PR

技術士 二次試験対策 【 添削LIVE 】電気電子部門 令和5年度選択科目Ⅲ 高齢化社会への対応

論文添削
PR
PR

添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

今回の 添削LIVE は、電気電子部門 令和5年度必須科目Ⅲの高齢化社会への対応です。高齢化社会は、社会保障費の増加(R4は過去最大の36 兆2,735億円で予算の33.6%を占める)、生産年齢人口減少による経済成長の失速、高齢者の生きがい(QOL)の低下など様々な課題が顕在化します。

高齢化社会への対応は電気電子分野に限らず、我々技術者が取り組まなければならない社会問題です。建設部門においても、バリアフリー化、生産性の向上、健康増進への貢献、コミュニティ・ソーシャルキャピタルの醸成、デジタルデバイドなど関連課題は目白押しです。

投稿論文でも触れられていますが、特に生産性の向上は急務と言えます。この生産性の向上には、AI、IoT、デジタルツインなどデジタル技術の活用が不可欠です(建設分野における関連論文「女性の就業」、「人口減少」は論文データをご参照ください)。建設技術者も、ICTなど分からん…などと言っていられません。技術者に求められるデジタル技術力は、今後ますます増加の一途をたどるでしょう。また、デジタルネイティブ世代が社会活動に参加し始めれば、中堅どころは取り残されないようリスキルが必要になります。社会や他者を変えることはできません。自分が変わるしかないのです。なんて時代に生まれたんだと嘆くよりも、楽しく学んで対応していきましょう。

添削は、随時受付中です。皆様の投稿をお待ちしています。一緒に、楽しく勉強しましょう!!!


電気電子部門【選択科目Ⅲ】

Ⅲ-2 我が国は、すでに高齢化率(65歳以上の総人口に対する占有率)が2021年に28.9%となっており、世界にも類を見ない速さで超高齢化社会を迎えている。このような超高齢化社会への対応が急務となり、様々な施設、設備、製品、サービスが開発されている。
(1)上記を踏まえ、超高齢化社会へ対応するために、電気設備分野の技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。


1.超高齢化社会へ対応するための課題
1.1円滑な技術継承(技術の観点)
 戦後の日本復興は多くの技術者により支えられてきた。その頃からの高度な技術や、日本固有の貴重なノウハウは高齢者が多く保有している。しかし、超高齢化社会に突入することで若手への技術継承がスムーズに実施できない場合がある。
 そのため、技術の観点から円滑な技術継承により日本の技術を継続していくことが課題である。

① 高度な技術や固有のノウハウとの表現は抽象的であり、電気電子分野における具体的な例示が必要と考えます。
② 技術継承がスムーズに実施できないのは「超高齢化社会に突入したから」としていますが、原因と結果が結びつきません。直接の原因は、技術継承の仕組みがなかったり、継承者がいなかったりといった事柄ではないでしょうか。
③ 技術の観点とは何を言いたいのでしょうか。どのような立場で技術継承を課題としてみているのか読み手に伝わりません。
④ 「技術継承により技術を継続」との表現は重複しています(手段と結果が同じ)。

1.2担い手確保(生産性の観点)
 今後の日本は超高齢化社会と同時に少子化も迎えている。このままで時間経過してしまうと、要求業務量に対し、担い手の明らかな不足により、日本の崩壊に繋がりかねない。
 そのため、これまでや今後の日本産業を永続的に成長させていくために、生産性の観点から担い手確保が課題である。

⑤ ちょっとオーバーですかね。イメージされている日本の崩壊を具体的に書いた方が良いです(例:経済の停滞、国際競争力の低下、国の貧困など)。
⑥ 「これまでや」とありますが、過去を成長させることは不可能です。
⑦ 生産性とは生産要素の「投入量」に対する「産出量」の割合です。割合の観点とは一体どのような立場なのでしょうか。文意からするに人材面の観点とかですかね。

1.3インフラ強靱化(生活環境の観点)
 高齢者が住みやすい生活空間を提供する義務が我々担い手世代にある。「バリアフリー設備、EV、空調、照明」など快適な生活を形成するインフラ環境を、経年化や災害(地震、火災、津波、台風)から守ることが求められている
 そのため、生活環境の観点から、電力設備・通信設備・各種配線(送配電、通信線)などのインフラを強靱化することが課題である。

⑧ 「住みやすい」→「暮らしやすい」
⑨ 義務といわれると懐疑的です。「提供する必要がある」くらいのトーンで良いのではないでしょうか。
⑩ インフラは社会基盤施設であり、括弧書き部分はインフラではありません。
⑪ 経年化とは、長期間使用されていることであり、この状態から守るとはどのような状況なのか理解できません。言いたいことは、経年劣化や老朽化ですかね。
⑫ タイトルには強靭化とあるので、守るという表現は違和感があります。
⑬ 生活環境の観点とインフラの強靭化が結びつきません。
⑭ この項目全体に言えることですが、インフラの強靭化がなぜ高齢化社会に対応するための課題なのか良く分かりません。前段落で説明している背景や問題点から、強靭化が必要とされる背景が十分説明されていないことが要因と考えられます。

2.最も重要と考える課題と理由
 「円滑な技術継承」が、最も重要な課題と考える。なぜなら、円滑な技術継承を達成することで、他課題も解決することができるからである

⑮ 他課題とは何を指しているのか分かりません(のこり2つの課題ですかね)。また、なぜ解決できるのか分かりません。

2.1オートパイロット(自動運転)による設備制御
 高齢者の経験知や暗黙知を若手に伝承していく時間は限られている。
 そこで、オートパイロット(自動運転)を導入する。まず、高齢者のノウハウをAIやロボットにデータ記憶させる。その後、オートパイロットにより工場設備を安定稼働させる。若手への技術伝承は安定稼働させている間における高齢者からの直接OJTや、AIやロボットからの間接OJTにて時間を効率的に使い実施する。

⑯ 技術継承の時間を確保するための手段として、オートパイロットを導入するとありますが、ノウハウが人以外であっても継承できるのであれば、本質的な課題は解決しているのではありませんか。
⑰ 若手技術者(人)に継承させる理由が分かりません(AIやロボットに技術継承済み)。

2.2動画マニュアルによる技術継承
 高齢者からの技術継承方法について、書面マニュアルでは理解が進み辛く、またマニュアル作成にも時間を要する。
 そこで、動画マニュアルにより技術継承を行う。作成する側は、伝承すべき作業を動画に撮ることが主であるため大きな労力は必要ない。また、伝承受け側も動画による説明のため、大変理解し易く何度も繰り返して勉強することが可能である。

⑱ 書面より動画の方が労力が少ないとの考えには疑義があります。編集作業や説明スキルなどもあり、書面に比べて本当に労力が少ないと言えるのでしょうか。客観性に欠けています。
⑲ 書面でも繰り返し勉強できるので、動画の優位性としてふさわしくありません。
⑳ この観点は、電気電子分野における技術的視点が足りないと思います。

2.3自動化による省力化
 技術伝承する対象作業として、全ての作業を伝承することは困難である。そのため、生産設備の自動化により省力化を図り、主力化した上で効率的に技術伝承を実施していく。
 具体的には、センサーや構内カメラにより設備の異常検知を行う。また、ドローンによる設備自動点検も実施することで省力化に寄与する。

㉑ 技術継承を課題としているにもかかわらず、その解決策において技術継承だけでは無理と否定してしまっては全体として何が言いたいのか読み手には伝わりません。「論点ずらしますよ」と宣言しているようなものです。
㉒ 「自動化により」という手段は、すでに2.1オートパイロットの項目で述べています。言葉は異なりますが、重複しています。
㉓ ここで説明すべきは、省力化ではなく継承方法です。論点がズレています。

3.新たに生じうるリスクとそれへの対策
3.1 新たに生じうるリスク
 解決策実行に伴い、AI・ロボット・ドローンなどの機械が増加する。
 そして、これらの設備は通常しっかり制御されているが、予期せぬ動作をするリスクがある。

㉔ このリスクは、そもそもあるリスクであり、新たなリスクといえるのでしょうか。前段に機械が増加するとあるので、「機会が増加することにより、従来無視できるくらいの発生頻度だったリスクが顕在化する可能性がある」といった具合に新たなリスクであることを説明する必要があります。

3.2上記への対策
 ①各システムや設備を構築する際は、フェールセーフに基づく高い安全設計を実施することで予期せぬ動作のリスクを減少させる。
 また、②デジタルツイン活用によるオートパイロットを実施する。具体的には、フィジカル空間で取得したデータ(圧力、湿度、振動)を、サイバー空間に再現し、そこで今度実施する操作を一旦シミュレーションしてから本動作を実行するシーケンスプログラムを構成する。
 最後に、③通常の生産設備は自動モードで運転するが、万が一予期せぬ事体が発生した場合は、手動モードへ切換えすることで未知のリスクへ対応する。以上

この項目は、専門技術を踏まえて記載されており、良いと思います。指摘はありません。

タイトルとURLをコピーしました