場性が低いため、利用者が見つからず活用まで時間を要するおそれがある
 そのため、低未利用土地の利用等に係るノウハウや周辺住民のニーズ等について知見を有する都市再生推進法人や都市計画協力団体等との連携を図り、利用者を募る
 不動産取引に関連する権利調整を伴う場合もあるため、専門的知見を有する不動産関係団体等と連携・協力する。


㉕ すべての対策を講じてもなお生じるリスクを書くのですよ。対策してもこのリスクがあると言ってしまっては、記述した対策が有効でないと言っているようなものです。

㉖ 低未利用土地の特徴は、これまでも何度も記述しています。重複しているので、注意しましょう。

㉗ これはリスクです。ここでは、対策を書くのではありませんか。よって、最初の2行は不要です。

㉘ 最初の段落では、市場性が低いから時間がかかると言っているのに、連携を図ることによって市場性が高まるロジックが分かりません。流通性が低いから、公益的活用を図るため都市再生推進法人等と連携を図るのではないのですか。目的と手段がマッチしていません。

㉙ これは抽象的であり、理解できません。利権調整とは誰と誰のどのような権利を調整するのですか。不動産関連団体の知見は何で、どうして効果を発揮するのか不明です。


リスク②
財源不足になるおそれ
リスク②に対する対応
 少子高齢化が進む地方において都市基盤施設に必要な予算を確保することは困難となっている。そのため、官民連携事業(PPP/PFI)を導入することで、民間の資金やノウハウを活用する。


㉚ 繰り返しになりますが、すべての対策を講じてもなお生じるリスクを書くのですよ。解決策で都市基盤整備施設の整備について記述されていません。


リスク③
真の所有者が確認できないおそれ
リスク③に対する対応
 低未利用土地は相続等により発生・保有されるため、地権者情報を把握するのに時間を要し、活用までに時間を要する。
 そのため、登記簿に登記されていない真の所有者を確認するために、固定資産税の課税状況や地籍調査の実施に関して知り得た所有者情報を積極的に活用する。  以上


㉛ これは、低未利用土地に内在しているリスクであり、新たに生じるリスクではありません。

㉜ 論文全体の構成として、バランスが良くないです。新たに生じるリスクは、複数と言われていないので一つで十分です。その空いたスペースで、説明が不足している対策の記述を充実させるべきです。

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