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技術士 二次試験対策 都市緑地法に基づく基本方針策定に注目

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国主導による戦略的な都市緑地の確保

【 技術士 二次試験対策 】

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「TSUNAG」が始動

技術士 試験の問題を予想する上で、いつも重要だと述べているキーワード「GX」について、新たな動きが活発化しています。「まちづくりGX」の一環として、令和6年5月に成立した「都市緑地法等の一部を改正する法律」に端を発した動きになります。

令和6年9月12日に国土交通省から、都市緑地法に基づく大臣認定制度の愛称が決定したことが発表されました。その名は、「TSUNAG」です。同時にロゴマークも発表され、「優良緑地確保計画認定制度」の浸透を図られています。

技術士 二次試験対策 優良緑地確保計画認定制度
「TSUNAG」のロゴマーク

緑に関する認定制度は、これまでSEGES(シージェス)といった制度がありました。SEGESでは、緑地、その緑の取り組みにおいて、優れた効果の評価、認定を行ない、企業緑地の「価値の見える化」に取り組んできました。

技術士 二次試験対策 SEGES認定制度
SEGES認定制度

新たな認定制度とSEGESとの住み分けにも注目していく必要がありそうです。制度だけが乱立しては、混乱を招くだけですかね。まあ、新しい制度は、支援策(補助金や貸付)もセットになりそうですから、同じ認定なら新たな制度の方がメリットがありますね。

ESG投資

民間の投資意欲を引き出す仕組みは、認定制度だけではありません。

インパクト投資の一つであるESG投資や、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)などの仕組みも普及促進されています。だんだん、横文字が増えていき理解しづらいですね。でも一度分かってしまえば簡単です。

従来は、投資して儲かるところ(配当が良いところ、企業価値が上がりそうなところ)に投資をするというのが基本的な考え方でした。一方、ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの観点を重視して投資先を選ぶ投資方法を言います。

短期的な利益より、地球環境に力を入れている企業を支えたいという社会貢献に根差した考えです。企業の理念に賛同し、その企業を応援するという投資の本来の形に立ち戻ったと言えますね。お金の流れを経済から、環境へ移行させネイチャーポジティブへというロジックです。

TCFDは、ESG投資を理解すると一瞬です。ESG投融資を行おうと考えた投資家が、企業の気候関連活動に関する情報を収集する必要があります。TCFDは、企業の気候関連課題に関する情報開示について検討するために設立された組織のことです。

TCFDは、年次の財務報告において、財務に影響のある気候関連情報の開示を推奨する報告書を2017年6月に公表しました。企業が気候変動のリスク・機会を認識し経営戦略に織り込むことは、ESG投融資を行う機関投資家・金融機関が重視しており、TCFDの報告書においても、その重要性が言及されています(環境省HPより抜粋)。

緑地が注目されるわけ

このような認定制度を始め、昨今の施策の背景にはGXが大きな存在感を示しています。GXというとカーボンニュートラルを推進といった行動が最初に思い浮かびますが、これは資源の有効活用や地球温暖化対策に直結するので、必要性は理解しやすいですね。

一方、緑化が求められるのは、一体なぜなのでしょうか。この答えは、「グリーンインフラ推進戦略2023」を見ると理解しやすいです。この戦略には、①ネイチャーポジティブ・カーボンニュートラル等への貢献 ②社会資本整備やまちづくりの質向上、機能強化 ③SDGs、地方創生への貢献がグリーンインフラで目指す姿として示されています。

この中でも特に注目すべき、キーワードは「ネイチャーポジティブ(自然再興)」と言えます。「ネイチャーポジティブ(自然再興)」とは、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させることを意味します。

技術士 二次試験対策 ネイチャーポジティブ
環境省HP

このネイチャーポジティブを実現するため、国連生物多様性条約の第15回締約国会議(CBD-COP15)にて昆明・モントリオール生物多様性枠組(R4.12)が示されました。他方、これに先駆けG7各国は自国での30by30目標を約束しました。

30by30目標とは、2030年までに陸と海の30%以上を保全する目標です。国内外の研究では、世界の陸生哺乳類種の多くを守るために、既存の保護地域を総面積の33.8%まで拡大が必要、日本の保護地域を30%まで効果的に拡大すると生物の絶滅リスクが3割減少する見込みであることが報告されています。

このような世界的な潮流や、災害の激甚化・頻発化、魅力とゆとりある都市、生活空間へのニーズ、人口減少社会での土地利用の変化など、社会が抱える課題のソリューションとして緑地の保全・創出が注目されているのです。

本丸!基本方針策定

タイトルにもあるように国主導による戦略的な都市緑地の確保が急速に進められています。その最たるものとして挙げられるのが、「緑地の保全等に関する国の基本方針の策定」です。国は、「都市緑地法に基づく基本方針策定に向けた有識者会議」を設置し、当該基本方針の策定を急ピッチで検討しています。

有識者会議は、第1回(2024年7月9日)、第2回(2024年9月3日)がすでに開催されています。第1回の会議において、基本方針(素案)の構成も示されており、10月1日に基本方針(案)のとりまとめが行われる予定です。パブコメを経て策定することが予定されることを踏まえると、早ければ年内にも基本方針が決定しそうです。

基本方針(素案)の内容で注目すべきは、緑地の保全及び緑化の推進の意義及び目標に関する事項(法第3条の2第2項第1号)です。その中でも、特に重要なのが目標ですよね。この目標には、以下の3本柱が明記されています。

緑地の保全及び緑化の推進の目標
(1) 人と自然が共生するネイチャーポジティブを実現した都市
(2) 環境への負荷が小さいカーボンニュートラル都市
(3) Well-beingが実感できる水と緑豊かな都市

はい、ありました。ネイチャーポジティブ!一丁目一番地になっています。G7で30by30約束しちゃいましたからね。目標に位置付けられるのは、必然と言えます。よって、緑化や緑の保全に多くの投資がなされることが予想されます。

当然、行政だけの取組みでは限界がありますので、冒頭のトピックにある認定制度のように民間の投資を促す仕組みづくりに帰結するわけです。今後の基本方針策定は、技術士 試験対策に重要なヒントがあると考えますので、引き続き注視していきましょう。

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