PR

技術士 二次試験対策 【口頭試験】実務能力の対策②

口頭試験
PR
PR

評価・マネジメントの攻略

【 技術士 二次試験対策 】

PR

実務能力は実務経験証明書の内容②

先日、口頭試験対策としてコミュニケーション・リーダーシップの攻略について解説しました(前回の攻略はコチラ)。以下の試問事項のうち、残す攻略は「評価・マネジメント」です。

技術士 第二次試験実施大綱 口頭試験の試問事項と配点

「評価・マネジメント」は、前回と同様に実務経験証明書に基づき試問されます。記載内容をしっかり読み返し、どのような質問がくるか想像することが重要です。それには、評価・マネジメントとは、何なのかを把握する必要があります。

一般論としての評価・マネジメントではなく、技術士に求められるものとして捉えることが肝要です。この定義については、「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」を見ればバッチリ記載されています。早速、その定義について見てみましょう。

技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)②

それでは、前回紹介した科学技術・学術審議会 技術士 分科会で発出している「 技術士 に求められる資質能力(コンピテンシー)」を解説していきます(この下部組織の技術士分科会は試験情報が満載です)。これらの説明は、以下のとおり記載されています。

評価
・業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。

マネジメント
・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。

これらの定義を踏まえ、想定質問を構築しましょう。問題を作成するときのイメージは、実務経験×コンピテンシーです。具体的には、実務経験証明書に記載されている内容に関し、自分自身がどの経験をどう評価しているのか、どんなマネジメントをしてきたのかを問われます。

この時に、上記の内容に則した回答を用意しないと、頓珍漢な回答になってしまいます。相手は、あなたの熱い思いや、感想、思想などの答えを欲しているわけではないのです。では、そんなことに注意すれば良いのか一つづつ考えていきましょう。

評価

前回と同様に、細かく分解してその内容を理解していきましょう。この文章は、大きく二つの事柄に分類できます。一つは「評価対象」、もう一つは「評価活用」とに分けることができると思います。これを自分の記述した実務経験証明書の内容に当てはめて考えてみてください。

<評価対象>
1.各段階における結果
2.最終的に得られる成果
3.波及効果

<評価活用>
1.次段階の業務の改善
2.別の業務の改善

評価に対する想定問題は、ストレートに「(実務経験証明書に記載された)業務に対するあなたの評価を説明してください」で良いと思います。この質問の背景には、本当にみなさんが経験してきた業務であるかの真偽を確認することと、その業務を客観的に評価できているかを確認されます。

私が受験したときの例では、「事業評価と評価に対する今後の課題を教えてください。」でした。その際の回答は、ちょうど公的不動産の活用事業に関する業務に携わっていたことから、次のような回答をしました。

「PRE事業については、住民の合意形成プロセスやサウンディング調査の実施などにより、80-90点くらいの事業結果が得られたと評価しております。一方、課題といたしましては、大事な場面や急ぎアウトプットを求められる場面では自らが作業にあたってしまったことから、部下の成長や組織のボトムアップをもっと勘案すべきであったと考えております。」

う~ん、今見るとイマイチな回答ですね。前半部分は、どんな結果や成果が得られたからといった内容がなく、なぜ80ー90点という評価をしたのか良く分かりませんよね。コンピテンシーアピールが不足しています。コンピテンシーを踏まえ、推敲すると次のようになると思います。

「住民への説明を丁寧に行い円滑な事業進捗に貢献できました。また、サウンディング調査により事業者ニーズをしっかりと把握できたことから、公共性と民間利益のバランスが確保できました。これらの結果を踏まえると、80-90点くらいの事業成果を得られたと考えています。」

後半部分は、マイナイ要素・反省点を述べています。「今回の事業は100点です」、「反省すべき点はありません」といった論調は避けるべきでしょう。何としても反省点を見つけ出しましょう。これは、評価活用の視点を述べる必要があるからです。

事例のケースを見てみましょう。これは、前半部分に比べると具体例が添えられていますので、まあまあといった仕上がりです。この反省点を活かして、次にどのように取り組むのかまで書いてあるとより良い回答になると思います。

次のマネジメント部分にもなりますが、具体的には「スケジュール管理を適切に行いながら、部下のアウトプットを忍耐強く待つ」や、「適切なアドバイスを行い部下の早期アウトプットを促す」など改善手段を述べることが考えられます。

奥深いですね。しかも、これらをダラダラと述べるのではなく、端的、的確に答える必要がありますので、一朝一夕にはいかないです。

マネジメント

次は、マネジメントについて考えてみましょう。マネジメントは、ヒト・モノ・カネの配分とよく言われています(最近では、これに情報が加わります)。では、 技術士 試験(資質)に求められるマネジメントとは一体どのようなものなのでしょうか。

この 技術士 試験(資質)における定義は、「いつ」、「何を」、「どうやって」といった項目に分けることができます。すべての過程(いつ)を説明する必要はないと思いますが、自分自身の事例を紹介する上では、これらの区分に従って順序立てて説明することが大切です。

<過程(いつ)>
1.業務の計画
2.業務の実行
3.業務の検証
4.業務の是正

<目的(何を)>
ー要求事項ー
1.品質
2.コスト
3.納期
4.生産性
5.リスク対応
ー成果物ー
1.製品
2.システム
3.施設
4.プロジェクト
5.サービス
ー特性ー
1.必要性
2.機能性
3.技術的実現性
4.安全性
5.経済性

<資源(どうやって)>
1.人員
2.設備
3.金銭
4.情報

分解すると、やたらと項目があり複雑ですね。しかし、混乱してはいけません。各区分ごとに項目がいっぱい並んでいますが、どれか一つを選択して組み合わせれば良いのです。ただ一つ、注意してほしいのは、これらの項目の何に当てはめた事例なのかを明確に述べる必要があります。

このどの項目に当てはまっているのかを明確に述べることは、採点者の評価を楽にします。採点者は、必ず採点表を持っているはずです。この採点表は、コンピテンシーに基づき作成されていることが推察されますので、評価されやすい回答を用意するという算段です。

具体的に言うと、「○○業務の計画を策定するにあたっては、コストの最小化を図るため、○○を効率化するためのシステムを構築しました。システム構築に際し、機能性の向上と安全性の確保を同時に満たすため、設備投資をの重点化を図りライフサイクルコストをさせることで事業全体のコスト縮減を達成することができました。」といった具合に項目のどれに当てはまっているのかを明確に述べることを意識しましょう。

当然、これらの事柄をその場の瞬発力で応じることは、ほぼ不可能です。隙のない事前準備は、このマネジメントでは特に求められます。

タイトルとURLをコピーしました