予算概算要求から試験問題を予想
【 技術士 二次試験対策 】
先日TVのニュースで国の予算要求が示されましたとの報道があり、慌てて国土交通省のHPにアクセスしました。ありましたよ、令和6年度予算概算要求概要!国の予算書は、そのまま国が力を入れている施策が浮き彫りになっています。勉強の方針や、キーワードの収集、施策の関連性の整理など様々な活用ができます。
今回示されたのは、概算要求なので金額の多寡に注目するのではなく、予算項目を確認すると良いでしょう。まずは、概算要求の基本方針に示されている「基本的な考え方」を見てみましょう。主に以下の内容が示されています。
- 2050 年カーボンニュートラルの実現に向けた GX
- イノベーション創出や新規創業に資する DX への投資の加速
- デジタル田園都市国家構想の実現等による「新しい資本主義」の加速
- こども・子育て政策の抜本的強化や経済安全保障の強化
- 新たな国土形成計画に基づく「新時代に地域力をつなぐ国土」の実現
GX・DXは言わずもがなですね。デジタル田園国家都市構想(地域活性化の方針)は、2021からスタートしていますが、加速とあるので更なる重点化が見込まれます。こども・子育ては、こども家庭庁が設置され「こどもまんなかまちづくり」を掲げていますね(問題作りづらい…、働き方改革あたりかなぁ)。そして、真打となる国土形成計画です。これは、問題そのものになるかも!というくらい大事な項目ですね(都市及び地方計画では、2020の選択科目Ⅱ-1で国土形成計画が出題されています)。
要約すると次の3本柱が基本方針のようです。
柱その1:「国民の安全・安心の確保」→強靱な国土づくり(防災・減災)
柱その2:「持続的な経済成長の実現」→GX、DX の加速&生産性の向上
柱その3:「個性をいかした地域づくりと分散型国づくり」→地方の活性化
さらに、これらの基本方針を踏まえ、公共事業ではたストック効果の最大化、働き方改革の推進などに取り組むこととしています。
具体的な施策に目を移すと、注力している施策・プロジェクトには、挿絵とともに詳細な説明がなされています。これらに着目して勉強を進めれば、国の施策を効率的に理解することができます。
<詳細説明がされているトピック>
- 事前防災対策の重要性
- 防災・減災、国土強靱化の推進
- 流域治水プロジェクト 2.0 への深化
- デジタル技術を活用した TEC-FORCE の対応力強化
- 高規格道路と直轄国道とのダブルネットワーク化や4車線化による災害時の効果
- 「待ったなし」のインフラ老朽化対策
- 水道整備・管理行政の移管に伴う機能強化
- ストック効果を重視した社会資本整備の戦略的かつ計画的な推進
- 空港業務の体制強化等の取組推進
- 住宅・建築物の省エネ対策等の推進
- まちづくり GX の推進
- 国土交通分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
- 建築・都市のDXの推進
- 持続可能な観光の推進
- 「2024 年問題」の解決等に向けた物流の革新
- 「2024 年問題」の解決等に向けた持続可能な建設業の実現
- 2025 年大阪・関西万博や 2027 年国際園芸博覧会に向けた対応
- 空き家対策・所有者不明土地等対策の充実強化
- 「民族共生象徴空間(ウポポイ)」~アイヌ文化の復興・創造等の拠点~
- 地方への人の流れを創出する移住等の促進
- 持続可能な都市圏を目指したまちづくりの深化
- 地域公共交通のリ・デザイン(再構築)
- 「こどもまんなかまちづくり」の加速化に向けた取組
- 住宅セーフティネット機能の充実・強化
図 予算概算要求概要に示されている施策詳細説明の例
こうみると、DXが目立ちますね!しかし、令和4年度の建設部門の必須科目Ⅰですでに出題されているので、そのものズバリの出題はないにせよ解決策として施策を説明できるようにしておくと良いでしょう。また、過去記事にしてきた「流域治水」、「地域公共交通のリ・デザイン」なども説明されていますので、注目度は高いです。加えて、注目すべきは「2024問題」です。「2024 年問題」とは、令和6年4月から時間外労働の上限規制がトラックドライバーや建設業に適用されることによって生じる問題のことです。よって、働き方改革あたりがきな臭いと考えています。
どうですか、白書や国土形成計画及び国土利用計画と並んで、予算概算要求概要書も興味深いですよね!読むべきものがどんどん増えていって大変でしょうが、この時期に目を通しておくとキーワードに困ることはないかも!?