残すは 復元論文 対策です!!!
【 技術士 二次試験対策 】
今日で11月も最後です。時間はアッという間に過ぎていきます。口頭試験は、間もなく始まります。みんさん、対策は万全ですかね。本サイトにおいても、これまで、FAQを順次アップロードしてきました。しかし、FAQは、自分の経歴、筆記論文などに合わせて作成する必要があります。そこで、技術士法関連、実施大綱・合格基準、資格取得関連、業務・経歴関連、体験記、技術士倫理綱領への手引き、実務経験証明書と様々な切り口から解説してきました。
特に、倫理綱領は今年改定されてから、初めての口頭試験となりますので、要チェックです。必ず変更点を確認しておきましょう。口頭試験は、しっかりと準備をすれば合格できます。統計的には、8~9割が合格します。この数字に踊らされ、油断してはいけません。口頭試験に落ちてしまった場合、また筆記試験からやり直しですから、たまったものではありません。必要以上にプレッシャーを感じる必要はありませんが、良い緊張感をキープしましょう。
さて、本日のテーマは、復元論文対策になります。体験記をご覧いただけた方はお分かりだと思いますが、私は筆記試験の論文に関する質問はありませんでした。これは、試験官によるところが大きいと思います。口頭試験は、業務経歴や技術士倫理が中心になると思いますが、質問の確率が低いとは言え論文に関する質問は厄介だと考えています。なぜ厄介かというと、論文に関する質問は、記述内容について深堀されるからです。深堀の傾向は、3種類あると考えています。
【記述不足】
1つ目は、記述が不足している場合です。よって、B評価の論文は特に注意です。A評価の論文であっても、再現論文を目の皿のように確認して、不十分な部分をピックアップしましょう。不十分な箇所を探す時は、以下の項目に留意して探すと良いでしょう。
① 一般論になっている部分
例)DXの推進には、情報のデジタル化が有効である。
DXとは、デジタルトランスフォーメーションなのでデジタル化するでは当たり前すぎます。これは極端な例ですが、ちょっとでも当たり前かなぁと感じる部分があれば主張を補強しましょう。例えば、デジタル化した情報は、オープンデータ化し二次利用を促進、維持管理に応用、BIM/CIMなどを活用、デジタルツインなど、「情報のデジタル化」といった一般論を国の施策や制度に変換し、技術力をアピールしましょう。
② 抽象的な部分
例)災害対策は、ICT技術の活用が重要である。
ICT技術はいっぱいあります。災害対策に用いられるICT技術の具体例をいくつか用意します。例えば、高度なセンシング技術を用いた河川水位の確認、3D都市モデルを用いた災害シミュレーション、防災Wi-Fiなど国の具体的な取り組みや事例集などをチェックし説明できるようにしておきましょう。
③ 飛躍している部分
例)強靭な都市づくりには電力の地産地消が不可欠である。
強靭な都市づくりと電力の地産地消の関連が不明確になっています。そこで、この関係性を結ぶのに必要な説明を追加します。「強靭な都市づくりのため、電力確保の冗長性を高める必要がある。よって、地域ごとにマイクログリッドを構築する。大規模発電所の電力供給に頼らず、コミュニティでエネルギー供給源(分散型電源の確保)と消費施設を持ち地産地消を目指すコミュニティーを増加させる。」という具合に抜け落ちている部分を補足しておきます。
【事例】
2つ目は、記述内容に関する事例を問われる場合があります。論文は良く書けているのですが、記述内容にどれだけ精通しているのか試されるケースになります。これには注意が必要です。準備していないと「・・・」になってしまいます。解決策で述べている以上、2つくらいは事例を提示できるようにしておく必要があります。
ただし、めちゃくちゃ詳しくなる必要はないので、事業概要と特徴くらいを説明できれば十分です。あまり、だらだらと説明するとコミュニケーション能力に欠けると判断されかねないので、説明は端的にを意識しましょう。事例は、国交省のHPを探せばいくらでもでてくると思います。ただし、なるべく最新の情報を収集した方が評価が高くなると思います。資料やHPの更新年月日を確認しましょう。
また、「なぜその事例に着目したのか」といった考えを聞かれる場合もありますので、事例の特徴を把握し、その特徴が刺さったことを説明しましょう。さらに、事例の課題なども整理しておくとさらに深みが増します。まあ、ここら辺は当日の瞬発力でなんとかするという場合もありますが、考えておくということが大切です。この自ら考えるというプロセスを経ることによって、試験当日の応用力も高まるというものです。
【その他の解決策】
3つ目は、解決策のおかわりです。このケースは、記述した解決策がどれも類似していたり、視野が狭かったりと国の施策が網羅されていない時に問われる可能性があります。自分の提案した課題について、今一度、白書、HP、検討会・審議会の資料等を調査しましょう。足りない視点があった場合は、事例同様に概要等を整理します。論文が限定的な記述であっても、「あっ、この人ちゃんと分かっているな」と思わせるのが重要です。
これらの問答を行う場合、「その考えはおかしい」、「この方法の方が合理的だ」といった具合に反意を示されることがあります。以前にも注意喚起しましたが、これは罠です。絶対に熱くなってはいけません。冷静に自分の考えを説明しましょう。それでも、否定を続けるようであれば、「そのような視点もある」、「以後、留意する」など軽くいなし、議論を収束させましょう。ずーと、その話をしてタイムアップだと落ちます。コミュニケーション能力が低いと評価されてしまうからです。それに加え、リーダーシップや倫理といった評価がなされないまま終了してしまうことも致命的です。これでは、解答欄が空白のままテストが終わってしまうのと同じです。
「深堀はしても、深追いはするな」
ぜひ、ご注意くださいませ!!!