PR

技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ   予想問題 「働き方改革」

論文添削
PR
PR

添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

PR

GXと双璧をなす「働き方改革」

先日、リアル予想問題の第2弾として「働き方改革」をお届けしたところです(過去の記事はコチラ)。早くも、予想問題に反応いただき、論文を投稿していただきました。GXとこの働き方改革の論文は、みなさん用意しておきましょう。

2/16の国土交通大臣の会見(会見の内容はコチラ)では、物流改革、建設業の人手不足、建設業の女性活躍など働き方改革に関連する質問が相次ぎました。2024年問題を契機とした建設業の人手不足に関する質問においては、「生産性向上に向けた取組とあわせて、処遇改善などの課題に着実に取り組む必要があります」と発言しています。

さらに、大臣は「賃上げの原資となる労務費が適切に確保されるよう、労務費や資材費などの実勢に即した価格での契約締結、資材高騰分を適切に転嫁することによる賃金へのしわ寄せ防止、ダンピング対策などを着実に推進していきたい」と述べています。

このように、生産性向上、処遇改善、適正契約などが注目されますね。これらの取組みを発展的に説明すれば、そのまま解決策になります。記者の関心度や、大臣発言を鑑みれば、やはり「働き方改革」は注目度が高いと確信できます。

骨子の検討

今回の投稿者は、論文とともに事前に作成した骨子も送付いただきました。骨子を作ってから、論文に取り組めば、本番の行動をシミュレートできるのでとても有効だなと感じました。骨子をどれだけしっかり検討できているかが、論文の質に直結します。骨子がしっかりしていれば、構文上の問題があっても、論述に芯が通っているので説得力があり骨太の論文になりやすいです。

技術士 二次試験対策 働き方改革の骨子

骨子を作る場合、審議会や委員会の資料を見ながら作るとよいでしょう。施策や課題になり得る情報が満載です。この中で、文脈がつながりやすいものを選択して、再構築すればOKです。また、全体の流れがおかしくないか、矛盾がないか、説明が重複していないかといったものをチェックします。骨子は、論文全体を俯瞰して見れるので、間違いを発見しやすいといったメリットがあります。

論文と違って、骨子は短時間で作成でき修正も楽ちんです。隙間時間や移動時間でも考えを巡らせることができます。また、この考えるというプロセスは、いつでもどこでもできますし、実力をつける最適な行動だと考えます。

みなさんも、メモでも何でもいいので、論文を書き始める前に必ず骨子を作成しましょう。

論文

今回の論文は、 建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ の予想問題「働き方改革」になります。指摘はありますが、前述の通り骨太の論文ですね。早速、論文をみてみましょう。

問題文

Ⅰ-1 平成31年4月施行の改正労働基準法により、令和6年4月から建設業においても罰則付き時間外労働上限規制の適用がされたところである。さらに、令和元年6月成立の新・担い手3法では、著しく短い工期による請負契約の締結の禁止が規定され、令和2年7月に中央建設業審議会において「工期に関する基準」が作成・勧告されている。このように、時間外労働規制等に適切に対応しつつ、適正な請負代金・工期が確保された請負契約の下で、適切に建設工事が実施される環境づくりが欠かせない。
 また、建設業が持続的に発展していくためには、担い手の処遇改善や働き方改革の取組を推進していくことで、新規入職を促進し、将来の担い手の確保・育成を図っていく必要がある。さらに、働き方改革を推進していくと同時に、物的・人的両側面での生産性の向上を図っていくことは建設業界全体の発展にとって不可欠である。
 他産業と比較しても働きやすく、また、魅力的な勤務環境づくりを果たし、建設業の持続的な発展を実現するため、以下の問いに答えよ。

(1)建設業の働き方改革を推進するに当たり、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

 (2)前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

 (3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

 (4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点を述べよ。

課題

1.多面的な観点と課題
(1)いかに生産性を向上させるか
 従来の建設工事では、紙ベースの図面や各建設プロセスで手作業による管理に依存し、現場管理者の負担が増加している。そのため、ICTの活用等により現場管理者の負担軽減を行うことが求められる。よって、労働環境の観点から生産性の向上が課題である。


① 読点不要。以下同様。

② 解決策を見ますと工事・現場管理に限らずICT技術に関する内容が記載されています。よって、背景は、現場管理に限定するのではなく、2024年問題など引き合いに建設業全般での人手不足、さらには労働環境の厳しさから建設業の魅力低下といった具合に視野を広げた背景を述べる必要があります。

③ ここでは手段を例示せず、問題点(生産性の向上による労働環境の改善に取り組む必要性)のみにとどめた方が良いですね。手段(解決するための行動)は、解決策や課題で述べましょう。

④ 解決策は共通してICT技術の活用なので、もう少し踏み込んで書いても良いと思います。よって、「生産性の観点からICT技術の活用が課題である」の方が、解決策との相性が良いと思います。


(2)いかに、適切な賃金水準を確保するか
 建設業を志す人材を確保するためには、適切な水準による賃金の支払いを行うことが重要である。しかし、短く設定された工期への対応によるしわ寄せや多重下請け構造により、労務費の適正化が反映されづらくなっている。よって、人材面の観点から、適切な賃金水準の確保が課題である。


⑤ ここは少し抽象的ですね。適切な水準とは何なのかが不明です。→「能力に見合った適切な」

⑥ 少々長ったらしいですね。→「賃金の支払いが重要」

⑦ 工期が短いことへの対応が、なぜ労務費の適切性を損なうのか仕組みが良く分かりません。

⑧ 労務費の適正化が反映とはいったいどのような状況なのでしょうか。まず、労務費の適正化が何なのかが分かりません。そのうえで、反映されづらいとあるので、何らかしらの適正化に向けた行動があったけれども、前述の要因によってそれが妨げられていると読めます。いずれにせよ、説明不足です。


(3)いかに、請負契約の透明化を図るか
 総価一式方式による建設工事では、変更設計や資材価格の高騰に対し受注者がリスクを引き受けることになる。また、発注者側では請負代金にどの程度のリスクプレミアムを含んでいるか不透明である。よって、制度面の観点から請負契約の透明化が課題である。


⑨ 受注者がリスクを引き受けること、発注者がリスクプレミアムを知らないことがどんな悪影響になっているのか判然としません。問題点を明確化しましょう(不当なリスク分担と不適当な費用負担により適正な請負価格になっておらず、労働者にしわ寄せがいくという構造を説明しましょう)。

⑩ 働き方の推進が題意であるならば、なぜ請負契約の透明化が働き方改革につながるのか良く分かりません。これは、受注価格を適正化させ、適正な賃金確保を図ることが目的である場合、(2)の課題と重複します。もっと違いを明確にすべきです。(2)は「能力に応じた支払い」を焦点化(このため、下請けの多重構造や工期の問題は触れずに、技能労働者の経験値に応じた対価になっていないことを問題視する)し、(3)は「請負代金の適正化(手段は透明化でOK)」を焦点化した方が良いですね。

解決策

2.最も重要な課題とその理由
 令和6年度以降の改善基準告示に伴う労働力の低下に対し、早急な対策を講じる必要がある。よって、「いかに生産性を向上させるか」を最も重要な課題に選定し、以下に解決策を述べる。

解決策


⑪ 見出し不要。


(1)計画・設計フェーズ
①3D都市モデル
 都市部での建設工事では、住民の安全・安心を確保しつつ円滑に材料搬入を実施することが必要である。そこで、PLATEAUを用いた工事車両の交通シミュレーションにより地域に与える影響を検証する。併せて、ルート上の住宅等の位置関係や建物との距離データから騒音レベルを確かめる。得られた結果を住民説明会等で提示することで住民に安心感を与える。


⑫ 題意の根幹は、働き方改革の推進です。現場管理を楽にするという意味合いが含まれていると思いますが、安心安全を確保と言われてしまうと論点がズレているように見えます。

⑬ 働き方改革の推進(生産性の向上)との関連性が弱いですね。課題を現場管理に限定しない場合、計画検討業務の負担軽減と生産性の向上を説明してはいかがでしょうか。例えば、3D都市モデルで、工法検討、景観設計、土工計画など少ない労力で多様な検討ができるといったメリットを説明することが考えられます。


②BIM/CIM
 高低差や複数の支障物を有する厳しい現場条件の工事では、支保工計画の検討に時間と労力を要する。そこで、UAVによって得られた点群地形データを3Dモデル化し現地形状を再現することで、高低差や施工位置を同時に確認し、検討時間を縮減する


⑭ 何の工事ですか。工事の内容が不明なのに支保工と言われても何で?となってしまいます。
厳しい現場条件の工事=支保工計画の検討を要する はちょっと飛躍しています。説明不足です。

⑮ 効果としては間違いではありませんが、論点は働き方改革の推進(生産性の向上)です。効果は同じ意味ですが生産性の向上につながる効果を表現した方が良いです。例えば、「・・・確認することができる。これにより、精緻な検討を短時間で実施し、計画業務の質・量を共に向上させる。」


(2)施工フェーズ
①i – Construction
 ICT技術による施工管理を行い作業時間の縮減を図る。例えば舗装工事では、事前に地上型レーザースキャナにより測量を行い、取得した点群データを基に3Dモデル化を行う。設計データを路面切削機に入力しTSにより機械位置を追尾する。設定した切断厚さで切削した後、3Dデータから出来形管理を行う。


⑯ 例示は切削オーバーレイですかね。細かい話ですが、舗装工事だと新設や打ち換え様々ありますので、もう少し切削が必要な工種であることを示した方が良いですね。

⑰ 小見出しにi – Constructionとあるので、どこかに説明を加えましょう。例えば、「i – Constructionを導入し、ICT技術による・・・」といった具合に追記しましょう。


②現場臨場
 施工確認や材料確認、立会等において現場臨場を運用する。具体的には、工事現場にいる受注者がカメラ等で撮影した映像と音声を、WEB会議システムを通じて離れた監督員と共有する。これにより、現場までの移動時間や立会の待ち時間を短縮する。


⑲ 現場臨場だと通常の方法と同じです。→「遠隔臨場」※小見出し共


(3)維持管理フェーズ
①ロボットの活用
 インフラ管理の効率化を図るため、ロボットを活用する。例えば長大橋の点検では、ロープアクセスや点検車の活用が一般的だが、対応できる技術者が限られる。そこで、UAVによる空撮とAI画像処理技術によりひび割れや漏水、剥離や鉄筋露出を自動検出・計測する。これにより、近接目視に依存していた点検業務の省力化を図り安全性や経済性を向上させる。


⑳ ②がないですね。この内容は、細かい過ぎる感がありますので、もう少し端的に説明して、これまでの設計・施工で用いたデータを活用した維持管理といった側面も書くとより良いと思います。

㉑ ロボットに該当するものは、このドローンだと思いますが、これまでの解決策でドローンが何度も登場しているので、またかといった感じがあります。ドローン以外のロボットもあった方が良いと思います(災害調査ロボット、ロボット芝刈り機など)。

新たなリスク

3.新たなリスクと対応策
 ICT技術に頼り仕組みを理解せずに現場が完成することで、若手技術者の技術力が低下する恐れがある。対応策として、熟練技術者とのOJT教育や技術検定を実施する。また、ECI方式により社外技術者と意見交換を行うことで、技術力の向上を図る。


㉒ リスクを問われているので、ここは明確に「リスクがある」にしましょう。


4.必要な要件と留意点
 業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で常にこれらを意識するよう留意する。

タイトルとURLをコピーしました