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技術士 二次試験対策 「国土交通省南海トラフ巨大地震対策計画」を解説

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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南海トラフ巨大地震対策計画の重要ポイント

年を明けてから、重要な資料がバンバン公表されています。この時期は、試験問題の作成時期とも重なるので、現在発表されている資料は試験問題に直結するものばかりです。ここを理解することが、問題を予想する上でとても重要になります。

今回は、災害関連のトピックとして、「国土交通省南海トラフ巨大地震対策計画」を解説していきます(国の資料はコチラ)。建設部門の技術士に求められるのは、「社会資本の被害を最小化し、応急復旧・本復旧を迅速に進めるための技術的判断」です。


南海トラフ巨大地震は、まさに建設部門の総力が問われる災害であり、計画には建設技術者が担うべき役割が随所に示されています。

① 社会資本の脆弱性と“事前対策”の強化

これは、建設部門の最重要テーマです。計画では、M9クラスの地震により、

  • 道路:最大4.3万箇所の被災
  • 鉄道:最大1.9万箇所の被災
  • 港湾:最大6,000箇所の被災
  • 空港:複数空港で滑走路浸水・閉鎖
  • 河川:多数の河道閉塞・堤防損傷
  • 都市:液状化・地盤沈下の広域発生

といった、社会資本の壊滅的被害が想定されています。建設部門としては、以下の“事前対策”が論文でのキーワードになります。

● 耐震化・液状化対策の加速

  • 重要構造物(橋梁・港湾・空港・上下水道)の耐震補強
  • 造成地・盛土の安定性評価
  • 地盤改良・液状化対策の優先順位付け

● 津波対策施設の強化

  • 海岸堤防の粘り強い構造化
  • 河川津波対策(樋門操作、遡上対策、河口部の耐波性向上)
  • 津波避難ビル・避難路の整備

● 都市インフラの冗長化

  • 代替ルートの確保
  • 重要施設のバックアップ機能
  • 地籍調査の推進(復興の遅れを防ぐ)

建設部門の論文では、「どの施設を優先し、なぜそう判断するのか」を整理しておきましょう。

② 複合災害への対応

建設部門が最も力を発揮する領域です。単発災害対策は、もはやできて当たり前です。これから、問題で問われるのは、まさに、複合対策ではないでしょうか。南海トラフ巨大地震では、以下の複合災害が同時発生します。

  • 津波 × 液状化 × 地盤沈下
  • 地震 × 大雨 × 斜面崩壊
  • 津波 × コンビナート火災 × 海上輸送停止
  • 地震 × 河道閉塞 × 下流域氾濫

建設部門の論文では、「複合災害を因果関係で説明できるか」が評価されます。
例:地震 → 斜面崩壊 → 河道閉塞 → 決壊 → 下流域氾濫 この一連の流れを踏まえ、

  • リモートセンシングによる早期把握
  • 仮排水路の設置
  • 緊急浚渫
    などの対策を提示すると、技術士らしい論述になります。

③ 復旧・復興の戦略性

建設部門が主導する“中長期フェーズ”です。計画では、復旧・復興に向けた建設部門の役割が明確です。

● 迅速な災害査定のための事前準備

  • 被害情報のデジタル化(DiMAPS)
  • 設計照査の簡素化
  • 標準化された応急復旧工法の整備

● 復興まちづくりの推進

  • 高台移転
  • 津波避難施設の再配置
  • インフラの再構築(Build Back Better)

● 地籍調査の推進

復興の遅れの最大要因であるため、論文で触れると高評価。

建設部門の技術士としての“総合判断力”

建設部門の技術士が押さえるべき5つの視点

  1. 社会資本の脆弱性と事前対策の優先順位
  2. 応急復旧の時間軸を踏まえた技術的判断
  3. 複合災害の因果構造を理解した対策
  4. 復旧・復興の戦略性(Build Back Better)
  5. 限られた資源で最適解を導く総合判断力

この5つを軸に論文を構成すれば、建設部門としての専門性と技術士としての視点が明確に伝わります。災害対策は、王道中の王道です。ぜひ、自分なりの考えを整理しておきましょう。また、選択科目に関連するトピックは、特だししておくと良いですよ。つまり、自分の業務なら何ができるのかといった視点で資料を読むのが大切です。

選択科目Ⅲ(河川、砂防及び海岸・海洋) 「複合災害」

本日の添削LIVEは上記のトピックに合わせ、河川、砂防及び海岸・海洋の選択科目Ⅲ「複合災害」をお届けします。問題は大人の都合で載せられませんが、端的に言うと複合災害対策に関する課題と解決策です。このように、重要テーマである災害関連は、必須科目Ⅰと選択科目Ⅲの両方で連取しておきましょう。それでは、早速論文を見ていきましょう。


(1) 複合災害の防災・減災対策
1)先発災害の応急対応
 先発災害に対し、被災した状況を放置したままでは、後発災害で被害が拡大する先般の能登半島豪雨においては、地震後の調査で顕著な切迫性を認識できず、十分な対策が施されなかった河川において被害が甚大化した。よって、後発災害の被害軽減の観点から、先発災害の適切な応急対応が課題である。


① 問題の記述内容とほぼ同じになっています。
② ①は記述の必要性置いておいても、背景ではすべて現状の説明になっています。課題パートにおいては、現状→問題点→必要性→結論の順で説明すると分かりやすくなり結論に説得力がでます。
③ これでは観点というより解決策に見えます。また、後発災害の被害軽減するための防災減災についての課題を聞かれているのですから、それを観点とすることに違和感があります。これは、観点ではなく問題の条件です。


2)後発災害を見据えたハード対策
 先般の能登半島豪雨では、主に土砂や流木の影響で河道閉塞が発生し、氾濫等の甚大な被害に繋がった。これは、砂防堰堤等、土砂や流木の流下に対するハード設備が十分でなかったために発生した。よって、ハード対策の観点から、複合災害を想定した事前の防災設備の整備が課題である。


④ これも問題の記述内容とほぼ同じになっています。
⑤ 十分でないとありますが、これは地震による影響があったからですよね。この表現ですと、砂防堰堤の設計自体に問題があるかのように見えます。
⑥ ハード対策と書いてしまうと観点というより解決策に見えます。また、前述の応急対応もハード対策と言えるのではありませんか。
⑦ 非常に分かりづらい表現です。もっと端的に表現しましょう。→「複合災害を想定した施設整備が課題」※見出しと異なっています。


3)後発災害を見据えたソフト対策
 現在、水災害発生時の被害が甚大となる洪水予報河川と水位周知河川のほぼ全てで浸水想定区域が指定され、それに対応した洪水ハザードマップが作成されている。一方で、その他河川ではハザードマップの作成率は約56%で、更には浸水想定が難しい小さな渓流や沢等が無数に存在する。このような状況に対し、規模の小さい河川や沢等でも、土砂や流木の影響で、氾濫による被害が甚大となる。よって、ソフト対策の観点から、中小河川や沢等における複合災害発生時のリスク評価が課題である。


⑧ 前段の洪水予報河川と水位周知河川という説明は必要なのでしょうか。単純に「浸水想定区域では洪水ハザードマップが作成されている」で意味は伝わりますし、分かりやすい表現になると思います。分かりやすくすることを常に念頭において書きましょう。
⑨ ハザードマップがないことを問題視しているのか、浸水想定が難しい状況を危惧しているのか、どちらなのかよく分かりません。また、これらは複合災害についての危惧なのかもよく分かりません。題意に即した表現、論点の明確化が必要です。
⑩ ⑥と同様。
⑪ 前述には、浸水想定が難しい小さな渓流や沢といった表現があり、難しいと言っておきながら評価するでは矛盾を感じます。文脈を踏まえると、評価を課題とするのではなく、評価手法の確立といった論建てとすべきではないでしょうか。


(2) 最も重要な課題と解決策
 「先発災害の応急対応」が最も重要な課題と考える。なぜなら、複合災害を想定した事前のハード・ソフト対策の整備には時間を要し、その間に発生する複合災害にも対応する必要があるからである。

1)速やかな避難勧告
 一次の応急対応として、短時間で実施可能なリスク周知の体制を確保する。具体的には、警戒基準の引き下げを行う。例えば、土砂災害警戒情報は、雨量が基準値を超過すると予測された時に発表されるが、災害時にはその雨量の基準値を引き下げる。また、河川には水防活動の目安となる基準水位が複数段階で設定されているが、災害時には各基準水位を1段階引き下げた暫定運用を行う


⑫ 削除?
⑬ 分かりづらい表現です。また、見出しの内容とも異なっています。→「複合災害への備えとして、の被害状況を踏まえたリスク情報を整理し、速やかな避難勧告を可能とする体制を構築する。」
⑭ 不要。
⑮ →「災害発生後には」
⑯ これも分かりづらいです。また⑮と同様。→「河川の水防活動の目安となる基準水位は複数段階で設定されているが、災害発生後には各基準水位を1段階引き下げて暫定運用する。」
ただし、これは水防活動の目安であり、避難勧告とは異なります。よって、見出しを変えるか、内容を変えるかする必要があります。


2)全体のリスク把握
 先発災害により、後発災害のリスクが高まっている箇所をスクリーニングすることで、リソースの効果的な配分を行う。具体的には、先発災害発生時に被害の全体像を把握するため、SAR画像の撮影・解析や、災害対策用ヘリコプターにより調査を行う。リスクが疑われる箇所は、更にレーザー測量機を積載したドローン等により、その詳細地形・変状を把握する。これらの調査から判明したリスクが高い箇所に、監視カメラや投下型水位計を設置し、警戒体制を構築する。


⑰ 見出しと内容が異なっています。
⑱ 具体的とありますが、ツールが示されているだけで、どうやって解析するのか、調査とは何をするのかといったことが分かりません。説明不足です。
⑲ どんな箇所なのかも例示すると良いでしょう。
⑳ 「詳細地形・変状を把握」とありますが、変状はどうやって把握するのですか。事前のデータがないと変状は分からないのではありませんか。
㉑ 警戒体制の構築は、前項の解決なのではありませんか。ここは、スクリーニングとリソースの配分なのではありませんか。最初の説明と最後の行動がずれているように見えます。


3)先発災害後の応急対策施設の整備
 前項で抽出したリスクの高い箇所から優先的に、応急対策施設を整備する。例えば、先発災害による土砂や流木の影響で河道閉塞と湛水池が形成されている箇所に対し、仮排水路を整備する。これにより、大雨時にも安全に湛水を流下させ、河道閉塞箇所の決壊を防止する。


㉒ 応急対策施設とは、災害時において緊急的な対応のために利用される施設(駐車場、備蓄倉庫、発電施設、通信設備など)のことです。具体の内容を踏まえると、単なる応急措置ではありませんか。この場合、課題を再度説明しているように見えます。
㉓ 閉塞しているのですから、流下能力を回復させるのは当たり前のように感じます。また、なぜ流木や堆積した土砂の撤去、護岸補強や河床の掘削など様々な方法がある中で仮排水なのでしょうか。また、どうやって仮排水を整備するのかといった説明がなく浅薄です。
㉔ そのために整備をしているわけですから、当然の帰結ではありませんか。


(3) 生じうるリスクと対応策
1)生じうるリスク
 先発災害発生後に、後発災害発生までの限られた時間の中で防災・減災対応をするには、あらゆる関係者が連携を図っていく必要がある。連携がとれず情報の伝達が滞った場合、災害対応が遅れや適切な処置がとれないリスクがある


㉕ 仮定(一定の条件下)におけるリスクになっていることに違和感があります。これは解決策との関係性がなく、もともと存在しているリスクです。最初の課題で書くべきような内容です。


2)リスクへの対応
 災害の発生後に連携体制を構築するのではなく、あらかじめ有事の際の連携体制を構築しておく。例えば、地震発生時の連携先として、災害の全体像が把握可能なSAR画像を活用するためにJAXA、災害前の地形を確認できるように国土地理院、さらには災害対応の助言を得るために学識経験者等が挙げられる。国や地方自治体等の公的機関が主体となり、あらかじめ災害時の協力を要請しておく。 以上


㉖ 解決策を講じてもなお発生する課題なので、解決策実行後に判明するリスクなのではありませんか。そうなると、過去にもどることはできないので、解決策実行後に取れる行動として書くべきだと考えます。

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