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技術士 二次試験対策 建設部門 令和2年度 必須科目Ⅰ「担い手確保」 出題予想もあるよ2!

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【 技術士 二次試験対策 】

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2024年問題

令和2年から4年・・・2024問題・・・もう約束された問題!?「担い手確保」が今回の投稿論文です。令和2年と全く同じという訳にはいかないと思いますので、少しひねってくるでしょうね。どのように変化させてくるかは、現状の課題を整理する必要があります。

そこで、「2024年問題」とは何かをしっかりと理解していきたいと思います。一般に2024問題と言うと物流の時間外労働規制の見直しを指します。具体的には、平成30年6月改正の「働き方改革関連法」に基づき、自動車の運転業務の時間外労働について、令和6年4月より年960時間の上限規制が適用されます。

さらに、厚生労働省がトラックドライバーの拘束時間を定めた「改善基準告示」により、拘束時間等が強化されるます。このような規制見直しによって、何も対策を講じなければ物流の停滞生じてしまいます。これが「2024年問題」です。現状との比較は、次の表のとおりです。

技術士 二次試験対策 2024年問題
国土交通省資料「物流の2024年問題について」より抜粋

何もしないと4億トン(14%)もの量が輸送できなくなります。途方もない数字です。このような問題に対して、どのような対策が考えられているのか見てみましょう。

  • 物流DXの推進:自動運転トラックの実用化に向けた対応など
  • 物流拠点の機能強化や物流ネットワークの形成支援:高規格道路の整備、TDM施策、スマートIC整備、中継輸送の実用化など
  • 特殊車両通行制度に関する見直し:通行時間帯条件の緩和、道路情報の電子化の推進など
  • ダブル連結トラックの導入促進:運行路線の拡充等に向けた調整、ダブル連結トラックに対応した駐車マスの整備

うーん、どれもパッとしないですね。しかも、すぐに対応できないものが多いですね。大丈夫ですかね。

建設業における2024年問題

 平成31年4月施行の改正労働基準法により、建設業においても罰則付き時間外労働上限規制の適用が令和6年4月に迫っています。さらに、令和元年6月成立の新・担い手3法では、著しく短い工期による請負契約の締結の禁止が規定され、令和2年7月に中央建設業審議会において「工期に関する基準」が作成・勧告されています。2024年4月1日以降は、時間外労働の上限は以下の図のようになります。

技術士 二次試験対策 建設業の2024年問題
厚生労働省「建設業時間外労働の上限規制わかりやすい解説」より抜粋

建設業では、2024年問題の解決に向け、どのような取り組みを行うのか見てみましょう。

ますは、週休2日を実現できるようにするための工期の適正化に向けて「工期に関する基準」の周知・徹底をや、施工時期の平準化等に取り組んでいます。

 また、建設技能者の技能と経験に応じた評価・処遇改善が図られるよう、建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及や、技能者の評価レベルを手当支給に反映する企業独自の取組を水平展開することとしています。

 さらに、中央建設業審議会・社会資本整備審議会の基本問題小委員会において、請負契約の透明化による適切なリスク分担、賃金引上げ、働き方改革の3つの観点から、持続可能な建設業の実現に向けた制度のあり方について検討を進めています(中間とりまとめ:下図)。

このような、状況を踏まえると、「持続可能な建設業」※、「働き方改革」、「生産性の向上」といったテーマで出題されそうですね!
※ これは予想いただいた投稿論文があります(コチラ

論文

このような状況を理解したうえで、投稿論文を見てみると面白いかもしれないですね。それでは、早速「担い手確保」をテーマにした論文を見てみましょう。

課題

1.中小建設業における担い手確保の課題
(1)人材確保の促進(人材)
 現在建設業就業者数は500 万人弱でビーク時から約30% 減少している。さらに、現在約310万人いる建設技術者は今後10年で約100万人が高齢化により離職するとされている。人材を確保するための魅力ある業種とする必要がある人材の観点から人材確保の促進が課題である


① 前段の背景では、現状が説明されているだけで、問題点が書かれていません。建設従事者が減っていくのは良く分かるのですが、魅力ある業種にする必要性が腹に落ちてきません。魅力がないと考える背景も書く必要があると思います。

② 人材の観点から人材の確保となっています。観点と課題が重複しています。また、題意も担い手の確保ですので、人材の確保では解答になっていないと思います。人材を確保する(魅力ある業種とする)ための具体的な行動を書くべきです。


(2)働き方改革の促進(労働環境)
 建設業は労働集約型で労働力に依存しており給与待遇や社会保険等の就労環境が悪く、3K(きつい、汚い、危険)の状況である全産業と比べ、建設現場の労働災害は約2倍の死傷事故率の危険な作業を伴い、労働者の減少の要因となっている。労働環境の観点から働き方改革の促進が課題である。


③ 同じ意味の言葉が並んでいます。→「建設業は労働集約型であり」または「建設業は労働力に依存しており」

④ ③の文脈からすると、「労働力に依存しているくせに就労環境が悪い」が言いたいのではありませんか。そのような主張の場合、一回文を切って逆接の接続詞を入れるべきです。さらに、後段部分は、待遇と労働環境に分けて書いた方が分かりやすいです(記述では、両方とも就労環境の話になってしまっています)。→「・・・労働力に依存している。しかし、給与や社会保険等の待遇が悪く、3K(きつい、汚い、危険)に代表されるように労働環境も悪い。」

⑤ 3Kで危険であることは、すでに説明済みです。不要。


(3) 建設現場の生産性の向上(生産性)
 現場の急速な高齢化と若者離れが深刻であり、限られた人材で効率的に業務を進め、就業者が建設業の重要性と魅力を感じる必要がある。そこで、ICT (情報通信技術)やAI(人工知能)等の新技術の導入を促進し、生産性を向上し現場作業の負担を軽減するとともに魅力的な環境とする。生産性の観点から建設現場の生産性の向上が課題である。


⑥ 現場という表現は、私たちにはすごく良く分かります。しかし、論文では、タイトルのように建設現場と記述しましょう。

⑦ 何から離れるのか書きましょう。

⑧ 就業者が魅力を感じる手段として、効率的に業務進めるという論調なのですかね。そうであるならば、効率的に業務を進めることでなぜ重要性と魅力を感じるようになるのか因果関係が不明です。例えば、労働時間が長いなど効率化をすべき要因と魅力が低いことを結びつける説明が必要です。

⑨ 課題部分では手段まで言及しない方が良いです。手段は、解決策で書きましょう。さらに、「促進し、・・・向上し・・・」となっています。一回文を切りましょう。→「・・・促進し、生産性を高める。これにより、現場作業の・・・」

⑩ 観点と課題が同じになっています。解決策は、ICT活用関係になっているので、ここは「生産性の観点から、ICT技術の活用が課題である」でどうでしょうか。


2.最も重要な課題と解決策
 最も重要な課題は「建設現場の生産性の向上」であると考える。今後も激甚化する災害や社会資本の老朽化等の問題がある。建設業はインフラ整備の担い手であり、国民の安全・安心を確保する重要な役割を担っている。建設現場の生産性の向上は担い手を確保するためにも重要な課題である。以下に解決策を示す。


⑪ 担い手確保が必要な理由は、説明する必要はありません。それを必要としていることは、問題の前提だからです。ここで書くべきは、最も重要と考えた理由です。


(1) レーザーを用いた3次元測量の実施
 現在の測量は光波測距儀等を使用し1点ずつのデータを計測する方式で人数、日数、手間が必要である。3D測量を実施することで以下の効果がある


⑫ ここは、解決策(やること)を書くところです。また、解決策は、行政目線で書くと良いです。よって、「・・・手間が必要であることから、以下の理由により3D測量の導入を促進する。


① 測量範囲の広さ: ドローンでの測量は通常では近づけないような場所や広範囲の測量が可能。

② 最小限の人員: 安全管理の道路規制や誘導員の不要で測量に要する人数も少ない


⑬ 他の表現との平仄から、「人数の最小化が可能」


③ デジタルデータの取得: 取得したデータを3次元で取り込み高性能の3DCADとしての利用が可能


⑭ →3DCADで利用可能


(2)CIMの活用
 「CIM」による3次元データを全工程間(調査~維持管理)で共有することにより、以下の効果がある
① 地下埋設物等の見えない情報の確認が容易となり、維持管理の確認や工事の手戻りが防止できる。
② 設計段階の3Dデータに調査結果を反映させ、補修設計に活用できる。


⑮ ⑫と同様。

⑯ 確認が容易でありといっているので、維持管理の確認は重複しています。維持管理の確認との表現も、どのような行動なのか分かりません。言いたいことは「維持管理の迅速な対応」ですかね?

⑰ 些末な話ですが、3次元測量は体言止めだったので、どちらかに統一した方が良いです。


(3)ICT建機の導入
 ICTを全面的に活用し、人材不足解決や時間短縮施工の安全性に取り組む例えば災害時の危険な作業は遠隔操作による無人化施工を導入し、技術者の人命に係わる事故も減少し、人命に係わる作業を24時間体制で早急に行うことが可能となる


⑱ この内容は、上記2つにも当てはまることです。ここに突然書かれることに違和感があります。

⑲ 文が長いです。「○○し、○○し」と繰り返されて読みづらいです。文を一回切りましょう。→「例えば、災害時の危険な作業は、遠隔操作による無人化施工を導入する。これにより、従事者の人命に係わる事故を減少させることができる。また、救助・救援作業が、早急に対応できるとともに、24時間体制で行うことが可能となる。」


3.波及効果と懸念事項への対応策
(1)波及効果と懸案事項
 上記の解決策を実行すると生産性向上や働き方改革が推進される。建設業界の魅力が高まり、若手入職者の増加等担い手確保の波及効果が期待される。
 一方、新技術が推進し、機械化や自動化が進むと技術者自身が考える機会が減少し、土木技術レベルの低下が懸念される。


⑳ 生産性が向上するのは当たり前なので、ここは働き方改革と並列表現ではなく、要因と結果の関係にすべきです。また、後述の文との関係性を明確にしましょう。→「生産性が向上し、働き方改革が推進される。これにより、・・・」」

㉑ 担い手確保は題意(目的)そのものであり、波及効果ではありません。


(2)対応策
 国が支援するi-Construction研修や土木技術講習会等で必要なスキルを習得する。技術者は新技術の習得のみでなく、建設業に必要な技術や知識、情報について向上心を持ち自己研鑽に努めることが重要である


㉒ ここで言う必要なスキルは、前述されている失われるスキルなのか判然としません。i-Construction研修が記載されていることで、ICTスキル習得のようにも見えます。

㉓ ここは解決策を書くパートです。何が重要かを書くのではなく、その重要と考える自己研鑽をどのように促進するかといった手段を書いてください。


4.業務遂行上必要となる要件
(1) 技術者倫理の観点: 倫理の要件は「公衆の安全・健康・福利を最優先」することである。留意点は地域社会の守り手として人命を最優先した公衆の安全に配慮する。また、新技術の自己研鑽を実施する
(2) 社会の持続可能性の観点: 要件は「地球環境、経済の保全等、将来世代にわたる持続可能な社会の実現」である。留意点は将来世代を担う若手技術者の人材育成に努める。- 以上-


㉔ 表現がおかしいですね。「常に最新の技術情報の取得に努める」ということですかね。それとも「業務にあたって新技術を学ぶ」ということですかね。後者であれば倫理要件ではありません。

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