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技術士 二次試験対策 建設部門 制度改正対策 旧制度 選択科目Ⅲ 立地適正化計画

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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『立適+(プラス)』

今回お届けする添削LIVEは、旧制度の地方及び都市計画で出題された選択科目Ⅲになります。旧制度の特集は、前回同様なのですが今回は選択科目Ⅲということで文章能力が問われる論文です。択一式に変わっても、文章作成能力は選択科目で問われるので、しっかりと練習する必要があります。

旧制度の地方及び都市計画の選択科目Ⅲでは、やたらと立地適正化計画に関するテーマが出題されています。このテーマは、今回も注目すべきものであることは言うまでもありません。現状の計画論を語るうえでは、コンパクト・プラス・ネットワークは欠かせませんからね。

そんなコンパクト・プラス・ネットワークの取組をさらに実効的なものとするために、立地適正化計画制度に求められる取組について検討することを目的に、「立地適正化計画の実効性の向上に向けたあり方検討会」が令和5年12月に設置されました。

かねてより、立地適正化計画の新たな動きとして注目していましたが、令和6年10月10日に同検討会にてとりまとめ(案)である「持続可能な都市構造の実現のための『立適+(プラス)』」が公表されました。

同とりまとめには、取組の裾野拡大に向けた方策の検討や、市町村による適切な計画の見直しを推進する『まちづくりの健康診断』が示されています。後者のまちづくり健康診断は、以下の流れによって国が方策を案内してくれるようです。なんとも手厚い面白い取り組みです。

<まちづくりの健康診断の流れ>
1.国から評価用レポートを市町村に提供
2. 市町村はデータを見ながら施策取組状況、チェック指標を記入→国へ提出
3.国はレポートをもとに、見直し方策を市町村に紹介
4.市町村は適切に計画を見直し

技術士 二次試験対策 まちづくりの健康診断

これまでにこのような仕組みはなかったのではないでしょうか。新たな取り組みに注目です。また、こんなにも注力しているということは、この新たなトレンドは試験のテーマとしてもふさわしいと思います。とりまとは、18ページと短くまとめられており、簡単に読めますのでご一読を!

論文

問題(H29):人口減少と⾼齢化の進む地⽅都市において、コンパクトなまちづくりを進めるため、立地適正化計画を策定することになった。
 当該地⽅都市は、鉄道・バス等の公共交通は整備されているものの、⾞への依存度が⾼く、また、近年合併したことから、類似・重複した公共施設を多く保有している。あなたが担当責任者として計画策定を⾏うに当たり、以下の問いに答えよ。
(1)当該地⽅都市の現状から想定される課題を述べた上で、計画における⽬指すべき将来都市像を述べよ。
(2)(1)で述べた課題を解決し将来都市像を実現する上で、計画において設定することが適当と考える定量的な⽬標(具体的な数値は不要。)を2つ挙げ、これらを実現するために必要と考えられる⽅策を述べよ。
(3)(2)で述べた⽅策を実施する上で、想定される負の側⾯と対応⽅策を述べよ。


1 想定される課題
(1)公共施設の集約再編
 当該都市は、合併により類似・重複した公共施設を多く保有している。そのため、公共施設の老朽化等に伴う維持管理・更新費の増大が問題である。
 よって公共施設の集約再編の見直し維持管理コストの適正化が課題である。


① 些末な話ですが、接続詞の後ろには読点をつけましょう(癖になっているので注意して書くと良いと思います)。

② 問題文から推察するに集約再編は進められていないと考えますので、ここは見直しではなく単純に集約再編で良いと思います。

③ 適正化というと正しい形に改めることになりますので、増大が問題と述べているのコストの削減で良いのではないでしょうか。また、集約再編とコストの適正化が並列で述べられていますが、集約再編はコスト削減の一つの手段ではないでしょうか。これらを踏まえると「よって、維持管理コストを削減するために、公共施設の集約再編が課題である」としてはいかがでしょうか。


(2)公共交通の再編
 当該都市は、合併後の拠点の役割と公共交通ネットワークの整合図られていない
 また、当該都市における公共交通利用者数は、減少傾向であり、不採算路線からの撤退など公共交通空白地域の拡大が懸念される。
 さらに公共交通事業者への補助金支出は、年々増加傾向にあり、今後、厳しい財政状況に伴う補助金の減額等がある場合サービス水準の低下や路線廃止なども懸念される。
 よって公共交通の再編と居住誘導の連携等によるサービス維持と利便性向上が課題である。


④ 理由が書いていないので、なぜ整合性が図られていないと考えたのか分かりません。また、拠点の役割とは何かも良く分かりません。説明不足です。

⑤ どうして減少傾向と断定できるのですか。

⑥ 問題文からは、補助している事実も不明ですし、年々増加傾向であることも読み取れません。

⑦ 誰が補助金を支出しているのか、誰の財政状況を述べているのか明確にしましょう。いずれにしても、想定(補助金の有無)のさらに仮定(減額されること)といった状況下で、懸念事項を述べても説得力に欠けます。

⑧ 路線廃止もサービス水準の低下の一つではないでしょうか。並列で表現されていることに違和感があります。

⑨ サービスの維持と利便性の向上が課題とありますが、前述の背景では利便性の向上の必要性が説明されていないと思います。さらに、課題解決の手段として、公共交通の再編と居住誘導の連携とありますが、これも前段で説明がなくなぜこの手段なのか理解できません。文脈が通っておらず、課題設定が唐突に見えます。


(3) 市民の交通行動の動向
 当該都市における自動車の分担率は大きい一方、徒歩、公共交通の分担率は減少している
 特に徒歩分担率減少が顕著であるため、今後増加する高齢者等に着目した公共交通の利便性向上が課題である。


⑩ これも同じですね。なぜ、「徒歩、公共交通の分担率は減少している」と断定できるのですか。問題文には書いていません。また、技術士の論文なので、「交通手段分担率」と正確に書くと良いと思います(省略したい場合は、カッコ書きを用いて(以下「分担率」という)とした方が良いです)。

⑪ これも問題には書いてありません。

⑫ 脈絡が無さ過ぎます。いきなり高齢者の話になっていますし、徒歩が減るとなぜ公共交通の利便性向上が必要なのかも分かりません。関係性が分かるように前述で説明しないと支離滅裂な文章に見えます。


2 目指すべき将来都市像
 以上の課題を踏まえ、当該都市の目指すべき将来像として、拠点に公共施設の集約・再編を図り、都市機能を集約するとともに、各拠点間のネットワーク化を図る。とする。


⑬ これらは課題解決を図るためのタスクに見えます。書くべきは、将来都市像(将来のまちの姿)です。また、目指すべきとあるので、文末は「・・・目指す」とした方が的確な解答になると思います。


3 定量的な目標と実現するための必要な方策
(1)定量的な目標 公共施設の延床面積の縮減
上記を実現するための必要な方策
 公共施設等総合管理計画を策定する。更に同上計画を作成時に、立地適正化計画との連携を明記し、更なる公共施設の集約を促進し、拠点への類似・重複した公共施設の集約・再編を図る
 公共施設の多機能化を実施し、不要な公共施設をニーズが高い介護施設等に転用することや、またPPP/PFIを導入し、公共施設の整備・運営の効率化を図り、行政が関与すべき床面積の削減を行う


⑭ 不要。(以下同様)

⑮ 総合管理計画を策定することは、自治体の行動としては正しいのですが、問題には立地訂正化計画を策定するに当たってとあるので題意に即しているのか疑義があります。

⑯ 連携とはどのような行動なのでしょうか。また、「・・・明記し、・・・促進し・・・」と「し」が連続していますので、並列として表現しているのですか。明記は手段で促進は求める効果の関係に見えます。さらに、文末は集約再編を図るとあるので、重複しているようにも見えます。

⑰ 一文が長すぎます。行動の目的が異なるものが以下の通りない交ぜになっています。また、方策の目的が公共床の削減になっていないものが散見されます。
一つ目は「公共施設を多機能化し、統廃合を進める」
二つ目は「不要な公共施設をニーズが高い施設に転用する」
※これは介護施設が公共施設ならば公共床の削減になっていません。
三つめは「PPP/PFIを公共施設の整備・運営の効率化を図る」
※これは公共床の削減になっていません(公的負担の軽減ですね)。


(2)定量的な目標 公共交通利用者数の増加
上記を実現するための必要な方策
 公共交通沿線を対象に立地適正化計画の居住誘導区域を設定する。居住の誘導をはかることで公共交通利用者の増加を図る。
 車への依存度を抑制し、車から公共交通へ乗り継ぎの改善を図るためパーク&ライドを導入する
 地域公共交通網形成計画の検討し、既存公共交通の再編の他、デマンドタクシーや乗り合いタクシーなど高齢者に配慮した交通手段を導入する。
 拠点エリアにおける巡回型の公共交通ネットワークの形成し、コミュニティバスによるフィーダー(支線)輸送や乗り換え拠点の整備を行う


⑱ 沿線ではなく駅やバス停ではありませんか。また、沿線(駅・バス停)を対象とするのではなくなく駅やバス停を中心とした周辺エリアではありませんか。適切な表現を心掛けましょう。

⑲ 「図る(要漢字)」が連続するのでシンプルに「居住を誘導することで」としてはいかがでしょうか。

⑳ 抑制は目的であって手段ではないと思います。また、乗り継ぎの改善というより、公共交通への乗り換えの促進ではありませんか。

㉑ 現在は「地域公共交通計画」です。「の」→「を」

㉒ デマンドタクシーや乗り合いタクシーがなぜ高齢者に配慮した交通手段なのか説明しましょう。

㉓ 拠点エリアとはどこを指しているのか分かりません。

㉔ 「拠点エリアにおける」というとエリア内の交通機関なのでしょうか。そうなるとネットワークという表現に違和感があります。ネットワークを表現したいのであれば、「拠点を結ぶ」になりませんか。

㉕ フィーダー交通をなぜコミュニティバスとしたのでしょうか。説明不足で意図が理解できません。

㉖ 文章の構成がおかしいです。「ネットワークを形成し(方法)、・・・整備を行う(結果)」になっています。別々のことを言いたいのであれば、「・・・形成するとともに、・・・整備を行う」または、文を一回切りましょう。


4 想定される負の側⾯と対応⽅策
3-(1)で想定される負の側面
 廃止統合を受ける施設利用者からの反発が想定される。具体的には小学校など地域の中心となってきた施設の再変に対する住民の反発や公民館の絶対量が減ることによる住民サービスの低下による反発である。


㉗ →「統廃合される施設の利用者」

㉘ 後述にあるサービスの低下は理解できますが、「中心となってきた施設」だけではなぜ反発されるのか分かりません。
→「再編」


上記の対応方策
 計画段階からの十分な説明と住民の参加を得る。現況の課題、将来の負の側面から計画の重要性を共有する。必要に応じ庁内会議の他、住民参加の検討会、ワークショップなど住民が参加する機会を設ける。


㉙ 住民の参加を得るとはどのような方策なのでしょうか。十分な説明で住民の理解を得るですかね?

㉚ 負の側面とは何か分かりません、また、問題にも負の側面とあるので、読み手は混乱します。分かりやすい表現を検討しましょう。

㉛ 庁内会議が抽象的です。自治体の組織内での会議ですか?そうであるなら、なぜ住民参加の機会ではないですね。


3-(2)で想定される負の側面
 公共交通網を軸に居住を誘導することにより、都市郊外部の過疎化が進み、空き家や不管理の土地の増加が懸念される。


㉜ 「交通網を軸に」とありますが、意図が伝わりづらいです。分かりやすい表現にしましょう。


上記の対応方策

立地適正化計画に跡地管理区域を設定する。所有者自ら跡地を適正に管理することが困難な場合、市町村は、跡地管理区域内で所有者と管理協定を締結し、該土地の管理を行う。

以上

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