添削LIVE
【 技術士 二次試験対策 】
令和6年度 電気設備一式一挙公開
筆記試験の結果がお手元に届き、様々な思いを抱いていると思います。残念ながら不合格であった人は、何が足りなかったのか分析することが重要です。再現論文とその結果は、もはやみなさんの大切な資産と言えます。
この資産を無駄にすることなく、徹底活用しましょう。そのような、心意気を持っている方々から、多くの論文が寄せられています。自分の弱点を知ることは、合格への大きな一歩になることでしょう。ここかぁと納得できる指摘ができるように頑張ります!
本日の添削LIVEは、先日の環境部門一式に引き続き、電気電子部門電気設備一式です。電気電子部門は、とにかく難しい印象があります。言い回しも独特ですし、条件設定も詳細に指定されており裁量の幅が小さいため、がっちり題意をつかむ必要があります。
まさに、細い橋を渡るような心地がします。一歩間違えると、奈落の底に真っ逆さまです。どんな問題にも共通して言えることですが、「問われたことに正確に答える」これを愚直に実践し続けましょう。漢字のミスや「てにをは」などの減点はたかが知れていますが、論点ズレは致命傷です。
電気電子は条件が多い分、論点がズレやすく、難しい問題と言えるのです。口頭試験でも、他の部門は90%を超える合格率の中、電気電子部門は90%切りますからね。分野全体として厳しい採点、問題が課せられるのでしょう。電気電子部門、大変です…
論文
必須科目Ⅰー2 技術の進展と普及
1.本業を発展させるための技術の進展と普及の課題
1.1新技術導入による業務の省人化、効率化
現状、調査・設計など施工前段階において、手作業が多い①。この段階における新技術は導入が②比較的容易であり早期に成果を確認できる③。また、この傾向④は特に資金面において体力の弱い中小企業に多く見られる。
そのため、技術の観点から新技術を積極に取り入れ上記業務の省人化、効率化を図ることが課題⑤である。
① 手作業とは一体何を意味しているのか分からないです。
② 主語と思しきものが連続しています。
③ 成果は確認ではなく、得るものとした方が良いと思います。また、この一文は、読点がなく読みづらいです。→「この段階における新技術は、比較的容易に導入することが可能であり、成果も早期に得ることができる」
④ 傾向が何を指しているのか判然としません。手作業が多いという傾向を指しているのでしょうか。
⑤ 技術の観点から新技術を取り入れでは、観点と課題が重複しているように見えます。また、上記業務も何を指しているのか分かりません(調査・設計ですかね)。さらに、なぜ省人化、効率化なのか脈絡がなく唐突です。これは、背景において問題点が明確になっていないことが原因だと考えます。課題に結び付ける前振り(背景)の記述が求められます。これを順序立てて説明するためには、現状→問題点→必要性→結論といった構成にすると良いと思います。
→「現状、調査・設計などの業務は、効率化できる余地が大きいと考える。これらの業務を効率化する新技術は、比較的容易に導入できる。しかし、効率化を可能にする技術導入は初期投資が必要になることから、長期的に見れば費用削減につながる場合でも、資金面に不安がある中小企業は導入に消極的である。このような中小企業は、効率化が果たせず安定した経営ができないといった負のスパイラルから脱却する必要がある。そのため、コスト面の観点から、早期に投資回収ができる新技術の導入が課題である。」
1.2安全生命への直結業務に応用可能な新技術の確立
安全や生命に直結する業務は成熟した技術が求められる⑥。例えば、特別高圧送電技術や医療技術は高い専門性が必要であり、特別高圧ケーブルの直線接続技術や医療手術のロボット化などの新技術の早期実現は困難である⑦。また、この傾向⑧は大企業における大規模工事や公共性の高い業務において顕著に見られる⑨。そして、当該業務において新技術を導入できれば、業務の効率化を図ることが可能である⑩。
そのため、安全面の観点⑪から技術の確証や試運用を重ね当該業務にも応用可能な新技術確立が課題⑫である。
⑥ 問題文にある「成熟した技術」には、カッコ書きが添えられており、その内容は「枯れた技術」とあります。ここで言っている技術は、熟練技術であり枯れた技術ではないと思います。
⑦ 同じ説明(例示)が繰り返されており、読みづらいです。また、専門性が必要ではなく、前文とのつながりを考えた場合、ここで言いたいのは熟練技術ではありませんか。そうなると、最初の一文とも重複しています。言いたいことは、新技術は未だ熟練技術を代替できないといったことですかね。もっと端的に表現しましょう。
⑧ 傾向が何を指しているのか判然としません。熟練技術が求められることですかね。
⑨ 工事の規模や公共性の高さと熟練技術の必要性が比例関係にあるのか疑義があります。
⑩ 前段で難しいと言っておきながら、導入した場合の成果を強調することに違和感があります。また、最大の問題点は、問題文にあるキーワードに基づいた考えが示されていないように見えます。
⑪ 冒頭に安全業務とありますが、以降は熟練業務の必要性が書かれています。さらに、最終的には効率化といった最初の課題と類似した効果を示しています。もっと、背景で安全性を焦点化しないと安全性の観点と言われても釈然としません。
⑫ 進展と普及に関する課題であることや背景の内容を踏まえると、熟練技術を代替する技術の確立が課題なのではないでしょうか。
1.3成熟技術の技術継承
金型や特殊ネジなどの製作は職人による技術であり、高い技能が要求される成熟技術⑬である。主に、中小企業⑭による当該業務を通じ、大企業へ部品が納入され社会維持や安全が維持されている。
しかし、このような業務において、多額の資金投入による新技術導入により、自動化や効率化を図っても大きな効果は得ることが難しい⑮。
よって、技術継承の観点から成熟技術を後任の若手に漏れなく効率良く伝承することが課題⑯である。
⑬ ⑥と同様。成熟技術はネガティブな意味合いが強く、ここも意味するところは熟練技術ですね。
⑭ また、企業規模に関する記述になっています。技術得失、道筋に関する記述がないことが気になります。「キーワードに基づいて多面的な観点」とあるので、キーワード一つ一つに言及していることが望まれます。
⑮ なぜ効果を得ることは難しいのですか。考えの根拠が理解できません。また、前述とのつながりも良く分からず飛躍しています。
⑯ 承継、伝承の必要性が語られておらず、これも唐突です。このように十分な説明がされておらず、読み手としては主張に共感できません。また、ここでの問題点も熟練技術に関することとなっており、多面的な観点といった面からも問題があります。
※ すべての課題パートは文脈が通っておらず、支離滅裂に見えます。そのため、主張が主観的であるように感じてしまいます。
解決策
2.最も重要と考える課題と理由
本業を発展させるために、最も効果のある⑰「1.1新技術導入による業務の省人化、効率化」を最重要課題とし、以下に解決策を述べる。
⑰ 最も効果のある理由が必要だと思います。これでは、最重要の言い換えに過ぎません。例えば、課題の文中にあったように、「早期に効果が得られるため」でよいのではないでしょうか。
2.1ドローンの導入
高所、狭所における現場調査においてドローンを導入する。人間が高所、狭所において現場調査を実施すると、落下リスクなどが発生する。
そのため、ドローンを遠隔制御し調査することで安全に効率的に調査可能となる⑱。
また、設備異常時においてドローンにより現場確認することで異常原因を早期に発見することが可能である。⑲
⑱ 同じ説明が繰り返されているように見えます。ドローンの有効性や効果をフィーチャーするのではなく(ドローンの説明になっています)、解決策なのですからやることを書きましょう。解決策の構成は、目的→解決策(やること)→具体例といった順で書くと良いと思います。この構成の場合、最も技術力をアピールできるパートは、具体例です。残念ながら、本記述には具体例がなく、一般論を脱していないように感じます。例えば、通信機能を備えたドローンを用いて、リアルタイムで状況把握するIoT技術、不具合判定を自動で行うAI技術、RKT測位といった衛星技術など電気電子技術者としてふさわしい具体例を記述する必要があります。
⑲ 問題には「新しい技術並びに成熟した技術の具体名とともに」とあります。「並びに(問題文のくせに使い方間違ってますね)」とあるので、「AND」を意味します。つまり、新しい技術の具体名だけでなく成熟した技術(枯れた技術)も具体名の記述が必要だと考えます。※以下同様。
2.2 センシンググローブ、スマートグラスの導入
工事施工において⑲、センシング技術や画像処理技術を応用する。例えば、送電高圧ケーブルの直線接続作業においてセンシンググローブを導入する⑳。経験がないと困難な高度な作業においても、ベテランの方の㉑技能やノウハウをアルゴリズムとして取込んだセンシンググローブを着用し作業することで㉒、ベテランの方と同様な仕上がりを目指すことができる㉓。
また、各作業においてスマートグラスを着用することで、手順や作業コツを把握しながら作業することができる㉔。そして、手順抜けを防止できる上、ベテランの方の助言を遠隔から効率よく聞くことができる㉕。
⑲ 課題は、調査・設計など施工前段階の業務ではありませんか。不整合です。
⑳ 課題の2つ目では、「特別高圧ケーブルの直線接続技術・・・などの新技術の早期実現は困難である」と述べています。主張が矛盾しているように感じます。
㉑ →「ベテランの」
㉒ 文の初めに「作業においても」とあります。→「着用することで」
㉓ 解決策なので、やることとして書きましょう。→「高い品質を確保する」
㉔ ㉓同様。→「・・・着用し、手順や作業のコツを把握しながら作業する」
㉕ ㉓同様。→「手順抜けを防止するとともに、遠隔地のベテランから指示・助言等の情報を入手する」
※ この解決策は、具体例が充実しており相対的に良い感じです。
2.3IoTセンサー、AI技術の導入
異常対応業務において、IoTセンサー、AI技術を導入する。温度・圧力などの計測値㉖をIoTセンサー化㉗により多くのデータを自動取得しサーバに保存する㉘。そして、AI処理技術により異常値を検知した際はアラーム発報する㉙。その後の対応は保守員にて実施する㉚。
㉖ 何の計測値ですか。具体的な対象物を例示した方が良いと思います。
㉗ これも具体的な説明が望まれます。どんな計測装置なのか、どのようなシステム(仕組み)なのかをしっかりと説明した方がよいでしょう。
㉘ 多くのデータを取得する目的が分かりません。異常対応業務なのですから、異常値の検出なのではありませんか。常時監視・観測に見えます。いずれにせよ説明不足ということです。
㉙ どのプロセスでAI技術が活用されているのですか。異常値検知→アラームというプロセスなら、AIは必要ないように見えます。
㉚ 蛇足です。不要。
リスク
3.懸念事項と対策
3.1懸念事項
解決策実行にあたりいずれも多くのデータを扱う。データ欠損していると解析精度が下がる㉛。
㉛ 欠損していた場合の減少を述べているだけであり、解決策を講じて生じる懸念事項を示していないですね。文末は、「・・・懸念される」、「・・・が懸念事項である」といった具合に問われていることに対して的確に解答しましょう。また、表現をただした場合であっても、データ欠損のリスクは、解決策によって生じるリスクではなく、そもそも存在しているリスクではないでしょうか。
3.2対策
通信線のシールド化やフィルタを用いることでノイズ対策を実施しデータ欠損対策を行う。
要件・留意点
4.必要な要件
技術者倫理の観点からは、公共の安全を最優先し、法令(電気事業法、電気設備技術基準、内線規程等)遵守することが要件である。
社会の持続可能性の観点からは、各種機器納入において㉜3RやLCCに配慮した設計とする。
また、各業務において常にこれらを念頭に置き、業務を進める。 以上
㉜ 解決策は、調査・設計フェーズですので機器納入場面はありません。
選択科目Ⅱー1-1 絶縁特性
1.絶縁特性試験の目的
絶縁特性の劣化により、①電気機器自体の故障②電気機器の故障による上位電源系統への波及事故③電気機器の故障による火災④絶縁抵抗が低下している電気機器に触れ人が感電するといったリスクが生じる①。そのため、上記リスクを生じさせないことが目的である。
具体的には、法令(電気事業法、電気設備技術基準等)に則った工事を実施し、定期的な保守により法令で定められた絶縁抵抗値確保を確認する②。
① 問題には、「電気機器並びに電気工作物」とあります。記載のリスクは、電気機器に限られており、工作物についての記載がありません。
② これは、目的ではないので不要です。
2.絶縁特性試験法
2.1誘電正接(tanδ)法
電気機器並びに電気工作物に高電圧を印加し、その際に流れる電流を計測する。そして、電圧と電流の位相差から誘電正接(tanδ)を計算し絶縁特性を確認する。③
③ 問題は、概要を説明とありますので、誘電正接法がどのような方法なのかを説明する表現が望まれます。この表現では、行動になってしまっています。例えば、「誘電正接試験は、絶縁物に交流電圧を印加して誘電正接(tanδ)を測定し、その数値から絶縁物の吸湿・ボイド(空隙)・汚損などの絶縁劣化の程度を判定するための試験である。」といった具合です。スペースがあれば、判定方法もあると良いと思います。
2.2部分放電法
多くの電気機器並びに電気工作物に適用できる試験方法である④。対象機器に高電圧を印加し、その際に部分放電が生じれば絶縁劣化が進行していることを確認できる⑤。
④ 適用範囲を説明する前に、部分放電試験の内容を説明しましょう。
⑤ 前項もそうなのですが、やり方だけでなく試験の仕組みも必要ではないでしょうか。例えば、「電気機器の絶縁体中に微小な空隙状欠陥などがあると,その部分に電界が集中し,部分放電が発生する。部分放電測定は、この部分放電に伴う微弱なパルス信号を測定することにより,絶縁欠陥を把握するものである。」といった仕組みの記載が概要には必要ではないでしょうか。
2.3絶縁抵抗測定
電気機器並びに電気工作物の絶縁抵抗を直接計測する⑥。例えば、高圧ケーブルでは活線中の診断をオンラインで実施するオンライン活線診断や、停電中に実施する精密点検がある。 以上
⑥ さすがに説明不足だと思います。情報としては、直接計測しか述べられていません。これまでの指摘同様、仕組みや方法を述べるべきです。
選択科目Ⅱー2ー2 データセンターの計画
データセンターの計画を進めるに当たり以下を述べる。①
1.調査、検討すべき事項
1.1データセンターに設置する設備の把握
データセンター稼働において電源供給は必須である。そして、電源供給方法や機器レイアウトを検討するため、データセンターに設置する設備の調査、検討を行う②。
また、各機器においてオンプレミス設備とすべきかクラウド設備とすべきか検討することも、設備数把握に繋がる。
① 不要。
② 具体性に欠け、設備の何を調査・検討するのか分かりません。調査目的しか述べられていないように見えます。この目的を達成するために取るべき行動としての調査・検討内容を具体的に述べましょう。
1.2電力供給方法の検討
上記により、各機器数や負荷容量を把握した上で電力供給方法を検討する。
電源引込みにおいては、既存ビル内③において電気室が存在する場合は、当該電気室から電源取得する。既存電気室が無い場合は電力会社から直接受電する方法を検討する。
③ 問題に前提条件が無いので、なんとも言えないですが、データセンター計画は場所が特定されていません。限定された条件での説明で良いのか疑義があります。また、調査検討項目が電力供給のみになっており、不足を感じます。電力以外にも、冷却の要件、ネットワーク接続、冗長性レベル、セキュリティ対策など調査・検討すべき事項はあるように思います。
2.業務を進める手順と項目ごとに留意、工夫する点
「調査、設計、工事施工、試運転」の手順で業務を進める。④
2.1.調査
データセンターに導入する機器は弱電機器が多い。弱電機器と高圧設備が近接しているとノイズを受けるリスクが生じる、そのため、弱電機器や通信線ルートの近傍に高圧設備が有るか確認することが重要である。有る場合は、シールドやフィルタを施すことで対策を実施する。⑤
④ 手順は、項目と内容を見れば分かるので不要。
⑤ これは、すべて留意点ですかね。留意点であるならば、問われていることに的確に解答するため、文末は「留意する」とした方が良いでしょう。さらに、留意点のみでなく、行動も書きましょう。ここでは、調査となっているので何の調査をするのか書きましょう。調査内容が、前項の内容のみであるなら「前述の調査を実施する」と一言書けばOKです。
2.2設計
データセンター構築に当たり、光ケーブル敷設は必須である。この光ケーブルにおいて、メタリック光ケーブルを敷設すると誘導雷に起因する雷害リスクが高まる。そのため、ノンメタリック光ケーブルの敷設やSPD設置により雷害対策を実施する。⑥
⑥ ④、⑤と同様。
2.3工事施工
機器設置において耐震対策を実施する必要がある。具体的には機器への防振ゴム取付けや、アンカーボルトによる固定により耐震強度を確保する⑦。
⑧ すべて一般論に見えます。 電源バックアップシステム、ネットワーク接続、災害復旧手順などチェックする項目など具体に示すべきと考えます。
⑨ このタイミングで行うことは当たり前です。不要。また、関係者も誰なのか良く分かりません。
3.関係者との調整方策
打合せを密に実施し、目的、効果、後期などを説明し、利害一致のもと工事を進める⑩。また、バックグランドが異なる方との協議において、図面や写真を多用した資料を用いて実施する⑪。 以上
⑩ 関係者が誰なのか分かりません。
⑪ これも対象者が抽象的ですね。また、なぜ、図面や写真を多用するのか意図を書くべきです。
選択科目Ⅲー1 工場の受変電設備の計画
1.新規大規模工場の受変電設備を計画する上での課題
1.1系統電源と再エネを総合的に勘案した計画策定
データセンター稼働において、電力供給は必須である①。また、昨今のカーボンニュートラルや脱炭素化の流れから再生可能エネルギー(以降再エネ)も電源計画に盛り込むことが重要である②。
そのため、再エネの観点から系統電源と再エネを総合的に勘案した計画策定が課題③である。
① 問われている施設は、大規模工場です。なぜデータセンターの話をするのでしょうか。また、電力供給が必要であることを説明する必要があるのでしょうか(当たり前すぎます)。
② 問題は、電源計画ではなく、受変電設備を計画する上での課題です。題意から外れているように感じます。
③ 「再エネの観点から再エネを勘案した」では重複表現になっています。また、再エネを導入するために受変電設備の何が課題と考えているのか分かりません。
1.2LCCに配慮した計画策定
新規大規模工場の構築のため、地球の限りあるエネルギーや資源を活用し機器類を導入する。そのため、環境負荷が小さく④、長寿命化を期待できる機器⑤を選定することが重要である。また、機器更新において部分更新可能な機器を導入し使用継続可能とすることで、総合的な維持管理費を削減できる⑥。
よって、設備導入の観点⑦からLCCに配慮した計画⑦策定が課題である。
④ ここで言っている環境負荷が小さいとは、機器の製造過程の話をしているのでしょうか。それもとも、高効率や省エネ機器などを際しているのでしょうか。説明不足で何が言いたいことなのか分かりません。
⑤ 長寿命化とは、メンテナンスなどをしっかり行い長く使えるようにすることです。長寿命化が期待できるかどうかは、適切なメンテナンスによるのではありませんか。
⑥ 題意は、地球環境や自然環境に配慮した計画をするにあたっての課題です。維持管理費を削減することではありません。論点がズレています。
⑦ 受変電設備についての課題であるにもかかわらず、設備の観点としてはすべてに当てはまってしまいます。観点は、課題を絞り込むためのジャンルみたいなのものですから、これでは絞り込めていません。
⑧ LCA(ライフサイクルアセスメント)であれば理解できますが、LCCでは⑥と同様に題意を外しているように感じます。
1.3更新を見据えた計画策定
当該工事の約数十年後には、既存機器の更新時期を迎える。当該更新において、取替スペースの確保や取替工法を、新規設備導入の段階で検討しておくことが次回更新のスムーズ化に寄与できる⑨。
そのため、設備更新の観点から将来を見据えた計画策定が課題⑩である。
⑨ 題意は、地球環境や自然環境に配慮した計画をするにあたっての課題です。スムーズな更新は、題意にマッチしていないと思います。
⑩ 「将来を見据える」では抽象的過ぎてどのような行動なのか分かりません。また、すべての課題に共通して言えることですが、受変電設備という条件を満たしていないと思います。受変電設備の環境対策としては、例えば省エネルギー、省資源、絶縁材料のリサイクル化、六フッ化硫黄(SF6)の代替ガスと放出量削減等の取組みなど具体性が求められます。
2.最も重要と考える課題
最も地球環境への負荷軽減への効果が大きく、早期に実現可能な⑪「1.1系統電源と再エネを総合的に勘案した計画策定」を最重要課題とし、解決策を以下に述べる。
⑪ 3つの中で効果が大きいかどうかは、判断できないのではありませんか。また、計画すること自体はどれも早期に実現可能です。言いたいことは、「早期に効果が得られるから」ではありませんか。
2.1地域に見合った再エネ導入
「太陽光発電、風力発電、水力発電」などの再エネは地域により適する発電方法が異なる。そのため、当該工場設置の地域において最適な再エネ方法を検討することが重要である⑫。例えば、太陽光発電の導入検討においては公表されているポテンシャルマップを用いて、日射量や日照角度、年間晴天日の把握が可能である。
また、太陽光電池においては一般的なSiに限らず、外壁取り付け可能で曇りの日の弱光でも発電可能なペロブスカイト太陽電池を導入することも視野に入れる。
そのうえ、自社内への再エネ設備設置が困難な場合は、電力会社保有設備により発電された再エネを購入するオフサイトPPAを導入することも検討する。
⑫ 受変電設備はどこへ行ってしまったのですか。問われていることは、受変電設備に関する事項です。論点がズレています。
2.2余剰電力の有効活用
再エネは天候や時間により発電量が左右され、余剰電力となるタイミングが生じる。電力系統においては、電力の需要と供給が常に一致する同時同量制御が大原則である。そのため、余剰電力を有効活用する必要がある⑬。
具体的には、大容量蓄電池(NaS電池、レドックスフロー電池)への蓄電や、水電解装置へ供給による水素保存に活用する。
これにより、非常時は蓄電池や水素利用による燃料電池からのバックアップによるレジリエンス強化を図る。
⑬ 受変電設備はどこへ行ってしまったのですか。問われていることは、受変電設備に関する事項です。論点がズレています。
2.3AIアシスタント機能による系統連系操作
系統電源や再エネ、蓄電池などの分散型エネルギーとの系統連系操作には高い専門技術が要求される。特に、若手社員においては経験が少ないため、難易度の高い業務である。
そこで、過去の系統連系操作データを蓄積しAIにて処理することで、実際の系統連系操作時において最適な操作方法を提示する⑭。このアシスタント機能により、人は系統連系操作を落ち着いて実施することができる。
⑭ 受変電設備はどこへ行ってしまったのですか。問われていることは、受変電設備に関する事項です。論点がズレています。
3.新たに生じうるリスクと対策
3.1リスク
リスクとして、①工場設置の数十年後、騒音や振動により近隣住民からの苦情発生⑮や、②AI判断への過信による系統連携の誤操作⑯が考えられる。
⑮ 解決策を有無に関係なく生じるリスクです。解決策を実行して生じるリスクという条件を満たしていません。
⑯ すべての解決策に共通して発生するものではなく、解決策のうちでも極限られた状況に発生するリスクであり、条件を満たしているのか疑義があります。
3.2対策
①に関し、工場設置前に環境アセスメント⑰を受審し、防振ゴム設置による騒音振動対策⑱などを実施する。
②に関し、AI判断を提示する際は、判断根拠のデータも併せて提示する仕組みとし、AIと人間の判断を組み合わせて系統連系操作を実施⑲する。 以上
⑰ 環境アセスメントとは、大規模開発事業等による環境への影響を事前に調査することによって、予測、評価を行う手続きのことです。ここで意味する内容とは異なっていると思います。
⑱ 将来の振動対策というより、機器の振動を躯体に伝達されないように一般的に行われる措置ではありませんか。
⑲ 信頼性のないAIなら導入すべきでないですし、この手法ではAIのメリットが半減するように感じます。