添削LIVE
【 技術士 二次試験対策 】
いまやるべきこと
みなさん、今、どんな勉強をしていますか。勉強の進捗によって、様々だとは思います。少なくとも、残り1週間は、作った論文を読めーーーーーーです。仕事の休憩時間、通勤時間、あらゆる時間を使って、読みまくります。まとまった時間のある人は、写経(書き写し)を繰り返します。
このプロセスは、何も論文を記憶するということではありません。文章の構成、キーワード、言い回しなどを血肉にするために行います。丸暗記では、応用力が皆無となってしまうとともに、技術士になってもクソの役にも立ちません。
技術士試験で勉強した文章の構成、キーワード、言い回しは、仕事の場面でも大いに役立ちます。これらを試験においても、仕事においても役立てることが重要です。こと試験においては、書き上げたパラグラフを様々な形に再編集すると効率的に問題を解くことができます。
私が試験を受けたときは、集約型の都市構造というアプローチで、災害、メンテナンス、地域活性など様々なテーマに当てはめられるよう常にイメージトレーニングしていました。「これを聞かれたら、こうやって集約型都市構造を用いて説明しよう」といった具合です。
このような必殺技のようなセンテンスを3つ4つ持っていれば、大抵の問題に対応できるようになります。この時に重要になるのが、聞かれていることに対して適切な解答になるよう編集するの能力です。この能力を高めるためには、読みながらこれは他のテーマに当てはめたらどうやって書こうかなと考えを巡らせることです。
さらに、聞かれていることに的確に答えるために最も重要なことは、問題を正しく理解することです。よって、面倒でも書いた論文だけでなく、問題文も読みましょう。問題は、一定の形があるので、どこに問いがあるのか、条件はどこにといったことが脊髄反射で理解できるよう訓練します。
問題の量に不安がある人は、本サイトの完成論文を見ていただき、気に入ったものを読みまくる、あるいは自分の言葉で再編集するなども有効です。今から、自分のスタイルを確立するのは、かなり難しいので、ロールモデルを自分のものにするといった方法が最適です。
まだ、やれることはあります。
最後の最後まで食らいつきましょう。
ここの踏ん張りが分水嶺。
全員で合格しますよ。
「労働力不足×維持管理」 初稿
本日の添削LIVEは、激熱予想問題 「労働力不足×維持管理」 をお届けします(問題はコチラ)。完成まで、連投で一気に紹介していきます。受験仲間が論文は、参考になるセンテンスがたくさんあります。良いところを積極的に取り入れ、最強の論文を作りましょう。研いできたご自身の武器をさらにたたき上げ、切れ味抜群のセンテンスを手に入れましょう。それでは、早速論文を見ていきましょう。
1.多面的な観点からの課題
(1)ICT技術の活用
少子高齢化や生産年齢人口の減少に伴い、建設技能労働者は減少を続けている①。一方、デジタル技術は急速に発展しており、不足する労働力を補う技術として期待されている。よって、生産性の観点から、いかにICT技術を活用するかが課題である。
① 維持管理の視点がありません。技能労働者が不足するとどのような状態になり、何を問題視しているのかを明確にしましょう。また、このような労働力不足といった背景は、問題文に書いてあります。
(2)地域インフラ群再生戦略マネジメントの推進
技術系職員数5名以下の市町村が全体の約半数を占めるなど、地方自治体の維持管理体制は脆弱である。また、維持管理事業は、小規模・分散型であり、受注者の利益向上も難しいため、担い手確保が進まない②。そこで、行政区域や施設の種別を超え、インフラを群として捉え、官民双方のスケールメリットや効率化を図ることが③重要である。よって、仕組み面の観点からいかに「群マネ」を推進するかが課題である。
② 問題発生の仕組みや問題点を明確にしましょう。→「維持管理事業は小規模・分散型であるため、事業者が維持管理業務への参入を避ける傾向があり、人材の確保や技術の継承が進まないことが危惧される」
③ スケールメリットは図るものではありません。→「スケールメリットの確保」
(3)維持管理技術者の育成
生産年齢人口の減少に伴い、建設業界の技術者も減少している④。一方、維持管理業務には、豊かな経験と知識を有する技術者が不可欠である⑤。よって、人材面の観点から、いかに維持管理業務を行う技術者を育成するかが課題である。
④ 説明している対象が少しずつ違ってはいるものの、全ての課題に労働力不足といった背景が書いてあります。問題文に書いてあるとともに、様々な切り口からアプローチしないと多面的であるか疑義が生じます。例えば、このパラグラフでは、技術承継の重要性を前面に打ち出すなどの工夫が必要です(最初の課題はデジタル技術の重要性、2番目はそのままでOK(焦点化されています))。「一方」以降からの書き出しにしてはどうでしょうか。
⑤ 具体的なシーンもあると良いと思います。→「維持管理業務では、構造物の劣化診断や補修計画の策定に高度な技術と経験が不可欠である」
また、構成上このあとに問題点(継承が困難)、必要性(育成が必要)を補記したうえで、結論はもっと踏み込んで、「専門研修の強化や実務経験を積める環境を整備」などを提起してはどうでしょうか。
2.最も重要な課題と解決策
(1)最も重要な課題
生産性の向上は急務であるため⑥「いかにICT技術を活用するか」を最も重要な課題に選定し、以下に解決策を述べる。
⑥ なぜ急務と考えたのかを書く必要があります。
(2)解決策
1)ロボティクス等⑦による点検作業の効率化
点検作業の効率化のため、ドローンを活用した自動点検調査システムを導入する。具体的には、ドローンに搭載したカメラで構造物を撮影する。撮影した写真をAIで分析し、劣化情報を取得、自動で図面化する⑧。点検時の足場設置範囲や点検作業の削減、資料作成の自動化により、生産性を向上させる⑨。
⑦ ドローンにしか言及がないです。→「ドローンによる・・・」
⑧ 点群データではないので、自動化されるのは診断ではありませんか。
⑨ ⑧のとおり、資料が自動作成されるのか疑義があります。また、安全性の向上も図られる点についても言及すると良いでしょう。生産性の向上は観点ですから、改めて書く必要はないでしょう。→「足場設置範囲の縮小や点検作業の省力化が可能となり、安全性を向上させつつ、作業負担を軽減する」
2)3次元設計による意思決定の効率化
設計協議や関係機関協議を効率化するため、3次元モデルによる設計を行う。具体的には、点検時に現況の3次元測量データを取得し、3次元で設計を行う。そのデータをもとに施工計画を策定し、複雑な補修工事の段取りや施工状況を可視化する⑪。地元や関係機関協議への説明に用いることで、ビジュアルな設計協議を行い、協議妥結時間を削減し、生産性を向上させる⑫。
⑩ 協議は、効率化というより円滑化の方がふさわしいと思います。また、具体例をみると、施工まで含んでいます。→「設計協議や関係機関との調整を円滑化するため、3次元モデルを活用して設計・施工を行う」
⑪ やることと効果を分けて書きましょう。→「点検時に取得した現況の3次元測量データを基に設計を行い、施工計画を策定する。この3次元データを用いることで、補修工事の段取りや施工状況を可視化し関係者の理解を促す」
⑫ 地元住民と設計協議を行うですか。また、ビジュアルな設計協議も分かりづらいです。しかも、なぜ妥結なのでしょう。加えて、生産性の向上は⑨と同じ。→「また、地元や関係機関との協議において3Dモデルを活用し、視覚的な説明を行い直感的な理解を促すことで、合意形成の迅速化を図る」
3)Iotによる施工管理の省力化
施工管理の省力化のため⑬、Iot技術を用いた品質管理を導入する⑭。具体的には⑮、舗装工事で舗装厚の計測にレーザースキャナを用いた出来形検査を導入する。舗装の施工前後に、標高をレーザースキャナで読み取り比較することで、舗装厚を計測する。現地の測量業務を削減することで生産性を向上させる⑯。また、従来の点管理から面管理になることで、検査精度が向上し、品質向上の波及効果もある。
⑬ →「施工管理の省力化を図るため」、または「施工管理を省力化するため」
⑭ ドローンと表現統一。tは大文字。→「IoT技術を活用した品質管理システムを導入する」
⑮ 一例にすぎないので、「例えば」ですね。
⑯ 不要。
3.新たに生じるリスクと対策
(1)リスク
ICT技術の活用が進むと、衛生⑰や3次元測量による測量データ、映像取得や解析などデジタルデータの利用が増加する。そのため、ハッキングやサイバー攻撃のリスクが高まるリスクがある⑱。多くのデータに問題が生じた場合、解決に時間と労力が必要となり、生産性が低下する⑲。
⑰ →「衛星測位」
⑱ →「ハッキングやサイバー攻撃の対象となるリスクが生じる」
⑲ サイバー攻撃等の影響を書くなら、これをリスクにすべきでしょう。ただし、生産性が低下するというより、安全性が損なわれるといったことの方が重要であるように思います。
(2)対策
デジタルデータにはVPN接続やファイアウォール、電磁シールドなどの多重防護を実施する⑳。また、BCPにシステム障害項目を追加し、サイバー攻撃への対策を講じる。
⑳ 主語・述語の関係がおかしいです。また、防御ですかね。→「デジタルデータの安全性を確保するため、VPN接続やファイアウォール、電磁シールドなどの多重防御を導入する」
4.必要となる要件と留意点
技術者倫理の観点から必要になる要件は、社会全体における公益を確保することと、安全・健康・福利の優先である。社会持続性の観点から必要になる要件は、環境・経済・社会における負の影響を低減する㉑。また、安全・安心な社会資本ストックを構築し、維持し続ける視点を持つことである。業務遂行の各段階で、常にこれらを意識するように留意する。 以上
㉑ →「低減することである」
「労働力不足×維持管理」 完成
1.多面的な観点からの課題
(1)ICT技術の活用
維持管理業務では、点検・調査・診断・補修の各工程を経るが、直接目視による点検や狭隘部など、依然として人手に依存した作業が多い。一方、デジタル技術は急速に発展しており、不足する労働力を補う技術として期待されている。よって、生産性の観点から、いかにICT技術を活用するかが課題である。
(2)地域インフラ群再生戦略マネジメントの推進
技術系職員数5名以下の市町村が全体の約半数を占めるなど、地方自治体の維持管理体制は脆弱である。また、維持管理事業は小規模・分散型であるため、事業者が維持管理業務への参入を避ける傾向があり、人材の確保や技術の継承が進まないことが危惧される。そこで、行政区域や施設の種別を超え、インフラを群として捉え、官民双方のスケールメリットの確保や効率化を図ることが重要である。よって、仕組み面の観点からいかに「群マネ」を推進するかが課題である。
(3)維持管理技術者の育成
維持管理業務には、構造物の劣化診断や補修計画の策定に高度な技術と経験が不可欠である。しかし、多くはOJTを通じた習得に依存し、熟練技術者の知見が体系化されていないため、技術継承が難しい。そのため、熟練技術者の持つ豊富な技術・技能の可視化・共有を図り、技術力を維持する必要がある。よって、人材面の観点から、いかに維持管理業務を行う技術者を育成するかが課題である。
2.最も重要な課題と解決策
(1)最も重要な課題
ICT技術の活用は、作業の安全性向上にもつながることから、「いかにICT技術を活用するか」を最も重要な課題に選定し、以下に解決策を述べる。
(2)解決策
1)ドローンによる点検作業の効率化
点検作業の効率化と安全性の向上を図るため、ドローンおよびAIを活用した自動点検調査システムを導入する。具体的には、ドローンに搭載したカメラで構造物を撮影する。撮影した写真をAIで分析することで、劣化情報を自動抽出し点検帳票を出力する。足場設置範囲の縮小や点検作業の省力化が可能となり、安全性を向上させつつ、作業負担を軽減する。
2)3次元設計による意思決定の効率化
設計協議や関係機関との調整を円滑化するため、3次元モデルを活用して設計・施工を行う。具体的には、点検時に取得した現況の3次元測量データを基に設計を行い、施工計画を策定する。また、地元や関係機関との協議において、3Dモデルを用いた視覚的な説明を行い直感的な理解を促すことで、合意形成の迅速化を図る。
3)IoTによる施工管理の省力化
施工管理を省力化するため、IoT技術を活用した品質管理システムを導入する。例えば、舗装工事で舗装厚の計測にレーザースキャナを用いた出来形管理を行い、施工前後の標高データを比較することで、舗装厚を計測する。これにより、従来の点的な管理から面的な管理になることで、検査精度が高まるとともに、品質向上といった波及効果もある。
3.新たに生じるリスクと対策
(1)リスク
ICT技術の活用が進むと、衛星測位や3次元測量、映像取得や解析などデジタルデータの利用が増加する。そのため、ハッキングやサイバー攻撃を受けると、情報の改ざんや漏洩等により多大な影響を受ける可能性があり、対応に多くの時間と労力を要するとともに、安全性が損なわれるリスクがある。
(2)対策
デジタルデータの安全性を確保するため、VPN接続やファイアウォール、電磁シールドなどの多重防御を導入する。また、BCPにシステム障害項目を追加し、サイバー攻撃への対策を講じる。
4.必要となる要件と留意点
業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で、常にこれらを意識するように留意する。 以上