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技術士 二次試験対策 【 口頭試験 】もう読みましたか「 技術士 倫理綱領への手引き」

口頭試験
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口頭試験 受験者必見!変更された綱領を確認

【 技術士 二次試験対策 】

今日、11月18日は土木の日です。土木という字を分解すると十一、十八というわけです。SNSでは#土木の日2023と銘打って、盛り上がりを見せています。私も若いころそうでしたが、土木にあまり良いイメージは持っていませんでした。つるはしとスコップを持って、過酷な労働環境で穴を掘るみたいなイメージが定着しています。このイメージで、若者は建設業界を好まないのではと思っています。

しかし、土木は人々の生活を支える大切な仕事です。やりがいもありますし、人に喜んでもらえます。もっとこの魅力を上手に伝えていく必要がありますね。最近のドラマでは、建築士がとても夢のある職業として描かれているものが多いですよね。土木技師も瀟洒な出で立ちで、魅力ある職業として取り扱ってもらいたいものです。

さて、今日の本題である口頭試験対策に戻りましょう。最近は、冷え込みが激しくなりました。「秋は、どこへ行ってしまったんだ」と感じてしまいます。突然の気候変化に体がついていかないこともありますので、口頭試験を控えている受験生のみなさんは体調管理にお気を付けください。

来月に入るといよいよ口頭試験が始まります。たくさんの方々がFAQの作成をはじめ、準備をすすめているところだと思います。今回は、以前の投稿でも注意喚起させていただいた 技術士 倫理綱領の変更について確認していきたいと思います。前回は、綱領が変更されていること、および綱領10項目を暗記すべきことをお伝えしたところです。

この綱領の改正に伴い、2023年4月に「技術士倫理綱領への手引き」が示されています。これは、綱領の逐条解説になっています。口頭試験対策を進めるうえで、大変重要な資料になります。よって、一読することをお勧めします。口頭試験で聞いてくることは、決まっています。若干、しつこい感じがしますが、重要なのでもう一度、コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメント、技術者倫理、継続研鑽です(配点は以下の通り)。

技術士 二次試験対策 口頭試験の配点

倫理綱領の内容は、Ⅱ技術士としての適格性という範囲になります。配点でいうと40点です。自分は、常識的な人間だし人格的にも問題ないから大丈夫と安心してはいけません。このジャンルは、技術士法や綱領の内容を理解しないと答えられません。自分の倫理観を説明するというよりも、法や綱領の内容を説明する暗記物と捉えてください。むしろ、Ⅰの実務能力は、実務に関係することなのでノリでいける側面がありますが、適格性は答えが決まっていますので要注意です。

つまり、適格性の答え=法(3義務2責務)+綱領(10項目)となります。その綱領が変更されていますので、当然、回答内容も変えていく必要があります。また、変更部分は問われる可能性が高いので、どこが変わっているのか確認することが重要です。「技術士倫理綱領への手引き」では、変わったところも説明されているので、超便利な代物です。では、この手引きの内容を確認していきましょう。

技術士 倫理綱領は、全2ページと短いですが、前文と本文に分かれています。まずは、前文についてみていきましょう。

【前文】
技術士は、科学技術の利用が社会や環境に重大な影響を与えることを十分に認識し、業務の履
行を通して安全で持続可能な社会の実現など、公益の確保に貢献する。
技術士は、広く信頼を得てその使命を全うするため、本倫理綱領を遵守し、品位の向上と技術
の研鑚に努め、多角的・国際的な視点に立ちつつ、公正・誠実を旨として自律的に行動する。

この内容の意図するところは、手引きの解説を読めばOKです。私は、口頭試験対策の観点から、この解説で注目すべき点をピックアップしていきますね。前文で注目すべきは、新たに「信頼」、「自律」を加えているとういう部分です。改定前は、公益の確保が絶対無二の最優先事項でしたが、上位概念の3種の神器として「公益」「信頼」「自律」といった新たな考えに変更されています。まあ、考え方としては変わっていなく、公益確保には信頼と自律が不可分ということです。質問では、不正等が行われようとしたとき、技術士としてどのように行動すべきかを問われます。

本文の各項目を見てみましょう。

(安全・健康・福利の優先)
1.技術士は、公衆の安全、健康及び福利を最優先する。
(1)技術士は、業務において、公衆の安全、健康及び福利を守ることを最優先に対処する。
(2)技術士は、業務の履行が公衆の安全、健康や福利を損なう可能性がある場合には、適
切にリスクを評価し、履行の妥当性を客観的に検証する。
(3)技術士は、業務の履行により公衆の安全、健康や福利が損なわれると判断した場合に
は、関係者に代替案を提案し、適切な解決を図る。

最初の項目は、「安全・健康・福利の優先」です。一つ目の項目は、今回の変更で刷新されています。以前は、公衆の利益の優先でしたが、利益の部分が具体的になっています。文中にでてくる『「最優先」とは「最重要」に位置付ける旨の表現である。』とあります。質問としては、「持続可能性と安全が相反した場合どちらを優先するのか」といった感じで問われます。

私の注目は、「リスク評価」せよとの記述部分です。この評価は、リスクマネジメントを適用することが望ましいと具体的です。リスクマネジメントとは、企業経営の目的達成に影響を及ぼす可能性のあるリスクを調査・分析し、回避または低減させる手法・プロセス(リスク特定、リスク分析、リスク評価、リスク対応、モニタリング、意思決定支援)を指します。アウトラインだけでも、理解しておくことをお勧めします。抑えておくべき点は、事前のリスク予測だけでなく、事後の評価も含まれていることですね。

(持続可能な社会の実現)
2.技術士は、地球環境の保全等、将来世代にわたって持続可能な社会の実現に貢献する。
(1)技術士は、持続可能な社会の実現に向けて解決すべき環境・経済・社会の諸課題に積極的に取り組む
(2)技術士は、業務の履行が環境・経済・社会に与える負の影響を可能な限り低減する。

持続可能性の確保から表現は変わっていますが、基本的な考えは同じですね。表現の変更点は、持続可能な社会というワードです。この背景としては、SDGsや温室効果ガスの削減などの世界的な目標の存在があります。これらの観点から、各分野の技術者として取り組むべきことや、取り組んできたことなどを整理しておくと良いでしょう。

(信用の保持)
3.技術士は、品位の向上、信用の保持に努め、専門職にふさわしく行動する。
(1)技術士は、技術士全体の信用や名誉を傷つけることのないよう、自覚して行動する。
(2)技術士は、業務において、欺瞞的、恣意的な行為をしない。
(3)技術士は、利害関係者との間で契約に基づく報酬以外の利益を授受しない。

前文に信頼が追加されたことを踏まえると、この「信用の保持」は重要と言えます。想定される質問としては、「組織(上司)から、不正を強要された場合どのように対応するか」とかになります。答えは、一義的には頑張って説得するですが、それでもダメならとコンボがきたときは、内部告発を検討するなど、技術士の信用を絶対に傷つけないといった姿勢を堅持する必要があります。さらに、欺瞞的な行為とありますが、この具体例をいくつか用意しておきましょう(姉歯、旭化成、東洋ゴム事件など)。

(有能性の重視)
4.技術士は、自分や協業者の力量が及ぶ範囲で確信の持てる業務に携わる。
(1)技術士は、その名称を表示するときは、登録を受けた技術部門を明示する。
(2)技術士は、いかなる業務でも、事前に必要な調査、学習、研究を行う。
(3)技術士は、業務の履行に必要な場合、適切な力量を有する他の技術士や専門家の助力・
協業を求める。

この項目は、特に変わっていないですね。技術士 は他の一般的な資格と異なり、業務独占資格ではなく、名称独占資格です。よって、名称表示をするときは部門までしっかり書く必要があります。また、事前に学習等を行うとされております(耳が痛い)。そうなんです。技術士の名をかたる以上、お前らしっかり勉強しろよと定められています。技術士は取ってからが大変だという所以です。ここらの意識をしっかり持って、口頭試験に臨みましょう。この項目は、有能性の意味を理解しておけば、問題ないでしょう。

(真実性の確保)
5.技術士は、報告、説明又は発表を、客観的で事実に基づいた情報を用いて行う。
(1)技術士は、雇用者又は依頼者に対して、業務の実施内容・結果を的確に説明する。
(2)技術士は、論文、報告書、発表等で成果を報告する際に、捏造・改ざん・盗用や誇張
した表現等をしない。
(3)技術士は、技術的な問題の議論に際し、専門的な見識の範囲で適切に意見を表明する。

これも、従来通りかな。ここで重要なのは、客観的で事実に基づいた情報を用いるとされています。技術者を名乗る人の中にも、経験上絶対こうだ、こうなることは間違いないと強い言葉で自分の意見を主張する人がいます。技術士は、こういった主観で説明することが禁じられています。自分の意見を通したいのは分かりますが、データに基いた意見とすることが、真実性という訳です。これは、「的確に説明する」との表現にもあるように、コミュニケーション能力の評価にもつながります。質問では、「住民とのコミュニケーションで工夫した点はあるか」との問いになります。この時に、「笑顔を絶やさず、警戒心を解く」などの回答は一般的には間違いではないですが、試験では評価されません。この時の回答は、「客観的なデータを用いて説明します」が正解となる訳です。

(公正かつ誠実な履行)
6.技術士は、公正な分析と判断に基づき、託された業務を誠実に履行する。
(1)技術士は、履行している業務の目的、実施計画、進捗、想定される結果等について、
適宜説明するとともに応分の責任をもつ。
(2)技術士は、業務の履行に当たり、法令はもとより、契約事項、組織内規則を遵守する。
(3)技術士は、業務の履行において予想される利益相反の事態については、回避に努める
とともに、関係者にその情報を開示、説明する。

これも特に変わっていないです。試験とは、あまり関係ないかもしれませんが、個人的には一番恐ろしい項目です。なぜなら、「技術士は、応分の責任をもつ」からです。この応分の責任とは、「雇用者や依頼者に対する責任は監督者である自身が負わなければならない」と解説してあります。報酬をもらっているので、当たり前っちゃあ当たり前ですが、託された業務の責任をしっかり負うことになります。改めて、その重責を再認識させられます。こと建設業にあっては、構造上利益相反が発生しやすいです。業務や組織の環境により多寡はあれど、建設コストが増えれば増えるほど施工者はもうかりますから、設計にあたっては公正な判断が求められます。

(秘密情報の保護)
7.技術士は、業務上知り得た秘密情報を適切に管理し、定められた範囲でのみ使用する。
(1)技術士は、業務上知り得た秘密情報を、漏洩や改ざん等が生じないよう、適切に管理
する。
(2)技術士は、これらの秘密情報を法令及び契約に定められた範囲でのみ使用し、正当な
理由なく開示又は転用しない。

これはもう当然の事柄といえます。むしろ当たり前すぎて、問題にならないくらいです。安全・健康・福利の優先の項目で述べたように、「依頼主から秘密情報として申し出があったが、公にしないと安全上の問題が発生するといった場合どのように対応するか」といった優先順位に関する質問の例に出てくるくらいですかね。秘密は守りましょう。

(法令等の遵守)
8.技術士は、業務に関わる国・地域の法令等を遵守し、文化を尊重する。
(1)技術士は、業務に関わる国・地域の法令や各種基準・規格、及び国際条約や議定書、
国際規格等を遵守する。
(2)技術士は、業務に関わる国・地域の社会慣行、生活様式、宗教等の文化を尊重する。

法治国家ですから、法律を守るのに理由はいりません。あえて気になる点をいうなら、法律の遵守ということで守るのは、法律だけではないという点です。インフラの海外展開が進む中、海外での仕事もありますので国際条約、基準なんかも大切です。さらに、文化を尊重するとの表現もあることから、地域の特殊性などを考慮するなど、多様性を尊重することが求められます。法令とありますが、文化の尊重も包含されていることに注意が必要です。

(相互の尊重)
9.技術士は、業務上の関係者と相互に信頼し、相手の立場を尊重して協力する。
(1)技術士は、共に働く者の安全、健康及び人権を守り、多様性を尊重する。
(2)技術士は、公正かつ自由な競争の維持に努める。
(3)技術士は、他の技術士又は技術者の名誉を傷つけ、業務上の権利を侵害したり、業務
を妨げたりしない。

以前は、相互の協力との表現でした。協力から尊重に変わったわけですが、協力の前提にある他者への尊重といった根幹部分に着目したのですかね。相互の尊重は、いったい何を意図しているのか名称だけでは分かりにくい項目です。前項の文化の尊重のバックグラウンドにある多様性がここでも関係してきます。様々な考えを持つ人を尊重するために、排除したり、差別したりといった行為を自分自身がしないだけでなく、発生しないように周囲にも注意を配る必要があります。また、6番目の項目にもあったように公正な行動により、競争の維持や技術者同士の関係性を築きましょうという他者尊重の理念が示されています。技術士は、品行方正な態度が強く求められています。

(継続研鑽と人材育成)
10.技術士は、専門分野の力量及び技術と社会が接する領域の知識を常に高めるとともに、
人材育成に努める。
(1)技術士は、常に新しい情報に接し、専門分野に係る知識、及び資質能力を向上させる。
(2)技術士は、専門分野以外の領域に対する理解を深め、専門分野の拡張、視野の拡大を
図る。
(3)技術士は、社会に貢献する技術者の育成に努める。

継続研鑽は、以前よりありましたが、人材育成が追加されています。技術士は、その分野の最高峰技術者ですので、技術力を維持する必要があります。昨今の社会、技術、都市環境などは恐ろしいスピードで変化しています。技術士は、アンテナを高くして情報をキャッチしつつ、常に進化が求められる過酷な立場と言えます。さらに、専門分野以外にも目を向けろというのですから、日々勉強ですよね。加えて、人材育成に貢献しなければならないので、体がいくつあっても足りません。ボヤキはこれくらいにして、関連する質問は、「どんな研鑽をしてきたか。」あるいは、「技術士になったらどんな研鑽をするのか」といった具合になります。新しい視点としては、研鑽に変わり育成方法が問われる可能性があります。従来通り、研鑽について問われた場合においても、研鑽に加え育成を絡めた答えを用意しておけば、高得点間違いなしです。

最後に変更点をまとめておきましょう!

  • 公衆の利益の優先 ⇒ 安全・健康・福利の優先
  • 持続可能性の確保 ⇒ 持続可能な社会の実現
  • 品位を保持し、欺瞞的な行為、不当な報酬の授受等、信用を失うような行為をしない。
    ⇒ 品位の向上、信用の保持に努め、専門職にふさわしく行動する。
  • 自分の力量が及ぶ範囲の業務を行い、確信のない業務には携わらない。
    ⇒ 自分や協業者の力量が及ぶ範囲で確信の持てる業務に携わる。
  • 秘密の保持 ⇒ 秘密情報の保護
  • 法規の順守等 ⇒ 法令等の遵守
  • 相互の協力 ⇒ 相互の尊重
    相互に信頼し、相手の立場を尊重して協力するように努める。
    ⇒ 業務上の関係者と相互に信頼し、相手の立場を尊重して協力する。
  • 継続研鑽 ⇒ 継続研鑽と人材育成
    専門技術の力量 ⇒ 専門分野の力量

変更箇所を確認し、対策を忘れずに!!!

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