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技術士 二次試験対策 【 添削LIVE 】 建設部門 令和5年度必須科目Ⅰ 「インフラメンテナンス」新規

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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まちづくりGXの重要テーマ

前回の投稿でまちづくりGXに注目すべきとお話しましたが、今回はこのまちづくりGXをもう少し掘り下げてみたいと思います。都市計画基本問題小委員会では、まちづくりGXの重要な取り組みテーマを4つ掲げています。

  1. 緑地に関する官民の共通認識の形成
  2. 都市の緑地に対する民間投資の促進
  3. 地方公共団体等による緑地の保全・整備の推進等
  4. 都市のエネルギー利用の再エネ化・効率化

1は、目標を明確にして官民で共有したうえで、緑のネットーワークを形成していくというものです。ここで注目するのは、緑の機能を使ってコンパクトなまちづくりを進めるというものです。コンパクトなまちづくりは、過去記事でも紹介していますが、地域公共交通との連携強化など新たな動きが見られ、これと同じく緑のネットワークとの連携強化も今後打ち出されるものと考えられます。

加えて、大事になるのが4の再エネ化です。GXですから、エネルギー関連は必ず押さえる必要がありますよね。大事なのは誰しも理解が及ぶのですが、何を書けば良いのかというところです。まちづくりGXというワードがでたら、5~6程度の施策がパッと浮かぶようにならないといけません(他の論文テーマも同じ)。

まちづくりGXの施策

緑の保全については、特別緑地保全地区に注目が集まっています。特緑は、以前からある地域地区制度ですが、最近注目されているのは制度促進を図るために、公益法人(国が設置する予定)が特緑を買ったり、補助支援・税制優遇、都市計画税の充当など多様なメニューが検討されています。

民間投資の促進については、緑地整備を行う事業者の支援が検討されています。何の特徴もない取り組みに見えますが、注目すべきは良質な緑を客観評価しているプロジェクトを支援の対象としているところです。緑の機能は様々ありますが、その機能評価が難しいと言われています。それらの評価手法が定まれば、グリーンインフラの考えは一気に広がりを見せると思います。

エネルギー関係は、やはりエネルギーマネジメントシステム(EMS)ですよね。能登半島地震でも大規模な停電が発生し、復興を困難にしています。レジリエンス強化のためにも、EMSを活用してマイクログリッドを形成するといった施策を説明できれば、評価が高くなると思います。その他にも、CCU、水素・アンモニアの活用、蓄電池・蓄熱層など新しい技術も理解しておくと良いでしょう。

今後の動向にも注目していきましょう。

論文

今回投稿いただいた論文は、大人気のインフラメンテナンスです。新たな投稿者による論文ですので、どのような考えを持って記述されているのか興味深々です。早速、論文をみてみましょう。

課題

1.施設のメンテナンスに取り組む上での3つの課題
(1)いかに地域の将来像を踏まえた維持管理体制を構築するか
 我が国の社会資本は、今後建設から5 0 年以上経過する施設の割合が加速度的に増加するよって、広域の地域インフラとして、総合的、多角的な視点でマネジメントする観点が重要となる


① 見出しは、どんな内容なのか端的に表す必要があります。また、スペースがもったいないので、頑張って1行以内に収めましょう。→「いかに管理体制を構築するか」

② 課題の背景としての情報が不足しています。この背景だけでは、インフラメンテナンスが必要とされる背景に過ぎません。維持管理体制(又はマネジメント)が必要な背景を書きましょう。

③ 「よって」という接続なので、以降に結論を書くべきです。しかし、この項目の結論となる課題が書いてありません。「よって」以降の表現は、「○○の観点から、○○が課題である」に当てはめてしまいましょう。また、課題は見出しの管理体制なのかマネジメントなのかどちらなのか分かりません。


(2)いかに人材を確保するか
 子供の理系離れは深刻である。また、引続き就職者の建設業離れが進んでいる。施設を維持管理するには、相応の人員数と技術力を有した人材の確保が必要である。よって、いかに担い手を確保するかが課題となる。


④ 観点がありません。また、見出しと課題が異なっています。


(3)いかに維持管理費を低減するか
少子高齢化による就業者数の減少により税収入が減少する。よって、財政難の中でいかに維持管理費を低減して事業を実施するかが課題となる。


⑤ 観点がありません。

解決策

2 .最も重要な課題
『いかに地域の将来像を踏まえた維持管理体制を構築するか』を最も重要な課題とする。


⑥ 選定理由を書きましょう。


(1) 地域インフラ群再生戦略マネジメントの展開
①広域・複数・多分野の施設を「群」としてまとめて捉え、地域の将来像を踏まえた必要な機能を検討し、マネジメントする体制を構築する
更新、集約・再編に合わせた機能追加
③個別施設計画の質的充実等によるメンテナンスサイクル実効性向上。


⑦ 抽象的なので、具体例等を追記すると良いでしょう。

⑧ 必要な機能は、⑦で検討するのではありませんか。また、箇条書きではなく、どのような行動なのか説明しましょう。さらに、課題は体制なので、体制構築と機能追加がどのように関係しているのか判然としません。

⑨ これも抽象的で、どのような行動なのか分かりません。具体的な説明を追記しましょう。また、⑧と同様に、課題との因果関係が不明です。


(2)市区町村の体制構築
隣接する市町村が協力して、包括的民間委託などによる広域的・分野横断的な維持管理を実現する
②市町村の技術者に今後求められる技術力の明確化と強化に取り組む。


⑩ 目的と手段が混ざっています。隣接市町村の協力(手段)は広域的な維持管理の実現(目的)であり、包括民間委託(手段)は目的(一般にはコスト縮減など)の記載がありません。さらに、分野横断的な維持管理の実現(目的)には手法(例えば、産官学金プラットフォームの設置など)の記載がありません。目的と手段の関係を明確にしましょう。

⑪ 課題(体制構築)との因果関係が分かりません。


(3)新技術の活用推進、技術開発の促進および必要な体制の構築
①メンテナンス産業の生産性向上に資する新技術の活用推進、技術開発の促進を行う
AI・新技術等の活用も見据えた体制の構築を行う。
将来維持管理・更新費の推計の見直しを行う。


⑫ これも抽象的です。どうやって、促進するのかまで書く必要があります。

⑬ これもどのような、体制なのかを説明する必要があります。

⑭ 課題(体制構築)との因果関係が分かりません。


(4) D X によるデジタル国土管理の実現
①設計・施工時や点検・診断・補修時のデータ利活用による、インフラメンテンナンス分野のデジタル国土管理の実現を目指す。
②インフラマネジメントの高度化に向けたデータ利活用方策の検討を行う。
セキュリティ対策の推進も行う。


⑮ この項目自体、課題との因果関係が不明です。論点がずれていると思います。

⑯ これも抽象的で、具体的な行動が分かりません。オープンデータの促進、3D都市モデル、デジタルツインなど具体的な施策を説明しましょう。

⑰ これも抽象的です。具体例などが必要です。

⑱ 唐突ですね。なぜセキュリティ対策が必要なのか不明です。


(5)国民参加・パートナーシップへの進展
①インフラメンテナンス国民会議を活用して、案内や広報を展開する
これらを通して国民参加・パートナーシップへの進展を図る。


⑲ 何を案内・広報するのか分かりません。

⑳ 箇条書きにする必要がないと思います。

㉑ これも何を意図しているものなのか分かりません。国民にメンテナンスの一助を担ってもらうことを目的にしているのですか。行動の目的が伝わっていないと思います。

新たに生じるリスク

3. 新たに生じるリスクと対策
(リスク)
 インフラを長寿命化が進むので、維持管理費は減っていかない
(対策)
 新設構造物の設計段階から、維持管理を考慮した材料や構造を採用し、予防保全型インフラメンテナンスを図る。


㉒ 「インフラを長寿命化」→「インフラの長寿命化」。長寿命化が進めば、LCCは改善されるので、長期的にはコストは減るのではありませんか。

㉓ 予防保全型とは、損傷や故障が起こる前の適切な時期にメンテナンスすることであり、前半部分はLCC設計を説明しているので微妙にずれていると思います。

要点・留意点

4.技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要点、留意点
業務を遂行する際には、常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点とを持つ必要がある。
また、業務の各段階で、これらを常に意識するよう留意する。


㉔ 最後には「以上」を必ず記載しましょう。また、最後の行まで、書ききることは合格の条件だと思ってください。全体的に説明不足なので、余剰スペースを活用して解決策の具体化が必須です。

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