添削LIVE
【 技術士 二次試験対策 】
無制限サービス残り1名
まずは、御礼から申し上げます。2/1よりサービス変更をさせていただくとともに、無制限サービスの販売を開始したところです。私の能力が低いため、限定5名様という形で提供させていただいております。昨年は、販売終了まで1か月程度を要しておりましたが、今年は2日間ですで4名の申し込みがありました。
早くも残り1名様になりましたので、ご購入をご検討いただいている方は、お急ぎいただければと思います。すべて、コミコミなのでかなりお買い得です。お金を気にすることなく、バンバン推敲できるので、完成論文をいち早く量産することも可能です。
公平なサービス提供に努めておりますが、無制限の方々は交流の機会が増えますので、どうしても力が入ってしまいます。ただし、私自身は、皆様に合格してほしいので、情報は出し惜しみすることなく、発信していきたいと思います。
これだけ多くの人に求められるサービスなので、今後の提供の方法を検討せねばと考えております。また、ブログという媒体はどうしても情報が断片的になってしまうので、ここら辺も多様なメディアを活用しないといけないと考えます。でも、YouTubeはやなんだよなぁ…恥ずかしすぎる。お面でもかぶってやろうかなと思案しています。
今後の展開はさておき、これからも良質なサービスが提供できるよう頑張りますので、皆様におかれましては、上手に本サイトをご利用いただければと思います。
お悩みコーナー
最近、投稿者よりとても良い質問が寄せられたので、ご紹介したいと思います。今回の質問は、観点に関すること、新たなリスクに関することになります。この2つは、添削においても、多く指摘する箇所になりますので、みなさんにとっても参考になる質問だと思います。
質問1:制度面、人材面、技術面等の定型句が使用できず、うまく書くことができません。このように定型句が使えない場合、「観点」はどのように書いたら良いでしょうか。
【回答1】
お決まりパターンが使えないと、観点はとても書きづらいですね。特に、選択科目Ⅲは書きづらいケースが必須科目Ⅰに比べ、より多い印象です。観点は、多くの人がつまずく結構な難所です。観点を検討する際には、課題のジャンルをイメージすると良いです。観点は、「課題の上位にある関係になっているか」、「課題と観点が同じになっていないか」、「背景とのつながりがしっかりしているか」といったことが注意点になります。
質問2:新たに生じるリスクに関する質問です。例えば、「解決策を導入したいけどコスト高により導入できない」といったような書き方は、新たに生じるリスクとして適切なのでしょうか?
新たに生じるリスクは、解決策が導入・実行できたものとして、それでも生じるリスクを書くという認識でよいでしょうか?
【回答2】
後述の理解の通りです。新たなリスクは、もともとあるリスクは「新たな」という条件を満たしていないので好ましくありません。また、前述の例のように解決策の実行に関するリスクや、解決策を講じてもリスクが残ってしまうといった点を述べた場合、自分の書いた解決策を自分で否定しているようなものです。ポイントは、「新たな」という条件を満たすことです。
どちらも間違いやすいミスなので、とても良い質問でした。皆様もご自身の論文を読み返すときに、上記の視点でチェックすると効果的に推敲できます。ぜひ、お試しください。
論文
本日の添削LIVEは、令和4年度 建設部門 必須科目Ⅰ 「CO2削減・吸収」をお届けします。環境関係は、今年度も注目が高いと考えています。30by30、ネイチャーポジティブなどの目標に加え、2025年4月1日からは地球温暖化対策法の一部が改正され、新築住宅や非住宅などの建築物に省エネ基準への適合が義務付けられます。このような変革のタイミングにおいては、よく出題されるので、しっかりと勉強しておきましょう。それでは、早速論文を見ていきましょう。
(1)CO2削減・吸収量増加のための課題
1)省エネの促進と再エネの拡大
日本の電源構成は、約75%が火力発電である。火力発電は、化石燃料の燃焼時に大量のCO2を排出する①。よって、エネルギーの観点から、CO2排出量を削減するために、省エネの促進と再エネの拡大が課題である。
① この内容は、わが国電力供給の現状と問題点を指摘していますが、結論がエネルギー消費を抑えるための手段を記述しています。よって、文の後にこのエネルギー消費を抑えることの必要性があるとより文脈が通ると思います。→「・・・排出する。このため、エネルギー消費を抑えるための取り組みが必要である。よって、・・・」
2)グリーンインフラの導入と活用
現在の森林等からの②CO2吸収量は約50百万トンである。この数値は、10年前よりも約10百万トン減少している。これは、人工林の成長の鈍化が主な原因である③。よって、自然環境の観点④から、CO2吸収量を増加させるために、グリーンインフラの導入と活用⑤が課題である。
② →「による」
③ この原因を示しても、結論にあるグリーンインフラの導入と活用につながらないと思います(この原因から導き出される結論は、人工林の成長を促す措置になってしまいます)。グリーンインフラですから、自然環境の保全と拡大を図るためには、自然が持つ機能を上手に活用する必要性を説明すべきでしょう。
④ 自然環境の観点でも良いと思いますが、より良いという視点で「自然との共生の観点」としてはどうでしょう。これは、問題にある「国土交通グリーンチャレンジ」に記載されている視点です。本テーマは、このヒントを最大限に活用することが肝ですね。
⑤ グリーンインフラは、自然が持つ機能を活用しようという考えですから、導入・活用は重複しているように感じます(大丈夫だと思いますが、グリーンインフラは自然そのものではありません)。
3)交通・物流システムの高度化
運輸部門のCO2排出量は、日本のCO2排出量の約20%を占める。このうち、約85%が自動車によるものである。自動車からのCO2排出量が多い原因として、EV等の化石燃料を使用しない自動車の普及率が5%程度と低いことや、渋滞による停止・発進の繰り返し等が挙げられる⑥。よって、移動手段の観点⑦から、CO2排出量を削減するために、交通・物流システムの高度化⑧が課題である。
⑥ この原因を示すということは、EV普及の促進と渋滞解消が結論と認識します。結論の交通システムと乖離していませんか。
⑦ 移動手段とシステムの高度化がつながりません。移動手段というとモーダルシフトやMMといったものが想起されます。ここは、単純に交通の観点ですかね。また、システムなのでビッグデータや物流DXをイメージされているなら、デジタル技術の観点といった表現になります。
⑧ このパラグラフの最大の問題点は、この課題です。交通・物流システムとは何なのかよく分からないです。交通システムというとITS、スマート交通システム、 自動走行システムなどが想起されます。これが言いたいことなら、いずれかを例示した方が良いです(〇〇などの交通システムの高度化)。また、これが言いたいことなら、背景と観点を見直すべきでしょう。
(2)最重要課題と解決策
最重要課題は、「省エネの促進と再エネの拡大」である。理由は、エネルギー部門のCO2排出量は全産業の中で約40%と最も高く、他の課題よりも効果が大きいと考えたからである。以下に解決策を示す。
1) ZEHの普及促進
住宅のエネルギー収支をゼロ以下にするために、ZEHの普及を促進する。ZEHは、高断熱・高気密の建材の使用や、エアコンや照明等を高効率の設備にすることで、省エネを実現する。また、太陽光発電等の再エネ⑨により、エネルギーを創ることができる⑩。ZEHの普及を促進するために、制度面では、住宅の省エネ基準の段階的な引き上げを行う。支援面では、ZEH水準の住宅の購入に際し、補助金を設ける。⑪
⑨ →「再エネ設備」
⑩ 可能性ではなく、やることとして書きましょう。→「創る」
⑪ このパラグラフは、解決策を書くことです。しかし、内容の過半がZEHの説明になっています。普及促進の方策を中心に書きましょう。記述以外では、省エネ改修促進、省エネ性能等の認定・表示制度等の充実・普及などがあります。ただし、これらを網羅的に記述するより、具体例などを記述する方が技術力アピールになると考えます。
2) インフラを活用した再エネの導入
①道路:高速道路の料金所の上屋、中央分離帯、暫定2車線区間の未利用地等の道路空間を活用し、太陽光発電を行う。また、太陽光パネルをアスファルト舗装の上に敷き詰める路面型太陽光発電を導入する。発電した電気は、EVの充電や蓄電、道路の照明等、太陽光パネルの近傍で利用する⑫。
②港湾:コンテナターミナル、管理棟、倉庫などの屋根を活用して、太陽光発電を行う。発電した電気は、施設の照明に利用する。⑬
③ダム:治水ダムや既存の発電用ダムの放水設備活用し、小水力発電を行う。⑭
⑫ 理由を添えましょう。→「エネルギー損失を最小限にするため、太陽光パネル・・・」
⑬ この内容に問題はないのですが、再エネ技術の紹介が太陽光に偏重しているので、もう少し多様な提案が望まれます。港湾は、アンモニア・水素といった動力源が注目されています。また、港湾なので電源を洋上風力、バイオマス発電といった提案も考えられます。
⑭ これも一般論に近いので、もう一歩踏み込んだ記述が望まれます。例えば、登録制による従属発電の導入を促進、地域脱炭素化促進事業の認定に基づく手続のワンストップ化等により、地域再エネ利用の円滑な推進といった最新情報を織り込むと良いでしょう。
3)エネルギーの面的利用
エネルギーを効率的に利用するために、近接する複数の建物間でエネルギーを面的に利用する⑮。例えば、熱源施設を導管で連結して、熱を共同利用する。これにより、熱エネルギーの需要時間が異なる建物を組み合わせ、需要のピークを平準化する。平準化により、熱供給プラントの稼働率が向上し、効率の高いプラントの運転が可能になることで、省エネを実現する⑯。
⑮ ちょっと分かりづらいです。作ったエネルギーを無駄なく使うということ、つまりエネルギーマネジメントが解決策ですかね。→「エネルギーを効率的に利用するために、地区単位でエネルギーの需給バランスを調整する」または「エネルギーを効率的に利用するために、CEMSを導入する」
⑯ この効果は課題そのものですから、不要でしょう。冒頭の「エネルギーを効率的に利用するために」という目的を達成するところまでで大丈夫です。→「・・・可能になる。」
(3)新たに生じうるリスクと対応策
1)施設の維持管理不足による老朽化
少子高齢化により、維持管理を担う人材が不足する。このため、導入した設備の老朽化により、当初想定した効果が得られないリスクがある⑰。対策は、設備を導入する際に、センサー等の状態監視システムを設置し、自動かつ無人で点検を行うことである。これにより、メンテナンスにかかる人的コストを削減する。
⑰ これはもともとあるリスクであり、対策を講じようが講じまいが関係ないですね。解決策を講じた結果として生じるリスクであることが望まれます。例えば、太陽光パネルの廃棄問題、分散型電源の不安定さ(天候に左右される)、省エネ・再エネ導入の需要が高まり技術者が不足などが解決策を原因としたリスクだと考えます。
(4)業務遂行の要点・留意点
技術者倫理の観点から必要になる要点は、社会全体における公益を確保する視点と、安全・健康・福利の優先である。社会持続性の観点から必要になる要点は、環境・経済・社会における負の影響を低減し、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける視点を持つことである。業務遂行の各段階で、常にこれらを意識するように留意する。
以上