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技術士 二次試験対策 建設部門 都市及び地方計画 令和6年度選択科目 Ⅱー2 予想問題 3本立て

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【 技術士 二次試験対策 】

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Ⅱー2の対策

今回投稿いただいたのは、建設部門都市及び地方計画の選択科目Ⅱー2になります。「歴史計画まちづくり」、「市町村の景観計画」、「水害リスクを踏まえたまちづくり」と豪華3本立てでお届けします。建設部門の選択科目Ⅱー2は、業務手順を述べるパターンがほとんどです。普段の業務が出題されれば、楽勝で解答できてしまいます。一方、見慣れない業務となると苦戦するのはⅡー1と同じです。

Ⅱー2は、検討項目→手順→調整方策といった内容を記述します。大抵、計画策定等の手順を聞かれますが、計画策定手順などは現況把握→課題整理→方針・目標→施策といった流れで答えられると考えがちです。ルールのない計画策定、制度活用ならこの一般論でOKです。しかし、問題になるのは、当然ルールのあるケースです…

つまり、法定計画の策定や、法手続きに則った制度活用を問われるということです。例えば、令和5年度に出題されたPark-PFIは、都市公園法に定められた手続きを漏れなく解答しないとNGということになります。これを知っているか否かで勝負は決してしまいます。

一般論の計画策定手順であれば、好きなことを書けてしまいます。採点者が存在する試験だということを踏まえると、論文形式であっても定量的な評価が可能な問題が求められるのです。よって、前述のように一定のルールが存在する計画策定、制度活用を題材にした予想問題を設定することが重要です。

結局、選択科目Ⅱは、知識を問われます。業務に近いⅡー2は何とかなるだろうと舐めていると本番で泣くことになります。準備を怠らず、万全を尽くしましょう。近いうちに、予想問題の検討を始めますので、乞うご期待!

論文

歴史景観まちづくり

問題:市町村における歴史的景観を考慮したまちづくり計画の策定
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。


(1)調査検討すべき事項とその内容
a)歴史資源等の保全状態の確認
 所有者の高齢化や相続に伴い、文化財に指定されていない歴史資源は、喪失する恐れがある。これを防止するため、保全・保護すべき歴史的資源の確認を行う。


① 問われていることは、調査、検討すべき事項です。的確に答えるために、確認ではなく「調査」としましょう。また、状態の確認となっていますが、内容は資源の洗い出しのように見えます。不整合です。

② 確認の目的を喪失防止としていますが、資源の洗い出しを行う目的は歴史的景観を考慮したまちづくりを進めるためではありませんか。

③ 歴史資源と歴史的資源が混在しています。どちらかに統一しましょう。

④ そもそも「歴史的景観を考慮したまちづくり計画」というものに定義がありません。定義がないものを採点することは非常に難しいと考えます(好きなように記述しても間違いと言えないからです)。類似の計画として、「歴史的風致維持向上計画」があります。これは、「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律」に基づき策定される法定計画です。これであれば、策定手順もありますので客観的な採点が可能ということになります。予想問題を策定する際には、このような視点を持って作成した方が良いと思います。


b)歴史的建造物の保全・維持管理の持続的な方策の検討
 歴史的建造物の保全・維持管理に係る手間、費用、担い手が不足しているため、歴史的建造物の保全・維持管理の継続の方策を検討する


⑤ 持続可能な方策という表現は違和感があります。方策の持続性とは一体何を意図しているのか分かりません。持続可能な状態にすべきは、保全や維持管理ではありませんか。→「持続可能な歴史的建造物の保全・維持管理手法の検討」

⑥ 手間が不足しているとの表現はおかしいです。手間はかかっているのではありませんか。分けて書きましょう。→「歴史的建造物の保全・維持管理は手間がかかるにもかかわらず、費用や担い手は不足しているため」

⑦ 継続というより、持続可能な維持管理ではありませんか。さらに、「持続可能な」という観点は、留意点や工夫点にあたる考えだと思います。調査・検討すべき事項なので、「保全・維持管理手法を検討」と端的に解答すれば良いと思います。


c)策定体制の検討
 歴史的景観のまちづくりは、文化財行政とまちづくり行政の連携が必要であるため、庁内に統括する組織を設置する


⑧ 調査・検討になっていません。組織を設置する必要があるのであれば、検討事項ではなく手順で記述すれば良いのではありませんか。


d)関連計画との整合
 歴史的景観を進めるには、景観形成が重要であるため都市計画マスタープランでの位置づけを確認し、整合を図る。また、景観計画・景観条例・屋外広告物条例との確認・整合を図る。


⑨ これも検討・調査になっていません。手順で書きましょう。

⑩ 歴史的景観を進めるとは、どのような行動なのか分かりません。また景観を進めるためには景観形成が重要との表現も、当たり前のように見えます。

⑪ 景観形成が重要だという理由で、なぜ都市マスを確認するのかも腹に落ちてきません。目的と手段がミスマッチです。

⑫ 条例との確認という表現はおかしいです。「確認」は不要。


(2)業務を進める手順
a)現状把握
 歴史的建造物や周辺の建物、屋外広告物などの修景や地権者などの現状を把握する。


⑬ 地権者の把握が計画策定に必要な現状なのでしょうか。また、把握すべき項目を列挙するのではなく、カテゴリーとともに例示した方が良いと思います。例えば、人口・土地利用などの社会環境、地形・気候などの自然環境、歴史・文化などの歴史環境といった具合になります。


b) 方針の決定
 歴史的資源及び周辺市街地の保全・価値用に関する基本方針を検討する。将来像や目標は住⺠が理解しやすいよう定量的な目標とすることに留意する


⑭ 現況把握後に方針を決定するステップは、早計すぎます。後述の課題の把握、関連計画・法令の整理、これらを分析した結果をもって方針が定まるのではないでしょうか。必要ステップが明らかに不足しており、順序もおかしいです。

⑮ 活用?

⑯ 基本方針を踏まえて、将来像や目標を定めることを書いた上で、留意点を書くべきです。


c)問題の抽出
 まちづくりでの位置づけや開発計画などを整理し、景観形成の支障となる課題について抽出する


⑰ 順番がおかしいのは、⑭の通り。見出しは問題、内容は課題になっています。不整合です。

⑱ まちづくりの位置づけが景観形成の支障となるのか疑義があります。


d)対策立案
 歴史的景観の阻害要因を排除するための規制や、美しい街並みを整備するための方針を検討する。建築規制を伴うのでパブリックコメントを実施する。その際、 将来像のイメージCGやイラストを作成し、住⺠の理解促進を図ることのできる、わかりやすい資料となるよう工夫する。


⑲ 計画の目的を達成するための手段が必要であり、阻害要因を排除するだけでは歴史的景観に配慮したまちづくりが推進できるとは思えません。よって、「対策」ではなく「施策」ではないでしょうか。

⑳ 方針は、b)で定めているのではありませんか。ここで検討するべきは施策です。

㉑ 規制が伴うことがどこにも書いていませんので、これが前提となって記述されていることに違和感があります。また、パブコメは施策立案ではないので、別に項目立てが必要です(計画全体に関し意見を求めるのではありませんか)。

㉒ 「住民の理解促進を図る」と「わかりやすい」は同じ意味で用いていませんか。→「・・・作成するなど分かりやすい資料・・・」


(3)関係者との調整方策
a)検討会の設置
 学識者や地域団体など、緑に関する担い手を集めた検討委員会を開催し本計画内容について検討・策定を行う。


㉓ なぜ「緑に関する」なのですか?

㉔ 策定するのは、自治体ではないですか。付属機関としての組織ならば、自治体が諮問し委員会が答申するといった関係になるのではないでしょうか。


b)地元説明会・ヒアリング
 計画早期から地元説明会を開催し合意形成を図る。早期に地域住民へヒアリングを行い、意見を計画に反映する


㉕ →計画の初期段階

㉖ 何の合意形成を図るのですか。

㉗ 前文との違いが良く分かりません。


c)ワークショップ
 住民等との合意形成を図るため、ワークショップ等の開催により、計画の検討及び素案の各段階において住民意向を十分に把握・反映する。    以上


㉘ 何の合意形成だか分かりませんが、合意形成は地元説明会で図るのではないのですか。不整合です。

㉙ b)とc)の違いが分かりません。異なる手段を述べているのですから、得られる効果に違いが無いのであればどちらかで良いのではと思われてしまいます。手段の特徴を説明し、異なる効果を示しましょう。

市町村の景観計画

問題:市町村における景観計画の策定
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。


1 調査検討すべき事項とその内容
(1)景観資源の収集・分析
 地区の建物や工作物の規制誘導を見据えた地区の景観形成に資する景観資源を収集・分析する


① 建物や工作物の規制を見据えるとは、どのような考えなのか抽象的で分かりません。

② どのような分析をするのでしょうか。また、調査・検討事項を書くべきところなので、「景観資源を調査する。」

③ 句点なし。以下散見されます。


(2)景観形成における基本方針の検討
 地区の景観資源の保全や整備に関する方針を基本方針として取りまとめる


④ 「方針を基本方針として取りまとめる」→「基本方針を取りまとめる。」
  また、調査・検討事項を書くべきところなので、「基本方針を検討する。」


(3)実現手法の検討
 景観形成基準の設定や見直しなどによる規制誘導手法、修景補助や環境整備に取り組む街並み環境整備事業などの整備手法等、景観形成の実現に向けた手法を検討する。


⑤ 補助メニューを示すのではなく、もっとアウトフレームを説明した方が良いと思います。例えば、「景観法に基づく制度等の活用の考え方」などが考えられます。


(4)持続的な景観形成方策の検討
 景観形成基準を踏まえた届け出行為について、行為者との事前協議を行う仕組みづくり景観づくりに関して参加した団体などの活動を支援する


⑥ これは前述にある規制誘導手法の検討ではありませんか。

⑦ 表現がおかしいです。→「景観づくりに関連する団体など」

⑧ 調査・検討事項を書くべきところなので、「活動支援策を検討する。」


2 業務を進める手順
(1)現状把握
 地域における歴史的な建築物をはじめとする景観資源や景観木などを把握する。また、景観を阻害する要素、要因が発生するこれを防止するために地区建物や工作物の規制誘導に留意する


⑨ 景観法では、景観計画に定める項目として「景観計画の区域」「良好な景観の形成のための行為 の制限に関する事項」「景観重要建造物又は景観重要樹木の指定の方針」が必須項目として位置づけられています。大前提として、これらの項目がないと景観計画の手順と言えません。

⑩ なぜ発生するかも分かりませんし、状況説明になっています。現状把握という手順を書くのですよ。

⑪ 現状の規制を把握するということですか。それとも、景観形成の留意事項を書いているのですか。前者であるならば表現を修正すべきで、後者であるならば現状把握の留意事項になっていません。


(2)方針の決定 
 景観形成の理念、地区の景観資源の保全や整備に関する方針を景観形成における基本方針として取りまとめる。この時、上位関連計画や各種プロジェクトとの整合や、法規制等に留意する。また、地域の景観に関する課題や住民意向把握するためアンケートやワークショップに工夫する


⑫ 手順がおかしいです。後述の課題整理が先だと思います。現状→課題整理→方針策定の順になります。

⑬ 調査。検討すべき事項と内容が一緒です。同じであるなら、「条件等を踏まえ基本方針を決定する。」で良いと思います。

⑭ 構文がおかしいです。→「アンケートやワークショップなどを実施し、地域の景観に関する課題や住民意向把握するよう工夫する」
また、この工夫点は現状把握または課題整理での工夫点です。


(3)問題の抽出
 景観形成の基本方針達成のために景観形成基準の設定や見直しなどによる規制誘導手法、修景補助や環境整備に取り組む街並み環境整備事業などの整備手法等、景観形成の実現に向けた手法を検討する


⑮ 1の(3)と全く同じです。また、見出しは課題の抽出です。要修正。


(4)対策立案
 景観の阻害要因を排除する規制や、美しい街並みを整備するための方針を検討する。また、建築規制を伴うので住民に対しパブリックコメントを実施する。


⑯ 方針検討は、(2)で行うのではありませんか。ここは、対策を書くところです。

⑰ここは、対策を書くところです。パブコメは、別に項目立てしましょう。


3 関係者との調整方策
(1) 検討会の設置
 学識者や地域団体など、景観に関する検討委員会を開催し本計画内容について検討・策定を行う


⑱ 構文がおかしいです。構成メンバーを列記しているので、後述は組織に関する説明をしましょう。前回も指摘しましたが、策定するのは、自治体ではないですか。付属機関としての組織ならば、自治体が諮問し委員会が答申するといった関係になるのではないでしょうか。


(2) 地元説明会・ヒアリング
 計画早期から地元説明会を開催し合意形成を図る。また早期に地域住民へヒアリングを行い、ヒアリングで出た意見は、計画を見直す際に反映する


⑲ →計画の初期段階

⑳ 何の合意形成を図るのですか。

㉑ 前文との違いが良く分かりません。


(3) ワークショップ
 住民等との合意形成を図るため、ワークショップ等の開催により、計画の検討及び素案の各段階において住民意向を十分に把握・反映する。   以上


㉒ 何の合意形成だか分かりませんが、合意形成は地元説明会で図るのではないのですか。不整合です。

㉓ b)とc)の違いが分かりません。異なる手段を述べているのですから、得られる効果に違いが無いのであればどちらかで良いのではと思われてしまいます。手段の特徴を説明し、異なる効果を示しましょう。

水害リスクを踏まえたまちづくり

問題:山岳部から平野部に至る境界に位置する河岸段丘上の都市における水害リスクを踏まえた防災まちづくりについて
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。


1 調査・検討すべき事項とその内容
(1)地域における水害情報の調査
 現在のハザードマップを把握するともに、過去の水害履歴や地元自治体における地域防災計画を調査する。
(2)地区別の水害リスクの評価
 地域の人口分布、避難場所の分布、密集市街地などの分布を把握し、(1)の情報と重ねあわせ、地域おける水害リスクを評価する。


① 文脈的には評価で良いのですが、問われていることは調査検討事項なので、「評価・検討」としてはいかがでしょうか。


(3)各種計画の調査
 自治体の総合計画、立地適正化計画や都市計画マスタープランを調査し、都市計画における土地利用状況を確認する。
(4)河川の治水対策の整備進捗の調査
 河川改修の整備進捗を調査し、ハザードの位置の変化を把握する。

2 業務を進める手順(留意点、工夫点)
(1)検討及び実施体制の構築
 庁内関係部局や、国、都道府県の関係機関と連携し、計画策定や具体的施策の検討及び実施体制を構築する。  
 自助共助の取り組みが推進するよう、地域のまちづくり組織等との協議の場を設けるなど工夫する。


③ 細かい話ですが、総合計画や都市マスは上位計画なのですが、地域防災計画は上位と言えるか疑義があります。無難に「関連計画」としてはいかがでしょうか。また、「整合を図る」とはどのような行動なのでしょうか。整合を図るのは、留意事項だと思います。ここは、「整理する」として、「方針や施策検討において関連計画との整合性に留意する」等の表現が望まれます。


(2)上位計画等関連する計画との整合
 関連計画の自治体の総合計画や都市計画マスタープラン、地域防災計画などの上位計画との整合を図る


③ 細かい話ですが、総合計画や都市マスは上位計画なのですが、地域防災計画は上位と言えるか疑義があります。無難に「関連計画」としてはいかがでしょうか。また、「整合を図る」とはどのような行動なのでしょうか。整合を図るのは、留意事項だと思います。ここは、「整理する」として、「方針や施策検討において関連計画との整合性に留意する」等の表現が望まれます。


(3)対象とするリスクの検討
 自治体の地域防災計画や被害想定結果から、最新の災害リスク情報を収集する。被害規模、既往・関連計画における災害対策、地区特性等に留意し、災害及び対象地域を設定する。


④ 内容に合わせて、「災害及び対象地域の設定」としてはいかがでしょうか。


(4)防災都市づくりの基本方針
 防災を意識した都市づくりを推進することや多様な主体と協働すること等により地域防災力の向上を図る等、防災都市づくりの基本的な方針を定める。


⑤ 計画策定の基本的な流れは、現況把握・分析→課題把握・分析→方針・目標→施策検討の順になります。よって、後述の課題整理の後に基本方針がきます。

⑥ 問いは手順と留意点・工夫点です。これらは、例示ではなく留意事項としてまとめましょう。


(5)災害リスクを考慮した都市の課題
 考慮する災害リスクを踏まえ、都市の安全性を評価し、都市レベルや地区レベルの課題を整理する。
(6)防災都市づくりの具体的施策
 防災都市づくりのための具体的な市街地整備事業、災害リスク情報の提供等、地域防災力の向上を図る施策を位置づける。

3 関係者との調整方策
(1)庁内ワーキンググループ
 危機管理部門、都市計画部門、まちづくり部門間で情報共有、連携・調整を図る


⑦ 問いは、調整方策です。どのように連携・調整を図るのかを書きましょう。


(2)ワークショップ
 計画策定段階から住民参加を図り、地域の防災意識の向上を図る。 自治会単位で、小規模なワークショップを繰り返し実施し,事業実施の必要性等を共感して、共助の取組への合意形成を図る。


⑧ 問いは、調整方策です。論点がズレています。

⑨ →「共感してもらい」

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