添削LIVE
【 技術士 二次試験対策 】
地域の公共交通リ・デザイン実現会議
先日、公共交通リ・デザイン論文が投稿され完成を迎え、これを解説させていただきました(前回の投稿はコチラ)。この時に、「地域の公共交通リ・デザイン実現会議」を一緒にご案内できればよかったです。ちぐはぐな投稿になってしまい申し訳ないですが、この度、とりまとめが発表されたので紹介します。
同会議は、令和5年9月から議論が重ねられており、全6回の開催をもってとりまとめが行われました。この会議では、今後、地域の移動手段(地域交通)をどう維持・確保し、より利便性・生産性・持続可能性の高い姿へ再構築(リ・デザイン)していくか、その前提となる多様な関係者の連携・協働をどのように創り出し、進化(深化)させていくか、と言った議論が重ねられました。
本とりまとめでは、地域が抱える社会課題は様々であることから、以下の4つの類型に分けて、取組
の方向性を整理しています(国交省のページはコチラ)。
A.主に交通空白地など
○ 公共交通事業者だけでは移動手段を十分に提供することが困難
⇒ 地域の輸送資源の総動員・公的関与の強化
B.主に地方中心都市など
〇 提供されている公共交通と、各分野の送迎輸送との重複による需要の分散がみられ、将来的に公共交通の持続性が課題
⇒ 地域の公共交通の再評価・徹底活用
C.主に大都市など
〇 内外から多くのビジネス客・旅行者が訪問(一部時間帯・エリアでは供給が不足)
⇒ 利便性・快適性に優れたサービス提供を質・量ともに拡充
D.地域間
〇 人口減少等が進む中、広域での社会経済活動の活性化が重要
⇒ 幹線鉄道ネットワークの機能強化等の取組について地域の実情に応じて検討
課題と解決策まで示されているので、様々な解く上で有効なツールになりそうです。そして、その具体的な解決策が、ライドシェアという形になっています。また、既存の取組みをアップデートすることにより、上記の課題を解決に導きます(下図に示されている「取組の実装」が具体策として挙げられ例るので要チェック!←これが技術力になります)。
論文①
本日お届けする論文は、電気電子部門 令和5年度 選択科目Ⅲ 「高齢化社会への対応」チェックバック&完成になります。電気電子部門の高齢化社会への対応はいかなるものなのでしょうか。実は、建設分野のDX化に非常に近い考え方をしています。対応の方向性は、分野に限らず共通していることが、ここでも伺えます。それでは、完成まで一気に見ていきましょう。
問題
課題
1.超高齢化社会へ対応するための課題
1.1高齢者の健康状態のモニタリング
超高齢化社会に伴い高齢者の一人暮らしが増加している。以前は近所づきあいや寄り合いなどが盛んに行われソーシャルキャピタルは高かったが、現代では低下傾向にある。さらに、家族であっても関係性が希薄になってきている。
その結果、高齢者の一人暮らし比率が増加し①、高齢者の安否確認は地域でされなくなってきている②。
そのため、安全面の観点から高齢者を遠隔地から見守り、健康状態をモニタリングすることが課題である。
① 冒頭の高齢者の一人暮らしが増加していると重複しています。不要。
② 家族であってもという部分への対応がないですね、家族を含めると安否確認だと大げさになってしまうので、健康状態としてはどうでしょうか。→「高齢者の健康状態を確認する社会環境が失われつつある。」
1.2医療・介護の充実
超高齢化社会において、医師や介護士といった医療従事者不足が想定される。③都会と地方の医療従事者数の差がさらに拡大すると、地域④では高齢者の社会生活を維持することが困難となる。
そのため、生活の質⑤の観点から通信ネットワークを活用し、地域に隔たりのない医療・介護サービスの提供が課題である。
③ 前段とのつながりを示すため、地方に関する説明を加えましょう。地方の人手不足は、他に比べて深刻だといった具合に説明すると良いでしょう。そうなると、想定ではなく現状として書きたいですね。→「・・・不足が顕在化している。地方において、その傾向は一層顕著である。」
④ →「地方」
⑤ 内容からするに「公平性」ですかね。
1.3電力通信インフラの安定化
我が国では、高齢者を始めとする災害時要援護者が自然災害により被災する事例が多発しており、安全確保が求められる。また、災害時の安全確保⑥のために、救護者の連絡手段確保や避難情報を確実に送受信できる通信環境が必要である。そのため、電力設備・通信施設などのインフラの安定稼働により、電源と通信手段を常時安定的に確保することが必要である⑦。
以上、防災面の観点からインフラを強靱化し電力通信インフラの安定化が課題である。
⑥ 前の文としっかり関係性があるので、「また」という接続詞ではないと思います。→「この安全確保」
⑦ 手段が加わっていますが、前文と主張は同じです。削除、または説明がない電源についてのみ記述すると良いと思います。
解決策
2.最も重要と考える課題と理由
高齢者の生命を守るうえで最も影響力が大きいことから、「医療の充実⑧」を重要な課題に選定し以下に解決策を述べる。
⑧ →「医療・介護の充実」
2.1遠隔医療の充実
医療時、測定した生体情報(体温、 血圧、脈拍等)や患者の映像・音声を遠隔地の医師へ⑨通信ネットワークを通じ都会の医師へ提供する⑩。また、医療措置⑪において、デジタルツイン技術を応用する。具体的には、生体情報をデータとして取り込み、どのような治療が最も有効かデジタル空間でシミュレーションする。これにより、一人ひとりに最適な治療方針を計画し、地方の医師にて措置を行うことが可能である⑫。
その結果、地方在住高齢者の通院負担を軽減することや、質の高い医療を遠隔地でも⑬受けることができる。
⑨ 「遠隔地の医師へ」と「都会の医師へ」といった表現になっています。どちらに情報提供するのか分かりません。
⑩ なぜ提供するのかといった説明がありません。また、都会の医師というより、専門医ではないでしょうか。また、技術力をアピールするための具体的な取り組みの記述が求められます。技術的な→「・・・音声を遠隔地の専門医と共有し高度な診断を行うため、診断機器の高度化、通信ネットワークの強化を図る。例えば、8Kで撮影できる内視鏡など高精細な画像撮影技術の導入や、5Gネットワークなど高速で安定した通信回線の整備を進める。」※技術内容は参考ですので、ご検討を。
⑪ 措置ではなく、方針の検討ではないでしょうか。
⑫ 遠隔医療なので、距離の隔たりを解消することを示唆しましょう。→「・・・治療方針を設備の整った都市部にて検討し、結果を地方の医師に伝達することで医療サービスの質を高める。
⑬ 遠隔地というと基準となる地点があるので、この場合は「どこでも」が良いと思います。
2.2介護の質向上
超高齢化社会に伴い、介護人材の不足や職員の身体的負担が問題となっている⑭。そこで、IoTセンサーを介護現場へ応用し介護の質の向上⑮を図る。例えば、バイタルセンサーにより、要介護者の脈拍・呼吸数を測定し、リアルタイムで健康状態を把握することができる⑯。
これにより、患者の生活・身体データを⑰ケアプランへ活用し介護の質を向上することができる⑱。また、⑲リアルタイム監視による訪室回数の減少から、介護士の身体的負担を軽減し介護業務の効率化に貢献できる⑳。
⑭ 問題点は背景で述べるべきですし、背景ですでに述べています。削除。
⑮ 人材不足の解決策なら、生産性の向上ではありませんか。
⑯ 解決策なので、やることとして書きましょう。→「把握する」
⑰ 状況把握からデータ活用に話題が変わるので(前述の「把握する)といった行動が原因になっていない)、「また」を用いると良いでしょう。さらに、センサーからデータを蓄積するといったプロセスを書くことにより、説得性が増すと思います。→「また、センサーから取得した患者のデータを蓄積し、・・・」
⑱ 介護の質を向上させることは、共通した目的なので不要だと思います。また、やることを書きましょう。また、ここも技術力アピールが不足気味です。→「AI技術を用いてケアプランを作成する。」※技術内容は参考ですので、ご検討を。
⑲ 「また」は使用してしまったので、「さらに」に変更すると良いでしょう。
⑳ ⑮で生産性の向を述べてしまったので、不要です。波及効果を述べるのであれば、生産性の向上と介護の質の向上が同時に達成可能であり、相乗効果が期待できるといったように本来意図しない特徴的な効果を述べると良いでしょう。
2.3地方都市への5G網普及
医療の充実㉑のためには、大容量・高速・多数同時接続が可能な通信環境が必要である。このため、通信環境が脆弱である地方都市に5G網を普及するための整備を進める㉒。
また、5G網強靭化㉓のため、通信線の複数ルート化、予備バッテリーの設置等の対策や停波後に備えた隣接通信局によるカバーや移動基地局車、可搬型発電機の配備等も同時に進める㉔。そして、5Gが繋がりにくい地域はローカル5Gにより常時通信接続可能とする。
その結果、地域においても強靭な5G網の構築により安定した通信環境を提供できる㉕。
㉑ →「医療・介護の充実」
㉒ 冗長的です。→「5G網を整備する」
㉓ 強靭化というと防災対策に見えます。通信に依存した医療が普及すると、瞬断であっても人命にかかわるため、通信の安定化といった論調にしてはいかがでしょうか。
㉔ ちょっと総花的に見えますので、効果別に書くなど整理と補足的な説明を加えると技術力アピールにつながると思います。
㉕ これは当然の帰結なので不要だと思います。
リスク
3.新たに生じうるリスクとそれへの対策
3.1 新たに生じうるリスク
解決策実行に伴う通信ネットワーク化により㉖、サイバー攻撃によりサーバーダウンし通信を活用した医療を維持できないリスクがある。
㉖ 本質的なリスクは「解決策の実行により通信根通ワークに依存した体制となるため、」ではないでしょうか。
3.2上記への対策
基幹システムにおけるDMZ領域の保護や、内部サーバーと外部サーバーとの間にデータダイオードを配置し外部からの侵入を完全にシャットアウトする。以上
論文② 完成
1.超高齢化社会へ対応するための課題
1.1高齢者の健康状態のモニタリング
超高齢化社会に伴い高齢者の一人暮らしが増加している。以前は近所づきあいや寄り合いなどが盛んに行われソーシャルキャピタルは高かったが、現代では低下傾向にある。さらに、家族であっても関係性が希薄になってきている。
その結果、高齢者の健康状態を確認する社会環境が失われつつある。
そのため、安全面の観点から高齢者を遠隔地から見守り、健康状態をモニタリングすることが課題である。
1.2医療・介護の充実
超高齢化社会において、医師や介護士といった医療従事者不足が顕在化している。地方において、その傾向は一層顕著である。都会と地方の医療従事者数の差がさらに拡大すると、地方では高齢者の社会生活を維持することが困難となる。
そのため、公平性の観点から通信ネットワークを活用し、地域に隔たりのない医療・介護サービスの提供が課題である。
1.3電力通信インフラの機能維持
我が国では、高齢者を始めとする災害時要援護者が自然災害により被災する事例が多発しており、安全確保が求められる。この安全確保のために、救護者の連絡手段確保や避難情報を確実に送受信できる通信インフラが必要である。また、災害時に通信設備へ電源供給するためには電力設備インフラの安定も必要である。
以上、防災面の観点からインフラを強靱化し電力通信インフラの機能維持が課題である。
2.最も重要と考える課題と理由
高齢者の生命を守るうえで最も影響力が大きい「医療・介護の充実」を重要課題に選定し解決策を述べる。
2.1遠隔医療の充実
地方において高度な治療を行うため、測定した生体情報(血圧等)や患者の映像・音声を遠隔地の専門医と共有するとともに、診断機器の高度化、通信ネットワーク強化を図る。例えば、8Kで撮影できる内視鏡など高精細な画像撮影技術の導入や、5Gネットワークなど高速で安定した通信回線の整備を進める。これにより、専門医の操作に従い、正確かつ細かい動きで施術を行う手術支援ロボットを使った遠隔手術を実施する。
また、医療方針の検討において、デジタルツイン技術を応用する。具体的には、生体情報をデータとして取り込み、どのような治療が最も有効かデジタル空間でシミュレーションする。これにより、各人に最適な治療方針を設備の整った都市部で検討し、結果を地方医師と共有することで医療サービスの質を高める。
その結果、地方在住高齢者の通院負担を軽減することや、質の高い医療をどこでも受けることができる。
2.2介護の生産性向上
IoTセンサーを介護現場へ応用し生産性向上を図る。例えば、バイタルセンサーにより、要介護者の脈拍・呼吸数を測定し、リアルタイムで健康状態を把握する。
また、センサーから取得した患者のデータを蓄積し、AI技術を用いて各人に最適なケアプランを作成する。
さらに、リアルタイム監視によって訪室回数の減少、きめ細かい監視が可能となり、介護の生産性と質を同時高めるとともに、今後の相乗効果も期待できる。
2.3地方都市への5G網普及
医療・介護の充実のためには、大容量・高速・多数同時接続が可能な通信環境が必要である。このため、通信環境が脆弱である地方都市に5G網を整備する。
また、通信安定化のため通信線複数ルート敷設や、通信設備への電力供給に予備バッテリーを配備し停電時の通信機能を維持する。そして、5Gが接続困難な地域はローカル5Gにより通信環境を構築する。
3.新たに生じうるリスクとそれへの対策
3.1 新たに生じうるリスク
解決策の実行により通信ネットワークに依存した体制となるため、サイバー攻撃によりサーバーがダウンした場合、医療を維持できないリスクがある。
3.2上記への対策
基幹システムにおけるDMZ領域の保護や、内部サーバーと外部サーバーとの間にデータダイオードを配置し外部からの侵入を完全にシャットアウトする。以上