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技術士 二次試験対策 【 口頭試験 】もうすぐ口頭試験 注意事項&体験記をお届けします

口頭試験
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注意事項&口頭試験体験記

【 技術士 二次試験対策 】

本日は、添削LIVEをちょっと休憩して口頭試験体験記をお届けします。合格者にも試験結果通知が送付されたようですが、合格は既にHPで確認済みだと思います。この通知での関心事項は、口頭試験の日時です。早すぎても焦るし、年を跨ぐと落ち着かないし、12月中旬あたりがベストですかね。

私は、令和3年12月12日(日)9:55~10:15という日時を指定されました。ラッキーでしたね!この頃はコロナ禍であり、忘年会もなくじっくり試験対策ができました。忘年会は楽しいので羽目を外したくなる気持ちは良く分かりますが、遊びすぎて対策がおろそかにならないように、今年だけは節度をもって過ごしましょう。もちろん、お正月もね!

試験対策の時間を確保することはもちろんですが、体調管理にも気を付けましょう。コロナもありますし、インフルエンザも流行しています。当日体調が悪くて、受験できないなんてことになったら悔やんでも悔やみきれません。万全の体制で試験に臨みましょう。

私の対策は、以前からご紹介しているFAQの作成です(FAQの例はコチラ)。例示にもありますが、50問くらいは、用意した方が良いでしょう。内容については、経歴や論文によって回答が変わってきますので、必ず自分で作成してください。また、論文と一緒で、回答は端的にするとともに、分かりやすい表現に努めましょう。これは、試問事項になっている「コミュニケーション」が評価されるからです。ダラダラ説明すると、「結局何が言いたいの」という評価に直結しやすいです。

しかし、自分の悪癖は、自分自身では気が付かないものです…よって、誰かに聞いてもらって印象を確認すると良いでしょう。もちろん、先輩 技術士 がベストですが、近くにいない場合もあるでしょう。そんな時は、同僚、家族、友人など誰でもOKです。「分かりやすかったか」、「聞きやすかったか」、「態度は」、「姿勢は」などを一般的なことで良いので聞いてみると参考になります。

私は大変恵まれており、職場にたくさんの先輩技術士がいたので本番さながらの模擬面接を行ってもらいました。本番は、この模擬面接とほぼ同じ内容を聞かれ、バッチリでした。先輩 技術士 の想定に驚かされました。本当に感謝してもしきれません。本サイトも、ZOOMとかで模擬面接などを行いたいところですが、みなさん同様恥ずかしがり屋なので・・・

ということで、「どういう風に回答すれば良いのか」、「どんな態度が望まれるのか」など質問・相談はいつでも歓迎ですので、論文投稿のページからお問い合わせください。何をみるのか、というのは、先ほども申し上げましたが、試問事項(コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメント)です。

この試問事項の背景には、 技術士 に求められる資質能力(コンピテンシー)があります。このコンピテンシーは、科学技術・学術審議会の書面で具体的に説明されています(ソースはコチラ)。しかも、このコンピテンシーは令和5年1月25日に改訂されています。必ず、チェックしてください。

  • 専門的学識
  • 問題解決
  • マネジメント
  • 評価
  • コミュニケーション
  • リーダーシップ
  • 技術者倫理
  • 継続研鑽

また、改定と言えば、「技術士倫理綱領」も2023年3月8日で変わっています。この倫理綱領で示されている10項目は暗記してください(古いので覚えないように注意)。変更点(新旧対象表はコチラ)も一読しておくと良いでしょう。さらに、 技術士 の3義務2責務も暗記します。 技術士 倫理の解説は、過去記事に掲載しているので確認してみてくださいね。

前置きが長くなりましたが、体験記いきまーす。


<口頭試験体験記>

12月の冷たい空気と曇天は、私の不安を大きくします。この日のために、FAQを何度読み返したことか。試験前日までの私は、自信しかありませんでした。もともと、人への説明が苦手と感じたこともなく、プレゼンなどは周囲に評価してもらえることも少なくありませんでした。まさか自分がこんな不安に苛まれるとは思ってもいませんでした。やはり、これが試験の醍醐味かという緊張感を味わいます。

重い足取りで周囲を眺めますが、筆記試験の時のように人の流れはありません。市ヶ谷橋を渡り、GoogleMapを見ようとスマホを覗きます。スマホのホーム画面には、技術士の3義務2責務と技術士倫理綱領10項目が光ります。これらの項目は、もう空で言える自分に気が付くと忘れてた自身が沸々と湧いてきます。

そんな気持ちの変化を歓迎するように、私の目の前に試験会場「TKP市ヶ谷カンファレンスセンター」がその姿を現します。ビルの中に入るとエレベーターが見えます。指定された階のボタンを押すとゆっくり扉が閉まります。同乗する受験生はおらず、「ここで場所合ってるのかなぁ」という不安が芽生え始めたころ、扉が開きます。

エレベーターを背に右へ進むと、ガラス戸の向こうに受付らしき人々が長机に肘をつきながら、こちらを伺っています。受付と言えど油断してはいけない。笑顔を作り、さわやかに挨拶を終え受験案内を求めます。受付の人は、私の笑顔につられたのか、満面の笑みでこちらを見返します。しかし、様子がおかしいです。笑みと一緒に困惑の表情が見えます。

そこで受付が発した一言は、「こちらは、試験官の受付になります。受験生の方は案内看板の通り、あちらの控室でお待ちください。」でした。は、恥ずかしい・・・、引きつった笑顔と共に受付にお礼を告げ、そそくさと退室します。ガラス戸を抜けた通路の先には、たくさんの受験生で溢れる部屋があるではないですか!「落ち着け、私」と心で唱えます。

控室の入り口をくぐるとすぐに、係の人が受験票の確認と注意事項などの書類を受験生に手渡しています。私も列に並び、受付を済ませます。控室の席は、どこを利用してもOKのようです。空いている席に腰を下ろし、注意事項に目を通します。筆記試験の合格通知書に記載された試験開始時刻の5分前になったら、試験室の前の椅子に着席して待機するとの指示が記載されています。

時間を確認すると試験室へ向かう時間まで20分ほどの時間があります。持参してきたFAQや復元論文を鞄から引っ張り出しながら、周囲の様子をチェックします。当たり前ですが、ダークカラーのセットアップをまとったおじさんが目立ちます(自分もその一人です)。人数は少ないですが、若い方や女性の方も確認できます。女性はともかく、若いのに筆記試験を突破してくるとは大したものだなぁと感心します。

いやいや、感心している場合じゃない。緊張で用意した問答が真っ白になる可能性はあるので、事前にFAQを確認しておくことは重要と考え、一通り目を通します。字面を目で追いながら、頭では口頭試験の様子をシミュレーションします。イメージトレーニング中に、先輩技術士からもらったアドバイスが頭に浮かびます。「試験官が高圧的に議論を吹っかけてくるケースもあるので冷静に対応した方がいいよ」というものです。試験官を高圧的な人へ変更し、イメージトレーニングを続けます。

そうこうしている内に、試験時間の5分前が近づいてきます。FAQを鞄にしまい試験室のある5階へ移動します。指定されたミーティングルーム5Eは狭い廊下の一番奥にあります。パイプ椅子に腰を下ろし、その時がくるのを待ちます。注意事項の記載内容をもう一度思い出します。「入室する前に受験番号と名前を告げてください」とありました。元気よく手順を間違えないよう心がけます。

試験室からは、試験官たちの会話が聞こえてきます。何を話しているのか聞き取れませんが、前の受験者の評価を話し合っているようです。そんな様子を感じ取ると、緊張のボルテージはマックスを迎えます。手汗やばいなぁ・・・などを考えていると、「次の方どうぞ~」と声がかかります。

なんだか病院の待合室みたいだなぁと感じ、ちょっとリラックス。先ほどの注意事項を実践すべく、扉の前で受験番号を大きな声で発したその瞬間、試験官から「中に入ってからでいいよ~」と声がかかります。「ちょ、ちょっと注意事項、なんだよ・・・」と心で悪態をつきながら、表情に出ないように笑顔をつくります。改めて、受験番号と名前を告げた後、試験官から着座を促されます。

ドジっ子受験生をあたたかく見守る和やかな空気が漂っています。災い転じて福となすとは、このことか!今日の私、なんかいい感じじゃない!?と気分も上々です。浮足出す気分をコントロールし、試験官の様子をすばやく確認します。

試験官は、2人。40代、もう一人は50代だな!どちらも男性だ。2人の表情に底意地の悪さは感じません。こりゃ、当たりだな。と決めつけます。そのような私の気持ちをよそに、2人は手元の書類に目を配ります。すると、次の瞬間、一発目の質問が投げかけられます。

さあ、なんでも来い。

50代試験官が、「○○業務で、あなたがリーダーシップを発揮した部分はどこですか。」と尋ねます。さっきまでの和やかな雰囲気は消散し、試験官の真面目な表情で張り詰めた空気が醸し出されます。

変わった空気も意に介さず、「はいはい、想定内の質問です」と私は余裕の表情を浮かべます。余裕を感じさせる雰囲気を確固たるものにすべく、言葉もスラスラと続けます。
「事業全体の年次計画の立案や進行管理などを行い、俯瞰的な視点により事業マネジメントを行ってきた部分がリーダーシップを発揮した場面であったと考えています。また、トラブルや問題が発生したときに、問題の解決案や、関係者との調整を主体的に行ったことでリーダーシップを発揮できたと考えています。」と身を乗り出し答えます。

すると40代試験官が、「住民とコミュニケーションを図った部分を教えてください。」と落ち着いた口調で尋ねてきます。

出たな評価項目”コミュニケーション!”、結構丁寧に住民とコミュニケーションを交わしてきたので、それをそのまま伝えます。
「土地活用方針の検討段階、活用方針案の決定段階、事業者募集段階、地区計画の策定段階の各段階において地元住民と意見交換を行いました。この意見交換を計画に反映し、住民と一緒になって計画を策定いたしました。」と澱みのない回答を繰り出します。

さらに畳みかけるように40代が質問を続けてきます。「この業務で、住民とコミュニケーションを図った際に工夫した点はどこですか。」と紳士的な態度を崩さず問いを重ねます。

もう緊張はありません。ノリノリです。前のめりの姿勢をそのままに回答します。
「説明が一方通行とならないように、意見交換会を実施しました。」ちょっと淡白な回答だったかなと振り返るも、端的が一番と自画自賛します。

まだ来ます40代、「具体的に住民の意見を引き出す方法と留意点を教えてください。」ときました。

端的だとおかわり質問は来るよね~と感じながら、「具体的にはワークショップを実施し、ブレインストーミングによるアイデア出しと、KJ法による分類作業を住民と一緒に行いました。この際に、皆さんからアイデアをいただけるよう、しっかりとしたファシリテーションを心がけました。」と技術力を示唆する華麗な回答を喰らわします。

ここで選手交代、50代が評価項目”コミュニケーション”から、”評価”へシフトチェンジする質問を浴びせてきます。「事業評価と評価に対する今後の課題を教えてください。」と自己評価と自己分析を問うてきます。

私は自己評価甘いんだようなぁ・・・でもいいや、ここは駆け引きなしで思っていることを言ってしまおうと決意。「○○事業については、住民の合意形成プロセスやサウンディング調査の実施などにより、80-90点くらいの事業成果が得られたと評価しております。一方、課題といたしましては、大事な場面や急ぎアウトプットを求められる場面では自らが作業にあたってしまったことから、部下の成長や組織のボトムアップに貢献できなかったことです。」と回答しつつも、客観評価になっているか、業務改善につながる回答になっているのか不安に駆られます。

続いて、40代。「公的負担の最小化とありますが、どのくらい負担軽減したのですか。」との質問です。

なんか具体的な内容を聞いてきたなぁと感じるものの、質問の意図が掴みきれないまま回答します。「収入が○○億円、インフラ等の支出が○○億円でした。よって、収支でいうと○○億円のプラスという結果を得ることができました。」と答えます。ただの興味かな・・・

また話題を変える50代、「次に技術士倫理について伺います。公益確保の責務は、なぜ必要だと思いますか。」と唐突に質問してきます。

「技術者が誠実さを失った場合、犠牲者が発生することが想定されますことから、技術者には公益確保が求められると考えています。」とどこかで借りてきたような答えを述べてみます。「まっ、これは面接じゃないし、試験だからね。準備した回答を述べて何が悪い!」と開き直ります。

倫理担当なのか50代、質問が続きます。「技術士のあるべき姿について教えてください。」

間髪入れずに「常に、高等の専門的応用能力の向上に努め、公益を最優先した職業倫理を堅持して行動することです。」と優等生回答を恥ずかしげもなく言って見せます。

ここで鳴りを潜めていた40代が「CPDについて、今までやってきたことと、取得後にやることを教えてください。」と静かに尋ねてきます。

「所属している組織には技術士会が設置されており、幹部の講話や、会員相互の情報交換等が行われており、横断的な情報の収集が可能です。このような場を活用し、自己研鑽に努めています。私自身も、学校建設の経験談を講話させていただいており、組織の技術力の向上に貢献しています。今後も、技術士会の活動に参加するとともに、「新都市」などの会報誌を通読し、最新情報のキャッチに努めたいと考えています。」と答えるも、これCPDに該当するのか!?と不安に震えます。

ここで40代の表情が変わります。怒りも含んでいるような圧強めな調子で「会報誌を読むのは良いが、自ら発表したりしないのですか。」と質問を重ねてきます。

呆れ口調にビクビクしながらも、論文発表はハードル高いよと心でうなります。しかし、めげずに「論文等を発表するといった活動は行っておらず、足りない部分と認識しております。しかし、最近、「新都市」の寄稿をお手伝いさせていただきました。」と反省すべき点は反省し、ちょっとしたアピールも忘れません。転んだままでは終わらせません。

ちょっと変な空気になったところで、50代が関連質問を続けます。「会報誌で最近気になった記事は。」と本当に会報誌見ているのかと真偽を確かめに来ます。

そんなことはお見通し!自信満々に回答します。「都市OSに関する記事です。今後は、都市運営においてデジタル化が非常に重要になってくると感じました。」と流暢に答えます。そんな質問は織り込み済みなのだよと鷹揚な態度を取ります。

乗ってきた私は、さらに身を乗り出すと、次なる言葉が試験官から発せられました。

「では、これで終了です」

「えっ」これで終わり!?

面接の時間は規定通りの20分でしたが、一瞬だと感じました。試験のお礼を述べ、退出するとどっと疲れが押し寄せます。試験中は、集中し気が張っていたのでしょう。試験ならではのプレッシャーをあまり感じることがなく、物足りないくらいです。

しかし、試験をやり終えた達成感と開放感で何とも晴れやかな気分です。曇り空から晴れ間も覗いています。


あんまり参考にならないですよね体験記。でも、私は書いていて当時の自分を思い出しながら、楽しく書かせていただきました。振り返れば、2人の試験官は、とても紳士的で品位を感じました。やはり、試験当日の私はツイていたのだと思います。みなさんも、良い試験官に当たりますように!!!

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